【この人に聞く】「日本企業にチャンス到来!」ドイツメッセ日本代表部 代表 竹生学史氏

 

日本企業に大きなチャンスが見込まれる『ハノーバーメッセ2024』

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ハノーバーメッセ前回展

 ―来年は世界最大級の製造業の展示会である『ハノーバーメッセ2024』が開催されますが、日本の強みを示す良いチャンスになると思います。どういった分野がトレンドになると思いますか。
 竹生
 世界の流れを見ると注目のキーワードとしてマニュファクチャリングや、AI・デジタライゼーション、水素と燃料電池、エネルギー、カーボンニュートラルなどが挙げられますが、特に、水素と燃料電池、エネルギー関連は日本企業に大きなチャンスがあるように感じます。現在のトレンドとしては、デジタル時代に欠かせないシステムに〝デジタルエコシステム〟があります。業種の垣根を越えて異業種連携が進んでいくことを見越して、製造業向けのITプロバイダー、ベンダーなど日本のIT企業が企業規模を問わず出始めており、こうした企業は勢いがありますから、世界に対して打って出るプラットフォームを構築して欲しいと期待をしています。
 ―世界からみると日本はITの遅れが目立つイメージがありますが、新しい取り組みをしている日本企業も増加しているのは頼もしい限りです。一方で、エネルギー関係は様々な要因もあり、世界的に注目度が高いと思われます。
 竹生
 エネルギー産業は安全保障政策と絡む部分があります。現在、デカップリングもありますが、同じ民主主義国家の欧州、ドイツを含めたEUとの親和性は良いと感じます。現在、中国に半導体装置は中国には売れないので、ヨーロッパに売っていくことも考えている企業も多いようです。ハノーバーメッセには世界中から来場者が足を運びますが、約7割の来場者はヨーロッパですからビジネスチャンスが期待できます。
 ―ハノーバーメッセの強みは製造業のサプライチェーン全体を見せてくれることもあります。
 竹生
 製造業において世界最大規模を誇る展示会です。大企業だけでなく中小企業やスタートアップ企業の方々がこれから海外に打って出るときに、どの国のどういうマーケットに対して進んでいくかという、自分たちの条件に合う対象を選別するためのスクリーニングにも適していることも強みのひとつです。一方で、ドイツメッセはハノーバーメッセの派生展示会として製造業の自動化やデジタル化に焦点をあてた展示会Industrial Transformationをアセアンのハブシンガポールとメキシコの自動車産業の中心で日本企業も集積しているグワナファト州レオンで行っています。また名称は異なりますがイスタンブールで開催されるトルコ・中東地域最大の製造業の展示会WIN Eurasiaも今後の日本からの出展増加を期待しています。

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