機械振興協会 「第60回(令和7年度)機械振興賞受賞者」を決定 

 

 機械振興協会(会長=釡 和明氏)がこのほど、令和7度の機械振興賞の受賞者を決定した。今年度は37件(大企業9件/中小企業18件/小規模事業者6件/支援事業4件)の応募の中から、研究開発では、経済産業大臣賞1件、中小企業庁長官賞1件、機械振興協会会長賞7件、審査委員長特別賞1件、奨励賞4件、支援事業では、中小企業基盤整備機構理事長賞1件、奨励賞3件を表彰する。

 機械振興賞の表彰対象は研究開発では、独創性、革新性及び経済性に優れた機械工業技術に係る研究開発及びその成果の実用化により新製品の製造、製品の品質・性能の改善又は生産の合理化に顕著な業績をあげたと認められる企業等及び研究開発担当者、支援事業では、支援効果及び継続性に優れた支援事業により、機械産業技術に関わる中小企業が優れた成果を上げたと認められる支援機関及び支援担当者。

 「第60回機械振興賞」は、機械振興賞審査委員会(委員長=中島 尚正 東京大学名誉教授)において厳正な審査の上、決定した。なお、表彰式は令和8年2月20日(金)東京プリンスホテルで行われる。また、この日は機械振興賞創設60周年を記念してこれまで受賞業績の記念展示を併設する。

経済産業大臣賞(研究開発)

「舶用4ストロークアンモニア燃料機関の開発」
(株) IHI原動機

 

【選定理由】
 2023 年に開催された国際海事機関の会議で2050 年頃までの国際海運の地球温暖化ガス排出を実質ゼロにすることが合意され、化石燃料からアンモニアなど低CO₂燃料への転換が求められている。しかし、アンモニアは着火性が低く層流燃焼速度も遅いことから燃焼制御が難しく、毒性の問題や燃焼で発生するNOxやN₂Oの排出抑制も課題であった。本業績では、基本的な燃焼特性データの収集から開発を開始し、4サイクルエンジンとして動作させるための条件を見いだして、世界初のアンモニア燃料で駆動する船舶用エンジンを開発した。本開発では、予混合マイクロパイロット着火方式により、難燃性のアンモニア燃料においても安定した着火と燃焼を実現した。また、空気過剰率の適切な制御により、完全燃焼を促進し、燃焼の安定性を向上させるとともに、N₂Oの排出抑制を実現している。さらには、排気後処理装置を組み合わせることで、燃焼後の排ガスから有害物質を効率的に除去し、船舶の排ガス規制としては、最も厳しい基準の一つであるIMO NOx TierⅢ規制値以下に抑制した。これらの技術により、温室効果ガス発生をディーゼル運転と比べて90%削減し、2025年5月に開催された国際燃焼機関会議(CIMAC Congress 2025)にて、CIMAC会長賞を受賞するなど持続可能な社会の実現に貢献する技術基盤を構築した点を高く評価した。

 

中小企業庁長官賞(研究開発)

「ロスフィルムを熱劣化なく原料化するペレット再生装置の開発」
(株)マルヤス

 

【選定理由】
 即席麵の外装などの家庭用包装フィルムや農業用フィルムなどの製造工程では、フィルム両端部の約5~10%が端材となる。従来は高温溶融による再ペレット化を行っていたが、端材回収の手間や再生業者への委託費、高温による材質の劣化や異物生成などが問題であった。本業績では、製造ライン内で発生した帯状端材をライン内で回収・束ね、二つの送りローラー間で引張力を与え圧痕の付いたローラーで圧縮しながら、ねじりを加えて太さを調整後、裁断してバージンペレットに近い形状に整える。これにより、バージンペレットと均等に混ぜ合わせし易くなり、再生時に熱を加えないため熱による変色・変質を防ぎ黒点の発生や製品の色ムラなどの品質劣化を解消することが可能となった。さらに、変色・変質しない程度の温風加熱工程を追加し、ねじりを加えただけでは適用が困難であったフッ素フィルムや厚手ナイロン、不織布、繊維類にも対応可能とし、大幅に材料の適用範囲を広げた点を高く評価した。

 

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