「限りない技術革新への挑戦!」 イスラエルのイスカル本社でファーストクラスディーラーと関係ユーザーを対象にセミナーを開催(前編) 

 

いよいよイスカル本社へGO!

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美しい環境下にある本社

 

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セミナー会場に向かう

 翌日、朝食をとったあと、バスに乗り込みハイファ市内から約1時間少々、バスに揺られてイスラエル北部のテフェンにあるイスカル本社に向かった。イスラエルも日本同様夏だが、日本と違うのは雲ひとつないこと。見事な青空がどこまでも続く。そして焼けるように暑い! 

 本社に到着し、バスを降りるとドローンがいらっしゃい! とばかりにお出迎えをしてくれた。ドローンに向かって手を振る一行。本社前で記念撮影のあとにセミナー会場に入った。

 

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イラン・ゲリCEO

 個々に無線通訳機器が渡され、耳にセットする。オープニングセミナーのテーマは「ISCAR社の概要と企業理念について」。イラン・ゲリCEOが壇上にあがりあいさつをした。同時通訳は岡田代表が行った。なお、岡田代表は日本語、英語、ヘブライ語の3カ国語を話せるトリリンガルである。

 イスラエルにあるイスカル社の製造拠点は、インダストリー4.0に基づいた最先端の自動化を採用した工場で、ほぼ無人稼働だ。生産される切削工具の全ては、ありとあらゆる産業に供給できる力強さを持つ。販売やサービスおよび製造拠点は世界約60カ国に及ぶ。BCP(事業継続計画)の観点からイスカル本社・工場のあるテフェンの拠点を中心として、各国に製造および物流施設の分散を行っているほか、最先端の無人自動化を採用した製造設備も各国に点在している。また、ニーズに応じた特殊品の製造設備も各国々にもち、「それらは安定供給が重要な要素となっている。」とのこと。

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同時通訳をこなす岡田代表

 それぞれの販売拠点にはローカルの在庫を揃えており、グローバルなエリアごとに物流配送センターを有している。これは、BCPの観点からイスラエルからの供給に限られることなくリスク管理を行うためである。

 イスカル本社内にある中央物流センターは昨年アップグレードされ、今年1月から稼働している。物流業界においても最先端の技術を導入しており、「将来に備え、充分な収容スペースを確保した」とのこと。自動化と効率化を最大限追求したことで、従来1日で処理していた量を現在はわずか1時間で処理する。基本的にはイスラエルからは直接顧客への発送は行わず、各国販売拠点に対する在庫の補充機能を担っている。

金属加工のトレンドを説明

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メイール・ノイバウアー氏

 2011年にドイツ政府が提唱した〝インダストリー4.0〟構想が登場して12年ほど経ったが、イスカル社の事業開発部長メイール・ノイバウアー氏は、「インダストリー・4.0は、加工現場の自動化・デジタル化を目指す考え方で、日々IoTの導入、システムや生産設備がネットワークで繋がるスマートファクトリー化、工場の自動化等が世界中で進んでいる。従来製造現場で行われていた人の手による作業がインダストリー4.0のコンセプトのもと、自動化やAIにより代替されていくと見ている。」と説明した。

 最新の動向にも触れ、「3Dプリンタでの積層造形技術による製造も増えており、製造現場もグローバルレベルでどんどん変化、進展している。保険会社もハイテクノロジーの採用による自動車事故防止に注目し、近年の働き方もテレワークの導入で変わった。切削工具を含めた売買スタイルもEC市場の規模拡大とともに通販の利用か爆増しており、この4年を見てもこのトレンドは顕著である。」と感想を述べたあと、「このコロナ禍によって世界の金属加工受注率もかなり落ち込んだ。各国の切削工具メーカーも営業や技術担当者とお客様の接触が制限され、これらの規制による製造業界へのマイナス効果や影響はかなり大きかったが、その後、各産業における近未来を見つめた大きなプロジェクトの需要増加をわれわれは体験しており、今後、コロナ禍の危機から脱したグローバルの製造業においては高いレベルの切削工具製品のみならず、われわれの哲学に沿った付加価値の高いサービスが必要になろう。」と意気込みを示した。

 イスカル社の狙いは、〝加工ワーク別の加工ソリューションを提案〟することだ――――。

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