サンドビック・コロマント・ジャパン 髙宮社長に聞く 「競争力の源泉はオープンカルチャー」

 

サンドビック・コロマント・センターで顧客価値体験を提供 

サンドビック・コロマント・センターは自然素材を活かした北欧発祥のスカンジナビアデザインが特長

 

 ― 昨年6月にサンドビック・コロマント・センターが名古屋で開所されました。デジタルソリューションや機械加工のデモンストレーションなど、顧客体験価値を提供する場として重要な役目を担っています。イベントなども活発に行われているようですが、特に強化しているものがあれば教えてください。
 髙宮 アプリケーションで強みを発揮できるよう強化しています。例えばEV関連だとバッテリーケースやシャフトに的を絞ったり、難削材でもチタンに焦点を当てるなど実用性が高い点が好評です。また、トレーニングに関しては昨年から販売店向けの〝DXスペシャリストコース〟を設けました。これは、販売店の営業担当者が弊社のデジタルツールを使いこなすことによって、弊社の営業担当者と同等な高レベルの提案と課題解決ができるコースです。かなり力を入れており、年4回コースで開催しています。
 ― 何名くらい参加されましたか。
 髙宮 昨年が約70名、今年が(10月取材時)90名弱です。
 ― 貴社は加工の自動化にも対応し、この部分は強みだと感じます。オンライン加工データベース「CoroPlus ツールガイド」の条件提案も評判は高いです。
 髙宮 加工条件をデジタル管理することで、機械と連動し、加工を簡単に最適化することができれば、加工時間を短縮し、工具交換回数を削減することもできます。これによりお客様の経済効果が高まります。こうした提案だけでなく、お客様企業と共同で加工テストやデータ分析も実施しています。
 ― これらのデータをリアルに収集できれば、どこで無駄なことや非効率なことが起きているか分かります。
 髙宮 われわれは単に工具を売るだけでなく、リアルタイム分析も支援しており、お客様とデータを共有することで、加工の事実を見ながら一緒に改善に繋げていくことを重要視しています。お客様もそれぞれであり、設備や加工する素材なども違いますから、データに基づく提案はとても重要だと考えます。膨大なデータや工具情報をもとに最適な答えを導き出すことはわれわれの強みであり、単なる加工の可視化や効率化にとどまることはありません。データは分析するだけでなく、活用することに意味があります。
 ― なるほど。ところで、サンドビック・コロマント・センターは環境に配慮したインテリアもお洒落です。
 髙宮 革新的なソリューションを提供しつつ、お客様とともに社会や環境にも貢献しながら持続可能な未来をともに創造していこう、という意識から、自然素材を活かした北欧発祥のスカンジナビアデザインを取り入れています。空調管理のしやすいレイアウトでSDGsに配慮した設計で電気代の節約やCO2削減、地球温暖化の抑制に貢献しています。

MOLDINO