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〈平成30年 年頭所感〉DMG森精機/オーエスジー/日立建機

「よく学び、よく働き、よく遊ぶ」
DMG森精機株式会社 取締役社長 森 雅彦

 新年明けましておめでとうございます。

 昨年は、世界中でのテロ事件勃発、北朝鮮のミサイル発射といった地政学的リスクの高まりや、米政権交代による国際政治の不安定化、国内大手企業の品質改ざん問題で、動揺・不安の多い一年となりました。一方で、日経平均株価がバブル崩壊後の最高値を更新し、当社も好調な受注環境および為替差益により、統合後最高の売上高を見込んでおります。9月のドイツ・ハノーバーで開催されたEMO2017では、過去最高額の引き合い・受注を達成する事が出来ました。同9月、ドイツでカールツァイス社やデュル社などと提携して、ジョイントベンチャーADAMOS(ADAptive Manufacturing Open Solutions)社を設立いたしました。同社はオープンな産業用IoTプラットフォームサービスを提供する企業として、どのベンダーからも中立の立場で最新のIT技術と業界知識の融合を推進します。

 2016年8月にドミネーション・アグリーメントが発効され、完全一体経営の深化が始まりました。部品共通化、機種統合、CRM、サービス・パーツシステム、グローバル生産を最適化しました。伊賀工場で生産している自社内製主軸「マスターシリーズ」を今春より全対象機種に標準採用してまいります。さらに、グループ会社であるマグネスケール製「スマートスケール」の全機種標準搭載を、制御システム強化による加工時間短縮・省エネを実現する「グリーンモード」の標準装備を推進してまいります。

 EV化、AI化、高齢化といった市場変化に伴い、当社では製品の5軸化、複合化、自動化をさらに拡充してまいります。さらに、テクノロジーサイクル、周辺機器メーカーとの連携、IoTを駆使し、お客様のお悩みを一手に引き受けるトータルソリューションプロバイダを目指します。

 また、「よく学び、よく働き、よく遊ぶ」をモットーに、コアタイム制や在宅勤務のさらなる活用で、全従業員の有給休暇20日取得を徹底いたします。また、4月には社内託児所を開園、定年年齢も従来の60歳から65歳へと延長し、社員のワークライフバランスの充実を図ります。

 本年も、世界中のお客様に、優れた品質の製品を最善の納期とサービスでお届けすべく、尽力して参ります。引き続き変わらぬご支援、ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

「スマートファクトリーで需要増加に対応」
オーエスジー株式会社 代表取締役社長兼CEO 石川則男

 2018年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 昨年は北朝鮮ミサイル問題に振り回され、地政学リスクが大きくクローズアップされた一年でしたが、世界経済は中国経済の回復、好調な米国経済に引っ張られる形で日本及び他の地域の経済も好調に推移しました。10月にはIMFが世界経済の見通しを上方修正し、日本政府も日本経済はいざなぎ景気を超えたといった発表もされました。しかしながらそろそろ景気もピークに近づいており、何か一つのきっかけで一気に冷え込む懸念も捨てきれないと思います。

 そのような状況下、当社は創立80周年の年を迎えました。ここ数年間、販路拡大に努めたこともあり、新たなニーズを中心に受注は大きく伸びました。当社のビジネスモデルである多品種小ロット生産はユーザーニーズの広がりとともに増える一方であり、その反面、それに伴うコストアップに対する取り組みも大きな課題となっています。需要に応じ小口ラインと量産ラインを組み替えるフレキシブルな体制確立のためIOTを駆使したスマートファクトリーで対応したいと考えています。80周年の年を「成長元年」と位置付け、全社、全グループにスマートファクトリーを目指したスマートラインを拡大する一年にしたいと思います。

 最後になりますが、日本経済の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。

「日立グループの総合力で大きな変化に対応していく」
日立建機株式会社 代表執行役 執行役社長兼取締役 平野耕太郎

 あけましておめでとうございます。新年を迎えるにあたり一言ご挨拶申し上げます。

 昨年は、地政学的にも経済的にも色々な問題が浮き彫りになった1 年でした。その様な中でも、建設機械市場の状況は全体に回復傾向に入り、堅調なインフラ投資や、新車買い替えニーズ等から、グローバルで需要増となり、またマイニング市場においても、資源価格の安定による新車需要の増加が一部地域でみられる等、全体的に回復傾向にありました。2018 年も引き続きこの様な状況が続くものと期待しております。

 この様な市場環境の下、お客様のニーズは、大きく、しかも速く変化しています。一つには「モノからコト」への変化です。質の高いサービスやレンタル、高品質の中古車需要、さらにIoT やICT の技術を活用し、安全・生産性の向上を図ると同時にライフサイクルコストを低減したいというご要望が高まっており、ハイブリットやEV へと環境重視の流れも世界的な潮流となっています。

 お客さまのメーカーに対するご要望は、高品質で高機能な製品の供給のみならず、一緒に課題を解決するソリューション提案へと大きく変わってきています。

 我々日立建機グループは、2017 年度を初年度とする新中期経営計画「CONNECTTOGETHER 2019」に取り組んでいます。こうしたお客さまのご要望の一歩先を見据えて、日立グループの総合力で大きな変化に対応していくと同時に、引き続き収益向上のための施策を進め、ステークホルダーの皆さまのご期待に応えていく所存です。

 最後になりましたが、新しい年2018 年が皆さまにとって平和で穏やか、そして明るい年
になることを祈念して、年初のご挨拶とさせていただきます。

オーエスジー、電通国際情報サービス、伊藤忠テクノソリューションズ 3社共催で切削加工技術セミナーを開催

 去る12月20日、オーエスジー、電通国際情報サービス、伊藤忠テクノソリューションズの3社共催で「Smart Toolを利用した加工の最適化」をテーマにした切削加工技術セミナーがオーエスジー本社(愛知県豊川市本野ヶ原)で開かれた。

 セミナーに先立ち、オーエスジー加工技術グループ 今泉悦史課長が、参加者にお礼の言葉を述べたあと「最近は工具の情報、工程等、様々なものがシステム化する流れとなっている。本日はその一部を紹介する。オーエスジーは15年以上、特に金型メーカーで培ったびびりについて切削条件に反映したノウハウを、有料化して市場に提供している。今回は工具の情報を操作性のよいCAMに反映させ、オペレーションの効率化や、最適化ソフトであるProduction Moduleを活用し、さらに加工能率アップをするといった流れを実際に加工実演を交えながら紹介する。技術商談会では技術スタッフにぜひいろいろ相談していただき、帰られた時には皆様のお仕事にお役に立っていればと思う。」とあいさつをした。

デモルームでの様子
デモルームでの様子
 加工技術に携わる方を対象にしたこのセミナーは、最新のITソリューションを用いた加工最適化方法について説明したもので、オーエスジーからは、最適工具・切削条件の選定方法に関する課題と解決方法の事例や切削条件算出ソフトKC-TOOLを用いた加工ノウハウ構築に関する話題を、電通国際情報サービスからはシーメンスNX最新情報としてNX CAM統合加工ソリューションiMachining for NXの特徴やメリットについて、伊藤忠テクノソリューションズからは切削加工シミュレーションProduction Moduleを活用したCAEによる加工条件検討事例を紹介した。

 

三井精機工業が「MTF2018」を本社、名古屋、大阪でそれぞれ開催 ~工作機械の目玉展示は5軸マシニングセンタ「Vertex」の新型!~

 三井精機工業(社長=奥田哲司氏)が、プライベートショー「MTF2018」を、1月23日(火)~24日(水)同社本社工場、1月30日(火)~31日(水)ポートメッセ名古屋2号館、2月6日(火)~31日(水)花博記念公園鶴見緑地「水の館」(ハナミズキホール)にて開催する。 工作機械の展示の目玉は、5軸立形マシニングセンタ 「Vertex」の新型。「Vertex」は55、75の2機種のシリーズで展開していたが、今回は新たに75の上のサイズを開発した。 同社の広報は、「航空機エンジンに使われる大型のブリスクの加工に対応する高精度でコンパクトな加工機を作ってほしいというユーザーからの要望に応えたものです。今回は参考出展で、発売時期等は未定ですが、皆様にご覧いただき、ご意見を賜りたいと思います。また、Vertex75Xは”II"から”III"にバージョンアップいたします。既に55Xは"III"になっていますが、55Xの改良点をそのまま75Xにも踏襲しました。」とコメントしている。 主なバージョンアップのポイントは「ベッド剛性の向上による3次元微小線分プログラムの加工面性状の改善、センサーの増設と補正アルゴリズムの改善による主軸熱変位補正機能の精度向上など」とのことだ。 一方のコンプレッサは、オイルフリー・インバータ・タイプの「i-14015AX-R」とオイル式インンバータ・タイプの「ZgaiardX(ジーガイヤX) 」、55と75が新製品。

特別セミナーに注目!

 今回のMTFはセミナーが充実している。工作機械、コンプレッサに関するセミナーも当然行うが、3会場共に「特別セミナー」を実施、貴重な講演内容となっている。●1月24日(水) 10:30~11:30 本社会場「夢への挑戦、そして数々の困難を乗り越えてつかんだ成功」~ホンダジェット用小型ジェットエンジン開発の軌跡~(株)本田技術研究所 森岡武 氏世界でも他に例がない自動車メーカーがつくったビジネスジェット機「HondaJet」。機体は自主開発、エンジンもGEと共同開発に成功するという快挙を成し遂げた。講演では、ホンダジェット用エンジン開発の黎明期から携わってきた森岡氏が、開発の苦労話、失敗談、楽しかったことなどを交えて成功に至る道のりを語る。ものづくりに携わるすべての方々に聞いていただきたい貴重な内容となっている。●1月31日(水) 10:30~11:30 名古屋会場「次世代に向けた新しい設備づくり ~3Dツールの活用と働き方改革~」トヨタ自動車(株)メカトロシステム部 部長 鈴木健文氏 世界的企業として名高いトヨタ自動車が考える、次世代を見据えた新たな設備づくりについて講演する。●2月7日(水) 10:30~11:30 大阪会場「タイトル未定(民間大型旅客機エンジンについて講演予定)」川崎重工業(株) ガスタービン・機械カンパニー ガスタービンビジネスセンター生産総括部 総括部長 三島悦朗氏【本社 川島会場】日時:2018年1月23日(火)10:30~16:00 / 24日(水)10:00~16:00場所:三井精機工業本社工場(埼玉県比企郡川島町八幡6-13)【名古屋会場】日時:2018年1月30日(火)10:30~16:30 / 31日(水)10:00~16:00場所:ポートメッセなごや 2号館(愛知県名古屋市港区金城ふ頭2-2)【大阪会場】日時:2018年2月6日(火)10:30~16:30 / 7日(水)10:00~16:00場所:花博記念公園鶴見緑地『水の館』 (ハナミズキホール:大阪府大阪市鶴見区緑地公園内)

第15回(平成29年度)新機械振興賞受賞者が決定

 機械振興協会(会長=釡 和明氏)がこのほど平成29年度の新機械振興賞の受賞者を決定した。 今年度は29件(大企業9件/中小企業7件/小規模事業者13件)の応募の中から、経済産業大臣賞1件、中小企業庁長官賞1件、機械振興協会会長賞6件、審査委員長特別賞2件が表彰される。 新機械振興賞は、従来の機械振興協会賞(昭和40年度創設)と中堅・中小企業新機械開発賞(昭和45年度創設)を統合し、平成15年度に発足したもので、今回は第1回の機械振興協会賞から数えて52回目にあたる。平成26年度より業界団体等からの推薦のほか、自薦での受付を開始し、また小規模事業者を対象とした審査委員長特別賞を新設した。 新機械振興賞の表彰対象は、独創性、革新性及び経済性に優れた機械工業技術に係る研究開発及びその成果の実用化により新製品の製造、製品の品質・性能の改善又は生産の合理化に顕著な業績をあげたと認められる企業等及び研究開発担当者である。 第15回新機械振興賞は、新機械振興賞審査委員会(委員長 吉川弘之 国立研究開発法人 科学技術振興機構 特別顧問)において厳正な審査の上、決定されました。 表彰式は平成30年2月7日(水)、機械振興会館ホール(地下2階)にて、午後3時から行われる。■経済産業大臣賞「レーザー円形操作溶接法を用いた車体骨格開発」トヨタ自動車(株)■中小企業庁長官賞「高精細ディスプレイ向け極微量・高精度・平坦化塗布装置の開発」AIメカテック(株)■機械振興協会会長賞「額縁レス表示が可能な押ボタンスイッチ」NKKスイッチズ(株)「ロボット位置決めによる高精度打ち抜きプレス加工装置の開発」(株)サンコー技研(小規模事業者)「スライス肉自動盛付スライサーの実用化」(株)日本キャリア工業「高感度と低ダメージを両立するレーザ照射式ウエハ検査装置」(株)日立製作所/(株)日立ハイテクノロジーズ「作業者負担を軽減した立ち植え式長いも植付機」(株)フクザワ・オーダー農機/三陽商事(株)(小規模事業者)「水素間接冷却による世界最大出力900MVA級タービン発電機の開発と製品化」三菱電機(株)■審査委員長特別賞「空気対流を利用した壁掛け式屋外AED収納ボックス」飯田電子設計(株)「超音波の応用技術によるバリ取り洗浄装置」(株)ブルー・スターR&D

タンガロイが「TungMeister」(タング・マイスター)にねじ切りヘッドを拡充

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、高能率ヘッド交換式エンドミルシリーズTungMeister(タング・マイスター)にねじ切りヘッドを拡充し、このほど全国で販売を開始した。この製品は既に好評を博しているTungMeisterシリーズの既存シャンクが使用可能で、多様なねじ加工に対応可能なラインナップである。

 TungMeisterねじ切りヘッドは、マシニングセンタや複合加工機で工具を回転させながらヘリカル加工によりねじを加工する工具。従来使用されてきたタップに対して、加工負荷が低いだけでなく、切りくずトラブルを防ぐことができる。さらい刃付ヘッドは、1種類の工具で呼び径違いのねじを加工でき、またさらい刃無しヘッドは異なる呼び径と複数ピッチの加工を共有できるため、工具集約が可能。ヘッド交換式とすることで工具交換時間の短縮に伴う、機械停止時間の大幅な削減が可能となった。
 主な特長は以下の通り。

●多様なねじ種に対応可能
・さらい刃付仕様
 ISOメートルねじ加工用ヘッド (ピッチ:0.75~3.0mm)
 ユニファイねじ加工用ヘッド(山数: 8~24)
 ウィットねじ加工用ヘッド(山数: 11~19)
・さらい刃無し仕様
 60°普通刃仕様ヘッド (ピッチ:0.5~4.5mm)
 55°普通刃仕様ヘッド (山数:11~14)

●工具交換時間の短縮により、機械停止時間の大幅な削減が可能
●既存のTungMeister用のシャンクから加工形態に応じた最適なシャンクを選択可能
・鋼シャンク
・超硬シャンク
・油穴付きタングステンシャンク

■主な型番と標準価格(いずれも税抜価格)
●ヘッド
・VMT100L06IS07-4S05 AH725:32,500円
・VMT160L12IS30-3S08 AH725:51,700円
・VTR160L12IS05-3S06 GH130: 6,610円
 全アイテム:ヘッド25形番

豊田自動織機と日立建機がホイールローダOEM取引を開始

ジョブファイター
ジョブファイター
 豊田自動織機(社長=大西 朗氏)と日立建機(社長=平野耕太郎氏)は、日立建機製ホイールローダのOEM取引契約を締結し、2018年4月より全国40社のトヨタL&F取扱店を通じて順次販売を開始する。

 今回対象となるホイールローダは、運転質量2トンから15トン、バケット容量0.3m3から3.0m3までの小型・中型クラス計10機種となる。各クラス最新の排出ガス基準への適合、低騒音型建設機械指定機であることはもちろんのこと、万が一の転倒事故や落下物からオペレータを保護するためのROPS・FOPSキャビンを選択可能で、安全面に配慮した製品となっている。また、オペレータが広い視野を確保できるよう、ガラス接合部をピラーレス化したワイドパノラマキャビンを採用することで、操作性も向上している。

 豊田自動織機は、これまでも小型ホイールローダをトヨタL&F取扱店を通じて販売していたが、近年の国内ホイールローダ市場が、小型クラスに加えて、土木建設業や産業廃棄物処理業を中心とした中型クラスも増加傾向にあり、今まで以上に幅広い品揃えが求められている状況を踏まえて豊富なラインアップを有する日立建機からOEM供給を受け、小型・中型クラスのラインアップ拡充を図る。

 一方、日立建機グループは、中期経営計画「CONNECT TOGETHER 2019」において、主力製品である油圧ショベルに続く製品として、ホイールローダ事業の強化に取り組んでいる。今回の物流関連の顧客を得意とする豊田自動織機へのOEM供給をはじめ、ホイールローダ事業の安定的かつ持続的な成長をめざしている。

 豊田自動織機と日立建機は、両社で共同開発したモータ一体型のハイブリッドエンジンを、日立建機のハイブリッド油圧ショベルZH200-6(2017年9月1日発売)に搭載し、現在好評販売中である。今回、ホイールローダでも協業し、互いの強みを持つ技術や製品・コンポーネントを相互に提供し合うことで、両社の更なる事業強化を図っていくとしている。

2017年11月分工作機械受注総額は1585.0億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2017年11月分の受注実績は以下の通り。 2017年11月分工作機械受注総額は、1585.0億円(前月比+12.7% 前年同月比+46.8%)となった。初の1500億円超で過去最高額を2か月ぶりに更新(17年9月1491憶円。国内外の旺盛な需要に加え、大口受注が寄与。1000憶円超は13カ月連続。 内需は543.2億円(前月比△4.2% 前年同月比+20.8%)で、9カ月連続の500億円超。11月の500憶円超はリーマンショック以降で初。自動車や半導体関連など主要業種を中心に堅調。外需は1041.7億円(前月比+24.1% 前年同月比+65.4%)で、初の1000憶円超で過去最高額(従来:14年12月961.0憶円)中国の大口受注が押し上げるも、主要3極とも高水準の受注が継続。 国内外ともに今後も堅調に推移するものと期待。他方、各種海外リスクや、部品調達難に伴う納期の長期化などを注視。

11月分内需

543.2億円(前月比△4.2% 前年同月比+20.8%)。・3カ月ぶりの550億円割れも、9カ月連続の500憶円超。・前月比2カ月連続減少。前年同月比は10カ月連続増加。・11月としてはリーマンショック以降の最高額。国内需要は堅調持続。① 一般機械  227.7億円(前月比△8.6% 前年同月比+37.1%)  うち金型   23.2億円(前月比△9.1% 前年同月比+10.9%)② 自動車   178.6億円(前月比+0.9% 前年同月比+7.2%)  うち部品   127.4億円(前月比+4.2% 前年同月比+18.6%)③ 電気・精密 55.5億円(前月比△1.8% 前年同月比+44.6%)④ 航空機・造船・搬送用機械 15.3億円(前月比+13.9% 前年同月比△28.7%) 

11月分外需

1041.7億円(前月比+24.1% 前年同月比+65.4%)・初の1000憶円超で、過去最高額(従来:14年12月961.0憶円)・前月比2カ月ぶり増加。前年同月比12月連続増加。・アジアは中国の大口受注があり大幅増。欧州も高水準の受注が継続。① ア ジ ア:568.9億円(前月比+49.1% 前年同月比+147.2%)・東アジア:487.4億円(前月比+60.1% 前年同月比+154.6%)〈韓 国〉46.0憶円(前月比+24.4% 前年同月比+95.0%) 〈中 国〉412.1億円(前月比+73.0% 前年同月比+167.3%)・その他アジア81.4億円(前月比+5.6% 前年同月比+110.6%)〈イ ン ド〉24.1億円(前月比△18.9% 前年同月比+151.2%) 欧 州:197.1億円(前月比△18.9% 前年同月比+151.2%)〈ド イ ツ〉57.5億円(前月比+31.8% 前年同月比+24.5%)  〈イタリア〉34.8億円(前月比△9.9% 前年同月比+98.6%) ② 北   米:257.2億円(前月比+12.3% 前年同月比+47.9%)〈アメリカ〉220.9億円(前月比+12.1% 前年同月比+43.8%)〈メキシコ〉 20.6億円(前月比+31.5% 前年同月比+143.3%)

ヤマザキマザックが「TOUCH THE FUTURE 2018」を開催 ~3,200名を超える来場者が足を運ぶ~

 ヤマザキマザックが11月30日(木)から12月2日(土)までの3日間、美濃加茂製作所・ワールドテクノロジーセンタにて、「TOUCH THE FUTURE 2018(TTF2018)」を開催した。

 進化した3D金属積層造形などの付加加工技術や、最先端のIoT技術「Mazak iSMART Factory™」、同社のフラッグシップモデルであるINTEGREXシリーズの中から注目の新製品「INTEGREX i-500」、金型や微細・精密加工に特化した高速・超高精度 同時5軸加工機「UD-400/5X」、航空機部品などの高速・高精度加工を実現する 同時5軸横型マシニングセンタ「HCR-5000S」、多品種少量生産の自動化を一台で実現する 多段式ワークチェンジャー搭載 小型同時5軸加工マシニングセンタ「VARIAXIS i-300 AWC」等、国内初お披露目を含む最新鋭機種を多数展示した。

加工の解決策はここにあり!

中西常務執行役員営業本部長
中西常務執行役員営業本部長
 中西正純常務執行役員営業本部長は工作機械業界の景況について、「日本工作機械工業会が発表した工作機械の受注見通しは年初に想定した1兆3,500億円から1兆5,500億円と上方修正され、2016年実績1兆2,500億円に対して24%増の予想となっている。過去最高だった2007年1兆5,900億円に次ぐ受注レベルだが、1月~10月の累計受注額がすでに1兆3,212億円であり、11月も好調であった。12月もこの調子で推移すれば年間見通しの1兆5,500億円は達成できるか、あるいはそれを超える結果になるだろうと予想される方も多くおられる。」と明るい見通しを示し、受注が好調な要因については、「為替が昨年終盤より円安に推移し、EMS関連特需の発生、車の電子・電動化の加速、好調な半導体産業や欧州市場の好調維持、中国市場の好転などが考えられる。」とした。その一方で、「生産には苦労しているという実情がある。一部の部品が長納期化しており、リニアガイドなどは工作機械だけでなくロボットや半導体など様々な業界で使用されており、しばらくは需要が落ちないと見られることからその影響を危惧している。」と話した。また、2019年の見通しについては、「工作機械の主要部品の調達難による長納期化等リスク要因があるものの、自動車の好調が維持し、建機が復活しそうな雰囲気であり、オイル産業にも動きが見られることを考えると国内外とも好材料が多く、好調が維持すると見ている。」とした。

 今回の「TOUCH THE FUTURE 2018」の開催にあたり、同社では国内初披露となる今年のEMOで発表した最新機種と新製品など24機種を展示し、3日間で3,200名を超える集客があった。10月に開催されたMECTに出展されなかった新機種全てを展示し、来場者はそれぞれのニーズに合う最適な機種と最新のアプリケーションを見学した。

金型や医療分野で威力を発揮する「UD-400/5X」
金型や医療分野で威力を発揮する「UD-400/5X」
 特設コーナーでは「ここまで来たハイブリッド複合加工機による次世代加工」と「Mazak iSMART Factory™」におけるIoT自動化の活用事例をテーマとして専門担当者によるプレゼンテーションも開いた。

 今回の展示会で大注目したいのは、金型や医療機器分野で求められる微細・精密加工を高精度・高加工面品質で高速加工を可能にした「UD-400/5X」。俊敏な機械動作を支える高剛性機械構造は、完全左右対称の門形構造。機械重量も15000kgと同クラス機は最大の重量を誇る。軸芯冷却つき高剛性大径ボールねじを標準装備している。

技術者不足の解消にも有効な「QUICK TURN 250MSY+TA-12/200」
技術者不足の解消にも有効な「QUICK TURN 250MSY+TA-12/200」
 他にも多くの来場者が足を止めたのは、旋盤用自動化セル搭載 ミル付タレットCNC旋盤「QUICK TURN 250MSY+TA-12/200」。この登場で、多関節ロボットが安全、安心して簡単に導入、設置できるようになった。生産性を高めるだけでなく、技術者不足の解消に有効である。嬉しいことにロボットとストッカが一体化、ロボットに関する知識がなくても簡単に運用ができる。「SmoothG」に内蔵された専用アプリで、ティーチングレス・作業指示により簡単段取りも実現している。安全フェンスが不要で、コンパクトなフロアスペースと移設が簡単な自動化セルだ。

 製造業にとって厳しい競争を勝ち抜いていくための様々な解決策をたくさん用意した企画展示となっていた。

牧野フライス製作所が富士勝山オープンハウスを開催

セミナーの様子
セミナーの様子
 牧野フライス製作所が、11月28日(火)~29日(水)の両日、富士勝山事業所(山梨県南都留郡)で、最新マシニングセンタによる生産性向上を目的とした加工技術を紹介するオープンハウスを開催した。

 新製品の5軸制御横形マシニングセンタ「a500Z」ほか、5軸制御立形マシニングセンタ「DA300」、横形マシニングセンタ「a71nx」、横形マシニングセンタ「a81nx」、横形マシニングセンタ「a40」、立形マシニングセンタ「L2」が展示された。

 普段は見られない組立工場もオープンにした。工作機械を生産するための同社の設備も披露した。機外測定装置(ATOS+ロボット)は、材料の鋳肌面を3Dスキャナーでワークを旋回させ加工面を測定できる技術であり、スピーディに仕事をこなすことができる。また、同社では自社性の高品質焼入れの自動化技術を有しており、深さ・硬度が均一で高精度な焼入れを達成している。これにより同社のマシンは摺動面の長寿命化、高精度化を実現しており、来場者にマキノの生産技術がつまった設備を見せつけた。

 大型機をつくる工場内では天井高さ7.5m、空調±1℃に保たれていた。この空間にスパイラル状に空気が流れる仕組みだ。全長ストロークは20mの巨大マシンも見ることができた。

 開催中、1日2回実施されたセミナーのテーマは、「マキノの5軸加工機開発コンセプト及び最新技術による部品か高コスト削減のご提案」。多くの聴講者で賑わいをみせた。

今回の目玉である「a500Z」
今回の目玉である「a500Z」
 今回の目玉は、「a500Z」。このマシンは、俊敏な軸移動により、非切削時間を大幅に短縮していることに優位性がある。特に注目したいのは、ROIデザインの傾斜テーブル。C軸は傾斜構造を採用してイナーシャを小さくしている。DDモータと合わせて応答性の高い回転動作も実現した。

 横形マシニングセンタでイケールを使用した加工では情報位置で切削条件を落とす場合があったとのことだが、このマシンが高い切削条件での加工を可能にしている理由のひとつに、“傾斜テーブルとスラントベッドの組合せ”が挙げられる。パレットの周りは3方向がオープン。テーブルより上に干渉物はない。嬉しいことにプログラミングや取付具作成時の干渉把握が容易になる。

 工具交換時間の短縮にも注目したい。サーボ式ATCシャッタ、カム式ATC機構で、工具の長さに合わせてATCシャッタを最短幅で開閉するなど短時間で工具交換ができることも嬉しい。

 また、CCDカメラによる工具破損検出装置「Vision B.T.S(特許出願中)」を標準搭載。「Vision B.T.S」はATCマガジン内にあるため、サイクルタイムに影響を与えることなく、工具の状態を確認できる。非接触式なので、高価な工具を欠損させる心配もない。

 時は金なり――。「a500Z」は、無駄な時間を徹底排除し、生産性とともに経済効果を高めるためにつくられたマシンだ。

 なお、同社では、日刊工業新聞社主催の「2017年日本産業広告賞」において、雑誌部門で佳作、新聞部門でモノクローム広告賞 佳作を受賞している。

天田財団が創立30周年記念式典・平成29年度助成式典を開く ~助成件数94件、2億5000万円の助成~

 天田財団(理事長=岡本満夫氏)が、このほど平成29年度の前期助成テーマを決めた。助成総数は94件、助成金総額は2億4,179万円。昭和62年の設立以来、30年間で累計助成件数は1,553件、助成金総額は24億1,593万円となった。この財団は、金属等の塑性を利用した加工やエネルギー下での諸特性を利用した加工の研究に係る助成を通じて、金属等の加工に関する学術の振興と新科学技術の創出を図り、日本の産業と経済の発展に寄与することを目的とし、1987年に財団法人天田金属加工機械技術振興財団として設立。金属等の塑性加工分野における機械・加工システム技術に関する研究開発助成事業、並びにその普及啓発事業を開始したことからはじまる。また、1987年からは塑性加工分野へ助成を行い、2007年からはレーザプロセッシング分野へも枠を広げている。

 今回の研究開発助成の総額は82 件・2 億3,709 万円。内訳は「重点研究開発助成A(グループ研究)」が塑性加工 首都大学東京システムデザイン研究科 教授 楊 民 氏「デジタルプレス加工のプロセス見える化・知能化技術開発」1 件・計2,000 万円、レーザプロセッシング 理化学研究所 ユニットリーダー 杉岡 幸次 氏「複合超短パルスレーザ3 次元微細加工技術の開発と高機能デバイス作製への応用」1 件・計2,000 万円。

 「重点研究開発助成B(課題研究)」が塑性加工3 件・計2,980 万円、レーザプロセッシング3 件・計2,987 万円。「一般研究開発助成」が塑性加工33 件・計6,443 万円、レーザプロセッシング30 件・計5,400 万円。

「奨励研究助成A(若手研究者)」が塑性加工3 件・計599 万円、レーザプロセッシング5 件・計1,000 万円。奨励研究助成B(萌芽的研究)」が塑性加工3 件・計300 万円。

 国際交流促進助成の総額は12 件・470 万円。内訳は「国際会議等開催準備助成」が塑性加工2 件・計100 万円、レーザプロセッシング2 件・計100 万円。
 「国際会議等参加助成」が塑性加工3 件・計95万円、レーザプロセッシング5 件・計175 万円。

 

助成金額共に過去最高。テーマもレーザ関連を中心に広がる

あいさつする岡本理事長
あいさつする岡本理事長
 11月25日(土)、FORUM246(神奈川県伊勢原市)で創立30周年記念式典・平成29年度助成式典を開いた。

 あいさつに立った岡本理事長は、日頃のお礼を述べたあと、「当財団は1987年、現アマダホールディングスの創業者、天田勇の個人資産を基金として助成を通じてわが国の産業および経済の発展にいかに寄与できるかということを目的とし設立したもので、本日、創立30周年を迎えることができた。当初は塑性加工分野への助成だったが、その後時代の要請に応え、新たにレーザプロセッシング分野も加えて2011年に現在の公益財団法人天田財団へ移行した。本年度の助成件数は94件、金額が2億5,000万。ものづくりはわが国が最も得意とする分野であり、来るべきスマート社会においても、その唯一性を維持するためにも産学官スクラムを組んで、明確なるビジョンを掲げて行動することが肝要ではないかと思っている。」と述べ、産学官の連携による研究開発推進については、「規模の拡大と同時にステータスの研究の成果を掘り起こして、民間の企業を促進させることも重要なテーマではないか。その中のやっぱり一番大事なことは、産学官をいかにつなぐか。これも不在が指摘されている。創立30周年という節目の中で改めて財団の助成の在り方、世の中の動きにどう同調していくか。そこで天田財団がつなぎ役を積極的に引き受けていくことも大事ではないかと判断している。」とした。また、金属等の加工に関する優れた研究活動や国際交流への助成、その助成研究成果を産業界へ普及、啓発することについては、「当財団の社会的な使命であるといえる。本日の助成式典は、皆さまに天田財団の思いを受け止めていただき、この研究に対する、取り組んだ大事なスタートではないかと思っている。」とした。
 
 今回は、助成金額共に過去最高となった。テーマもレーザ関連を中心に広がりをみせており、岡本理事長は、「内容的にも医療用への応用など非常に注目されるものが多かったと聞いており、今後の成果報告が楽しみである。」期待を示したあと、「アマダは昨年創業70周年を迎え、そのアマダから誕生したこの天田財団が今年30周年を迎えることができた。財団の発展的な継続は、アマダグループの事業の発展、そして何といっても業績向上の利益を出していく必要性がある。昨年70周年を機に、変革と挑戦というテーマを掲げて、アマダグループは経営改革をしていく。」と意気込みを述べた。

 

来賓祝辞

経産省 岡本素形材産業室長
経産省 岡本素形材産業室長
 来賓を代表して、岡本繁樹 経済産業省素形材産業室長が、「本日、記念式典および助成式典が盛大に開催され、岡本理事長をはじめ助成をお受けになられる皆さまに心からお喜び申し上げる。また、岡本理事長は本年春、旭日中綬章を受章された。アマダホールディングスにおける社業での功績、貴財団において助成対象の拡大、産学交流、関係工業界との連携の強化などの功績によるものと存じている。あらゆる金属の素材に塑性加工の方法によって形状を付与し、川下の自動車、産業機械、電気通信機器などに部品として供給する素形材産業は、わが国ものづくりの優れた技術力と高い信頼性の基盤を支える重要なサポーティングインダストリーである。しかし、素形材産業は一般の人々からするとなかなか目に触れにくい産業であり、旧来型産業というイメージを持たれていることも事実であり、昨今では、素形材分野の研究者および研究室が減少してきているともいわれている。このような中、貴財団では昭和62年の設立以来、金属などの加工に係る優れた基礎技術の研究開発助成ならびに研究成果の普及啓発に取り組んでこられ、設立から30年の間に助成総額24億円以上を計上し、わが国ものづくり産業の発展に大いなる貢献を果たしてこられた。貴財団による取り組みに対し、改めて深く敬意を表する。」とあいさつをした。

日本塑性加工学会 古田会長
日本塑性加工学会 古田会長
 古田一也 日本塑性加工学会会長が学会を代表して「日本の経済、金属加工あるいは金属加工機の産業も少しずつ薄日が見えるようになったが、次の数年間は不確定の時代だともいわれている。このような面からものづくりは非常に大切である。日本は資源の少ない国であるから、資源を輸入していかに付加価値の高いメイドインジャパンの製品をつくる、ものづくりをするかということが課せられている。そのものづくりの中でキーとなるのは設計だとお答えのある方もいらっしゃると思うが、やはり加工技術、生産技術が非常に大切であろうと確信している。天田財団はその重要性を鑑み、大学ならびに公的研究機関の研究者に対して、研究支援あるいは国際人材を育てる意味での支援、国際交流にも積極的に助成をされた。支援された件数は1,600件を超え、金額ベースで24億円。改めて感謝する次第である。天田財団は金属加工の研究者を育て、金属加工の技術振興において大いに貢献をされた。」と感謝の意を表した。

日刊工業新聞社 井水社長
日刊工業新聞社 井水社長
 井水治博 日刊工業新聞社社長が、「天田財団の30周年にわたる業績は、多くの研究者らの研究推進、国際交流の支えとなり、またわが国の素形加工の発展に多大な貢献をされてきた。調べてみたところ、30年前、日刊工業新聞の1987年6月6日付に、今の天田財団である天田金属加工技術振興財団の発足、という記事が一面に掲載された。このとき、初代理事長の天田勇氏は、“素形加工機械に関する技術の向上を図り、わが国産業、経済の発展に寄与したい”という理念を語っていた。まさにこの30年間、この理念が脈々と受け継がれ、さらに創立20周年にはレーザプロセッシングの領域にまで助成の範囲を広げられるなど、事業の改革にも取り組まれて活発な研究支援活動が続けられてきたことに深く敬意を表したい。政治や産業界において人づくり改革が叫ばれる中、天田財団の支援活動は人材育成の面においても大きな功績を残されている。知性と経験、広い視野、そして人脈などを併せ持った研究者、あるいは技術者を金属加工業界に送り出してきた。そうした人材の活躍が日本の製造業の強さ、国際的な信用を高めているのは間違いないと思っている。」とあいさつをした。

アマダホールディングス 磯部社長
アマダホールディングス 磯部社長
 磯部 任 アマダホールディングス社長が、「天田財団は塑性加工とレーザプロセッシングという分野に特定して30年にわたり助成活動を続けており、このような特定分野に特化して助成を長く続けているのは世界的にも類を見ない非常に貴重な財団だと伺っている。これまで運営に当たってこられた理事長はじめ財団の皆さまのご努力と、選考委員の先生方に感謝申し上げるとともに、改めて敬意を表する次第である。わが国の産業界、特にものづくりの現場は、ただ今大変大きな変革を迎えている。まさしく激変の環境といっても過言ではない。IoT、インダストリー4.0に代表される情報化、AI主導化の進展は加速の一途をたどっている。また、金属加工の分野でも、軽量化、さらには環境に優しい新素材の多様等々、われわれとしても解決すべき課題は山積しているという状況である。加えて、昨今の働き方改革、労働時間の短縮というものへの対応は労働力不足へ拍車をかけており、自動化、省人化設備への対応は企業にとって必須の取り組みであると捉えている。このような中で、アマダグループの取り組として、主力のレーザ加工機は1980年から業界に先駆けて市場に投入している。現在、世界で約1,000台のレーザ加工機を納入しているが、従来のCO₂レーザからここ3~4年でファイバーレーザへと大きくシフトしており、現在、全体1,000台の中の63%がファイバーレーザへという構成比にまでになった。このCO₂からレーザへの変換というものは、当初のわれわれの想定をはるかに上回っているという状況である。この背景には、技術革新がもたらした圧倒的な消費電力の削減、さらには光品質の向上によってこれまで切断が難しかった材料、さらには板厚、厚い物を加工できるようになったことが要因であり、加えてさまざまな革新によって、コストの削減が図られてきたということが大きな要因ではないかと認識している。機械メーカーとしてやるべきことは、飽くなき技術革新の追求であり、その技術革新を市場に受け入れられる商品価値につくり上げて、お客さまにお届けすることがこの金属加工業界の発展と、ひいては日本の確固たるものづくりの地位向上に伝わる貢献ではないかと考えている。」と述べた。

アマダソリューションセンターを見学
アマダソリューションセンターを見学
 続いて、木内 学 東京大学名誉教授が「挑戦、そして限界突破への道」をテーマに記念講演が開かれたあと、平成29年度助成金目録贈呈式が行われた。その後、王 志剛 岐阜大学 副学長・教授が、平成26年度重点研究開発助成(塑性加工)成果報告「塑性加工における摩擦法則の確立」、門井浩太 大阪大学 接合科学研究所 准教授が、平成26年度一般研究開発女性(レーザプロセッシング)成果報告「レーザ溶機の凝固組織予測技術と凝固割れ発生防止法の開発」をそれぞれ講演とした。

 アマダソリューションセンターを見学したあと、懇親会が開かれた。宴もたけなわのころ、散会した。