機械振興協会 「第60回(令和7年度)機械振興賞受賞者」を決定
中小企業基盤整備機構理事長賞(支援事業)
「ものづくり技術力向上支援プログラム」
(株)山形銀行

【選定理由】
山形銀行では、2015年から「ものづくり技術力向上支援プログラム」を実施し、山形県内企業を中心に経営面と技術面の双方から多角的な支援を行っている。本取り組みを可能としているのは、山形県工業技術センター出身で異なる専門分野を有する5名を技術支援アドバイザーとして招聘へいして、県内の大学や同センターなど外部機関との協力関係を構築し、強固な支援体制を整備した点にある。加えて、同行独自の取り組みとして、支援企業に対し、財務内容と技術力の両面から事業性を評価のうえマトリクス化し、支援項目の優先順位を明確化する手法を導入している。支援効果は、定期的に財務内容と技術力の再分析を行い、マトリクスを更新することで確認され、銀行内で共有される。このことにより、支援先企業に対して必要に応じたさらなる技術力向上の提案を可能とし、優れた成果を実際に生み出している。また、その過程で設備導入による投資促進を通じて、県内GDPの向上や雇用確保にも寄与している点を高く評価した。
奨励賞(支援事業)〈50音順〉
「公設試験研究機関におけるDX推進支援」
群馬県立産業技術センター
【選定理由】
技術センター内デジタルソリューションラボ(DSL)を開設し、地域企業で課題となっているデジタル技術活用やDX推進のための最先端デジタル機器を整備した。DSLにおいては体験型見学会を行い、参加企業のデジタル化への動機付けを図っている。運営予算については県の予算だけでなく、企業版ふるさと納税でその一部を確保している。また、企業の資金的リスクについては国の補助事業等の競争的資金獲得支援を行うことで、資金の確保とリスク回避に繋げている。支援体制としては、企業のDXを推進するため1部門の3係、全職員の約1割をDSLに配置し、スターター役としての機能に特化している。またDSLは成果事例集の情報源としても活用され、DSL利用と成果創出のサイクルを産みだしている。
「中小企業の研究開発のチャレンジを後押しする支援スキーム」
(公財)滋賀県産業支援プラザ
【選定理由】
「ものづくり支援課」と「医工・成長産業振興課」という支援目的別だった縦割りの組織を統合して、企業ニーズに対してきめ細やかな支援がしやすい「イノベーション推進課」として支援体制を構築し、各課の企業支援履歴のデータを集約し、効率的な情報共有に努めている。情報共有により、企業の成長ステージに適した支援ができるほか、担当職員の異動があっても支援の継続性に影響が出ないようにしている。さらに、企業OBや県職員OBなど経験豊富な職員の知見を積極的に活用して支援に役立てている。企業相談を受けてから支援対応する「待ちの支援」から脱却し、県内企業をリストアップして、実際に訪問することで現場の声を反映した提案型支援を展開している。これにより、企業の競争力の源泉である「コア技術」を可視化し、コア技術の深堀りと新分野へのチャレンジを促している。その結果、Go-Techでの採択率は64%と全国平均31%を大きく上回っている。
「企業と協働の研究会等を通じた県内企業の生産性向上への支援活動」
栃木県産業技術センター
【選定理由】
企業と協働の研究会等を通じた県内企業の生産性向上への支援活動(栃木県産業技術センター)栃木県の戦略3産業(自動車、航空宇宙、医療福祉機器)の振興を図るため、①航空機産業の難削材加工の高効率化、②IoT・AI・ロボット等を活用した生産性向上、③デジタル技術を活用した試作開発等の効率化の取り組みを進めている。具体的には①についてはTi 合金加工へのMQL(Minimum Quantity Lubrication)加工を企業とともに研究し、工具寿命が一般的な高圧クーラントを供給した場合の3倍以上となることを確認した。②についてはIoT 技術活用研究会(現 スマートものづくり研究会)やWG設置による技術者育成を行い、各社でシステム導入に向けて取り組んでいる。③については、金属3Dプリンタと3DCADを導入し、試作品開発の効率化を支援する取り組みを進めている。これら地元産業に結び付いた技術研究を地元企業とともに行うことで、技術センターの研究成果の利用が促進され、県内企業の生産性も向上している。


