早期に定員オーバーとなってしまった貴重なコラボセミナーに特別潜入! ~三菱マテリアル×シチズンマシナリーがコラボセミナーを開催 ~切りくず絡みを抑制するLFV(低周波振動切削)技術で安定した連続加工を実現する加工のポイント~

 

圧巻のデモ加工見学!φ2.5㎜穴で100㎜の深さをノンステップで!?

デモ加工中

 

 

デモ加工の詳細を説明する三菱マテリアル 技術営業部 小物高精度コマンド室 江波室長

 デモ加工は中部テクニカルセンターに設置されているシチズンマシナリーの『Cincom L20ⅫB5』で行われた。あえて自動盤で切りくずが絡みやすいワーク形状を再現している。見学のポイントは、SUS304を三菱マテリアルの『DVASドリル』を用い、φ2.5㎜穴で100㎜というとんでもない深さをノンステップであける加工や荒加工において高切込み加工時のLFVの分断、仕上げ加工時の加工精度向上対策を見ることだ。

 使用されたドリルに注目したい。従来、油穴の形が丸穴なのに対し、4倍の吐出量を実現する〝TRI-Coolingテクノロジー〟を採用していることだ。

 外径の仕上げ加工で使用されたのは、すくい角が25°の新ブレーカ『FSF-Pブレーカ』MS7025。一般的な自動盤用工具で用いられる3次元プレーカの中では最もすくい角が大きく、加工面が美しく仕上がるという特長を持つ。ここでは、実際の加工精度を競合他社と比較し、面粗度の値などを自信たっぷりに示していた。

 

切りくずの違い

 

 最後にバック側で加工した背面の穴の繰り広げ加工には新製品『VQ4MVM』を使用。こちらはランピング加工が最大30°という強ランピング加工を可能にした多機能エンドミルだ。汎用使用でも充分な切削性能を誇る。どうしてもバック側のツールは取り付けポジションの制限等もあるのだが、これが1つの工具で穴が繰り広げられれば工程集約につながる。

 

 他にも「小物高精度加工向け切削工具への取り組みについて」も説明がなされた。三菱マテリアルでは、課題解決型製品創りをモットーにしており、ユーザーニーズから商品化に結びつけている。ソリューション提供も行っており、ライン診断や加工立ち会いなども実施し、現在、振動切削への対応なども提案し、次世代加工研究においても注力している。

 

2人の司会によりトークセッションでは意見交換が活発に行われ会場内の交流が促された

 デモ加工が終わると工場見学が行われ、その後、参加者にはなかなか体験できない焼結前の超硬素材(丸棒)に直接触れられる機会が設けられた。触ってみるとチョークほどの硬さ。力を加えるとポキッと折れるなんとも不思議な感触を体感した。

 三菱マテリアル 技術営業部の安中さん、シチズンマシナリー 名古屋ソリューションセンター 小林さんの司会によるトークセッションが行われた。

 

締めのあいさつをする三菱マテリアル 国内営業部 菅部長補佐

 最後に三菱マテリアル 国内営業部 菅部長補佐が、「今回のコラボセミナーは、募集を開始してわずか一週間も立たない間に定員オーバーになってしまったことから、LFVの注目度の高さを感じている。冒頭のあいさつにもあったが、元気な企業は他社にない行動をされている。三菱マテリアルにおいても低周波振動切削としっかり向き合い、また、分析を行って切削工具を開発していく。」と力強くしめくくった。
 
 

 

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