碌々産業が120周年記念祝賀会を開く ~10月から「碌々スマートテクノロジー」に社名変更 新社長に矢野雄介氏~
120周年を祝う
祝賀会の冒頭、野田謙一 代表取締役会長(当時)が、「10年、20年、30年、40年と走馬灯のごとく巡っており、懐かしい思いです。120年の間、工作機械分野一筋で駆け抜けてきた。弊社の創立者であり、私のおじいさんの野田正一が残した言葉のひとつに、〝工作機械メーカーはお客様の困ったことを解決する、それが工作機械メーカーとしてのあり方である。〟というものでした。本日ご出席の皆様方が弊社の財産です。ありがとうございます。」とお礼の言葉を述べた。
続いて、海藤 満代表取締役が、日頃の感謝の意を表したあと、「FA業界のアカデミー賞といわれるニュースダイジェストが主催する〝第38回マーケティング大賞〟を受賞することができました。」と報告し、「私どもはこれを気に本日より200年企業を目指して邁進していきたい。」と意気込みを示した。
来賓を代表して稲葉善治ファナック会長・日本工作機械工業会会長があいさつをした。この中で、稲葉ファナック会長は、「碌々産業様はその時々の時代の流れを先取りされ、常に新しい課題にチャレンジを続けておられた企業です。1903年に創立された当初は当時、最新の工作機械を米国から輸入する商社として出発され、その技術をベースに日本発のボール盤の開発に成功されました。グローバルな活動と真摯な機外は創業者の野田正一様から2代目の野田精一様に引き継がれ、その精一様から1964年に当時の富士通でNCの開発をしていた私の父である稲葉清右衛門にボール盤のNC化をご依頼いただきました。こうして世界初のNCボール盤が碌々産業様、山梨大学様、富士通様の3社共同開発により完成されました。ちなみにこの当時のNCボール盤は山梨大学から私どもが譲り受け、現在はファナック博物館に稼働可能な状態で保管されています。そして時代は変わり野田精一前社長から謙一社長にバトンが渡されましたが、碌々産業様の創業の精神は脈々と流れ続けています。謙一会長様は、社長時代に〝ニッチな市場に特化した機械を提供する〟としており、現在の大きな潮流の中にあって、碌々産業様のソリューションを語っておられると思います。この熱い思いが結実した商品が『Androidシリーズ』など一連の超高性能微細加工機ではないでしょうか。謙一様はこうした最新の機械を海外へ輸出することに注力しておられましたが、当時は海外に比べて低かった日本の工作機械のレベルが、正一様、精一様、謙一様の3代で海外に混ざるレベルに達し、日本が世界へと流れを変えることに成功されました。こうした伝統的な理念を現在の海藤社長様にしっかり受け継がれ、超精密機械の開発や、海外市場への進出がさらに加速されていることは皆様もご存じのとおりです。現在は社会や経済、技術が激変する時代に遭遇しています。〝生物は強い種が生き残るのではない、環境の変化に対応できた種が生き残るのだ〟というダーヴィンの言葉通り、こうした激動の時代こそ、碌々産業様の大胆な詳細を続けてきたDNAがモノを言う時代になっています。碌々魂が続く限り、120周年に続き、150年、またその先の200周年を元気にお迎えになると確信しています。」と声援を送った。
乾杯の発声は『碌々友の会』会長の清水初太郎 アヅマ社長が行い、和やかな時間が流れた。