研削の属人化を打ち破れ! ナガセインテグレックス、JIMTOF2026で新開発5機種
大型部品の加工概念を変える「RGi-1200 SLS2B-N5」

まず注目したいのが、超精密ロータリマルチ研削盤「RGi-1200SLS2B-N5」だ。
半導体製造装置を構成する大型部品やセラミックス部材、工作機械部品などの超精密加工を見据えて開発された。チャックサイズはφ1200mm。同社によると、世界初の門型の3点支持構造を採用した大型超精密ロータリー研削盤だ。
独自の油静圧案内とDDモータ駆動を組み合わせたロータリーテーブルを搭載し、大型ワークに対して高い平面精度を追求した。テーブル回転軸と左右軸を高精度に同期させることで、平面研削にとどまらず、複雑な自由曲面の創成加工にも対応する。
サドル送り軸には、油静圧案内とリニアモータを採用。案内面を可能な限り加工点へ近づけ、砥石からワークまでの力のループを短くすることで、加工点の剛性を高めた。
砥石軸には18.5kWの高出力モータを搭載し、最大φ610mm、幅100mmの砥石を装着できる。オプションの立軸スピンドルを追加すれば、外周・内周研削にも対応。テーブル回転との同期によって、中心から外れた位置にある穴の内外周研削も可能になる。
大型ワークを高精度に加工しながら、設置スペースも抑える。大型ロータリー研削盤のあり方そのものを変えようとする1台だ。
EVとロボット市場を支える歯車研削盤「NGC-550 BL3BS-N8」
自動車のEV化、産業オートメーションの高度化、ロボット用途の拡大に伴い、歯車には一段と高い精度が求められている。その要求に応えるために開発されたのが、超精密連続創成歯車研削盤「NGC-550BL3BS-N8」である。
小径ワークから最大φ550mmまでを加工できる。3点支持構造によって静剛性と動剛性を高めるとともに、ワーク回転軸には独自の油静圧案内構造を採用。高い回転精度と耐久性の両立を図った。
特徴的なのが、ワーク回転軸をベッドへ落とし込んだ構造だ。ワークの持ち出し高さを抑え、ワークから砥石までの力のループを短縮することで、加工点の剛性を確保する。さらに、ワークとドレッサを自動交換し、加工位置で砥石をドレスできる仕組みを採用した。ドレッサの保持剛性とドレス精度を高め、安定した歯面加工につなげる。
環境面にも踏み込んだ。独自の注水方法によって、水溶性研削液を使用しながら、油性研削液と同等の加工結果を目指したという。スラッジを安定して排出するシステムも盛り込み、省スペース化と省エネルギー化を図った。歯車精度だけでなく、加工スピード、機能性、環境性までを「全方位」で見直した次世代の歯車研削盤である。
精度と自律化を両立する「SGX-126αSLS2-Zero3」
超精密門型成形平面研削盤「SGX-126αSLS2-Zero3」は、SGXシリーズのハイエンドモデルに位置づけられる。
チャックサイズは長さ1200mm、幅600mm。高い機械運動精度と加工点剛性を両立させ、平面研削はもちろん、2軸、3軸を同期させた形状創成加工や、多数個ワークの自動加工にも対応する。
3点支持の高剛性ベッドに加え、テーブル案内面と前後のクロスレール案内面には、独自の多面拘束油静圧案内とリニアモータ駆動を採用した。加工時に各部が受ける力を合理的に集中・分散させ、高精度かつ高品位な加工を安定して実現する。また、従来のシングルコラム機と比べ、設置面積を50%削減した点も見逃せない。高精度な機上計測に対応するほか、形状の異なる複数のワークを連続して無人加工するシステムも構築できる。
「最高の精度と生産性」を掲げるだけではない。測る、判断する、加工するという一連の工程を機械上で完結させ、熟練者への依存を減らしていく。その狙いが色濃く表れたマシンだ。
なお、JIMTOF2026の特別仕様機には、後述する「NPXスピンドル」と「GRIDE EYE®」が搭載される。
6軸制御で微細加工の世界を広げる「NIC-74 S6-N6」
自由曲面上に設計された複雑な微細形状を、どう高精度に加工するのか。その難題に挑むのが、超²精密微細形状加工機「NIC-74S6-N6」である。
X、Y、Zの直線3軸に、工具の回転・旋回を担うA、B、C軸を加えた同時6軸制御のナノ加工機だ。自由曲面上に、多彩な超微細形状を創成することを狙う。
ひときわ目を引くのが、3点支持ベッドを採用した球体型の本体構造である。従来機と比べて動剛性を2.25倍に高めた。
旋回しても刃先位置が変化しない新開発の工具軸を採用し、刃先の持ち出し長さも抑えた。ワークから工具までの力のループを短くすることで、加工点の剛性と運動精度を高めている。
全軸には非接触油静圧案内を採用し、X、Y、Zの直線軸には超精密リニアモータを搭載。オプションにより、楕円振動切削やエンドミルを用いた加工にも対応する。しかも、同一加工面積の従来型ナノマシンと比較して、設置スペースと消費電力をともに10分の1に抑えたという。高精度化と多軸化を進めながら、機械を巨大化させない。次世代の微細加工設備として、鮮烈な存在感を放つ。
非球面加工を極める「NSL-280 AS4-N5」
光学レンズに対する高機能化、高精度化の要求は、さまざまな産業で強まっている。そこで求められる形状精度と加工面品位に応えるべく開発されたのが、超精密非球面加工機「NSL-280AS4-N5」である。
最大φ280mmのワークに対応し、非球面の超精密切削と研削を1台で担う。SiCや超硬などを用いたレンズ金型から、レンズのダイレクト加工まで、高い加工面品位を追求した。
本体は、静的、動的な変形を極力抑えた高剛性構造。独自の油静圧案内とDDモータ駆動を組み合わせた超精密インデックスを搭載し、繰り返し再現性と位置決め再現性を高めている。3点支持構造のベッドと除振機構によって振動を抑制。インデックスを左右スライダへ落とし込むことで、ワークから工具までの力のループを短縮した。わずか2畳半ほどのスペースに収まるコンパクト設計も大きな特徴だ。
求めたのは、単なる省スペース機ではない。加工点でサブナノ領域の切り込みを実現し、高度な光学部品を安定して生み出すための小さく、強く、精密なナノマシンである。


