【レポート】三菱マテリアル×エヌティーツール 「小物高精度加工」に特化したコラボセミナーを開催 

 

自動盤用ハイドロチャックの説明 

エヌティーツール 田中副部長

 講義1のテーマは、エヌティーツールの営業部 田中副部長が「自動盤用ハイドロチャックのススメ」。

 エヌティーツールの特長は、自動車部品加工ユーザーをはじめとする量産部品加工分野に広く支持され、特に自動車メーカーでは高いシェアで採用されている点だ。2022年より旋盤用ツーリング新製品拡充を開始し、ラインナップを展開している。

 講義の中で田中副部長は、自動盤用ハイドロチャックとコレットホルダの違いを説明した。

 「自動盤の機内には、多くのツーリングがひしめき合っている。その中でソリッド工具のチャッキングに回転工具・旋削工具問わずコレットホルダが多く採用されている。その理由は、〝コレットを交換することで様々な径の切削工具をチャッキングできる〟非常に便利で汎用性の高いツーリング機器だからだ。」と、コレットホルダのメカニズムを説明したうえで、自動盤ユーザーが抱える問題点について以下を述べた。

 (1)機内での作業性が悪いため刃具交換に時間がかかる
 (2)刃具折損・穴曲がりなど加工穴の不具合
 (3)チャッキング時に刃具を引き込んでいくため、刃具突き出し寸法調整が難しい
 (4)チャッキング時に刃具が回り、フルート位置管理が困難。

 これら上記の問題は、「テーパコレットのシステム上の課題により、コレットホルダが起因となっている可能性がある。」と指摘、解決方法のひとつとして「自動盤用ハイドロチャックを使用することで解決できる。」とした。

旋盤用ツーリング新製品拡充を開始し、ラインナップを展開

 田中副部長によると、ハイドロチャックは操作ねじを締め付けることでホルダ内部の油を加圧し、刃具チャッキング部の薄肉箇所を弾性変形させ把握力を得る構造で、その特長は、①チャッキング時の刃具沈み込みなし、②レンチ1本簡単操作、③高い繰り返し精度、④短い突き出し長さ――の4つを挙げ、コレットホルダと比較した。

 コレットホルダは、キャップを回すことでコレットをホルダボディに押しつけ把握力を得るため、刃具突き出し調整が難しい、切りくず排出方向の管理が難しいなどのデメリットがあるが、一方の自動盤用ハイドロチャックは油圧によって刃具シャンク部円周方向から均一に把握力が加わる構造なので、「チャッキング時に刃具が沈み込まない」、「チャッキング精度が安定する」うえ、刃具に回転の力が加わらないことから、「切りくず排出方向を一定に管理」できるなどのメリットがあるという。

 そのほかにも「レンチ1本で操作できるので、作業性が良く、刃具突き出し調整が不要(プリセットスクリュ併用)という優位性がある。」と述べ、刃具交換作業時間の比較を次の通り説明した。

〈刃具交換作業時間〉
 ・コレットホルダ:約2分30秒
 ・ハイドロチャック:約55秒

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