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東京都が実施する最大5億円の補助金事業への採択決定 アストロスケール
宇宙ゴミ除去サービスに取り組むアストロスケールは、このほど、東京都が実施する「未来を拓くイノベーションTOKYOプロジェクト」令和元年度の採択企業として選出されたことを発表した。 このプロジェクトは、東京都が昨年度より実施する都内ベンチャー・中小企業の革新的なサービスや製品を対象に、開発・改良・実証・販路開拓等に要する経費の一部について、1/2(最大5億円)を上限として補助するもの。事業総額として約10億円の申請を行ったアストロスケールは、東京都より約3年間拠出される補助金を活用し、グローバルでの販路拡大、共同研究開発の推進の他、顧客や顧客衛星の安全性審査・リスク調査や財務・人材強化に取り組む。また、大手損害保険会社と協働し、デブリ除去事業に係る販路の提供や同事業専用の保険開発及び運用も見据えている。
【ミニレポート】「2019国際ロボット展」 おっ! と思った技術はコレ!
「2019国際ロボット展」(主催=日本ロボット工業会、日刊工業新聞社)が、12月18日~21日までの4日間、東京ビッグサイトで開催され多くの来場者で賑わった。現在、ロボットを活用した製造ラインの自動化・省人化がトレンドだが、「おっ!」と目を引いた技術を掲載する。
(順不同:不二越、東芝機械、DMG森精機、トライエンジニアリング、ミツトヨ、ジェイテクト)



「TS5000」はIT機能を強化している。今までは通信ポートはメインのCPUで処理をしていたが、今回、専有のポートで独立して処理をしている。メリットはほとんど性能の低下がないこと。制御周期を従来機比3倍に高速化したことで周期制御追従性度が向上した。制御周期の1ミリセカンドのサーボのトルクや速度やIEOの状態まで全部データをとることができ、標準でフルタイムのフィードフォワードを搭載している。PTP制御で荒い動作や速度が速いときも遅いときもほとんど経路誤差がない。これも剛性の高い同社のスカラロボットTHEシリーズだからできたこと。自動化機構や生産ラインの効率向上、品質向上、投資回収の早期化に貢献するとしている。


写真にあるのは車のボンネットを鏡面加工し、蛍光灯を当てたものだが、蛍光灯の光の歪み具合がまったく違うことがお分かりいただけるだろうか。同社のロボット制御で加工したものは、蛍光灯も歪みがない。従来の鏡面加工だと、ボンネットにうつる蛍光灯の光にユラユラとゆがみが生じている。従来はこうした鏡面加工は職人が手磨きをしており、この技術は超高級車しか使われていなかったが、この作業をロボット化することで、大衆車にも使える可能性がある。これに使うロボットは、今回、ファナックの緑色ロボットである“協同ロボット”が研磨作業を実行していた。最も注目すべき点は、協同ロボットは、“人にぶつかると止まる”機能が付いていることである。研磨作業はそもそも製品にドンとぶつかって研磨するので、それが人にぶつかったのか、製品にぶつかって研磨しているのか、見分けなければならない。そんな難しいことを、安全を確保しながら、研磨作業をロボットにさせる技術を確立していたのだから、非常に画期的だ。この技術は製造現場に新たな新風を巻き起こす予感がした。


「なすべきことをやり遂げる時期」 日本工作機械工業会 賀詞交歓会を開く
日本工作機械工業会(会長=飯村幸生 東芝機械会長)が1月9日、都内のホテルニューオータニで賀詞交歓会を開いた。
「世界の工作機械産業を巡る環境は大きな技術的変革期を迎えている」

工作機械産業を取り巻く環境についても触れ、「世界の主要各国で高齢化が進展し、労働生産性は伸び悩んでいる。潜在成長力が低下していく中で、世界のものづくりを担う製造業は技術面、需要面で大きな変化の時期を迎えている。IoT関連では、AI技術の発展と5Gの普及に伴い、技術革新がさらに加速していくだろう。自動車業界におけるCASEやMaaSといった電動化、自動化、サービス化の潮流がサプライチェーンに大きな影響を与えていくのは必然。多くの国では製造業における人材不足の問題から省人化技術の高度化が求められている。2015年の国連総会で採択されたSDGg(持続可能な開発目標)の理念が世界各国で取り入れられ、企業活動の指針ともなりつつある。」と述べたうえで、「工作機械業界関係者は、IoTを活用したスマート・マニュファクチャリング技術、AI技術、三次元積層造形技術、少子高齢化時代に適応した自動化技術、ターンキー技術など、各方面にわたって持続可能な開発に資する技術の進化と発展に努める必要がある。競争軸はいまや加工精度、剛性、IoT対応などの単なる機械性能から、工程集約や自動化、生産体制の構築、あるいは地域特性に合わせたカスタマイズなど生産設備全体のエンジニアリングの提案力にシフトしつつあり、激しい変化の時期は、競争環境が激化する優勝劣敗の局面でもある。技術革新や競争軸の変化をビジネスチャンスとして、世界市場でプレゼンスを向上させることが求められている。」との見方を示した。
2019年の工作機械受注額については、「一昨年は1兆8000億円をこえる空前の受注額を記録し、太陽の沈むことのない極北の白夜を思わせる体験だった。昨年の受注環境に、1年前の賀詞会では、山から次の山へ尾根伝いに歩いているところ・・・と申し上げたが、世界各地の景気後退に加え、米中貿易摩擦の長期化が設備投資の下押し圧力となって尾根道は急な下り坂となり、白夜から一転して寒さが募る中で、日暮れを迎える思いだが、2019年の受注総額は年間修正見通し1兆2500億円に届かず下回る水準に留まったと見込まれる。」とした。
2020年の受注額見通し
2020年の受注見通し額については、「世界経済・社会を形作っている枠組みに対する国家間の齟齬が予見される中、中国経済の動向や秋の大統領選に向けた米国の政治・経済状況、欧州情勢、地政学的緊張感等、世界の政治経済の行方が見通しづらい状況にある。」としたうえで、内需については、「政府の経済対策による景気下支え効果や、自動化・省力化投資の発現が見込まれ、また、半導体製造装置では5G関連の投資が一部期待される。」とし、外需についても、「欧米では米中貿易摩擦の影響や先行き不透明感から総じて軟調に推移するものと見込まれる。アジアでも中国経済と関係の高い諸国・地域では停滞感が続くが生産拠点が中国からシフトしている国や中国経済への依存度が比較的低い国からの受注は持ち直していくと見込まれる。」と期待感を滲ませた。
飯村会長は、「今は目先の受注に一喜一憂せず、各社のありたい姿に向けて、なすべきことをやり遂げる時期。」と感想を述べ、2020年の日工会受注額ついて、1兆2000億円の見通しを示した。
「新たなイノベーションを」

「今年は50周年」日本工作機械販売協会が賀詞交歓会を開く

あいさつに立った依田会長は、「工作機械業界は非常に速い速度で変化している。自動車業界はCASE関連の新技術の対応といった流れが出てきており、業界そのものの再編が加速されるのではないか。また人手不足を背景に自動化、AI、IoTを使った工場の見える化、予防保全といったような生産向上のニーズがますます高まっていくだろう。加工も切削だけではく、積層造形の需要も拡大すると予測される。最近では5G、あるいは半導体の一部で多少大きい兆しが出てきており、本格的な回復を期待しているところだ。過度に悲観せず、楽観せず、しっかりとやるべきことはやっていきたい。日工販は今年で50周年を迎える。引き続き会員のネットワークを強化して、業界諸団体ならびにメーカーとの連携を強めていきたい。」と述べた。


乾杯の発声を日本工作機械輸入協会 中川貴夫会長が行った。宴もたけなわの頃、散会した。
「今年は創立65周年」 日本工作機械輸入協会が賀詞交歓会を開く

あいさつに立った中川会長は、「当協会は1955年に発足し、今年2020年に創立65周年を迎える。わが国は2回目のオリンピックを開催する年とも重なり、これに際して『日本の工作機械輸入の歴史』という記念誌を発行する運びとなった。IoT、AIなど工作機械を取り巻く環境は大きく変わる現在、アディティブ・マニュファクチャリングが大きな存在となる近未来、さらには国際政治、国際金融、貿易戦争といった複雑な要素が絡み合ってくる時代。私たち日本人がどのようにものづくりに関わり、この国を世界第一等の国に押し上げてきたのか。その過程で幾多の戦争や政府の意向、方針の中でいかに海外製工作機械が貢献してきたのか、先輩たちの汗と油の苦労の歴史を振り返り見るのは、将来を洞察するすべとして極めて有効な手段である。オリンピック・パラリンピック、シカゴIMTS、米国大統領選が終わると、今年は異例の日程でJIMTOFが待っている。」と期待を込めた。

新会員の紹介のあと、ドイツ連邦共和国大使館 パトリック ヴェーグナー一等書記官の乾杯の発声で開宴した。
「IT産業の躍進に期待」NaITO 賀詞交歓会を開く

新年のあいさつに立った坂井社長は、「5Gの普及を中心にした情報化社会の発展と、人知に追い付くべくAIの進化とそれらを支えるIT産業の躍進ということが非常に多く語られている。昨今の景気の停滞感もあり、わが国経済産業界からも5Gに対する投資への期待も大きい。近いうちに大きな投資の波があるのではないかと感じている。」と期待感をにじませた。
今後のビジネススタンスについても説明した。第3四半期の損益状況は、売上高は353億5,100万円(前年同期比△6.2%)、営業利益は、7億3,100万円(同△2.8%)、経常利益は8億8,000万円(同△7.4%)となった。通期業績予想は売上高463億円、経常利益10億円としている。
2019年度の活動報告の中で、坂井社長は、専門力の強化を挙げ、「商品知識、レスポンス、対応面で独自の特長を持ち、取引先の信頼を得た。」とした。具体的には①専門販売員研修、商品知識研修の実施、②専門力発揮の場として商品セミナーを積極展開、③ロボットを購入し、得意先の展示会、ユーザーでの実演PRを実施した。
地域密着、対面営業についても、市場に基づいた提案、きめ細やかなサービスを提供した。昨年は南東京支店を神奈川県川崎市に新設し、「主要の顧客に近い所で営業をするというスタンスで、より一層南東京、蒲田、大田、川崎、横浜の一部含めて重点的にカバーしていきたい。」と述べた。
また、有力販売店、仕入先の展示会に役員が積極的に参加し、訪問して現場に支援を図り、情報発信機能の強化についても機械要素技術展、メカトロテックジャパンへ出展、同社オリジナルブランドも含め展示した。海外展開については、海外岡谷鋼機メカトロ部との協業し、とくに北米、インドネシアへ社員が出向し、新規顧客の開拓に注力したと説明した。
沼田恵明 ミツトヨ社長が乾杯の発声を行い、宴もたけなわの頃、散会した。
「ダイジェットウィンターキャンペーン2020」スタート ダイジェット工業
ダイジェット工業が1月6日(月)~3月31日(火)まで、新製品の発売を記念した「新春ドリル祭り」と題し、好評の刃先交換式ドリル2種および1月発売の新製品「シグマドリル・ハードDHコート」を対象としたキャンペーンを実施している。
対象商品
① 刃先交換式ドリル「TA-EZ ドリル TEZD 形」
② 多機能刃先交換式座ぐり加工用ドリル「TA タイラードリル TLZD 形」 ※モジュラーヘッドタイプもキャンペーン対象。
③ 高硬度材加工用ドリル「シグマドリル・ハード DH コート DHS/DHL 形」
セール内容
A-1 コース
他社乗り換えお試しコース:インサート 2 個購入+他社ドリル引き取りで適用本体 1 台サービス。
A-2 コース
本体サービスコース:インサート6個購入につき、適用本体 1 台サービス。
A-3 コース
インサートサービスコース:インサート10 個購入につき、同 一インサート1個サービス。
<対象商品:TA-EZ ドリル、TA タイラードリル>
B-1 コース
新商品お試しコース:1 本購入につき、購入品の同一サイズ 以下を1本サービス。
B-2 コース
プラスワンコース:3 本購入につき、購入品の最安値品以下を1 本サービス。
<対象商品:シグマドリル・ハードDHコート>
アクアREVOシリーズ第三弾! 超硬エンドミル「アクアREVOミル」 新発売 不二越
不二越は2018年に材料・形状・コーティングを一新し、長寿命・高能率・多用途を実現した超硬ドリル「アクアREVOドリル」を世界同時発売し注目を集めたが、翌年の2019年に新発想のオイルホール形状を採用した「アクアREVOドリル オイルホール」をラインナップに追加し、現在、マーケットシェアの拡大を進めている。
「自動車部品や機械部品などの加工現場において、生産性を向上させるために、加工効率の改善や工具の長寿命化のニーズが高まっており、びびり振動が発生しやすいステンレス鋼などの難削材への加工需要が増えているため、長寿命で高能率な超硬エンドミルのニーズが拡大している。」と同社。
こうした時流を背景に、このほど、「アクアREVOシリーズ」の第三弾として、市場からの強い要望のあった同社独自の青い超硬エンドミル「アクアREVOミル」を市場投入した。ユーザーの生産性向上とコストダウンに貢献し、より一層のマーケットシェア拡大を図る。
① 長寿命
材料部門を有する不二越独自の技術を結集して、成分設計と粒径を最適化し、硬さと靭性を高い次元で両立したエンドミル専用の超硬材料を新開発。新コーティング REVO-Mコートとあわせ、コーナ摩耗の進行を抑え、高炭素鋼の加工で、他社比1.5倍の寿命を実現。
② 高能率
切れ刃を不等間隔に配置し、さらに異なるねじれ角を備える不等リードを採用することで、切削抵抗を低減し、加工面へのびびり振動を抑制、安定した高能率加工が可能である。
③ 多用途
REVO-Mコートは耐摩耗性、耐熱性だけでなく、耐熱衝撃性にも優れ、ウェット加工でも高い性能を発揮。また、膜表面の超平滑化処理により、耐凝着性を高め、切りくずの噛みこみによる損傷を防ぎ、高硬度鋼やステンンレスでは他社比2倍以上の長寿命を実現するなど、一般鋼からステンレス鋼、高硬度材まで、幅広い材質に対応している。
■シリーズと寸法範囲・価格(税抜き)
●2 枚刃 2.5D G タイプ(ギャッシュランド)
寸法範囲:Ø1.0~Ø20.0 全20寸法
参考寸法:代表寸法 Ø6.0 全長50.0mm 3,350円/本
●4 枚刃 2.5D G タイプ(ギャッシュランド)
寸法範囲:Ø1.0~Ø20.0 全20寸法
参考寸法:代表寸法 Ø6.0 全長50.0mm 4,220円/本
●2 枚刃 2.5D S タイプ(シャープコーナ)
寸法範囲:Ø1.0~Ø20.0 全20寸法
参考寸法:代表寸法 Ø6.0 全長50.0mm 3,350円/本
●4 枚刃 2.5D S タイプ(シャープコーナ)
寸法範囲:Ø1.0~Ø20.0 全20寸法
参考寸法:代表寸法 Ø6.0 全長50.0mm 4,220円/本
鋳鉄高速旋削加工用セラミック「TZ120」発売 タンガロイ
タンガロイがこのほど鋳鉄高速加工用セラミック「TZ120」を発売した。
この商品は、鋳鉄の高能率旋削加工を実現するセラミックインサート。耐熱性に優れるアルミナに、靭性を強化するジルコニアを添加した高靭性アルミナ系セラミック材種であり、高速旋削加工で長寿命、安定加工を実現できる。
従来のセラミックインサートシリーズに「TZ120」を加えることにより、幅広い鋳鉄加工に対応が可能となる。特にシリンダーライナーなどの遠心鋳造鋳鉄の高速乾式加工に威力を発揮する。
主な特長
(1)耐酸化性、化学安定性、耐熱性に優れ、靭性も高く、高速旋削加工で長寿命、安定加工を実現。
(2)アルミナにジルコニアを均一に分散させる新製法により、耐欠損性・耐境界摩耗性を向上、突発欠損を抑制。靭性が高く、荒加工にも適応。
(3)シリンダーライナー等遠心鋳造鋳鉄加工に最適。
(4)乾式加工専用材種であり、切削液は不要(切削液を使用すると工具寿命は低下)。
主な型番と標準価格
●インサート
CNGA120408 TZ120:1,390円
SNGN120412 TZ120:1,140円
SNGN120716 TZ120:1,720円
TNGN160412 TZ120:1,040円
(いずれも税抜き価格)
高硬度材加工用「シグマドリル・ハード DH コート」を新発売 ダイジェット工業
ダイジェット工業はこのほど「シグマドリル・ハード」の一部アイテムをリニューアルし、
新コーティング「DH1」コートを採用した「シグマドリル・ハード DH コート」(DHS/DHL 形)として販売を開始した。
この製品は、70HRC の穴あけ加工が可能な高硬度材加工用ソリッドドリル「シグマドリル・ ハード」に、新コーティング「DH1」コートを採用しリニューアルしたもので、耐熱性・ 耐摩耗性を向上させ、さらなる加工能率と加工寿命向上を図った。高硬度材の穴あけ加工用(70HRCまで対応)。
特長は以下の通り。
① 耐高温酸化性・耐衝撃性および密着性に優れた高硬度材用新コーティン グ被膜「DH1」コートおよび高靭性の超微粒子合金母材の採用により、 耐熱性・耐摩耗性に優れ長寿命化を実現。70HRCの高硬度材でも安定した穴あけ加工が可能。
② 心厚が一般超硬ドリルの1.6倍以上でドリルの曲げ剛性・ねじれ剛性が高い。
③ ねじれ角15°および外周肩部にコーナ Rを設け耐チッピング性を向上、高硬度材に適したシンニング形状により切りくず排出性を向上した。
サイズ・価格
レギュラタイプ:φ2~φ12(全 45 形番)
ロングシャンクタイプ:φ3~φ4(全 4 形番)
標準価格:5,470 円~18,900 円(税抜き)