「TIMTOS2025」リポート ~台湾TIMTOSが30回目の節目 最大輸出先・中国から来場なく異例の開催~
円安で競争力失う

TAMIはTIMTOS会期中の会見で、台湾工作機械の2024年の輸出額を発表した。2024年は主要市場の中国や米国向けが低調で前年比14.8%減の22億1,800万米ドル(約3,327億円、1ドル150円換算)となり、ピークだった2012年の42億3,000万米ドルからほぼ半減した。同日発表のプレスリリースで輸出の減少について、TAMIは米国のインフレと利上げの影響、ロシア・ウクライナ戦争、地政学的な対立や競争に加え、期待された中国本土の景気回復が期待通りに進んでいない事などを挙げる。大幅な円安や中国製品のダンピング(不当廉売)も影響したと説明する。
日本工作機械工業会の受注動向を見ると、2024年は前年比0.1%減の1兆4,851億円だったものの、過去8番目の高い受注額を記録した。外需は1兆円を超え、過去3番目の受注額だった。中国向けは同23.0%増と好調で、米国は同5.2%減だったものの受注額としては堅調だった。中国は、税制上の優遇措置で設備更新に勢いがついた。しかし、台湾の工作機械業界にとってはむしろ、それらがマイナスに働いた。
米国市場では、価格が同程度ならより高性能な日本製が選ばれる。中国市場では、ハイエンド市場は日本の輸出貿易管理令で制約があり、加工精度はワンランク型落ちながらも、円安で価格競争力を増した日本製が優位に立つ。普及機市場では、中国の現地メーカーの品質向上に加え、ダンピングによる低価格での販売で台湾製工作機械の優位性がほぼなくなってしまった。台湾の工作機械は中価格帯や低価格帯の設備が、中国市場で売れにくくなっている。
2021年から現在までの為替レートの変動を分析すると、台湾ドル(NTD)は米国ドルに対し15.5%しか減価していないが、日本円は46.9%、韓国ウォンも33.0%減価した。かつて日本より20~30%安かった台湾製工作機械と工作機器の価格差はなくなり、韓国との受注競争においても価格面での優位性がなくなったためだ。日本製と台湾製の工作機械の価格差が完全になくなり、韓国製との価格競争もできなくなり、台湾製工作機械は国際市場での販売が困難な状況に直面している。