切削工具は経営資源へ 利益を生み出す『CoroPlus®ツールサプライ』の実力 ~サンドビック コロマントカンパニー 河田デジタルマシニングスペシャリストに聞く~

 

 

 タングステン価格の高騰に加え、人手不足や地政学リスクの高まりにより、製造現場を取り巻く環境は一段と厳しさを増している。とりわけ切削工具の位置付けは大きく変化しており、もはや単なる消耗品ではなく、生産能力や加工品質、利益率、さらには供給リスクにも影響を及ぼす重要な経営資源となった。こうしたなか、現在、注目を集めているのが工具在庫管理システムである。工具を探す時間の削減や在庫の適正化によるコスト低減に加え、運転資金の圧縮にも貢献するなど、その役割は単なる管理業務の効率化にとどまらない。厳しさを増す経営環境のなか、収益力向上や競争力強化を支える施策として、その重要性は高まっている。

 「利益の鍵を握るのは工具棚工具の在庫と使用状況の見える化です。」と語るのは、サンドビック コロマントカンパニーの河田デジタルマシニングスペシャリスト。同社の強みは切削工具を販売するだけでなく、製造現場の可視化まで含めたトータルソリューションを提案する点にある。今回、デジタルソリューション『CoroPlus®ツールサプライ』の重要性について話を聞いた。

工具を探す時間が利益を奪う

 同社が調査した一般的な加工現場の実態について河田氏は「工具の在庫や使用状況を把握しきれていないことが多い。」と指摘する。加工現場に潜む無駄についても、業務時間の約20%が工具の探索に費やされるほか、発注ミスや漏れなどによる工具不足で加工が停止し、生産計画に影響を及ぼすケースもあるという。また、極端な例では在庫工具の約80%が実際にはほとんど使用されていない状況も確認されている。


「見えない無駄が現場の生産性や収益性を圧迫している。」と警鐘を鳴らす河田氏。こうしたことから、同社では、工具在庫や使用状況の見える化と在庫補充のための発注に伴う作業の自動化ができれば、大幅な省力化とコスト削減の両立ができるとして、デジタルソリューション『CoroPlus®ツールサプライ』を提案している。これは、労働人口の減少で人手不足が深刻化するなか〝工具を探す時間〟や〝現場で在庫数を確認する時間〟を削減し、〝眠っている在庫〟を可視化することで、現場に埋もれた〝利益〟を掘り起こす仕組みだ。加工のデータ活用が進む一方で、工具の運用実態が見えないままでは真の生産性向上は難しいのである。

 河田氏に聞いた加工現場の工具在庫管理を見直すポイントは次の通り。

(1)購入した工具やその他消費財の在庫や保管場所は管理されているか。
(2)管理方式はデジタル化されているか。
(3)在庫量は適切か。
(4)在庫の補充注文はどのように行っているか。
(5)関連部品の注文はどのように行っているか。

個別に注文ポイントを設定して自動発注が可能

 「これらを見直すことで、工具の運用実態が可視化される。」と河田氏。『CoroPlus®ツールサプライ』の導入メリットは、工具の所在や在庫数を把握できることだけではない。「いつ」「どの工具を」「どれだけ使用したか」といった情報を蓄積・分析できる点にある。

 これにより、過剰在庫や重複購入を防止できるほか、使用頻度の高い工具を把握し、適正在庫の維持につなげることが可能になる。また、工具の消費傾向を可視化することで、発注業務の効率化や欠品による生産停止リスクの低減も期待できる。

 さらに河田氏は、「工具の使用実績データを活用することで、工具費の改善にもつなげることができる。工具の〝見える化〟は、これまで現場に埋もれていた情報を経営資源として活用することを可能にする。」と説明する。その結果、改善を行うべき領域を明らかにし、工具費低減やコスト削減、利益率改善につながり、企業の収益力強化にも貢献するという。

 同システムでもう一つ注目したいのが、発注に伴う作業の自動化機能だ。工具在庫の各アイテムに個別の発注点を設定でき、あらかじめ定めたルールに基づく注文リストの自動作成にも対応する。これにより、担当者が在庫状況を逐一確認しながら発注業務を行う必要がなくなり、在庫確認や注文入力に費やしていた時間を大幅に削減できる。

工具管理業務の省力化と在庫の最適化を同時に実現!

 加えて、蓄積された工具使用データを活用することで、発注数量の最適化も可能となる。人手不足が深刻化するなか、工具管理業務の省力化と在庫の最適化を同時に実現できる点は大きな強みだ。

 加工のデータ活用が進む時代において、切削工具の存在が不可視のままでは十分とはいえない。工具の運用実態をデータとして把握・活用することは、生産性向上だけでなく、企業の競争力強化にもつながる重要な取り組みなのだ。

 

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