三井精機工業 「工場見学会2025」を開く 普段は見られない貴重なマシンも!

 

人気機種や珍しいマシンづくりの一環を見学

薄くて長いブレードを高精度で加工するために設計された「Vertex」
長いワークでも余裕でセット可能だ!

 

 同社の人気機種のひとつである「Vertex」だが、今回、あまり見ることがない顧客の要望をふんだんに取り入れた「Vertex」が展示されていた。ジェットエンジンのブレードを加工するためのマシンである。ブレードは薄くて長く、5軸加工でしか実現できない加工でもある。薄いので片方だけ保持して削るとビビリが発生し精度良く加工ができないため、根本になる部位と先端の両方を抑えて支えなくてはいけない。そのため、この薄くて長いブレードを高精度で加工するために設計されたものなのだ。

 少し歩くと長い機械があった。2メーターまでのねじが削れる機械「GSE200A」だ。同社では3番目に長い機械だという。

V-Fのきさげ面

 そのまま進とさらに長い、12メーターのベッド摺動面を拝見。こちらはV-Fになっていた。10ミクロンほどの誤差しか許されぬシロモノだ。これを10分の1に例えると、1.2メーターだと1ミクロン、その半分だと0.5ミクロンという驚異の精度であり、この領域の精度は今のところ機械加工では出来ないようだ。12メーターも集中してきさげを行うきさげ職人を思うと、感慨もひとしおである。

 ちなみに同社のねじ研削盤は中国企業に爆買いされ、「投資意欲の凄みを知った。」と下村氏。ちなみに、同社のねじ研削盤は国内需要が多いものの、最近は中国、台湾、韓国が増加しているという。

作業者の椅子には年季が感じられた

 〝きさげ〟にも様々なランクがあるようで、少しくすんだ色をしたきさげ面を拝見。このくすんだ色は、きさげ加工のうえにさらにラップ加工を施しており、さらに細かい面になっているという貴重なものだった。作業者の愛用している椅子だろうか、きさげに従事している年月の長さを物語っているようで、敬意を込めて思わずカメラのシャッターを切った。

 

 小型のねじ研削盤があった。「ナットを削る機械」だという。「従来、ナットを削る機械はこの2倍ほどあったのですが、トレンドとしては小型の機種に需要があると見ており、現在、作っている最中です。」という。「新作ですね!」とすかさずカメラを構えたところ、「あっ、これは撮らないでくださいっ! まだ秘密です!」とのこと。一部だけ撮影のお許しが出たのでシャッターを切る。

まだ未発表のマシンの一部をチラ見せ!

 ほかには、例えるならば棺桶のようなものが乗った珍しい機械もあったので、下村氏に説明を求めると、「中を完全に密封して、窒素ガスを入れるためのもので、特殊な材料を加工するようです。」とのこと。これは撮影禁止だったので写真はなし。

 

 

 

 

moldino_banner