早期に定員オーバーとなってしまった貴重なコラボセミナーに特別潜入! ~三菱マテリアル×シチズンマシナリーがコラボセミナーを開催 ~切りくず絡みを抑制するLFV(低周波振動切削)技術で安定した連続加工を実現する加工のポイント~

 

切削工具から見たLFV加工のポイントとは?
 

切りくず問題に対応するポイントを説明する三菱マテリアル 技術営業部小物高精度コマンド室 宇佐美部長補佐

  

次に三菱マテリアル 加工事業カンパニー 技術営業部小物高精度コマンド室の宇佐美部長補佐が講義を行った。講義では、切りくずによる様々な不具合により連続的な稼働ができないなど、加工の厄介者である切りくずの悪さを例に挙げ、いかに切りくずを排出させるか、をポイントに説明がなされた。特に自動盤による外径加工時は細かく一転周期での分断が難しいという課題がある。

 同社はこうした問題に対応すべく、自動盤による外周加工向けブレーカシステムを有しており、宇佐美部長補佐は、『FS-Pブレーカ(3次元Br)』、『LS-Pブレーカ(3次元Br)』などの説明を行った。


 

新ブレーカのコンセプトは圧倒的な切れ味と微小切削で優れた切りくず処理、美しい仕上げ面!

 これらの工具の違いは形状にある。『FS-Pブレーカ』では、コーナR先端に突き出た突起物が、微小切り込みの切りくずカール径を抑制し、振動切削加工では分断した切りくずを排出する際にワークへの接触をコントロールする仕組みだ。

 一方、『LS-Pブレーカ』は、直線切れ刃で高切込み時の耐欠損性を向上している。いずれもシャープな切れ刃を誇り、ポリッシュ仕上げでピカピカな鏡面を持つ。これにより耐溶着性を大幅に向上させ切りくず排出性を高めているという。

 

 自動盤によるステンレス鋼加工による刃先温度比較についても説明があったが、LFV加工を有する場合、刃先温度は200℃まで。理由は刃先温度の上昇と低下・切りくずの脱着を繰り返すことによる。LFVが無いと刃先温度は2倍の400℃まで上昇。しかも刃先温度は高温のまま維持されるという。LFVを行うことで切りくずが熱を拡散する効果を発揮するのだ。

 

(次のページはいよいよデモ加工――)

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