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大澤科学技術振興財団 今年度は24件の研究開発助成および9件の国際交流助成を行う
公益財団法人大澤科学技術振興財団(理事長=大澤伸朗オーエスジー常務取締役)は平成3年7月18日に設立され、日本のモノづくりを支える科学技術の振興に寄与したいという趣旨から、国内の大学・研究所等、非営利の研究機関に所属する研究者に助成を行っている。 今年度は、24件の研究開発助成および、9件の国際交流助成を行い、助成金の合計は6千1百69万7千円となった。また、設立来27年間の研究開発助成は345課題、国際交流助成も258件にのぼり、助成累計額は6億8千3百83万6千円に達している。
研究開発助成
1.「ガス透過性多孔質金型を用いる超微細精密プレス加工の成型不良と成形時間の改善」 富山県立大学・工学部教授竹井敏2.「磁気研磨法のエレクトロニクスの分野への技術展開」 宇都宮大学・大学院工学研究科准教授 吉原佐知雄3.「高速切削加工用経路構築法を応用したラジアスエンドミル仕上げ加工に関する研究」 成蹊大学・理工学部准教授 関根 務4.「ハイブリッド粉末混入放電加工による高機能金型仕上げ面の創成」 岡山大学・大学院自然科学研究科教授 岡田 晃5.「ダイヤモンドCVD膜の超高速成長技術の開発」 金沢大学・理工研究域准教授 徳田規夫6.「大気圧熱プラズマジェットを用いた炭化ケイ素半導体基板の薄化加工法の研究」 広島大学・大学院先端物質科学研究科助教 花房宏明7.「ホットカソード法による切削加工用酸化物・窒化物皮膜の高速スパッタ成膜技術の開発」 東北大学・大学院工学研究科教授 齊藤 伸8.「短パルスレーザ照射による超精密刃先研磨技術の確立と高能率CFRP切削工具の開発」 鳥取大学・工学研究科助教 前川 覚9.「顕微鏡下マイクロ切削加工を用いたマイクロ超音波モータの開発」 豊橋技術科学大学・エレクトロニクス先端融合研究所 准教授 真下智昭10.「超長寿命化を実現する軟質材向け(TiMo)(CN)コーティング転造タップの開発) 東北大学・大学院工学研究科准教授 須藤祐司11.「高集積フレキシブル無機単結晶デバイス作製に資する機械加工と信頼性評価」 東北大学・大学院工学研究科准教授 福島誉史12.「ナノコンポジットAlBN薄膜の構造制御とFe系母材向け硬質皮膜への応用」 福岡県工業技術センター・機械電子研究所主任技師 吉田智博13.「超ナノ微結晶ダイヤモンド膜の切削工具への応用」 九州大学・大学院総合理工学研究院准教授 吉武 剛14.「大気圧プラズマプロセスをベースとしたパワーデバイス用大口径単結晶ダイヤモンド基板の高能率ダメージフリー平坦化・平滑化プロセスの開発」 大阪大学・大学院工学研究科教授 山村和也15.「反応性HiPIMS プロセス制御による高耐久性α-アルミナ傾斜組成膜の創製」 首都大学東京大学院・システムデザイン研究科助教 清水徹英16.「MVP法によるドライ方式・一品処理型除膜技術の開発」 岐阜大学・工学部教授 上坂裕之17.「切削工具3次元刃先形状の定量的評価を実現するマイクロレーザプローブの開発」 東北大学・大学院工学研究科准教授 清水裕樹18.「PVD膜による摩擦係数制御のための組織因子の解明」 豊橋技術科学大学・大学院工学研究科教授戸髙義一19.「研削砥石の曲げ振動音を用いた研削作業の完全自動化システムの構築」 芝浦工業大学・デザイン工学部准教授 澤 武一20.「再生びびり振動をロバストに抑制するための可変振幅正弦波リードエンドミル(VASLエンドミル)の開発」 名古屋大学・大学院工学研究科助教 早坂健宏21.「SPS法によるバインダレスTiN工具電極を用いた医療用チタン合金の放電加工」 長岡工業高等専門学校・機械工学科准教授 金子健正22.「複合砥粒砥石を用いた高速固定砥粒研磨によるダイヤモンドの鏡面仕上げ」 京都工芸繊維大学・機械工学系教授 太田 稔23.「NC工作機械の動的挙動と切削力の連成シミュレーション技術の確立」 神戸大学・大学院工学研究科准教授 佐藤隆太24.「単結晶材料ウエハのスクライビング・割断特性の基礎研究」 中部大学・工学部教授 鈴木浩文
国際交流助成
K-1.「第18 回ヨーロッパ精密工学会国際会議(イタリア)」 防衛大学校・システム工学群 教授 由井明紀K-2.「2017 年建築材料および材料工学に関する国際会議(フランス)」 奈良工業高等専門学校・機械工学科教授 和田任弘K-3.「第3 回超音波技術の応用に関する国際会議(ポルトガル)」 首都大学東京・産業技術大学院大学教授 越水重臣K-4.「第5 回摩擦撹拌接合・プロセスの科学技術の進展に関する国際会議(フランス)」 大阪産業技術研究所 物質・材料研究部研究員 木元慶久K-5.「2018 年先進材料の加工および製造に関する国際会議(フランス)」 豊橋技術科学大学・大学院機械工学専攻教授 福本昌宏K-6.「第32 回アメリカ精密工学会総会(アメリカ)」 中部大学 名誉教授・生産技術開発センター客員教授 難波義治K-7.「第18 回ヨーロッパ精密工学会国際会議(イタリア)」 千葉工業大学・工学部教授 瀧野日出雄K-8.「第67 回国際生産加工アカデミー総会(スイス)」 金沢大学・理工研究域 助教 小谷野智広K-9「 第17 回電磁力応用に関する国際会議(フランス)」 富山高等専門学校・電気制御システム工学科教授 西田 均
ロボット工業会が「実装機器通信規約標準化分科会」を発足
日本ロボット工業会(会長=稲葉善治氏:ファナック会長兼CEO)が、このほど電子回路基板製造装置及びその関連ソフトウェアを製造する事業者が製造装置間の通信方法(M2M連携)に関して共同で規格を策定していくため、「実装機器通信規約標準化分科会」を発足したと発表した。
初年度の分科会長は富士機械製造から副分科会長はパナソニックから選出し、ヤマハ発動機、JUKI等の会員企業をはじめ、オムロン、サキコーポレーション、タムラ製作所、CKDを幹事会社として下記の会員会社20社で標準化を進める。
実装機器通信規約標準化分科会 会員会社一覧
現在の電子回路基板製造ラインには、一般的に印刷・検査・マウンタ・リフローなどのさまざまな装置と、それらをつなぐ搬送装置が存在し、かつそれらのメーカーが異なっている事が大半である。この場合、装置内の基板情報の持ち方および他の装置との通信方法は各社独特で、ライン全体での一貫した情報管理はたいへん手間とコストがかかり、ユーザーの負担になっていた。この分科会では、実装ラインに設置されたさまざまな製造装置間の通信ルールを標準化することで、企業の垣根を超えた実装システムをユーザーがシンプルに構築しやすくなり、生産管理の容易化・変種変量生産への迅速対応などのメリットと、メーカー各社にもM2M連携のしやすさから新たな価値提供を生むチャンスとなる。
ジーベックテクノロジーがサイトの対応言語を5か国語に
バリ取り・研磨の自動化を推進しているジーベックテクノロジー、このほどWEBサイトの対応言語について、英語に加え、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、韓国語の5か国語を追加した。 世界中でニーズが高まるバリ取りや研磨の自動化に対し、最新情報を提供し、サポートを強化する構え。
タンガロイが高送りカッタ『ハイクワッドF』M級インサート拡充
タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、このほどインガーソル製難削材用高送りカッタ『ハイクワッドF』M級インサートの販売を開始した。
ハイクワッドFは片面4コーナーインサートを使用し、難削材をはじめ様々な被削材に対応する高能率高送りカッタ。強固なインサート拘束設計により、高い加工条件と高い信頼性を実現する。特に航空機業界での耐熱合金に対応する材種を設定したG級インサートの評価が高かったため、このほど、より経済性を重視する加工を視野に入れ、G級と同じ形状と材種のM級インサートを拡充した。
インサートは経済性の高い4角形で、ポジインサートによる切削抵抗を低減した低抵抗タイプ2種と刃先を強化したフラットタイプ3種の合計5種類を標準設定した。加工時の切削抵抗を削減する低抵抗タイプは特に耐熱合金やステンレスの加工に適し、刃先に高い強度を持たせたフラットタイプは、一般鋼材から耐熱合金までの広い範囲の加工に対応する。材種は6種類で、2種類は特に耐熱性の高い母材を採用したプレミアム材種となっている。
主な特長
(1)被削材や加工形態に対応可能な5種類のインサートを標準設定
(2)インサートのクランプ剛性を向上させる強固なインサート拘束設計
(3)特に耐熱合金をはじめとする難削材の加工に有効
(4)最大切込み量2.2㎜
(5)加工面品質を向上させるワイパー付きインサートもラインナップ
主な型番と標準価格
●インサート(税抜価格)
・SDXS1305MDR-PH IN4035 2,070円
・SDXS130515R-PH IN2530 1,590円
・SDXS130515N-MR1 IN4005 1,590円
・SDXS1305MPR-MR IN4030 1,590円
*拡充アイテム:全28形番
ケナメタルがスローアウェイミーリング「KCSM40」をリリース
ケナメタルがこのほどスローアウェイミーリング「KCSM40」をリリースした。
この製品は、同社のスローアウェイミーリングの新材種。より高い切削速度で一貫性と再現性のある結果をもたらし、生産性をさらに高める。
KCSM40材種には、先進のコバルトバインダーが含まれているが、KC725MまたはX500が持つ靱性を損なうことなく、並外れた耐熱疲労性を実現する。この新しい母材に加え、ケナメタル独自のAlTiN/TiNコーティングにより、切れ刃の耐磨耗性が強化されている。
同社のスローアウェイミーリング担当グローバル製品管理役員のScott Etling氏は、「ケナメタルで最も人気の高いミーリング材種であるKC725MとX500の靱性を採用するとともに、熱亀裂に対する耐性と耐磨耗性を強化しました。お客様は、靱性に妥協することなく、より高い切削速度での加工が可能となります」とコメントしている。また、Ti6Al4Vに対するKCSM40の目標切削速度は175 SFM(53 m/min)で、60分間で20 in3/min(327 cm3/min)超という切り屑除去率を達成した。さらに、KCSM40は径方向の切込み量を減らしながら、最大270 SFM(85 m/min)の切削速度で、チタンのミーリング加工を成功させている。
セコ・ツールズがPerfomax™ の設計を見直し、ドリル性能をさらに最適化
「Seco Perfomax」 刃部交換式ドリルが、設計を新たに見直した。
これにより、ドリルパラメータの高度化、より長い工具寿命、優れた切り屑処理および排出を実現。新設計のフルートは、特殊な減摩表面やレーザーにより硬化処理されたフロントなどの革新的な機能により、強度、安定性、精度が向上している。
Perfomax のフルートは、ねじれ角部分および中央の切り屑部分が大きくなっており、切り屑排出がスムーズで、同社が開発した切り屑とフルート面の間の接触を最小限にする波型パターンが採用されている。切り屑がより短くなり、すぐに除去されるため、切り屑が詰まるリスクが大幅に低減され、加工安全性がさらに高まっている。また、フロントは同社のレーザーで硬化処理され、ドリル本体の工具寿命が最大 140%向上している。HRC 60 の硬度により、切り屑による浸食にもより長期間耐えることができる。さらに、Perfomax の設計を見直すことで、ドリルのチップポケット底部の半径を拡大し、剛性を強化した。
Perfomax の DS2050 および DS4050チップ材種は、特にチタンやチタン合金などの耐熱材に最適。新開発の柔軟な MP 形状および MC 形状により、生産性と工具寿命が向上している。DS2050 は外周切削用のチップ、DS4050 は中央切削用のチップ。なお、ドリル本体には、径 15mm ~ 59mm (0.594 インチ~ 2.375 インチ)、長さと直径比 2xD、3xD、4xD、5xD、大半のスピンドルインターフェースを用意している。
2017年9月分工作機械受注総額は1490.9億円 日工会
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2017年9月分の受注実績は以下の通り。2017年9月分工作機械受注総額は、1,490.9億円(前月比+11.6% 前年同月比+45.0%)となった。受注総額は3カ月ぶりの1,400億円超。過去最高額(従前:15年3月 1,474億円)。期末効果や欧州の展示会効果等が寄与。1,000億円超は11カ月連続。 内需は610.1億円(前月比+17.8% 前年同月比+34.0%)で、堅調な国内需要の下、年度半期末やスポット受注が寄与。27カ月ぶりの600億円超。外需は880.7億円(前月比+7.7% 前年同月比+53.6%)で、中国でEMS関連需要は縮小も欧州(展示会効果)や北米が増加。3カ月ぶりの850億円超。 国内外ともに今後も堅調に推移するものと期待。他方、各種海外リスクや部品調達難に伴う納期の長期化などを注視。
9月分内需
610.1億円(前月比+17.8% 前年同月比+34.0%)。 ・27カ月ぶりの600億円超。リーマンショック以降の最高額(従前:15年6月 603億円) ・前月比2カ月ぶり増加。前年同月比8カ月連続増加。 ・期末効果やスポット受注が寄与。省エネ補助金時(15年6月)を超える高水準で好況。① 一般機械 241.1億円(前月比+7.1% 前年同月比+27.4%) うち金型 20.5億円(前月比Δ29.6% 前年同月比Δ17.5%)② 自動車 197.3億円(前月比+18.4% 前年同月比+39.8%) うち部品 117.2億円(前月比△2.7% 前年同月比+28.2%)③ 電気・精密 44.3億円(前月比Δ24.2% 前年同月比+14.5%)④ 航空機・造船・搬送用機械 31.7億円(前月比+140.3% 前年同月比△27.1%)
9月分外需
880.7億円(前月比+7.7% 前年同月比+53.6%) ・3カ月ぶりの850億円超。7カ月連続の750億円超。 ・前月比2カ月連続増加、前年同月比10カ月連続増加。 ・中国のEMS関連需要減少も、欧州は展示会効果で大幅増。北米も高水準で堅調持続。①ア ジ ア:383.4億円(前月比Δ10.6% 前年同月比+68.4%)・東アジア:318.8億円(前月比Δ11.2% 前年同月比+102.9%)〈韓 国〉 44.8億円(前月比+11.9% 前年同月比+60.2%)〈中 国〉242.7億円(前月比Δ19.8% 前年同月比+113.5%)・その他アジア:64.7億円(前月比△8.0% 前年同月比Δ8.4%)〈イ ン ド〉20.6億円(前月比△16.6% 前年同月比+16.1%) ②欧 州:224.7億円(前月比+49.5% 前年同月比+70.8%)〈ド イ ツ〉65.6億円(前月比+69.9% 前年同月比+44.1%) 〈イタリア〉37.3億円(前月比+74.3% 前年同月比+118.3%) ③北 米:259.0億円(前月比+13.0% 前年同月比+24.5%)〈アメリカ〉233.7億円(前月比+12.8% 前年同月比+27.1%)〈メキシコ〉 13.1億円(前月比+23.4% 前年同月比+13.5%)
ロボット統計受注・生産・出荷実績(2017年7~9月期)
ロボット工業会がまとめた2017年7~9月期のロボット統計受注・生産・出荷実績は次のとおり。業況について 2017年の見通しについては、年初、会員外も含めた年間生産額は対前年比7%増の7,500億円(会員比率77.7%)を期待していた。しかしながら、会員ベースでの3四半期(1~9月)集計結果は、国内需要が堅調であるとともに、輸出はさらに大幅な伸びを示し、その生産額は対前年比27.2%増の5,204億円と年初見通しを大幅に上回る状況で推移しており、会員外も含めた年間生産額の8,000億円超えは確実となる。受注 受注台数、受注額ともに7~9月期で過去最高値となった。 ・受注台数(台) : 51,768(前年同期比+39.5%) 8四半期連続のプラス成長 ・受注額(億円) : 1,782(同+25.9%) 5四半期連続のプラス成長生産 生産台数、生産額ともに四半期ベースで過去最高値となった。 ・生産台数(台) : 55,998(前年同期比+44.9%) 17四半期連続のプラス成長 ・生産額(億円) : 1,891(同+34.4%) 5四半期連続のプラス成長出荷 総出荷台数、総出荷額、輸出額において四半期ベースで過去最高値となった。 ・総出荷台数(台) : 56,258(前年同期比+49.3%)17四半期連続のプラス成長 ・総出荷額(億円) : 1,960(同+39.9%) 5四半期連続のプラス成長 ・国内出荷台数(台): 10,501(同+13.0%) 3四半期連続のプラス成長 ・国内出荷額(億円): 483(同+11.6%) 16四半期連続のプラス成長 ・輸出台数(台) : 45,757(+61.2%) 17四半期連続のプラス成長 ・輸出額(億円) : 1,476(+52.6%) 4四半期連続のプラス成長国内出荷内訳●自動車産業向け ・国内出荷台数(台) : 3,889(前年同期比+8.9%) プラス成長 ・国内出荷額(億円) : 162(同+10.8%) プラス成長●電気機械産業向け ・国内出荷台数(台) : 2,871(前年同期比+5.4%) 3四半期連続のプラス成長 ・国内出荷額(億円) : 155(同+14.7%) 3四半期連続のプラス成長 国内需要の好調要因としては、溶接、組立、そして半導体用等が伸びたことによる。輸出内訳●溶接用 ・輸出台数(台): 10,867(前年同期比+53.3%)3四半期連続のプラス成長 ・輸出額(億円): 267(同+44.3%) 3 四半期連続のプラス成長 ●電子部品実装用 ・輸出台数(台): 3,759(前年同期比+71.6%)5四半期連続のプラス成長 ・輸出額(億円): 581(同+70.7%) 4四半期連続のプラス成長 輸出国別では、中国向けが輸出額の46%を占めるほどの顕著な伸びとなっていることに加え、その他主要国であるアメリカ、韓国、台湾、ドイツいずれもが前年同期を上回ったことで需要全体を大きく押し上げた。
イワタツールが絶好調! オープンガレージ見学会を開催
会に先立ちプレス向けに業績報告が行われた。
それによると2016年度の実績は、売上が前年度比12%増、経常利益 同32%増となった。2017年度上期については、前年同期比13%増、経常利益同25%増となった。なお2017年度は売上前年度比15%増、経常利益同40%増を計画している。
2016年度について岩田社長は、「前行程加工の厳しい精度要求に応えるため、精密空調を設備している第三工場を立ち上げ、オープンガレージを完成させた。去年から今年にかけて、MAKINO、WALTER、ROLLOMATICと設備を増設させ、タイ工場を拡張させた」と説明した。業績増の要因として、東日本、ヨーロッパ、タイの売上が向上したことを挙げた。
2018年度は、自社製の研削盤を本格的な生産に持ち込む計画をしている。また、第一工場の空調設備の入れ換えを行い、精密空調エリアを拡大、集中クーラントの設備建設を行うとした。これにより、工場内環境の改善や空調用エネルギーを削減する。
新製品について、①トグロンハードロングドリル サイズ追加、②SPセンター サイズ追加、③トグロンハードドリルOH オイルホール、④交換式SPセンターが、2017年末にかけて順次出荷予定とした。なお、参考出品だった①SPセンターZERO、PCDドリル リーマ-、PCBNドリル リーマーの開発が終了し、順次発売するとした。
新開発商品について岩田社長は、「未発表のエンドミルがある。どこにもカブることのない工具です」とした上で、「前回のJIMTOFで披露した“MDS 小径ドリルユニット”をさらに進化させ、10月18日からポートメッセなごやで開催されるMECT2017で展示する予定」とした。
オープンガレージで子ども達がものづくり
このオープンガレージの特長は、電気・電子工作、プログラミングや木工だけでなく日常体験することのできない金属加工やロボット制御などを体験できることの他、なごやサイエンスパークヒルには、産総研など公的研究機関や開発型企業が集積し、連携が可能であることが挙げられる。「教育機関、研究機関、民間の一銭の技術者と交流ができるメリットがある」と岩田社長。運営については、名古屋市、市民経済局、各大学、NPO法人G-net、名大社、近隣企業などと連携のうえ、学生も協力している。
オープンガレージの実績報告を同社のインターン生 長崎むめのさんが行い、懇親会が開催された。和やかな雰囲気の中、中締めを行い散会した。
インフォシス リミテッド日本支店が日本市場でデジタルソリューション事業を強化 ~デジタルトランスフォーメーションの先進企業の買収をはじめ戦略パートナーとの協業によりビジネスを拡大~
同社では、2020年までの成長戦略として、デジタル、次世代ERP、AI、IoT、エンジニアリング、グローバルPLMの6つの事業分野を最重要戦略ソリューションとして位置付けているが、中でも最も最も重要なデジタルソリューションでは、グローバルに展開するインフォシス社のグローバルエキスパートメンバーを日本市場に投入するほか、日本国内においても、デジタルソリューションに特化したエキスパートの育成および採用を強化していくとしている。
インフォシス リミテッドは、これまでに50ヵ国、1,000社以上の顧客に対して、デジタルソリューションを提供。インド・バンガロールやニューヨーク、ロンドン等、世界9拠点に、デジタルソリューション分野のエキスパートが、各地の市場に合致した最適なカスタマー・エクスペリエンスを実現する「デジタル・スタジオ」を運営している。
主に同スタジオを通じて、デジタル・トランスフォーメーション、エクスペリエンス・デザイン、オムニチャネル・コマース、デジタルオペレーション、データ&アナリティクス等で構成されるエンド・トゥ・エンドのデジタルソリューションを提供。このインフォシス リミテッドのリソースを日本市場で活用していく予定だ。
さらにインフォシスでは、すでに、デジタル・トランスフォーメーションやカスタマー・エクスペリエンス分野の先進企業である英国ブリリアント・ベイシクス社(Brilliant Basics、本社:英国ロンドン、CEO:アナンド・ベルマ)を買収し、エンド・トゥ・エンドのデジタルソリューション事業を、より一層強化することを計画している。インフォシス リミテッド日本支店においても、ブリリアント・ベイシクス社を買収によって拡張する先進的なデジタルテクノロジーをいち早く活用し、主に小売りや金融サービス、製薬会社等の業界の企業を対象に、デジタルソリューション事業を展開していく。
Adobe をはじめ、IBM やSAP 等、世界有数のデジタル・リーダー企業との提携を実現しており、これらのアライアンスパートナーを最大限に活用し、顧客に対し革新的なソリューションを提供し、デジタル事業を拡大していく。
インフォシスの強みとは
インフォシスは、世界中のリソースを活かしてITシステムの全てのライフサイクルの領域に係わるサービスを提供している。同社は、1981年にインド・プネで誕生したインド初のIT企業。現在の従業員数はグローバルで約20万人、売上総高102億1000万米ドル(約1兆1495億4400万円)を擁する世界でも有数のITコンサルティングおよびテクノロジーサービス企業だ。
10月2日、同社で開かれたプレスランチョンで大西日本代表は、「グローバルなマーケットを含めて日本市場を重要な戦略地域と認識している。従来は外資系の日本法人、あるいはグローバルに拠点を持っているので英語にアレルギーがない企業が中心だったが、より日本的なお客様にもサービスを提供していく。サービスの観点からいくと従来はERPやアプリケーション開発が多かったが、グローバルな視点から、IoT等も含めてデジタル・ソリューション分野で競争し、ポジションを獲得していく」と成長戦略について触れ、サービスラインについて述べた。それによると、①次世代ERP、②IoT、③デジタルマーケティング、④フィンテック、⑤AI&オートメーション、の5つの分野に注力するとした。
「日本のITおよびIoTマーケットはどのように捉えられているか」という点について大西代表は、「IoTという言葉自体は日本に上陸してまだ4~5年になるが、日本発でグローバルに大々的なサービスを行っているという実用的なケースがあるとは言い難い」という認識を示し、「コミュニケーションを通して活動している中で、IT等の象徴としてよく聞く言葉がサービスではなく、“取り組み”。その裏にあるPOC(概念実証)をトライアルとして行っていくことは広がっているとは感じているが、大きなサービスとして繋がっているか、といえばドイツやアメリカに比べて遅れているのではないかと感じている」と話した。
この分野で“テコ入れ”をするという大西代表。「日本で事業をつくっていくチャンスがある」との見込みだが、これについては、「特に欧州、米国での圧倒的な実績」を挙げた。同社は、IIC(米Industrial Internet Consortium)の主要メンバ-であり、25テストヘッドのうち6つをリードし、米国IoTを支えている。参加企業としては1社あたり最多テストベットをリードしている。
なお、IICテストベットの一部事例は下記の通り。
(1)設備利用率(資産効率)向上
リアルタイムに正確なデータを取得し、正しい判断を下す分析
・インフォシス、Bosch、GE、IBM、Intel、PTC
(2)産業デジタルスレッド
製造現場から得られる大量のデータ(デジタルスレッド)を活用する製造業向け分析
・インフォシス、GE
(3)コネクティドケア
オープン医療IoTエコシステムの確立とリモート患者管理と分析
・インフォシス、マサチューセッツ総合病院、PTC
(4)高精度農業マネジメント
世界中の気賀に対する農業のIoTソリューションをつくり出すこと
・インフォシス、サカタのタネUS
●インフォシスリミテッド 日本代表 大西俊介 氏
1986年、一橋大学経済学部卒業後、同年日本電信電話(株)に入社、(株)NTTデータ、外資系コンサルティング会社等を経て、2013年6月より、(株)NTTデータ グローバルソリューションズの代表取締役に就任。通信キャリア、ITサービス、メディア、ハイテク業界を中心に海外ビジネスの再編、事業展開、クロスボーダーな経営統合、経営レベルのグローバルプログラムの解決等、グローバル企業や日本企業の経営戦略や他文化・多言語の環境下での経営課題解決について、数多くのコンサルティング・プロジェクトを手掛ける。2017年1月1日、インフォシスリミテッド 日本代表に就任、現在に至る。
