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ブルーム-ノボテストが新技術を提案

毎秒数戦の測定値を取得:ブルームの工具及びワーク測定用のデジログ技術を用いた最新アプリケーションを発表
毎秒数戦の測定値を取得:ブルームの工具及びワーク測定用のデジログ技術を用いた最新アプリケーションを発表
 高品質で革新的な測定と試験技術のあるブルーム-ノボテストが「EMO2019」に引き続き、「メカトロテックジャパン2019」でも新しい技術を発表した。新技術は測定の可視化と評価機能及びに工作機械主軸の品質評価など複数のソリューション提案ができるソフト「LC-VISION」であり、このソフトはDIGILOG工具測定とワーク測定の新製品。

 ブルーム‐ノボテスト、マーケティングマネージャーのウィンフリート・ウエイランド氏は、「2017年に発表したLC50-DIGILOGを筆頭にDIGILOG技術のおかげで、革新的で幅広い製品の土台を作ることができた。また、DIGILOG技術及び工具測定システムを用いて、1秒に幾千ものの測定値を取得でき、データストリーム評価により今までになかった高速かつ信頼性を備えたアプリケーションの提供ができる。EMOでのプレゼンテーションでは、最新のハードとソフトウェアソリューションに加え、ネットワーク化させた生産環境におけるDIGILOG技術の現在と未来のアプリケーション領域に集点を当て、DIGILOGシステムを使用したワーク輪郭やボアのスキャン測定を行うクローズドループシステムや大量生産品の表面粗さ測定などを紹介した。」とコメントしている。

 ユニークな可視化と解析用ソフトウェア「LC-VISION」のアプリケーションはレーザー測定システム用に新たに開発された機上測定を次の段階へ引き上げるもの。史上初めて測定中の記録データをリアルタイムに視覚化し、機械制御装置へ直接解析結果を反映できる。

「LC-VISION」。ブルームのレーザー測定システム用に新たに開発された測定中の記録データをリアルタイムで解析、視覚化し機械制御装置へ直接反映するソフトウェアだ
「LC-VISION」。ブルームのレーザー測定システム用に新たに開発された測定中の記録データをリアルタイムで解析、視覚化し機械制御装置へ直接反映するソフトウェアだ
 例えば、「LC-VISION」と新しいオプションのアプリケーションの「スピンドルコントロール」を併用して、DIGILOGレーザー測定システムで異なる回転速度での主軸の状態の記録ができ、加工精度に悪影響を与える主軸ベアリングの不良を早い段階で確認ができる。また取得したデータを使用して故障などの予期せぬ機械の停止期間の発生を抑制、それ以前の都合の良いタイミングで主軸オーバーホールを行う「予防保全」のために使用することもできる。また日常の使用においてもウォーミングアップ時間を最短化でき、「スピンドルコントロール」を用いることにより、ユーザーは常に機械が安定した状態になり、加工を開始することができる。また、判回転数レンジをベースとした主軸の振動解析も可能。データは主軸ベアリングダメージなどの傾向を示すので異常状態を発見することができる。

 同社は、EMOの会期中に、LC-VISION技術をベースとしたテクノロジーサイクル「3D ToolControl」を発表した。新しいオプションについては、ボールエンドミルの摩耗をモニターに使用し、各圧力角毎に最長、最短の切れ刃をLC-Vision上で一目でわかるよう可視化することが可能になるなど、ユーザーは、どの角度位置に問題が存在するかを見ることができ、複数の評価方法を用いてこのアプリケーションと工作機械に最適な補正方法を選定することができる。「LC-VISION」ではさらに、個々の切り刃の長さの測定並びに棒グラフ表示も実現する。また、この可視化によって、例えば達成可能な加工後の表面品質の断定や、新品工具の品質及び寿命の確認に使用することも可能。

 さらに、「LC-VISION」のもう一つの特別な機能は診断画面だ。最初はレーザーの焦点位置、インストールされたハードウェアやソフトウェア等の関連するシステム情報も予防保全のためのデータも制御装置の画面上でオペレータが見ることができる。

システムの関連情報は、予防保全機能と共に、診断画面にて表示可能
システムの関連情報は、予防保全機能と共に、診断画面にて表示可能
 また、同社のDIGILOGレーザー測定システムが機械に取り付けられていない場合に対応できる、「ポータブルスピンドルコントロール」(PSC)という、スピンドルモニターの携帯型ソリューションもEMOで発表し、高い評価を得た。

 これは、コンパクトで使いやすいシステムであり、LC50-DIGILOGブルームレーザーとスピンドルコントロールソフトウェア及びそのアクセサリーパーツで構成される。この“PSC“は実際に機械と接続せずに殆どのスピンドルコントロールの機能を使用することができる。

 LC50-DIGILOGレーザーをマシンテーブルにマグネットで固定し、スピンドルコントロールソフトウェアを外部パソコンで実行する仕様。“PSC“は主軸テストベンチでの開発業務から、主軸が機械に組み込まれた状態でのエンドユーザーはもちろん、サービスマンなど幅広い活用ができる携帯型ソリューションである。

タンガロイが、穴あけ・旋削加工用複合工具「TungBoreMini(タング・ボア・ミニ)」を新発売

 タンガロイ(社長=木下 聡 氏)はこのほど、穴あけ・旋削加工用複合工具「TungBoreMini(タング・ボア・ミニ)」の発売を開始した。

 穴あけ・旋削加工用複合工具「TungBoreMini」は、1本の工具に穴あけ加工用ドリル、外径旋削用バイト、内径旋削用バイトの機能を備えており、工具交換に伴う非加工時間を削減することが可能な複合工具。インサート側面とホルダの結合部に同社独自のダブテール(くさび)形状を採用することで、従来のインサートよりも強固なクランプ剛性を実現し、幅広いアプリケーションで使用可能だ。

 ホルダには、工具径10、12、14、16mmの左右勝手8種類を標準設定しており、インサートは各工具径に装着可能な4種類のサイズを標準設定している。

■主な特長
 ●1本の工具で、穴あけ加工、内外径の旋削加工が可能。
●工具交換時間の削減が、サイクルタイム短縮に貢献する。
●インサート側面とホルダの結合面にダブテール(くさび)形状を採用したことで、従来のインサートよりも強固なクランプ剛性を実現。

■主な形番と標準価格(税抜)
●ホルダ(全8形番)
・工具径φ10用 TBM10LF12-2.25:30,900円
・工具径φ16用 TBM16RF20-2.25:33,200円
●インサート(全4形番)
・工具径φ10用 XOMU05X204-PS:1,590円
・工具径φ16用 XOMU08T304-PS:1,590円

DMG森精機が大型の横形マシニングセンタにスラッジ回収システム「ゼロスラッジクーラントタンク」の標準搭載を開始

 DMG森精機(社長=森 雅彦 氏)は、大型の横形マシニングセンタ「NHX 8000」および「NHX 10000」にクーラントタンク内のスラッジを高効率に回収する「ゼロスラッジクーラントタンク」の標準搭載をこのほど開始した。

 今回ゼロスラッジクーラントタンクを「NHX 8000」および「NHX 10000」に標準搭載することで、同社の横形マシニングセンタNHXシリーズ全機種に標準搭載となる。

 「ゼロスラッジクーラントタンク」は、顧客から要望が多い「効率的な切りくず処理」を実現するために開発した機能。複数のノズルをクーラントタンク内に配置して最適なクーラントの流れを形成し、スラッジを高精度サイクロンフィルタで高効率に回収できる同社の新技術を採用している。通常はスラッジがクーラントタンク内に堆積してしまい、ほとんど回収できないが、この新技術を用いた「ゼロスラッジクーラントタンク」では、複数のノズルでタンク内を攪拌することでスラッジの堆積を抑え、スラッジを効率的に回収し処理することができる。

 これにより、クーラントタンク内の鋳物スラッジの場合の回収率は99 %以上を実現しており、従来は定期的に必要であったクーラントタンク内の清掃作業頻度を大幅に低減する。また、配管やクーラントノズルの詰まり、ポンプの能力低下を防止するだけでなく、クリーンなクーラントを使用し続けることができるため、クーラント寿命の延長効果もある。

↓スラッジ回収の動画は同社のWebサイトに公開↓
https://www.dmgmori.co.jp/theme/movie/id=3021

スラッジ回収イメージ

アマダホールディングス 伊勢原事業所が「2019 年度 緑化優良工場等関東経済産業局長賞」を受賞

屋内庭園「PATIO」
屋内庭園「PATIO」
 アマダホールディングス(社長=磯部 任 氏) 伊勢原事業所が、このほど「2019 年度 緑化優良工場等関東経済産業局長賞」を受賞した。

 この賞は、緑化を積極的に推進し、敷地内外の環境整備に顕著な功績があった工場や事業所等を表彰するもので、伊勢原事業所は、約40 年前から緑化活動を積極的に推進してきた。今回の受賞は、「生物多様性への貢献」をデザインコンセプトに据えた生態系ネットワークを構築する活動、「将来に残る緑化」を目指した伝統・文化・芸術と緑化の融合、障がい者の活躍の場として室内緑化や壁面緑化を推進する取り組みが評価されたもの。

事業所内の池には毎年カルガモが営巣し産卵、子育てをしている。
事業所内の池には毎年カルガモが営巣し産卵、子育てをしている。
 同事業所は、緑化優良事業所として2016 年に財団法人日本緑地センター会長賞を受賞している。また、関東経済産業局長賞の受賞は神奈川県内の事業所としては6年ぶりとなった。

 同社は2010 年に「アマダグループ環境宣言」を策定し、2020 年までの商品開発、事業活動、生物多様性に関する長期的な環境目標「AMADA GREEN ACTION2020」を設定している。

大澤科学技術振興財団が2019年度助成費贈呈式を開催

 大澤科学技術振興財団(理事長=大澤伸朗 オーエスジー専務)は、10月23日、同社ゲストハウス(愛知県豊川市)で、「2019年度助成費贈呈式」を開催した。同財団は、平成3年7月18日に設立され、日本のモノづくりを支える科学技術の振興に寄与したいという趣旨から、国内の大学・研究所等、非営利の研究機関に所属する研究者に助成を行っている。

 本年度は、26課題の研究開発助成および、6件の国際交流助成を行い、助成金の合計は8千1百83万円となった。また、設立来29年間の研究開発助成は394課題、国際交流助成も274件となり、助成累計額は8億3千8百62万8千円に達している。

 大澤理事長は、「今年ノーベル賞を受賞した吉野彰氏が、基礎研究は10個に1個当たればいい。研究者は自分の好奇心に基づいて9割の無駄な研究をいっぱいしないと新しいことは生まれてこない、と述べられた。大澤科学技術振興財団は大学の研究者の基礎研究に対する助成を継続していくことで、ものづくり産業全体の底上げと未来の発展につながる一助をなるように努めていく。」旨のあいさつを述べ、研究者を激励した。

日本金型工業会が「金型アカデミー(第2部)」、「シニア金型マスター」、「第2期生金型マスター」認定式を開催

 日本金型工業会(会長=小出 悟 氏)が10月18日、都内の上野精養軒で、「金型アカデミー(第2部)」、「シニア金型マスター」、「第2期生金型マスター」認定式を開催した。
 今年度は、第2期生金型マスター36名が誕生すると同時に第1期生金型マスターから新たにシニア金型マスターが誕生した。

 講演会では、乙部信吾 LIGHTz社長が「AI金型の現状と将来性」をテーマに講演した。続いて「AI金型で作る未来 ~僕らは次のスティーブ・ジョブズになる~」をテーマにパネルディスカッションが行われた。

「Grinding Technology Japan 2021(研削加工技術と工具製造技術展)」開催概要説明会を開く

 本年3月、日本で初となる「Grinding Technology Japan (研削加工技術と工具製造技術展)」(主催:日本工業出版、フジサンケイビジネスアイ)が開催され、盛況のうち幕を閉じたが、2回目にあたる「Grinding Technology Japan 2021(研削加工技術と工具製造技術展)」の開催概要説明会が、10月29日、都内の大手町サンケイプラザで開かれた。


あいさつをする日本工業出版 小林社長
あいさつをする日本工業出版 小林社長
 主催者を代表して、小林大作 日本工業出版 社長が、「この展示会は今年の3月に第1回目を開催したが、お陰様で大変高い評価を得ることができた。第2回目も第1回の経験を活かしながら業界を盛り上げていきたい。」とあいさつをした。

 続いて、清水伸二 日本工業大学 工業技術博物館 館長/上智大学名誉教授が「研削盤の最新技術動向と今後の課題」をテーマに講演を行った。

開催概要を、小山 宏 日本工業出版「機械と工具」編集長、荒井一則 フジサンケイビジネスアイ執行役員がそれぞれ説明した。

 それによると、来場対象は、研削加工技術者・研究者、工具製造者、切削加工業者、学生など。今回も前回に引き続き、基調講演、特別講演、セミナーも開催する。また、新テーマを「磨く」(予定)とし、レンズ磨きなどの実演を行う予定だ。

 この展示会の特長は“課題解決型”だが、来場者の課題解決に貢献する「研削コンシュルジュ」も前回の成功に基づいて、さらに増やす方向とした。

 予定として砥粒加工学会関連事業では、「砥粒加工技術ポスター展」が開催される。前回は15研究室(大学・高等専門学校)が出展した。また、今回は新しく、「砥粒加工学会 先進テクノフェア(ATF2021)」も開く予定。ここでは①卒論発表(予定)、②リクルートコーナー(予定)、③技術セミナー、④企業発表等を予定している。

開催概要

会期:2021年3月2日(火)~4日(木)までの3日間(以降2年に1度開催)
開場時間:10:00~17:00
会場:幕張メッセ 4.5ホール
入場料:2000円(ただし招待券持参者・インターネットからの事前登録者は無料)
主催:日本工業出版(株)、フジサンケイビジネスアイ(日本工業新聞社)
企画:日本工業出版(株)「機械と工具」編集部
後援:在日ドイツ連邦共和国大使館(予定)
特別協賛:切削フォーラム21
特別協力:公益財団法人 砥粒加工学会
協賛:日本工作機械工業会、日本工作機械輸入協会、日本工作機械販売協会、日本鍛圧機械工業会、日本精密機械工業会、日本機械工具工業会、日本工作機器工業会、日本精密測定機器工業会、研削砥石工業会、ダイヤモンド工業協会、日本光学測定機工業会、ンホンフルードパワー工業会、日本歯車工業会、日本機械鋸・刃物工業会、精密工学会、日本フルードパワーシステム学会、ターボ機械学会(予定)

出展料と小間企画

Aタイプ
[出展小間規格]
1小間=9m(間口3m×奥行き3m×高さ2.7m)

[出展料(1小間)]
◎一般 385,000円(税込)
・10~19小間 -5%
・20小間~  -10%
◎会員 330,000円(税込)
*切削フォーラム21の会員のみ  

[募集小間数]
500小間

Bタイプ 1社1小間限定
[出展小間規格]
1小間=間口2m×奥行き2m×高さ2.7m
*一定装飾付き(角小間側壁なし)

[出展料(1小間)]
◎一般 220,000円(税込)
◎会員 198,000円(税込)
*切削フォーラム21の会員のみ

開催までのスケジュール(一部予定含む)

2019年12月2日(月):出展申込受付開始

2020年10月21日(水):出展者説明会

2020年11月中旬:展示会招待状の完成⇒配布(出展者には無料で希望枚数を配布)

2021年12月中旬:出展ブースに関わる書申込み締切(電気、備品など)

2021年2月27日(土)~3月1日(月):展示品搬入・ブース装飾

2021年3月2日(火)~4日(木):展示会開催

2021年3月4日(木):搬出・撤去(17:00~21:00)
〃3月5日(金):搬出・撤去(9:00~17:00)

2019年9月分工作機械受注総額は989.7億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2019年9月分の受注実績は以下の通り。
 2019年9月分工作機械受注総額は、989.7億円(前月比+11.9% 前年同月比△35.5%)となった。受注総額は、前月比2カ月ぶり増加も2カ月連続の1,000億円割れ。9月での1,000億円割れは、2010年(920.1億円)以来9年ぶり。

 内需は460.7億円(前月比+22.7% 前年同月比△28.5%)で、年度半期の期末効果もあって、2カ月ぶりの400億円超も力強さに欠ける。9月での500億円割れは2016年(455.2億円)以来3年ぶり。  

 外需は529.1億円(前月比+3.9% 前年同月比△40.6%)で、前月比4カ月ぶり増加も2カ月連続の550億円割れと弱含み。9月での550億円割れは2009年(235.2億円)以来10年ぶり。

 米中貿易摩擦により、内外需とも設備投資需要は弱含みの状況が継続。今後も通商問題や、中国経済の回復動向、地政学的リスクを注視。

9月分内需

460.7億円(前月比+22.7% 前年同月比△28.5%)。

・2カ月ぶりの400億円超(6カ月ぶりの450億円超)。
・前月比2カ月ぶり増加。前年同月比10カ月連続減少。
・年度半期の期末効果により前月比増加も、需要回復の兆しは見られず弱含み。


(出所:日本工作機械工業会)

9月分外需

529.1億円(前月比+3.9% 前年同月比△40.6%)

・2カ月連続の550億円割れ。9月の550億円割れは2009年(235.2億円)以来10年ぶり。
・前月比4カ月ぶり増加。前年同月比12カ月連続減少。
・欧州、北米で前月比増加も、主要3極全てで受注レベルが低い状況。


(出所:日本工作機械工業会)

ロボット統計受注・生産・出荷実績(2019年7~9月期)

 ロボット工業会がまとめた2019年7~9月期のロボット統計受注・生産・出荷実績は次のとおり。業況について 2019年7~9月期は、受注額が対前年同期比7.7%の減少。生産額が同7.2%の減少となった。昨年下期からの減速が長期化している中、底堅く推移しているものの、未だ持ち直しの兆候は見られない。 国内は前四半期に続き出荷額トータルでは対前年同期比増加で増加。溶接用やハンドリング・組立用などが堅調、業種では自動車製造業向けが引き続き堅調。 輸出は主用途向けで軒並み現象。溶接用は6四半期連続での前年同期比減少となった。輸出先では中国・欧州向けの減少傾向に変化はみられない。中国向けは昨年並みで低調。昨年好調だった欧州向けの減速が目立つ。 受注・生産・出荷の各状況は以下の通り。受注・受注台数(台) : 44,275(前年同期比▲13.5%) 【5四半期連続の減少】 ・受注額(億円) : 1,706(同▲7.7%) 【4四半期連続の減少】生産・生産台数(台) : 44,275(前年同期比▲13.5%) 【5四半期連続の減少】・生産額(億円) : 1,724(同▲7.2%) 【5四半期連続の減少】出荷・総出荷台数(台) : 46,161(前年同期比▲10.6%) 【5四半期連続の減少】・総出荷額(億円) : 1,759(同▲5.5%) 【3四半期連続の減少】・国内出荷台数(台): 11,328(同▲1.5%) 【2四半期連続の減少】・国内出荷額(億円): 541(同+12.7%) 【4四半期連続の増加】・輸出台数(台) : 34,833(同▲13.2%) 【5四半期連続の減少】・輸出額(億円) : 1,218(同▲11.8%) 【5四半期連続の減少】国内出荷内訳■電機機械産業向け・国内出荷台数(台) : 2,785(前年同期比▲10.8%) 【2四半期連続の減少】・国内出荷額(億円) : 145(同+2.8%) 【2四半期ぶりの増加】■自動車産業向け・国内出荷台数(台) : 4,147(前年同期比+4.2%) 【2四半期連続の増加】・国内出荷額(億円) : 183(同+14.2%) 【4四半期連続の増加】輸出内訳■電子部品実装用・輸出台数(台): 3,075(前年同期比▲14.6%) 【3四半期連続の減少】・輸出額(億円): 504(同▲12.3%) 【3四半期連続の減少】■溶接用・輸出台数(台): 7,412(前年同期比▲13.3%) 【6四半期連続の減少】・輸出額(億円): 164(同▲24.5%) 【6四半期連続の減少】

日本機械工具工業会が令和元年度「秋季総会」並びに「日本機械工具工業会賞」表彰式を開く

 日本機械工具工業会(会長=石川則男 オーエスジー社長)が、10月9日、アーバンネット大手町ビル(東京都千代田区大手町)内の東京會舘で令和元年度「秋季総会」並びに「日本機械工具工業会賞」を開催した。受賞者は次のとおり。



業界功労賞

■中河 清氏(元、株式会社不二越)

平成20年6月~平成21年6月 日本工具工業会 理事長 1年0カ月
平成16年6月~平成24年3月 日本工具工業会 中部支部長 7年9カ月
(企業経歴)
昭和50年4月 株式会社不二越入社
平成16年2月 取締役
平成19年2月 常務取締役
平成23年2月 同社退任

【功績の概要】
 平成20年6月、日本工具工業会第11代理事長に就任、就任中は日本工具工業会創立60周年記念事業を成功裏に遂行された。特に、創立60周年記念誌では経済産業省をはじめ関連業界のトップから今後の機械工具の進むべき方向など幅広く寄稿いただき取りまとめられた。また、製品技術・開発技術、資源問題、さらに環境問題の解決について工業会の各委員会から意見を集約された。一方、平成16年から7年余りに亘って、日本工具工業会中部支部長を歴任され、中部支部の会員の活性化に取り組まれ、毎回趣向を凝らした会合を企画立案されるなど、工業会の基本理念である会員の全員参加に尽力された。その経験を理事長時代にも生かされ、総会、理事会はじめ製品別部会や各委員会活動の活性化を図られた。また、機工グループ展のメンバーとして、10年以上毎年作品を出展され、不二越退職後も当業界のメンバーはもちろん幅広く関連業界との交流も続けられている。

■藤井裕幸氏(元、サンドビック株式会社)

平成12年6月~平成21年6月  超硬工具協会 理事       9年0月
平成21年6月~平成23年6月  〃 国際関係担当常任理事    2年0月
平成23年6月~平成25年6月  〃 副理事長国際関係常任理事  2年0月
平成25年6月~平成27年6月  〃 国際関係担当常任理事   2年0月
平成27年6月~平成28年6月 日本機械工具工業会理事      2年0月
(企業経歴)
平成17年 4月   取締役副社長兼コロマント事業部長
平成19年11月   代表取締役社長
平成28年11月   同社退任

【功績の概要】
 平成12年6月より旧、超硬工具協会理事に就任、以来16年の長きにわたり役員を務められた。平成21年6月倉阪克秀理事長により新設された国際関係対策常任理事に就任。世界はまさに猛烈な勢いで変革を始めた年で、リーマンショックに端を発した世界不況、その一方で、その後中国などの新興国の目覚ましい発展。このような中で、協会発展のため海外からの情報収集や海外の切削工具団体などとの情報交換を展開された。
 特に、1998年から米国、欧州、日本の3極で3年おきに開催されている世界切削工具会議(WCTC)では、5回目にあたる2013年5月京都会合の実行委員長として両団体から選考されたプロジェクトメンバーを主導された。準備段階では、USCTI(米国切削工具協会)、ECTA(欧州切削工具協会)両工業会の理事会や総会に出席され、日本会合に何を期待、望まれているか等、きめ細かな内容調査を行うなど周到な準備をされ、会期中には「匠とおもてなし」を掲げられ各国のVIPからご婦人までその企画運営に賞賛が送られるなど成功裏に終えられた。

技術功績大賞

●「Silent Toolsプラスの開発」
サンドビック(株) 河田洋一

[新規性]
 従来、工作機械にセンサーを取り付けて加工のモニタリングを行う製品・ソリューションはあったが、本来の加工部位である刃先から距離があるため(特に今回のような深い内径用の突き出しの長い工具では)、機械側で得られるデータと刃先での現象に乖離があった。本製品においては、より刃先に近い工具内部にセンサーを内蔵とした点、それにより、刃先で起きている現象と得られるデータの整合性が大幅に向上した点が新しい。

技術功績賞

●「アルミ加工用Tung Speed Millの開発」
(株)タンガロイ 阿曽孝洋、竹澤大輔、服部隆幸

[新規性]
本開発品の最も大きな特徴は、刃先調整機構付きカッタでありながら、調整用のカム部品をレンチに配置し、ボディから調整用の部品を排除した事である。こうする事で、調整機構やその操作に必要なスペースをミニマム化し、φ100で22枚刃を達成した。レンチを持ち替えず調整できるように工夫されており、操作時間を約45%短縮した。

●「ハイパー Z スパイラルタップ チタン合金用の開発」
(株)不二越 高見俊輔

[新規性]
 これまでのチタン合金用タップは、加工しためねじに通りねじゲージが入らない、突発折損するなどの問題があった。原因調査したところ、分断型切りくずを逆転時に噛み込む様子が観察された。比較的切りくずが小さく分断される低延性材料に対し溝形状を2段溝とし、主溝と副溝の間に凸部形状を設けることで逆転時の噛み込みを抑制する点に新規性がある。

技術奨励賞

●「低嵩炭化タングステン(WC)粉末の開発」
(株)アライドマテリアル

[新規性]
 従来WC粉末は、微粒であるほど凝集粒子が多く嵩高となる課題があった。
今般、原料、還元工程、炭化工程の最適化を図ることにより、W粉やWC粉の凝集を抑制したことに新規性がある。

●「アルミニウム合金加工用高能率カッタANX型の開発」
住友電工ハードメタル(株)  木下啓次、沖田泰彦、金田泰幸

[新規性]
 ①高速回転対応構造と4.5刃/inchの多刃設計(従来比1.5倍)により、 超高能率加工を実現。
 ②クランプ時のボディ撓みによる刃先位置の変動を抑制する構造にしたことで、正面振れ5μm以下に高さ調整する作業時間の大幅な短縮に成功。
 ③新技術のブレード(超硬)スルーで、刃先近くへ高い圧力のクーラントを噴出することにより、切りくずを細断することが可能。

●「溝入れ突切りバイトGWシリーズの開発」
三菱マテリアル(株)  木曽拓真、渡辺彰一郎

[新規性]
 従来主流であったインサートをハンマーで叩いてクランプする方法から、専用レンチを使用したクランプ方法に一新することで刃先位置再現性や作業性、安全性を向上させた。またクランプ方法の変更に伴い、インサートクランプ面の逆テーパ化を実現し、抜け防止効果を高めることで、切削性能に加え作業性も向上した突切り用バイトを製品化した。

環境賞

(1)環境大賞 日本特殊陶業(株)
(2)環境特別賞 (株)東陽

「こだわりは日本流の製品に対する熱い思いとサービスの向上」

あいさつする石川会長
あいさつする石川会長
 懇親会の中で石川会長は、日頃の感謝の意を表したあと、「日米の新しい貿易協定が決まったということで、私どもにとっては追い風になる。」とし、最近、大いに賑わいをみせたラグビーの話題に触れたあと、「世界で活躍できる企業を目指す。国籍も民族もこだわってはおらず、こだわっているのは日本流の製品に対する熱い思いとサービスの向上。世界経済はやや下降気味だが、こうした気概をもって残りの数カ月間、皆様と一緒に発展したい。」とあいさつをした。

 来賓を代表して松本 崇 経済産業省産業機械課生産機械課長補佐が、ドイツで開催されたEMO Hannover(エモ・ハノーバー)国際金属加工見本市での出来事を話した。塚本 裕副会長(不二越 取締役)が乾杯の発声を行い開宴し、参会者は親睦を深めた。