鋳造から加工まで一貫生産 田島軽金属の凄み ~砂型アルミ鋳造技術で未来を創造~

 

24才で経営者 2030年にみる未来の景色を全社員で味わいたい!

田島軽金属 田島社長

 田島社長は24才で会社を継承している。もともとは田島社長の父が創業した会社なのだが、その父が創業5年目に37才の若さで急死してしまった。母親が親戚に頼って会社を潰さないように奮闘してくれたという。

 「そういう環境でしたから、大学を行くこともできずに、高校を卒業してすぐに家業に入ろうか、と思ったら、母から経営者になるのだったら他人のご飯を食べてこい! とはっぱをかけられて、当時メインのお客様だった歯科医療機器メーカーに3年間の約束で社会勉強をさせていただきました。気風の良い母親で、今思えばありがたいことでした。お陰様で周囲に支えられてここまでやってこられました。」と感謝の気持ちを口にすると、同社の50年の歩みがスクリーンに映し出された。1982年、田島社長が社長に就任した24才時は、売上を示す折れ線グラフと従業員数を示す棒グラフは限りなく下に近いが、ジグザクしながら、右肩上がりに伸びており、50周年を迎えた2018年は24.3億円の実績をつくっている。そこには着実に企業の器を大きくしていった様が記されていた。

小松台工場内

 「社員が自信と誇りを持てる会社にするのが私の役目。〝社員の夢と理想を実現させる手段が会社である〟という考えです。そのためには、世界が求める軽量高剛性材料の鋳造技術を高め、お客様のご期待に応えることで存在価値を高めて真の自信と誇りが実感できる企業にしなければなりません。従業員1人当たりの限界利益額が大きくなれば、年収1,000万円を超える社員数も多くなります。私はそれを目指しています。2030年にみる未来の景色を全社員で味わうことが今の目標です。」と、情熱を燃やしている。こうした中小製造業が増えれば、経済成長の糧となる。頼もしい限りだ。

■田島社長から読者へのメッセージ

 製造現場で働く多くの努力によって『お客様の満足』の提供がなされています。お客様を大切にしようと考えない経営者層はいないでしょう。しかし、第一線でお客様に満足を提供しているのは誰か・・・・それは『現場で活躍する社員』です。お客様を大切にするのと同じくらい、いやそれ以上に社員を大切にできる企業だけが、お客様に満足を提供し続けることができ、生き残っていけるのではないでしょうか。

 いつの世も〝競争原理〟の名のもとに企業の衰退が決定されているのは百も承知のことです。これからの企業経営のあるべき姿は『真面目な人(社員)がバカをみない経営』を目指すことではないかと思います。真面目な人間が犠牲になる企業・社会に、長期の反映はあり得ないと思う人は少なくないはずです。

 現在並びに近未来の課題は、(1)あらゆる資源の高騰による原価上昇、(2)働き方改革による労働生産時間の縮小、(3)生産年齢人口減少による賃金の上昇と職場環境改善費用増大、(4)社会保障費増加による国民負担の増加、(5)カーボンニュートラルやSDGsなどの環境規制への対応コスト負担など―――すべて先にお金のかかることばかりです。
 
 要するに適正価格で売買することが論理として当たり前な社会になるためにどうすべきか? を真剣に考え、お客様に理解・了解・納得して戴ける根拠を示せるようになることが急務と考えます。そして、経営者が先頭に立って『正々堂々と訴える』以外に社員を幸せにする術は見つからない―――そう思う今日この頃ですが皆様は如何でしょうか。

 

(関連補足記事はブログにも掲載↓)

https://seizougenba.com/node/12805

 
 

4 / 4 ページ
moldino_banner

 

 

intermole2024_大阪