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2018年度東日本三菱日立ツール報告会 「一段と夢を追いかけ、波を起こす」

 三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)が、6月15日、都内の第一ホテル両国で「東日本日立ツール報告会」を開催した。

 報告会で増田社長は、「三菱日立ツールは創業より丸3年が経過し、新ブランド『MOLDINO』も1歳の誕生日を迎えた。三菱・日立と冠した名前は大きいが、三菱でも日立でもない、こんな会社がひとつぐらいあってもいいよね、と夢を追いかけてきた。『MOLDINO』は、そのひとつの宣言である。」と新ブランドへの思いを述べたあと、「当社の歴史上、最高記録レベルで売上げが伸びており、それに伴い利益も伸びている。しかし、それが誇らしいわけではない。」としたうえで、経営者としての気持ちを、「当社ならではの技術にこだわり続けていること、楽しく一歩を踏み出そうとしていること、一人ひとりが自分とツールにプライドを持ち始めていること、笑顔で仲間と貴めあおうとしていることなどが嬉しく、誇らしいと感じている。」と述べた。

あいさつする増田社長
あいさつする増田社長
 増田社長は、社長を就任してからの3年を振り返り、「この3年間、開発、製造、営業スタッフが考え得る限りの人智を尽くしてきた。振り返ると2つの大きな宝の山ができていた。ひとつは皆様方との信頼関係であり、もうひとつは、皆様方のお客様のお役に立っているというプライドである。」と感謝の意を表した。

 また、同社では東京・両国にある本社の玄関には新年から春先までは江戸小紋柄の着物を展示し、紹介していたが、この件について、「金型は正直。金型が正しくなければ出来てくる製品は正しくはならない。正しさとは形状はもちろん、精度や硬度もあるが、造る人、使う人の真心をどう、そのものに正しく込められるか。江戸顧問は伊勢の和紙に柿渋を塗って重ね、貼り合わせた丈夫な和紙が、金型でいうところの鋼や合金工具鋼の役目を矢タス。それに『MOLDINO』でいう“エポック”、“アルファ”、“ガレア”工具にあたる錐状の彫刻刀、小刀状の彫刻刀、形状に合わせた特殊モノの彫刻刀を用いてその伊勢和紙に超微細な穴を彫り込み加工する。それが金型ならぬ紙型、つまり型紙になる。微細な加工を究めた江戸小紋の職人とこんな会社がひとつぐらいあってもいいよね、の『MOLDINO』のふたつを重ね合わせ、一段と夢を追いかけようとしている。」と金型業界へ貢献する姿勢を示した。

 今年度は、「精度向上、品質保証、能力増強、安全確保、人員補強等を含めて設備投資額は前年の2倍を計画している。」という増田社長は、今後の展開について、「お客様ご自身が気付いていない“あったらいいな”を見つけに、開発、ソリューション・エンジニアが日本を、世界を駆け回る。自動化、高精度化、軽量化の波に乗るだけでなく、波を起こしていく。」との強い想いを表明した。

2018年度営業本部・製造本部の概況

会場内に展示されていた最新工具
会場内に展示されていた最新工具
 十倉直樹 取締役営業本部 本部長、小櫻一孝国内営業部長からそれぞれ営業本部概況の報告があった。

 営業本部長方針として、(1)金型市場へのさらなる踏み込み、(2)国内-海外の連携強化、(3)野洲・成田工場及びGSC部隊との連動によるユーザーフォローの強化、(4)安全・安心・健康があってこその営業活動――を挙げた。

 また、今年度の施策として具体的には、(1)ターゲットユーザーを具体化して拡販活動を開始、(2)積極的な技術展示会への参加~『MOLDINO』ブランドの浸透~、(3)秋にグローバルソリューション(東部ステーション)開設、(4)16種類の新商品投入(2018年度)、(5)マシンメーカー・CAMメーカー・ツーリングメーカーとのコラボ実施――とした。

 続いて、井田久晶 理事 製造本部 成田工場長、久保田和幸 製造本部 野洲工場長からそれぞれ製造本部概況の報告があった。

 それによると、野洲工場は、新技術設備導入による小径超硬エンドミルのさらなる高精度化を目指し、最新技術仕様により精度向上・コストダウン、製造エリアの恒温化(±1℃)による精度向上を狙う。また、最先端コーティング技術の導入による高精度化の実現で、刃先品位の大幅改善を狙う。これにより、φ4mmまでの製品を網羅するとしている。(~2019年完成予定)。なお、品質保証強化に向けた投資としては、自動寸法測定機の導入を推進している。

 一方、成田工場の設備投資については素材関連設備9件、加工関連設備を18台としている。

 表彰のあと、「金型市場の動向とMOLDINO的新商品」をテーマに井上洋明 グローバルソリューションセンター 東部ステーション長が新製品セミナーを行った。

 第2部の懇親会では、坂井俊司NaITO社長の乾杯の発声で開宴した。宴もたけなわの頃、三橋 誠 テヅカ社長の中締めで散会した。


工作機械技術振興財団が「第39回工作機械技術振興賞」贈呈式を開く

 工作機械技術振興財団(代表理事=鈴木直道氏)が、6月18日に東京都千代田区の東海大学校友会館で「第39回工作機械技術振興賞」を決定し贈賞式を開いた。この賞は、工作機械技術に関する論文の中から、新規性、独創性、産業への応用性等を勘案し、優秀な論文に対し、論文賞と奨励賞を表彰するもの。

あいさつをする鈴木代表理事
あいさつをする鈴木代表理事
 主催者を代表して鈴木代表理事が、「この賞は今から39年前、牧野フライス製作所の創業者である牧野常造氏が持ち込みをしてスタートしたもので、39年も継続していることはとても重要なことだと思っている。研究開発こそ、産業の将来を担っているとぜひとも認識していただきたい。日本はものづくりの国。その時々の時代に変化をしてもものづくりをしてこられた。この賞では、学生の独自性を持った研究開発に助成したいという制度がある。ここにおられる先生方もぜひ、学生に若いうちから日本のものづくりの将来を担うということで、研究に熱中していただけるようにご指導いただきたいと思っている。」とあいさつをした。

 伊藤 誼 審査委員会委員長が審査報告をしたあと、引き続き、牧野二郎 副代表理事から工作機械技術振興賞贈賞が行われた。

経済産業省 片岡 産業機械課長
経済産業省 片岡 産業機械課長
 続いて、試験研究助成証書授与のあと、来賓を代表して片岡隆一 経済産業省製造産業局産業機械課長が、「機械産業の中でも特に工作機械は、マザーマシンともいわれる基幹中の基幹、根本中の根本だと思っている。皆さま方の諸先輩の活動などを通じて、日本の工作機械、あるいは世界の工作機械、あるいは世界のものづくりの底上げに貢献してきたことに改めて敬意を表したい。日本のものづくりは少子高齢化との戦いになるが、非常に広範な分野で研究が行われている。IoT、コネクテッドインダストリーの分野が世界を大きく支え、半導体製造装置やその先の情報通信機械を支える、そうした高度精密加工を担っていく。極めて限られた面かもしれないが、日本のものづくり、製造技術は、皆様の努力が結実していくと思っている。」と述べた。

 第2部の講演会では、「導電領域制御による複雑形状穴の電解加工に関する研究」をテーマに 東京農工大学大学院 夏 恒 教授が、「パウダージェットデポジション(PJD)法の歯科医療技術への展開の道筋」をテーマに、東北大学大学院 佐々木 啓一 教授がそれぞれ講演をした。

 場所を移して懇親会が開かれた。厨川常元 砥粒加工学会会長が、「技術の本質に向かって挑戦し、簡単に実現できないような、吹っ飛んだ高い目標を掲げ、特に若い学生研究者の方々頑張って下さい。」と祝辞を述べたあと乾杯の発声を行った。
 宴もたけなわのころ散会した。

第39次工作機械技術振興賞・論文賞

(●論文題名、著者名/所属機関、)
●「チタン合金加工における油滴挙動に着目した高潤滑水溶性切削油剤の開発」
・杉原達哉、藤原航太、榎本俊之/大阪大学大学院
・山本修太郎、山本 敬、向 恭平/(株)ネオス

●「Influence of rotary axis on tool-workpiece loop compliance for five-axis machine tools」
・河野大輔、守谷優樹、松原 厚/京都大学大学院

●「センサレス切削力推定における誤差因子の影響」
・山田雄基、柿沼康弘/慶応義塾大学

●「Design of ECM tool electrode with controlled conductive area ratio for holes with complex internal features」
・米 大海/計測エンジニアリングシステム(株)
・夏 恒/東京農工大学大学院

●「an optical lever by using a mode-locked laser for angle measurement」
・清水裕樹、工藤幸利、陳 遠流、伊東 聡、高 偉/東北大学大学院

●「パウダージェットデポジション(PJD)における粒子破砕挙動と成膜メカニズムに関する研究」
・水谷正義、久慈千栄子、大久洋幸、西村俊亮、水谷公一、赤塚 亮、佐々木啓一、徐 少林、嶋田慶太、厨川常元/東北大学大学院

●「ナノ秒パルスレーザを用いたナノ多結晶ダイヤモンド製ノーズRバイトに対する走査線加工技術」
・仙波卓弥、天本祥文/福岡工業大学
・角谷 均/住友電気工業顆(株)

第39次工作機械技術振興賞・奨励賞

(●論文題名、発表者・研究協力者/所属機関、)

●「3DプリンタとPELIDの複合システムによるELID研削用砥石の開発と評価」
・(学)谷野登生、伊藤伸英語、益子雄行/茨城大学
・梅津信二郎/早稲田大学
・大森 整、加藤照子/理化学研究所

●「鉛フリー真鍮の小径穴あけ加工に関する研究~γ相が切り屑排出性に及ぼす影響~」
・(学)坪口凌悟、(学)山田雄大、(学)山村巧己、加藤秀治/金沢工業大学

●「粉末床溶融結合法における造形ひずみの低減に関する研究」
・(学)西本拓矢、(学)又吉ジョナサン、楢原弘之、是澤宏之/九州工業大学

●「固体高分子電解質を用いた溶液フリー電解加工」
・(学)西口嘉人、村田順二/近畿大学

●「チタン切削時の改質切削液の効果」
・(学)川田斐斗、櫻井文仁/群馬工業高等専門学校

●「レーザ再溶融を用いた金属粉末積層造形法における残留空孔分布および結晶方位制御」
・(学)松本昴士、柿沼康宏、小池 綾、佐藤洋平/慶応技術大学

●「人の視覚特性に基づく形状解析ツールの開発」
・(学)八木雅彦、佐藤隆太、白瀬敬一/神戸大学
・尾田光成、中山野生/(株)牧野フライス製作所

●「運動誤差とセンサのイズに対してロバストな表面形状計測システム」
・(学)鳥居有沙、吉岡勇人、新野秀憲/東京工業大学

●「複合材料構造体の最適設計による省エネルギー型工作機械の開発」
・(学)内田悠斗、(学)柏原翔一、木崎 通、光石 衛、杉田直彦/東京大学

三菱マテリアルが難削材旋削加工用インサート材種“MP9000/MT9000シリーズ”にポジティブインサートのアイテムを追加発売

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=中村伸一氏)は、難削材旋削加工用インサート材種“MP9000/MT9000シリーズ”にポジティブインサートのアイテムを追加し、このほど販売を開始した。

 難削材加工用インサート材種“MP9000/MT9000シリーズ”は、航空機や医療器具などを中心とした、被削性が悪く切削加工が難しいチタン合金、耐熱合金、耐食合金などの難削材旋削加工用インサート材種。耐摩耗性、耐欠損性、耐溶着性を向上させ、突発欠損や切りくずトラブル対策として、高い評価を博していることを受け、ポジティブインサート「LSブレーカ」「MSブレーカ」のアイテムを追加し、用途の拡大を図る。

 主な特長は、以下の通り。

 ① 「LSブレーカ」は、軽切削領域にてインサートへの溶着を防止し、仕上げ面の白濁を抑制。
 ② 「MSブレーカ」は、広いチップポケットによって、高切り込み加工でも切削抵抗の増加を抑制し、びびりや切りくず詰まりを低減。

標準価格 :・CCMT060202-MS MT9005:580円
(代表型番) ・TCMT110202-LS MP9015:800円
・VCMT110308-MS MP9015:1,960円
*いずれも税抜価格

ダイジェット工業が「ダイジェットサマーキャンペーン2018」スタート!


 ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)が7 月2 日(月)~9 月28 日(金)まで、高能率加工用カッタ「SKS エクストリーム」「マックスマスター」「高精度版QMマックス」「QMマックス」を対象としたキャンペーンを実施する。

概要及び対象賞品

写真をクリックすると拡大
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 この企画は、主力製品の高能率加工用カッタ4 種(「SKS エクストリーム」「マックスマスター」「高精度版QM マックス」「QM マックス」)を対象としたキャンペーン。

 6 月発売の新製品「SKS エクストリーム」少刃数タイプおよび新インサート材種JC8050、「QM マックス」肩削り用新インサート(PL/NL/SL ブレーカ)ならびに4 月発売の5 軸加工対応工具「高精度版QM マックス」も対象となる。

 ■「SKS エクストリーム」少刃数タイプは刃数を1つ減らすことで切削抵抗を下げ、切りくずポケット広さを確保することにより切りくず排出性も向上。併せて、耐欠損性に優れた母材と耐摩耗性の高い被膜を組み合わせた汎用性の高い新インサート材種JC8050 を追加ラインナップ。

 ■「QM マックス」肩削り用新インサートPL/NL/SL ブレーカは、M 級でありながら底面・側面の中仕上げ~仕上げ加工まで可能。鋼用・アルミ用・チタン用の3 種類をラインナップし、コーナR サイズもR0.4、R0.8、R2.0 を揃える。

 ■「高精度版QM マックス」はQM マックスの高精度タイプ。従来タイプよりボディバランスを向上させ、5 軸加工機等の複合加工機にも対応。インサートはH 級をラインナップ。

●実施期間
2018 年7 月2 日(月)~9 月28 日(金)
(※ただし7 月の1 か月間はダイジェット特約店の先行スタートとし、一般販売店は8 月1 日より実施となる。)

●セール内容
A コース:本体サービスコース:インサート規定数購入で本体1 台サービス
対象商品:SKS エクストリーム、マックスマスター

B コース:5 軸加工チャレンジコース:適用インサート10 個購入で本体1台サービス
対象商品:高精度版QM マックス

C コース:新インサートお試しコース:肩削り用インサート20 個購入で肩削り用新インサート(PL/SL/NL ブレーカ)10 個サービス
対象商品:QM マックス肩削り用インサート

【告知】三菱マテリアル切削アカデミー「びびり振動コース」新規開催

 三菱マテリアル加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=中村伸一氏)は、切削工具ユーザーに向けて、技術者育成を目的とした切削工具メーカーならではの体系的な研修である“切削アカデミー“を開催しているが、このほど新たに「びびり振動コース」を開催すると発表した。 びびり振動現象は加工トラブルの大きな発生要因であり、ものづくりで重要な要求面粗度を達成において課題となっている。このコースでは、びびり振動の課題解決に向けて、判定方法と対策を学ぶ。同社では、「ぜひ、この機会にご受講いただき知識と技能の習得にお役立てください。」としている。

「びびり振動コース」概要

コース名: びびり振動コース(1日)日  程: 9月21日 金曜日場  所: 東日本テクニカルセンター埼玉県さいたま市大宮区北袋町1丁目600番地(加工技術センター内)内  容: 切削における振動の種類やその原因を学び、加工改善に役立てる。受講対象者:切削アカデミーの基礎コース・応用コースを修了または修了予定の方定  員: 10名受 講 料: 20,000円▼申し込みは下記のWEBサイトへhttp://carbide.mmc.co.jp/solution/purpose/education/training/academy

タンガロイが高強度直角肩削りカッタ「DoRec」(ドゥ・レック)多機能インサート拡充

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、このほど刃先交換式直角肩削りカッタ「DoRec」(ドゥ・レック)に多機能インサートを拡充し、全国で発売を開始した。

 この製品は、両面4コーナインサートを採用した直角肩削りカッタ。高い刃先強度を備え、高能率加工が可能であり、直角肩加工、溝加工で好評を博している。近年、被削材は耐熱特性や高強度を達成するため難削傾向にあり、安定加工が能率改善の課題となっている。寿命および工具管理の観点からも、ひとつの工具で多種の加工を行う工具集約の要求が大きくなっていることを受け、同社の新しいDoRecのインサートでは、さらい刃部分の形状改良により、ネガの切れ刃強度を保ったまま三次元加工を可能にした。また、主切れ刃に適切なすくい角を与えることにより、従来製品より良好な切れ味と高い刃先強度の両立を達成した。

 インサート材種には、鋼・ステンレスに対応したAH3135と鋳鉄に対応したAH120を採用している。いずれも高い耐欠損性を持ち、突発欠損やチッピングを抑えることで加工を安定化する。

 同社では、「DoRec多機能インサートは、高い汎用性と加工安定性を併せ持ち、お客様の生産性向上およびトータルコスト低減に大きく貢献いたします。」としている。

■主な特長
高い汎用性:さらい刃特殊逃げ面形状で三次元加工に対応。
能率向上:高い刃先強度と耐欠損性材種で高い送りに対応。
加工安定性向上:最適なすくい角で主軸・被削材の負荷を小さくして加工安定性を向上。

【移転】イスカルジャパン上田営業所

 イスカルジャパン上田営業所が、業務拡大に伴う営業所拡充のため、このほど移転した。 上田営業所 (移転先) 〒386-0025 長野県上田市天神2-1-22 OAUビル3B号室 TEL 0268-28-5231 / FAX 0268-28-5232

ダイジェット工業が工具価格改定を実施

 ダイジェット工業がこのほど完成工具の価格改定を実施すると発表した。 実施の背景について同社では、「超硬工具の主原料であるタングステンはその80%以上を中国に依存し、且つ世界的な需要増加により、タングステンの中間原料APT(パラタングステン酸アンモニウム)の国際相場価格が、昨年比で1.5 倍以上になっている。同じく原材料であるコバルトについても、電気自動車(EV)の普及に伴い需要が急拡大し、国際相場価格は昨年より急激に上昇している。レアメタルを始めとする原材料価格に関しては、当面この基調は変わらないと予想される。こうした状況の中、当社は生産性向上や業務作業の効率化などコスト削減に努めてきたが、原材料の高騰に加えて、さらに電力費や物流費等の諸経費も上昇しており、製品の安定供給と品質維持のため。」としている。 改定内容は下記のとおり。切削工具・標準品:現行価格+10%・特殊品:現行価格+10%以上ただし、CBN、PCD インサートについては対象外とする。耐摩工具現行価格+10%以上*上記改定率は目安であり、一部の特殊品については都度見積とする。実施時期【切削工具】特殊品は2018 年8 月1 日受注分より標準品は2018 年9 月1 日受注分より【耐摩工具】2018 年8 月1 日受注分より

「第4回 金型シンポジウム in 広島」の詳細が決定!

日本金型工業会(会長=小出 悟氏)がこのほど、「第4回 金型シンポジウム in 広島」の詳細を決定したと発表した。今回のテーマは、「次世代の金型とその製造改革」。日 時:平成30年9月6日(木)13時時~18時会 場:ANAクラウンプラザホテル広島(広島県広島市中区中町7-20)

詳細

●第1部基調講演:13:10~14:20テーマ:「お客様の輝きにつなげるマツダのモノ造り」講演者:マツダ(株) 技術本部 本部長 安達 範久氏●第2部 パネルディスカション:14:30~16:00 テーマ:「金型業界でもIoT技術・AI技術応用は?」〈モデレーター〉・日本金型工業会 学術顧問 横田悦二郎氏〈パネリスト〉・マツダ㈱ 技術本部本部長 安達範久氏・日本金型工業会会長 小出 悟氏・福井精機工業㈱ 専務取締役 清水一蔵氏・㈱ヤマナカゴーキン 代表取締役社長 山中雅仁氏 他*閉会挨拶 日本金型工業会 前会長 牧野俊清氏●第3部懇親パーティ:16:15~18:00(参加費5,000円:当日支払い)■定員120名(先着順)■締切平成30年8月3日(金)必着申込みは下記のメールアドレスに申し込むこと。E-mail:a.kawata@jdmia.or.jp問い合わせ:日本金型工業会TEL: 03-5816-5911(川田まで)

「現状に甘んじることなくさらなる上を目指す」 ~三菱マテリアルが「2018年度東日本三菱拡販戦略会議(MSM)」を開催~

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(三菱マテリアル常務・カンパニープレジデント=中村伸一氏)が、5月25日、東京マリオットホテルで「2018年度三菱拡販戦略会議」を開催した。

 第一部の総会で、中村常務から超硬製品事業についての説明があった。この中で、「2017年度は弊社においても新中期経営戦略の初年度だったが非常に喜ばしい数字を収めることができた。対前年に対して10%ほど成長させていくという思いで予算を確定させ、活動をスタートしているところだ。また、加工事業カンパニーとしては、さらに先を睨んで、2025年度を到達年とした長期目標を掲げて売上等々目標値をおいて取り組んでいる。2025年度には2007年度比で約2倍強の売上を目指していきたい。」と話し、数年で最も高い投資を今年度は計画し、サービス並びに製品供給力のさらなる質の向上を目指していくとの考えを示した。

説明をする中村常務
説明をする中村常務
 また、同社の「ワクワクプロジェクト」についての説明があった。このプロジェクトは、「お客様の信頼を得る真のパートナーになるためには、われわれ自身もワクワクを持って、そのワクワクをお客さまにしっかりと伝えていくということが不可欠だ。」と捉え、「このプロジェクトの一貫として定期的に冊子を発行し、お客様との距離を縮める活動をし、お客様の悩みや課題に対して真摯に受け止め、それに応えていく姿勢を市場に訴えていく。」との狙いがあるとした。

 同社では2015年から「GCT活動」を展開している。これは、「Get the Customers Trust」の頭文字をつなぎ合わせたもの。「すぐ行く、すぐやる、とことんやる」という思いを持って、顧客の元に伺い、クレームの内容をしっかり聞いて、それに対応するという活動を指す、とした。

 また、昨年度において同社では、中部テクニカルセンターを開設したが、中村常務は、「われわれの技術をお客様に直接お伝えする場だが、さらにお客さまとの結び付きの場を設け、その距離を縮めていく、あるいはお客様の技術の伝承に役立てさせて頂く、そんな思いで切削アカデミーを開設した。」と説明し、「好調さに甘んじること無く、さらなる上を目指していく。」と意気込みを示した。

設備投資による生産能力の強化で新製品化率を高める

金子営業本部長兼ロジスティック本部長
金子営業本部長兼ロジスティック本部長
 金子善昭 営業本部長兼ロジスティック本部長が、超硬製品事業の営業環境について説明をした。この中で、営業本部の活動方針については、①顧客の懐に入る、②工場(人)を動かす。③利益向上を考える――とした。金子部長は、「お客様の懐に入るためには、まずは自分の所属する組織の中で、部下が上司の懐に入りやすい環境を構築しなければならない。」とし、「工場(人)を動かすためには、管理職が部下の仕事をしやすい環境をつくらなければならない。」と管理職に対して指導の強化を述べ、「若い営業マンは、毎日の活動の中で特約店様からお叱り、あるいは様々なリクエストを頂戴し、悩みや課題を抱えて毎日会社に帰ってくる。上司はそうした悩みを全て聞いて、まとめ、場合によっては工場の幹部に交渉をする。必要に応じては、私どものトップのところへ来て、そういった問題をぶつけて改善をするよう取り組んでいる。」と説明をした。また、利益向上のためには、「まずは自分の価値を高める。それが商品の価値を高めていくことにもなり、きちんと利益を取らしていただくことに繋がる。」との考えを示した。

 次に中期経営戦略の骨子に触れた。それによると、プロダクトアウトからマーケットインへ、徹底した選択と集中を図り、重要なユーザー、キーアカウントを徹底的に攻略していく旨を説明した。そのためには「顧客視点から全てを考えていく。」との思いを述べた。また、筑波製作所のさらなる設備投資による能力の増強と、海外の生産拠点を有効に活用することで、20%ほど生産能力をアップさせる旨を説明した。これにより特殊品について、3カ月以内にコンスタントに製品が納められる体制を構築していく。なお、現在岐阜製作所では、超硬ソリッドドリル増産3カ年計画を進めており、年度ごとに生産能力を高めている。合わせて必要な設備の投資も国内外で行っており、2020年までには生産能力を18%ほどアップさせるとの考えだ。

 新製品の開発と発売状況については、2018年12月末までの間に、1,600アイテム数を発売する予定とし、「積極的な新製品をどんどん投入して新製品化率を高めていく。」と積極的な姿勢を強調した。

 続いて2017年度東日本MSM年間表彰が発表され、金子部長より表彰状が贈られたあと、堀江武夫 営業本部流通営業部長から流通営業部方針の説明、高橋秀史 開発本部 独創区具開発グループリーダーから切削加工ソリューションと次世代工具について、それぞれ説明があった。

懇親会の様子
懇親会の様子
 場所を移して第二部の懇親会では、淵本友隆 淵本鋼機社長が「機械工具業界は比較的良好だといえるだろう。特に工作機械受注は引き続き順調のようで、私たちは幾分か、この恩恵にあずかっている。こうした設備関連の受注というのは何千万円の単位で売上が上がっている。こうした業界から切削工具業界をみるとわれわれの業界が少し小さくみえるかもしれないが、しかし、われわれの原点はホルダー1本、チップ1ケースからの地道という言葉がピッタリの商売だ。これこそがわれわれの基本であり基礎である。こうした設備投資が活発で好調な今だからこそ、良い意味での泥臭さ、地道さを忘れることなく、本年度も三菱ブランドをお客様に提供したいと思っている。」と述べたあと、乾杯の発声を行った。

 宴もたけなわの頃、三橋 誠 テヅカ社長が中締めを行い、散会した。