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「コネクテッド・インダストリーズで新たな付加価値が創出」日本ロボット工業会が平成29年度通常総会を開く
日本ロボット工業会(会長=稲葉善治ファナック会長兼CEO)が、 5月24日、都内の東京プリンスホテルで、平成29年度通常総会を開いた。
総会後に平成29年度正会員・従業員功労表彰が行われたあと、懇親会が開かれた。


「勢いは良く、今期に期待」日本工作機器工業会が第25回通常総会を開く

総会後の懇親会の場で寺町会長は、日頃の感謝と総会が無事終了した旨を報告したあと、「昨年はプラス成長の予想をしていたが1月から9月までは円高等の理由もあって厳しい状況が続き、前年を下回った。販売額は6.1%減の1,709億円となった。2017年度については、5.7%増の1,807億円を予想しているが、昨年の10月から受注は好調に推移しており、この3月は2007年の過去最高水準の受注を業界としても取れるようになった。この勢いは現在も続いているので、今期は上回る報告ができるだろうと期待をしている。昨年の後半から半導体製造装置等が好調になり、自動化・ロボットも良くなり、工作機械関連も回復をしている。われわれに関連する業界が非常に良いという状況であり、一方、海外に目を向けると、中国の経済対策も効いて好調な経済を支えている。ヨーロッパも自動車の販売はさらに好調となっており、設備投資も進んできている」とあいさつをした。

乾杯の発声を北川祐治副会長(北川鉄工所社長)が行った。宴もたけなわの頃、散会した。
「世界経済や金融市場を冷戦に判断し適切な舵取りを」日本工作機械輸入協会が第62期通常総会を開く
日本工作機械輸入協会(会長=中川貴夫 シーケービー社長)が、5月23日、都内の日比谷松本楼で第62期通常総会を開催した。

続いて新会員の紹介が行われた。

乾杯の発声は、アントネッラ・マルッチ イタリア大使館 貿易促進部副代表が行った。
すべてを一つのラインへ ~STUDERの最新「Flow Assembly」(フローアセンブリ)~
Fritz Studer AGは、2015年10月にThun(トゥーン)拠点で新しいFlow Assemblyによる操業を開始した。これはSTUDERが全社一丸で計画的に取り組む開発と改善によるもので、2008年より企業理念として効率改善プログラム「PuLs」を制定し、全ての分野に対して活動している。この活動では最適な作業ツールにまでこだわり、企業が係わるすべてのプロセスと業務のさらなる向上を目指している。
「Flow Assembly」は、同社の全製品ラインナップに利用できるよう考案され、機械はラインの最終ステーションを通過したあと、既に出荷準備が整っている状態にある。特殊な定寸装置や顧客のチャックシステムなども、ライン上で設計通りに組付けられる。レーザー測定とテスト研削もこの一連のフローの中にある。「全てが一つのラインで流れるように組み立てられる最新方式を当社は採用する」と同社取締役のGerd könig氏。
この「Flow Assembly」は16のステーションに分割され、U字型に並んでいる。Uの片側のストレート部では、通常のレールシステムを使用している。もう一方のストレート部では、大型精密工作機械のガイドと同様の構造をもつ長さ40mのコンベアシステムを採用し、レーザー測定や稼働中の機械のテスト研削を行う。このラインは4時間の作業を2回行うシングルシフト用に設計され、22.9mm/min(5.5m/4h)の速度で進む。それぞれの研削盤で異なる作業内容にはステーションの密度を調整することで対応している。
16のステーションを4部門に分け、1部門には最高4名の従業員を配属し、超複合的な機械の組立を行う。このライン用に新たなマネージメント構造を制定し、この分類を実施している。1つの部門を管理するマネージャーの主要課題は、支障のないステーションの作動を保証することであり、マネージャーは作業現場で直接業務を行うため、部門内従業員とより密接なコミュニケーションが確立でき、故障が生じた場合も最小限に食い止めることができる。必要となる組立部品は倉庫から直接、また時にはkanban(かんばん)により供給され、次の作業サイクルで必要となる工具を含めたすべての部品が4時間毎に供給される。さらなる新たな特長は完全なサブアッシー組立が、ライン隣の作業場で行われることで、最適なタイミングでラインへ配送できる。完成した研削盤はその後、直接エンドユーザーまたは社内のユーザーへ発想される。
同社の優位性は、高いプロセス安定性に生み出される最新の加工コンセプト。könig氏は、「プロセスが詳細にわたって明確であるため、われわれもさらに効果的な行動ができる。そのため当社は効率向上と生産時間の短縮を実現できる」と明言している。
フローラインによる機械生産台数は理論畳で1日2台、受注生産である。変動の大きな研削盤市場においても、同社では最新の生産コンセプトにより、フレキシブルに納期厳守で市場の要求に対応するとしている。また、高度に融通性のあるコンセプトのため、生産台数を増加させることも可能としている。
セコ・ツールズが新しいグローバルウェブサイトを開始
セコ・ツールズは、このほど、金属切削ソリューションのガイドとなる新しいグローバルウェブサイト www.secotools.com を立ち上げた。このウェブサイトでは充実した製品情報や技術情報、業界最高峰のリソース、サポートをまとめて案内し、ユーザーが生産性を高めて複雑な金属加工プロセスに対応できるよう支援するものである。
「セコ・ツールズは、今日における競合の激しい市場でメーカの皆様が必要としているのは、複雑な金属加工の課題を迅速に解決する信頼性の高いソリューションであると考えています。新しい secotools.comでは、生産性を高めるために必要な製品やサポートをお客様が容易に見つけることができます」とセコ・ツールズグループの CEO、Lars Bergström 氏は述べている。
このサイトは、サイト内の効率的な検索エンジンとナビゲーション機能を使用することで、ユーザーは必要なものを、どのデバイスからでも 24時間、すばやく簡単に見つけられる。高度な検索機能により、それぞれのニーズに最適な工具や加工方法を特定して迅速にソリューションを得ることが可能。
新機能の 1 つに Suggest (工具提案)機能がある。これは、高性能なオンライン製品選択ツールで、部品メーカの顧客それぞれに固有の加工要件に最適な金属切削ソリューションを案内する。入力された情報に基づき、推奨される最適な工具を迅速に見つけ出して提案する。
新しいセコオンラインストアでは、ご注文をすばやく、スムーズかつ簡単に行うことができる。製品、価格、割引、在庫状況をリアルタイムで確認できるため、ユーザーの生産性が向上する。注文の状況、発送と注文履歴も容易に確認できる。( 日本でこのサービスは利用できない)。
他にも、ニュースとイベントのセクションでは、最新のニュース、記事、イベントにアクセスでき、ダウンロードセンタでは業界最高の金属切削情報・リソースへ容易にアクセスできる。
このサイトでは柔軟に適応する画面デザインを採用しており、デスクトップコンピュータ、ノート PC、スマートフォン、タブレットなど様々なデバイスでアクセスしても最適な画面表示で見ることができる。
▼新しいセコ・ツールズウェブサイトはこちら▼
http://www.secotools.com
「AMADA INNOVATION FAIR 2017」が開催! ~IoT技術を駆使した「V-factory」の全貌もお披露目~

同社では、IoT技術でアマダ商品をつなげることにより、顧客の製造現場に付加価値を提供する新しいサポートサービス「V-factory」の展開を予定しているが、本年10月からのモニターを得て、2018年1月よりサービス開始を計画している。
今回、アマダグループでは、これまで「AMADA INNOVATION FAIR 2017」をきっかけとして、「間違いのないモノづくり」「段取りを減らすデジタルなモノづくり」を提唱してきたが、IoT分野でも業界に先駆け90年代より製造現場のデジタル化、ネットワーク化に早期から取り組んでいる。

5月18日に開催されたプレスプレビューで、アマダホールディングスの磯部社長は、「今回のフェアでは、自信をもって皆様をお迎えすることができた。今回は、つながるモノづくりによるお客様利益の創造をコンセプトにV-factoryの集大成をお見せしていくことになる。通信は富士通と提携・協業して準備に入っている。AIの部分、各種センサー部等は、一社のみならず、様々な企業と提携・協業を図っていかなければならないと考えている」との考えを示した。

これが「V-factory」だ!
同社では、「モノづくりにおけるIoT化の集大成としてV-factoryが実現することで、より一層モノづくりの価値を高めることが可能になり、アマダが従来提供していたスマートファクトリーから大きな変化を果たした。」とコメントしているが、この「V-factory」がもたらす3つの付加価値に注目したい。
(1)生産を止めないサポート
顧客が計画通りの生産を実行するためには、マシン本体、周辺装置、金型など、これらの正常な運転が必須。「V-factory」では、予期せずにマシンが止まることがないよう、また、金型や部品のスペアが不足することがないようにリアルタイムでコンディションを監視し、事前での保守をサポートする。
(2)顧客の有事に備えたバックアップ
製造現場ではデータの保管管理に最大限の配慮が必要だが、これらモノを製造するためのデータやプログラムに加え、それを構築するための基となるパーツの展開図や図面を厳重なセキュリティー環境下でバックアップし保管する。
(3)生産効率の向上サポート
モノづくりの全体をサポートする同社では、顧客が計画に見合った生産を実行することを現場でナビゲートしていくために、ソフトウエアを中心としたアプリケーションの分野からもサポートを行う。アプリケーションを併用していくことで、計画に対してズレが出た時の原因の究明や特定を行い、テキスト情報でアウトプットするなど、常に予定と実績を対比し設備を最大限に活用する。また、製造時の稼動状態をアマダでモニタリング・分析することにより、コスト削減だけでなく、高品質なモノづくりを可能にする加工方法と工程など、さらなる生産性向上に向けた運用を提案する。
V-factoryは、①IoTサポートセンター、②V-factory Connecting Box、③ビックデータの活用、④ユーザーへのリアルタイムなソリューション提供――の4つで構成されている。
①IoTサポートセンター
「V-factory」全般における顧客との窓口となる「IoTサポートセンター」を開設する。アマダ製品に関する知識と経験を兼ね備えた同センターのスタッフが的確なサポートを行う。
②V-factory Connecting Box
顧客とアマダをIoTでつなぐ、高度な安心を実現した専用の通信機器。OPC-UA、MT Connectの汎用オープンインターフェイスも備えている。富士通とのパートナーシップにより実現する。
③ビッグデータの活用
「V-factory Connecting Box」を通じて蓄積されたデータを、常に利用可能な状態で整理・保管し、顧客に情報を提供するために分析、解析を行う仕組みを構築する。
④ユーザーへのリアルタイムなソリューション提供
「IoTサポートセンター」が顧客に対してサポートしていくツールとして、直接マシンに接続してその原因を究明するリモートサポートのほか、最新のIoTツールを導入する。
“リモートサポート”とは、マシンに思わぬトラブルが発生したときに、リモート接続による遠隔診断や遠隔復旧を行う仕組み。マシンに直接リモート接続詞、トラブル状況を診断し、好感が必要な部品の特定と手配、さらにはサービススタッフの手配を迅速に行います。また、緊急対応として応急的に処置してマシンを動かすことなどが可能である。
顧客が診て活用できる情報として提供するためのwebを活用したツール“My V-factory”も顧客の生産を止めないための保守、マシンの運用改善などを参照することができる仕組みとなっており便利である。金型や部品の見積や発注、それらの履歴管理もサポートする。今後、重要な情報は全てこの“My V-factory”を通じて情報を提供していく。
顧客の手元のスマートフォン等の携帯端末で、マシンの状況をリアルタイムに把握することができるサービス“V-factory App”もそれぞれのマシンの稼働時間やメンテナンスの必要性の有無など、マシンの状態や生産性の進捗を遠隔地にいても知ることができるので、ありがたい仕組みだ。
今回のAIFは、アマダのIoT「V-factory」が体験可能!
アマダの「V-factory」は、2015年に“工場全体の管理機能としての見える化”、2016年には「最適スケジューリング、加工技術、予防保全”をテーマにしてきたが、2017年はこれまでの「V-factory」の集大成が見学できる。IoT技術によって、マシンに搭載された様々なセンサーからマシンの稼働状況を監視できる商品へ進化させ、新たなサポート体制で付加価値を提供するという仕組みを展開していた。同社では、本年3月にドイツで開催された世界的IoT展示会である「CeBIT」に初めて出展し、金属か鋼機械とIT技術の融合による“状態や状況が見える工場”を訴求してきており、大成功を収めた。今回のAIF2017では、その進化版を披露してくれる。なお、この秋開催のアジア最大級のIoTイベントであるCEATEC JAPANにも出展するとのことだ。
AIF2017では「V-factory」を中心に4つのゾーンで様々なソリューションを提案している。
(1)V-factoryゾーン
アマダのIoTを支える5つのコンテンツを「いつでも・どこでも見える」仮想工場と、大型スクリーンやモバイル端末などを使って具体的に紹介する。
①Monitoring
コンディションを監視可能なマシン・金型・部品
②Manufacturing Design
被加工材に対して加工方法と工程・マシンを設定するソフトウェア
③Factory Control
加工方法と工程情報から生産計画通りの生産を促すソフト・ハードウエア
④IoT Servicing
IoT技術によるマシン・金型・部品の状態監視による予防保全・予知保全のサポート
⑤IoT Consulting
稼動情報、生産情報の解析によるコンサルティング
(2)自動化ゾーン
変種変量生産への対応、省力化・長時間運転など、顧客の多様化したニーズに応える自動化ソリューションを、具体的な運用の違いとその効果を提案する。
(3)溶接ゾーン
汎用溶接からレーザ溶接、精密微細溶接、自動化システムまでの溶接ソリューションを一堂に会し、新しい価値である「溶接加工領域の拡大」を提案する。
(4)加工技術ゾーン
顧客の課題解決の糸口となる製品視点での加工技術を、業種別・工程別に導入前・後の比較をデータに基づき提案する。
■新製品■
1.省エネ・変種変量・ワイドレンジ・ファイバーレーザーマシン
「ENSIS-3015AJ(3kW)+ASFH」
2.2次元レーザーマシン
「LC-1212αVNT」
3.全自動リブ・長物曲げシステム
「HG-2204Arm」
4.究極の多品種少量対応ベンディングマシン
「HG-2204ATC」
5.ファイバーレーザー溶接システム
「FLW-3000ENSIS」
6.ツインヘッドインバータースポット溶接機
「ID-40IVTHNT」
7.フロントオープンレーザ
「LC-6030θⅢ(6kW)+AS-61020PC」
8.デジタル電動サーボプレスSDEシリーズGORIKI
「SDE-2017+LFD-300V」
ヤマザキマザックが主力工場を大規模スマートファクトリー化 ~美濃加茂市の2つの生産拠点をデジタル統合し、生産性1.5倍へ~

山崎社長は発表の席で、「私どものMazak iSMART Factoryは、IoTやインダストリー4.0といった製造業のデジタル革命に対応する弊社の次世代のものづくりの取り組みである。iSMART Factoryは常に進化し続ける工場をスローガンに、2014年にケンタッキー工場をパイロット工場として最初に取り組みを開始した。先日公開した本社工場は現時点では最も進化した最新のiSMART Factoryとなっているが、この本社工場で開発・実証したiSMART Factoryの新しい技術とノウハウは今後、私どもの国内外10箇所の生産拠点に水平展開する」との計画を示したあと、「美濃加茂市にある2つの主力工場を同時に再編しデジタル統合し、2工場を1つの工場として運用することでより効率的なiSMART Factoryを実現する」旨の説明をした。

山崎社長は、「検討を重ねた結果、本社工場のiSMART Factory化で運用を始めた最新のIoT技術と新しいERP基幹システムを活用して2つの工場を一体化して運用したほうが、より高い生産性を実現できると見通しがついた」と計画を実行するに至った経緯を述べた。
現在2つの工場にはそれぞれ組立機能と機械加工機能を有しているが、今回の新たな計画では両工場の同時iSMART Factory化に伴って、工場の組立機能を第一製作所に集約し、機械加工を第二製作所に集約するという大規模な再編を行う。iSMART Factory化で従来の設備や管理体制の重複をなくしながら、生産性効率を大幅に高めることも特長のひとつだ。
山崎社長は、「1+1=2ではなく、1+1=3にする計画」としている。
総投資金額は、約130億円、延床面積は本社工場の5倍規模の約198,000㎡。この大規模iSMART Factoryの完了は同社の創業100周年にあたる2019年を予定している。
主力工場を大規模スマートファクトリー化

これらの取り組みを通じて、「新しい美濃加茂製作所では、本社工場のiSMART Factory化の数値目標として掲げている製造リードタイムの30%を短縮、仕掛り在庫30%削減、管理工数の50%削減に留まらず、高度なマス・カスタマイゼーションを実現して多品種少量生産を維持しながら、生産性を一気に1.5倍に引き上げる」と山崎社長。

■美濃加茂製作所「MAZAK iSMART Factory」概要
敷 地 面 積 :約592,000㎡
延 床 面 積 :約198,000㎡
生 産 内 容 :複合加工機・タレット旋盤・立形マシニングセンタ
統合完了予定:2019年6月
投 資 総 額 :130億円
DMG MORIが圧倒的な差を生む大型5軸加工機「DMU 600 Gantry linear」を開発
DMG MORIは、このほど大型ワークの5面/5軸加工に最適な大型5軸加工機DMU 600シリーズのうち、リニアドライブを搭載し、最高の動的性能を実現する「DMU 600 Gantry linear」を開発したと発表した。
「DMU 600 Gantry linear」は、同時5軸加工や機械のフルカバー化、リニアドライブによる高い動的性能などにより、従来の5面加工門形マシニングセンタとは一線を画し、その生産能力は圧倒的な差を生み出す。
特長は以下の通り。

① 5面/同時5軸加工
Z軸ラムに組み込まれたC軸と交換式のA/B軸ミーリングヘッドにより、同時5軸加工が可能です。ワンクランプで加工が完了するため、段取り回数の削減や治具の簡素化が可能となり、工程時間を大幅に短縮することができる。また、C軸にはダイレクトドライブを搭載しており、高速でパワフルなミーリング能力を発揮する。金型や航空宇宙産業などの大型で高速・高精度が求められるワークに最適な機械である。
② 圧倒的な送り速度
大型機でありながらも高速加工を実現するために、直線軸にはリニアモータを搭載し、ガントリ構造では最高の精度と動的性能を実現した。また、早送り速度は45 m/min、主軸最高回転速度は28,000 min-1(オプション)で、従来の5面加工門形マシニングセンタと比べ加工時間の大幅な短縮を実現している。
③ 安定したガントリ構造
機械構造にはFEM解析によって最適化されたEN-GJS-600-3 (GGG60)製のベッド、クロスビーム、Z軸ラムを採用し、想像以上の剛性を実現している。同時5軸加工では、同時に駆動する軸が多いため、剛性が低下し、振動などでどうしても数ミクロンの誤差を生じることがあるが、「DMU 600 Gantry linear」は、高い剛性により、長期間安定した加工精度を保つことができる。
④ 機械のフルカバー化
門形の大型機の多くは、加工エリアがむき出しになっているため作業者の安全が十分に確保されておらず、また、床や空気中が常に汚れた状態になり、健康被害が懸念されているが、「DMU 600 Gantry linear」は、機械をフルカバー化することで、このような問題を全て解決し、安全かつクリーンな作業環境を実現する。
⑤ テクノロジーサイクル
「DMU 600 Gantry linear」には、品質向上や加工プログラムをサポートする当社独自のテクノロジーサイクルをオプションで使用できる。例えば、汎用の市販工具でギヤ加工を行う「DMG MORI gearMILL」、先読み補間の滑らかさ調整を可能にする「ATC(アプリケーションチューニングサイクル)」、複雑加工のプログラミングをサポートする「高速固定サイクル」など、生産工程を最適化する機能を用意している。なお、対応するテクノロジーサイクルは順次拡大する。
仕様
ジェイテクトが 小型ギヤスカイビングセンタ GS200Hを販売開始 ~ギヤ量産加工に最適~
ジェイテクト(社長=安形哲夫氏)は、このほど小型ギヤスカイビングセンタ「GS200H」の販売を開始した。
ギヤスカイビングセンタは、スカイビング工法に同社独自の要素技術を加え、従来5工程(5台) 必要としたギヤ加工を1台に工程集約した機械。同社はこれまでに、汎用マシニングセンタベースの「GS300H」、大型ギヤ加工に最適な「GS700H」とシリーズ展開している。
今回販売開始する「GS200H」は、GSシリーズの「工程集約機能」を継承しながら、「GS700H」で培った加工技術・ノウハウを集約している。画期的な小型化の実現により、自動車などに使用されるギヤの生産ラインへの組み込みが容易となるもので、量産加工に適した機械である。
GSシリーズの独自スカイビング加工技術、高速回転ワーク軸、自社製CNC 「TOYOPUC-GC70」、独自の歯車創成理論に基づく工具などの従来技術・機能と合わせて、機械剛性・各軸剛性を高め、熱変位を低減する最適な機械設計により高精度な加工と従来の約2倍の高い生産性を実現している。また、スカイビング工法採用により顧客製品の小型・軽量化が可能となり、省エネ・省資源ニーズにも貢献する。
同社では、独自の要素・制御・工具・加工技術を備えたGSシリーズ3機種を提供することで、顧客の生産を支えるとともにギヤ加工市場への拡販を進めていくとしている。
1.主な特長
① 生産ラインに適したコンパクトな機械サイズ
②機械剛性、各軸(X・Y・Z)剛性向上による高生産性(従来比約2倍)の実現
・コラムの高剛性化
・ストレスパスを短縮
・主軸フロント軸受径の大型化
③熱変位対策、軸移動変化量削減による加工精度の向上
・鋳物部位(ベッド、コラム)の最適な熱容量確保と放熱効果を実現する設計
・ベッドのリブ構成の最適化による安定した軸移動の実現
2.加工対象工作物
3.GS200H機械仕様
三菱マテリアルが続々と商品を追加発売
三菱マテリアル株式会社 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント:鶴巻二三
男氏)が、①難削材旋削加工用インサート材種“MP9000/MT9000シリーズ”にチップブレーカを、②炭素鋼旋削加工用PVDコーテッド超硬材種「MS6015」の型番を、③“小型自動旋盤用工具シリーズ”にモールデッド後挽き加工用インサート「SMBブレーカ」――と続々とシリーズを追加発売している。
難削材旋削加工用インサート材種“MP9000/MT9000シリーズ”にチップブレーカを追加発売
同社の難削材加工用インサート材種“MP9000/MT9000シリーズ”は、航空機や医療器具などを中心としたチタン合金、耐熱合金、耐食合金などの難削材といわれている旋削加工用に耐摩耗性、耐欠損性、耐溶着性を向上させ、突発欠損や切りくずトラブル対策として、高い評価を博していることを受け、このほど、小型自動旋盤加工に多用される“精密級チップブレーカシステム”と汎用性の高い「MAブレーカ」を追加することにより、適応範囲の拡大を図った。
“精密級チップブレーカシステム”と「MAブレーカ」の主な特長は、以下の通り。
① “精密級チップブレーカシステム”ポジティブインサートの仕上げ切削領域用は、曲線切れ刃によりスムーズな切りくず排出が可能な設計とし、耐熱合金、チタン合金、コバルトクロム合金旋削加工用の「FSブレーカ」とチタン合金、銅合金旋削加工用の「FS-Pブレーカ」はポリッシュ(鏡面)仕上げを施し、耐溶着性を大幅に向上。
② “精密級チップブレーカシステム”ポジティブインサートの軽切削領域用は、平行切れ刃の採用で低切削領域から中切削領域まで幅広い領域で安定した切りくず処理が可能とし、耐熱合金、チタン合金、コバルトクロム合金旋削加工用の「LSブレーカ」とチタン合金、銅合金旋削加工用の「LS-Pブレーカ」はポリッシュ(鏡面)仕上げを施し、耐溶着性を大幅に向上。
③ ネガティブインサート「MAブレーカ」は、汎用領域に対応するポジランド刃形で切れ味が良好。
・標準価格 : CCGT060201M-FS MP9005:1,290円
(代表型番) CCGT060201M-LS-P MT9005:1,240円
CNMG120408-MA MP9015:850円
(いずれも税抜価格)
炭素鋼旋削加工用PVDコーテッド超硬材種「MS6015」の型番を追加発売
炭素鋼旋削加工用PVDコーテッド超硬材種「MS6015」は小型自動旋盤での、純鉄、炭素鋼、快削鋼の旋削加工において、専用超硬母材とPVDコーティングのコンビネーションにより、安定した仕上げ面と寸法精度を実現させる。突っ切り・後挽き加工用のインサートを追加することにより、“小型自動旋盤用工具シリーズ”の拡大を図る。
炭素鋼旋削加工用PVDコーテッド超硬材種「MS6015」の主な特長は、以下の通りです。
① TiCN積層コーティングは、小物部品加工のような切削速度50~150m/minの低~中切削領域での炭素鋼加工に対し耐摩耗性に優れ、積層構造を最適化することにより密着性を向上。
② 炭素鋼従来材種に比べ、切れ刃への切りくず処理性に優れ、外径寸法の変化が小さく、安定した仕上げ面を実現。
③ 低送りで溶着しやすい突っ切り加工や後挽き加工でも、安定した面粗さと長寿命を実現。
・標準価格 : BTAT552800R-B MS6015:2,550円
(代表型番) BTBT604500R-B MS6015:3,940円
CTAT10120V5RR-B MS6015:3,220円
CTAT20110V5LR-B MS6015:3,220円
(いずれも税抜価格)
モールデッド後挽き加工用インサート「SMBブレーカ」を発売
高精度、高品質な加工が要求される小型自動旋盤による加工は、切削工具には安定した仕上げ面と切りくず処理が要求されているが、従来の後挽き加工用研削ブレーカは、溝加工時に切りくずの嚙み込みが発生し、つば裏面の面粗さが問題視されていたことを受け、同社では、つば裏面粗さの改善可能なモールデッド後挽き加工用インサート「SMBブレーカ」を追加することにより、“小型自動旋盤用工具シリーズ”の拡大を図る。
モールデッド後挽き加工用インサート「SMBブレーカ」の主な特長は、以下の通りです。
① 溝加工時(縦切り込み時)のつば裏への切りくず噛み込みを防止し良好な仕上げ面を実現。
② ワイパー刃の採用で良好な仕上げ面と高送りによる高能率加工が可能。
③ 幅広い被削材に対応する汎用旋削加工用PVDコーテッド超硬材種「VP15TF」の採用で、安定した工具寿命を実現。
・標準価格 : BTAT7235V5R-SMB VP15TF:2,620円
(代表型番) BTAT723501MR-SMB VP15TF:2,620円
BTBT705502MR-SMB VP15TF :4,000円
(いずれも税抜価格)