目標は不良品ゼロ! 工作機械業界に貢献するブルーム-ノボテスト Alexander Blum社長に聞く
柔軟な対応と素早い経営スピードも強みのひとつ
■貴社の優位性について教えてください。
ブルームは今から52年前に設立されました。その当時は工作機械の設計エンジニアリング事務所として出発しています。工作機械の製造や活用することに関して、非常に近い分野で長年仕事をしてきました。つまり、工作機械のアプリケーション・ノウハウを豊富に持っています。
われわれは全世界で約600人の社員が在籍しておりますが、家族経営であることも強みのひとつです。上場されている企業と比較しても、短期の経済動向に左右されることなく、未来を見据えて長期の視点に渡り、投資もできます。また、方向性を示し、自分たちで決定する能力があるので、柔軟な対応と経営スピードが素早いという優位性もあります。
他にも、世界的に各拠点で能力の高い技術者がおり、インターネットの環境も整っていることから、経営統合ソフトウェアERPの活用を通じて、出張をしなくてもコミュニケーションが取れます。技術的にもソフトウェアあるいはハードウェアの搭載についても、遠出をすることなくローカルに解決できるメリットがあります。この点は、非常に他の企業、同業他社と比べても優れていると考えています。
■営業方針についてのお考えは。
1968年の設立以来、大きな節目として90年代の終わりに国際展開を広げて、キーマーケットとなる地域に各拠点を設けました。近年では、各拠点、お客様やマーケットに近い様々な地域ごとにホームオフィスを拠点にして活動する営業技術要員を増やしています。
メキシコは3年前に拠点を設けました。今はまだアメリカの北米会社の一支店ですが、数年のうちには独立した子会社として機能する予定です。東南アジアでも同じような進め方をしておりますし、今後は中近東・トルコに拠点を設ける予定です。
市場セグメントとしての考え方からいくと、工作機械メーカー、販売代理店、エンドユーザーなどに必要な技術情報を提供できるようにしていく方針です。将来的には、技術情報を統合して活用することにより、工作機械を使った工程で〝不良品率ゼロ〟を達成できるようにすることがわれわれの目標です。
■日本法人の山田社長に質問です。アジア、そして日本における戦略についてどうお考えですか。
アジアについては中国が牽引役になって景気の回復と需要の拡大が進んでいます。弊社の受注・販売傾向も昨年の10月以降、全体的に上昇基調にあります。ただ、東南アジアの動きが中国、それから日本の回復に比べても少々スローな印象を持っています。その中で、期待をしているのは、精度の高いものだけではなく、製造工程の安定化が低賃金国と言われるような地域でも進んできていることです。また、日本と今まで低賃金国とされていた地域の時間給における格差は、ここ10年、非常に縮まってきています。
こうしたことから、日本企業は、さらに質の高いものをいかに安定して供給できるかという追い上げが激しくなっています。東南アジアでも、今までは人手を掛けて行っていた機械加工の自動化を進めようというニーズの高まりをみることができます。
現在、製造業では地球規模で省エネに貢献しなければなりません。日本以外でも無駄のないエネルギー効率の高い機械加工製品が要求されるなど、安定して良品が作れるようになる環境が増えてきますので、アプリケーション・サポートができる能力を、さらに向上させるよう努力していく所存です。
■日本の皆様にメッセージをお願いいたします
皆様の強みにフォーカスをして、自信を持ち、国際的に様々なことが起ころうとも日本の技術は非常に強いものだという確信を持って活動していただければと思っています。ワールドワイドに日本の技術レベルは非常に高く、産業に取り込んでいくスピードも非常に速い。この点をさらに強化されてはどうかと思っています。