主戦場は準ハイエンドへ ~「TMTS2026」に見る日台の競争軸~

 

日本勢の課題、競争と補完、そして主戦場の移動

ハイウィンはヒト型ロボットでの導入例をアピールした

 

 日本の工作機械メーカーは半導体や航空宇宙向けなど、難削材での超精密加工が求められる分野で高い評価を維持している。一方、準ハイエンドから中価格帯では、価格や納期、仕様対応で台湾勢と競合する場面が増えている。TMTSに来場した業界関係者の間では「海外市場で中間領域の戦いが厳しくなった」との見方が広がる。 

 日台の関係は単純な競争ではない。台湾側は高精度の部品や数値制御装置(NC)、測定機器で日本に依存する部分があり、日本企業にとっても台湾の供給力は重要だ。相手先ブランドの生産(OEM)など、両者は競争しながらも補完関係にある。

 TMTS2026を通じて見えたのは、主戦場の移動だ。超高精度を競う領域でも、価格だけで争う領域でもない。精度、コスト、自動化、導入スピードを組み合わせた準ハイエンド市場が、現在の戦場の中心になりつつある。東台と永進の提携がその一例だ。足元では中国メーカーに追い上げられ、見上げれば韓国、そしてそのさらに上には日本や欧州の工作機械メーカーが盤石の地位を占める。

 台湾メーカー各社は今、工作機械の世界市場での位置取りで大きな決断を迫られている。強みとされてきた中国市場での地位が脅かされ、ボリュームゾーンでもあるミドルクラス市場での存在感が薄れつつある。加工精度の高さを打ち出しても日本の大手メーカー製には及ばず、手ごろな価格をアピールせざるを得ない。こうした市場動向に危機感を覚えた台湾勢が、出自の違うメーカー同士が協力し、日本の中堅メーカーが手掛ける準ハイエンド機市場に打って出るしかないと判断したのは当然の流れと言える。

 会場で聞かれた「機械単体では差がつきにくくなった」「海外市場で中間領域の戦いが厳しくなった」という声が、その変化を端的に示している。日本の中堅工作機械メーカー各社は今後、台湾メーカーの挑戦にどう向き合い、どう立ち向かうのだろうか。
 

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