工具製造技術と研削加工の専門技術展「GTJ2025」をレポート ~今年初開催「SiC,GaN加工技術展2025」も同時開催~

 

加工技術や業界トレンド満載! 主催者の意気込みも熱かった!

砥粒加工学会 研究発表コーナー

 この展示会は専門性が非常に高いことが知られているが、砥粒加工学会の展示コーナーも充実していた。最新の研削加工技術や、研削工具の計測、レーザ加工技術、超精密・微細加工技術、環境調和型加工技術など、参加校の研究室展示があり、見どころは豊富だった。

 また、特定のメーカーに相談しにくい案件や、アカデミックな方への意見を求めたいといったニーズに応えるために5名の専門家が駐在した〝研削コンシュルジュ〟が設置されるのもこの展示会ならでは。

業界トレンドをおさえた内容で好評だった砥粒加工学会 清水会長の講演

 3月7日(金)に行われたGTJ基調講演では、砥粒加工学会会長の清水大介氏(牧野精機社長)が、「日本の工作機械メーカーが取るべきニッチトップ戦略と産学連携のあり方」をテーマに講演した。日本の工作機械メーカーのほとんどが中小企業でありながら、特定分野で優れた製品・技術を持ち、顧客企業にとっても加工プロセスに必要不可欠な存在だが、その一方で新興メーカーの追い上げや、市場のグローバル化などによる競争の激化、さらには要求精度の超高度化などを背景に、混沌とした時代を生き抜くためのニッチトップ戦略や、産学連携のあり方などを解説し、業界トレンドをおさえた内容として好評を博した。

レセプションで意気込みを示す日本工業出版「機械と工具」 小山編集長

 なお、展示会初日に幕張メッセ国際会議場国際会議室で祝賀レセプションが開かれた。主催者である日本工業出版「機械と工具」編集長の小山 宏氏はあいさつの中で、「GTJは第1回目をより民間団体である切削フォーラム21に特別協賛団体として参加していただき、砥粒加工学会には特別協力団体として参加いただいた。今回第1回目を迎えたSiC,GaN加工技術展2025でも砥粒加工学会、応用物理学会、先進パワー半導体分科会に特別協力団体として参加いただいた。われわれは民間企業の製品や技術のPRの場としてビジネスに役立つだけでなく、アカデミックな方々にも積極的に参加していただき、様々なディスカッションを通して技術の発展に貢献して頂きたい。」と意気込みを述べている。
 
 

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