日新ダイヤモンドが55周年! さらなる飛躍を狙う
意外なところにあるニーズを掴む
特殊品が多いダイヤモンド工具だが、ニッチだからこそ多くのニーズを拾いたいというのがメーカーというもの。営業担当者も日本全国津々浦々、ニーズを求めて情報集めに余念がない。
切削工具は寿命が良く安ければ絶対に売れるわけでもない。ユーザーにしてみれば前後の工程もあるので、一部だけ寿命が延びても困る場合があると聞いた。つまり顧客のニーズは多様であり、個々のユーザーニーズに合致した商品でなければ売れないのだ。
そのため営業担当者はトレンドを掴むことも必要だ。最近ではメガネやサングラスのレンズの縁だけを鏡面にしたいという要望を聞いたという。国内でメガネといえば、〝鯖江〟が有名だが、メガネだけではなく最近はメガネ製作で培った技術を活かした江戸切子でも活性化を図っている。従来の江戸切子は直線がメインだが、グラスにミーリング加工を施し曲線を描けば、斬新な江戸切子が出来上がる。ちなみに超硬エンドミルで実行すると表面が曇ってしまうので、やはりダイヤモンド工具が必要になる。
「こうした需要は〝自分たちの足〟で掘り起こすしかない。」と神谷社長。同社では、現在、7人の営業部隊が本社を起点に活躍している。営業部に在籍している平井課長に話を聞いた。
「需要はたくさんあるのは分かっているのですが、調べるのが大変です。高速道路で移動が長時間に亘ることもあり、1社だけ行って帰ってくるのは効率が悪い。周囲の会社にどんなところがあるかも調べたりもします。全国に散らばったお客様に会うため、営業担当者が効率的に回れるよう、営業部内のCSチームが縁の下の力持ち的サポートをしてくれるので、社内が一丸となって営業している感覚です。」と平井課長。
外回りで忙しい営業担当者を支えるCS担当者の海東さんは受注作業のほか、英語が堪能だ。同社のWebページやカタログの英語版も製作、親会社であるオーエスジーの海外現地法人とのやりとりも担当している。「嬉しいのはやっぱり営業担当者が受注に結びついたとき。」と海東さん。その話を横で聞いていた平井課長は、「注文がないと、早く取ってきてくださいね。今週に、とハッパをかけられます。」と笑った。