【レポート】INTERMOLD(大阪)(名古屋) 鍵は「資源効率の最大化」

 

 

 4月15日(水)から17日(金)までインテックス大阪で、5月20日(水)から22日(金)までポートメッセなごやで「INTERMOLD/金型展/金属プレス加工技術展2026」(主催=日本金型工業会/テレビ大阪)が開催された。展示会場では、製品や技術の話題と並んで、原材料や資材の供給不安を懸念する声が目立った。(取材は大阪・名古屋で実施)

 金型メーカーからは、タングステン価格の急騰に対する悲鳴にも似た声が相次いだ。さらに中東情勢の悪化により、グリースや切削油、潤滑油など生産活動を支える資材の供給不安も広がっている。需要そのものは決して悪くないが原材料や消耗品の調達リスクが高まるなか、本業とは別のところで精神的苦痛を感じている方も多かった。このような状況下でいかに安定して生産を継続するかが課題となるが、会場内では、各社が磨き挙げてきた独自技術が随所に見られ、厳しい環境変化を乗り越えるための知恵と工夫が感じられた。

工程集約で無駄を省く

 近年、地政学リスクに振り回され、先が読めない製造業。以前は、スピーディーに精度良くものを加工することが王道だったが、今では、人が足りない、材料が高い、工具も高い、エネルギ-も高い、供給が読めないといった時代に突入している。現在、現場が不足しているのは「受注」ではなく、企業の経営を支えるヒト・モノ・カネといった〝資源そのもの〟になりつつある。

 これらを考えると、①工具寿命の延長、②AIによる加工条件最適化、③自動化、④予知保全、⑤省エネ、⑥脱炭素、⑦クーラント削減などは、貴重な資源を無駄にしない重要技術につながっていると言えるだろう。

アマダプレスシステムは工程をシステム化することで省エネを実現。段取理事官や搬送ロスを削減する仕組みを展開

 工程をシステム化し、最適化を実現した結果、省エネにつながることを見せてくれたのはアマダプレスシステム。「SDEW-8010iⅢ」と「ALFAS-03KR」を組み合わせた順送プレス加工自動化システムで、工程集約による高効率生産を実現。プレス機と周辺装置を一体制御することで、段取り時間や搬送ロスを削減する仕組みだ。さらにECO & SILENT機構によりエア消費量低減にも貢献し、省エネ性を高めている。昨今のエネルギーコスト上昇を考えると加工コスト低減に効果があるうえ、オペレータ依存を減らすと同時にミスも減らせるので、人手不足や技能継承問題の解決にも貢献できる仕組みであった。

データを活用して効率的に現場を回す仕組みへ

オーエスジーは限られた人材と資源を最大限活かすためのDXを披露

 人手不足や資材高騰が長期化するなか、製造現場では「経験と勘」に頼った運営から、データを活用して効率的に現場を回す仕組みづくりへの転換が求められている。オーエスジーが提案していたのは、単なるデジタル化ではなく、〝限られた人材と資源を最大限活かすためのDX〟である、「MONOlithbox(モノリスボックス)」。工具を含めた生産資源をいかに無駄なく管理するかという課題に対し、同製品は、必要な機能に絞り込むことで、工具のバーコードをスキャンするだけというシンプルな操作性を実現している。工具の使用状況や在庫を“見える化”することで、発注漏れや過剰在庫を防ぎ、限られた人材でも安定した現場運営を支援する点が魅力だった。
 

データドリブン型へ生産体制の変換が進んでいるなか、ブルーム-ノボテストの取り組みは注目を集めている

 工具コストの上昇は、単なる調達問題にとどまらず、「いかに工具を長く使い切るか」という加工現場全体のテーマへと発展している。こうした中、注目を集めているのがデジタル技術を活用した加工条件の最適化だ。切削速度や送り量、切込み量などを加工データに基づいて最適制御することで、工具摩耗を抑制し、寿命を最大化するのが狙いだ。

 熟練者の経験に依存した加工条件設定から、データドリブン型の生産体制の変換が進む流れの中で現在、存在感を高めているのがブルーム-ノボテストである。同社は、工作機械向けの機上測定システムや工具計測技術を強みとしており、加工中の工具状態や寸法変化をリアルタイムで把握できる技術を展開している。今回展示していた新製品は、工具長や工具径、摩耗状態を機内で自動測定する超小型の高精度レーザー測定システム「LC54-DISILOG」。AIによる加工条件最適化と極めて相性が良い。実際の工具状態をデータとして取得し、それを加工条件へフィードバックすることで、「工具を破損するまで使う」ことなく、「最も効率良く使い切る」ことが可能になる。

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