「未来の扉を開くエンジニア集団」新川製作所 新村社長に聞く
顧客の要求が爆上がり! 応えるために技術を磨く
同社のミッションは『変化するお客様のニーズに最高・最速・最新の切削技術で応える』と掲げているだけあって、難易度の高い加工をスピーディにこなし、業界でも高い評価を博しているが、ここまで至る経緯について尋ねると、「自動車部品メーカーの依頼が増加してきた時に、難易度の高い加工が増えた。測定も加工も難しい。YASDAの機械を導入し、自動車の削り出し部品を試作で行うようになると、3次元測定器とCAD/CAMを導入、これにより豊富なプログラミング機能を使って加工ノウハウをデータ化し、テンプレート化することでプログラム作成時間を短縮できた。時代に即した設備を増強したことと、われわれの加工ノウハウを合わせることでさらに強みを増すことができた。」と新村社長。
同社は、最新設備を導入する前でも丁寧な仕事っぷりで評判は良かったが、新村社長は、「高硬度材も超硬で削ればなんとか削れたけれど、刃持ちが悪くてしょうがないうえ、最後は磨き工程がある。一生懸命磨いたけれど、時間と工数がかかる。それでも『新川さんの加工は他社よりキレイですね!』と、とても喜んで頂けて嬉しかったのですが、能率を高めるため新しく導入したYASDAの機械で加工すると、ものすごくピカピカになったものだから、今度は『これでなきゃイヤだ』と言われた(笑)」と話した。
品質の良いものに触れるとレベルを落とせなくなるのが人の性。顧客の目も肥えていき、時が過ぎるにつれデザインも複雑化してきた。妥協を許さない顧客の要求は高まるばかりだが、顧客の喜ぶ姿を見ると、クオリティは絶対に落とすことはできない。すると、今度は工具寿命が気になった。顧客が望む納期のもと、高硬度で複雑なものを削る難加工を追求していくと、従来の超硬工具では寿命が持たず加工における時間を含めたトータルコストがかさむのが気になったのだ。
「なんとか切削工具の寿命と能率を同時に高めることはできないものか。」と考えた新村社長の目に止まったのは、MOLDINOの〝THシリーズ〟だった。高硬度材もどんどん削れるようになり、この工具と出逢ってから、MOLDINOファンになった。仕事も難易度の高い加工については、口コミで「新川さんならやってくれるよ。」と高い信頼を集め、現在に至っている。
最高を追求したい! 機械の〝機〟はチャンスの〝機〟
先端設備と加工技術を備えた同社だが、世界中がコロナ禍で萎縮をしているときに、「あれ? うちは他社とは違う強みがあるぞ。」と初めて認識したという新村社長は、ふと、YASDAの機械を5台も保有している強みに気付いた。
「例えば、機械部品で軸筒といわれるベアリングが入って主軸が回る部位は、〝ピッチ100分の1程度〟と要求されるほど精密です。また、弊社の主力商品のひとつ、金型の3段圧入は、焼入れて削って抜いて、また焼入れて、ということを3段しなければならず、それには圧入機や電気炉も必要ですし、エアー穴もφ0.5の細穴が6ヶ所あいています。こういう難易度の高い加工をスピーディに実施できる会社はなかなかない。こうした主力製品がわれわれの強みです。」と自信をみせた。
こうした自社の強みを広く発信するため、「X」(旧Twitter)などのSNSや、youtubeを活用している同社だが、その中で仰天するシーンを発見した。
なんということでしょう! 下穴無しでハイス(HRC65)にタップ加工をしているではないか!
驚愕の動画はこちら↓