アマダ 多彩な機能を有した「Amada Global Innovation Center(AGIC)」オープン
アマダの展示施設としては世界最大規模 ~「LABO」と「SITE」 2つの大きな機能を有する~
施設の総面積は3万㎡。同社展示施設としては世界最大となる。山梨貴昭専務は、「AGICには〝LABO〟と〝SITE〟の2つの大きな機能を有している。LABOは〝未来の加工技術に挑戦する〟、SITEは〝今の最新技術を体験する〟ということで築いてきた。」と説明した。
Innovation LABOの1部屋には最新の設備機を導入した測定機があり、顧客と一緒に検証した結果をその場で測定結果とともに答えを出す仕組みである。この目的について山梨専務は、「加工からお客様のニーズを捉えてその課題解決からシーズを生み出す。工程別の加工課題、製品視点での加工課題や制度、品質、コストなど、お客様のご要望に合った形で弊社の技術スタッフとともに検証していただくもの。」という。
製造業では新規への参入や新素材への対応もあり、EV市場や半導体など新分野が成長をしているが、「それぞれの分野のニーズを把握して、弊社としてはシーズをつくり出すという目的もある。様々な情報を捉えて共同体制をとり、その分野の掘り起こしをしてわれわれとしてご提案ができるシーズをつくり出していく場所でもある。」(山梨専務)。
一方のInnovation SITEは、カーボンニュートラルや少子高齢化、働き方改革、熟練労働者不足、情報技術の進展などの社会課題について、4つの「E」のキーワードを用いて解決するとしている。4つの「E」とは以下のとおり。
① Environment(環境に優しい)
② Easy (誰でも使える)
③ Efficiency(効率良くどこでも使える)
④ Evolution(お客様とともに発展する)
この4つの「E」で機能を裏付ける技術として同社では、この日、新たなNC装置「AMNC 4ie」を発表した。主な特長は、作業者を自動で識別する「顔認証」により、一人ひとりの作業者に合わせた操作画面の起動、言語表示(15カ国語に対応)、権限の切り替えなどを自動で行うことができるうえ、動画による点検指示により、誰でも簡単に点検を行うことができること。作業履歴はデジタルで自動保存、トレーサビリティ管理も可能になった。また、モバイル端末によるリモート操作を採用し、マシンから離れた場所でも稼働状態を監視でき、材料の管理、スケジュール作成、加工のリモートスタートなどが一元管理できるので、一人で複数台のマシン操作が可能になり、一人当たりの生産性向上に役立つ。アイドリング時にサーボモーターやチラー、コンプレッサなどを自動で調整し、CO2排出量を最大65%削減。加工中においても、切断を行わない早送り中のアシストガスの最適化制御を加えることで、加工中のアシストガス消費量の削減も可能にした。
同社では、環境負荷低減への貢献やデジタル技術を駆使した加工のスキルレス化や技能伝承、工場全体の最適化、自動化に対応する新たなソリューションを開発し、これらの課題解決に貢献し、総合的な生産性向上にお客さまともに挑戦することで、モノづくり産業全体の支援をしていく方針を示した。
また、この日、多様化する製造現場の課題を解決する溶接ロボットシステム「FLW」シリーズなど新製品のお披露目をした。