【レポート】三菱マテリアル×エヌティーツール 「小物高精度加工」に特化したコラボセミナーを開催

自動車のEV化により自動盤の活躍の場は拡大している。EVは内燃機関がない分、モーターやインバーター、バッテリー制御系統の部品が重要になるうえ、軽量化・小型化が進むことから部品も精密で小さく、複雑な形状が求められている。EVの普及に伴い大量生産と安定品質の確保は重要課題であることから、三菱マテリアルとエヌティーツールが7月17日、三菱マテリアル 中部テクニカルセンター(岐阜県安八郡神戸町横井)で「小物高精度加工」に特化したコラボセミナーを開催した。
このセミナーは、①ワークの出来高や自動盤の稼働率を向上させたい、②加工精度で悩んでいる、③段取りに苦労している――――といった加工現場の課題を解決するノウハウを提供するもので、すぐに活用できる実践的な内容が特長だ。セミナーの内容をレポートする。
三菱マテリアル 中部テクニカルセンターは、大垣市の北約8㎞に位置する同社の岐阜製作所内に設置されている。同センターは、切削加工ユーザーの技術サポートを目的に、CAM/CAE解析・シミュレーション、切削試験や切削工具の評価・選定などの支援や、教育研修など切削工具をとりまく総合的な解決策を提供するとともに、講習会の実施なども行う〝加工現場の知的活動活性化機能〟を併せ持つ。

はじめにエヌティーツール 技術部 齊藤取締役があいさつをした。この中で齊藤取締役は、「製造業は大きな転換期を迎えている。その背景には自動車業界の変化がある。技術革新によってものづくりは従来同様のやり方では通用しない時代になった。こうした中で新しい分野への挑戦や高付加価値のあるものづくりへの転換が進められている。エヌティーツールは主に自動車産業とともに発展してきた経緯がある。2022年より本格的に旋盤の分野への取り組みを開始しているが、旋盤加工は機械だけでなく、切削工具やホルダなどの周辺技術の選定が技術や生産性において付加価値に影響を与える。」と述べた。