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台湾TMTS展が6年ぶり単独開催 7万人が来場、オンライン展には11万人

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会場となった台北南港展示センター1号館

 

 工作機械の輸出額で世界5位、生産額で世界7位の台湾で台湾国際工作機械展(TMTS2024)が3月27日から31日までの5日間、台北市東部の台北南港展示センター1、2号館で開かれた。6年ぶりの単独でのリアル開催に631社が3,350小間を超える規模で開催され、国内外から7万人が来場し、オンライン展には123カ国から11万人がアクセスした。今回展のテーマは「DX & GX 持続可能な未来」で、各出展者がDX(デジタルトランスフォーメーション)とGX(グリーントランスフォーメーション)の2つを軸に、製品とサービス、自動化や省人化に向けたソリューションを競った。台湾の工作機械業界にとり最大の輸出先の中国が不動産不況を受け、設備投資が急減速して販売を落とすなか、台湾メーカー各社が何を目指しどう取り組むのかを現地で取材した。【台北=是州煩太(文・写真)】

ファンを引き付け知名度も向上

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台北南港展示センター2号館

 TMTSは2010年に台湾中部の台中市で初開催され、今回で7回目の開催。6回目となるはずだった20年展は新型コロナウイルス感染症の拡大で中止に追い込まれ、2年前の22年展は会場を台北に移し、30回の節目を迎えた台北国際工作機械見本市(TIMTOS)との合同で、「TIMTOS×TMTS2022」として国内向けの開催を強いられた。海外の在住者に対しては、同時開催されたオンライン展での視聴参加の呼びかけを余儀なくされた。

 半世紀を超える長い歴史を持つTIMTOSに比べ、台中で開催されるTMTSの知名度はかつては今ひとつ。初期の開催時には日本で開催される日本国際工作機械見本市(JIMTOF)の知名度と集客力を利用し、JIMTOF閉幕の翌日をTMTSの開幕日に当て、各国からのJIMTOF来場者に帰国前の立ち寄り、寄り道での来場を促した時期もあった。主催の台湾区工作機械工業会(TMBA)が編み出した秘策だった。

 産業用機械を広範に展示するTIMTOSに対し、切削を中心とした金属加工用の工作機械と周辺機器に絞って展示するTMTSは、初開催から14年を経てより熱心なファンの引き付けに成功し、今や知名度も上げて来場者数を増やしてきた。

 開催地の台中は、工作機械や周辺機器の各主要メーカーの本社と工場の集積地でもある。工場の見学も兼ねて、TMTSを目当てに台湾を目指す来場者も増えた。あえて例えるなら、TIMTOSが台湾版JIMTOFなのに対し、TMTSは台湾版メカトロテックジャパンの位置づけだ。今回はかつての台中の会場が取り壊され、新会場の建設計画の遅れも重なり、台北での開催となった。

意欲的な新興国の需要捉える

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「これまでとは違った斬新なものづくりの世界を披露したい」と語る陳伯佳TMBA理事長

 今回展には7万6776人が来場。台湾各地からはもちろん、68ヵ国・地域から3,319人の外国人が来場した。外国人来場者数の上位10カ国は、インド、日本、中国、マレーシア、フィリピン、米国、インドネシア、タイ、ベトナム、トルコで、多くの国が視察団を組織して会場を訪れた。

 大手自動車メーカーが工場を持つポーランドやチェコ、メキシコやアフリカなどからも来場した。既存の工業国はもちろん、設備投資への意欲が高い、新興工業国の需要をしっかり捉えた印象だ。つまり、これらの国々が今後、日本の工作機械業界が挑むべき市場、いわば「お得意さま」へと導く国だ。台湾製の工作機械を導入したら、次は必ずより高性能な日本製の工作機械が欲しくなるはずだからだ。

 TMBA理事長でYCMブランドを展開する永進機械工業の陳伯佳総経理は開会式で「今回のTMTSは、従来の台中での開催から台北での開催に変わっただけでなく、多くのユニークな取り組みに挑戦した。最新の機械の展示だけでなくソリューションを提案し、DXとGXを軸に持続可能な未来社会を提案する。ユーザーの経験や体験を基に分析を重ねて機械を改善した。これまでとは違った斬新なものづくりの世界を披露したい」と意気込みを述べた。

 日本の首相に相当する陳建仁行政院長や官房長官に相当する林佳龍総統府秘書長らがあいさつし、官民挙げた応援体制もアピールした。蔡英文総統こそ来場しなかったものの、開会2日目には5月に次期総統に就任する頼清徳副総統、5日目の最終日には頼政権下で副総統に就任する蕭美琴前駐米大使も会場を訪れた。

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オーエスジー セラミックス・ガラス加工用超硬ドリル「DIA-MXD」を発売

 

 オーエスジーがこのほど、セラミックス・ガラス加工用超硬ドリル「DIA-MXD」を発売した。

 半導体製造装置・光学部品・電子部品などに使用されるセラミックスは高硬度で割れや欠けが発生しやすいうえ、高精度が要求されるうえ、セラミックス加工では、工具寿命のばらつきや突発的な工具の折損、工具の短寿命などの課題がある。「その主な要因は突発的なコーティング層の剥離による急激な摩耗進行である。」と同社。

 こうした加工現場の課題を受け、同社がこのほど発売した「DIA-MXD」の特長は、セラミックス・ガラス加工に最適化した刃先形状と耐摩耗性に優れるHDGコーティングと高い密着性を可能にする新開発の超硬合金との組合せでコーティング層の剥離を防止し、安定した高い耐久性を実現することである。これにより生産性コストを削減する。

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機械工具関係団体協議会が「2025年度 明日を担うリーダー交流会」を開く

 

 日本機械工具工業会、研削砥石工業会、ダイヤモンド工業協会、日本機械鋸・刃物工業会の機械工具関係団体協議会が8月6日、機械振興会館(東京都港区芝公園)で「2025年度 明日を担うリーダー交流会」を開催した。

 この交流会は、①それぞれの団体の未来を支える現在・将来のリーダーとなるうる方々の異業種間での交流を通じ、②経営上のノウハウ、経験等についての知見を得ていくこと、また、③参加者の人的なネットワークの形成を図っていくことを目的として、昨年2月、来秋工具関連団体協議会の主催によりスタートしたもの。

 今回は日印をつなぐ架け橋として広く活動を行っている磯貝富夫氏(関西日印文化協会 副会長・日印ビジネスコンサルタント、元シャープ現地法人社長)が「最近のインド事情とインドとの付き合い方10箇条 Do’s&Dont‘s」をテーマに講演した。磯貝氏は、「インドが今年中に経済規模で日本を抜いて世界第四位の経済大国となることは確実。ドイツを追い抜いて世界第三位に浮上する可能性もある。インド抜きでは世界経済は語れない時代に突入するだろう。」としており、実体験に基づく知見を述べた。

 第二部はマックスキニック精密の松永取締役の乾杯の発声で懇親会が開かれ、参会者は親睦を深め、宴もたけなわの頃、散会した。

 

DMG森精機 国連グローバル・コンパクトへ署名 参加企業に登録

 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)は、このほど、国際連合が提唱する「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」に署名し、2025年7月18日に参加企業として登録されたと発表した。同時に、UNGCに署名する日本企業などで構成される「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン (GCNJ)」に加入した。

 UNGCは、国連と民間(企業・団体)が手を結び、健全なグローバル社会を築くための世界最大のサステナ ビリティイニシアティブです。参加する企業・団体は、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野における 10原則に賛同し、トップ自らのコミットメントのもと、その実現に向けて努力を継続することが求められている。

 同社は、これらの原則に賛同し、企業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指すとし、今後は、GCNJの活動にも積極的に参加し、他の参加企業・団体との連携を深めながら、ESG(環境・社会・ ガバナンス)への取り組みを一層強化していく方針。

 なお、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の4分野10原則は以下の通り。

■人権
 1.企業は国際的に宣言されている人権の保護を支持・尊重し、
 2.自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである

■労働
 3.企業は、結社の自由と団体交渉の実効的な承認を支持し、
 4.あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持し、
 5.児童労働の実効的な廃止を支持し、
 6.雇用と職業における差別の撤廃を支持すべきである

■環境
 7.企業は、環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持し、
 8.環境に関するより大きな責任を率先して引き受け、
 9.環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである

■腐敗防止
 10.企業は、強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組むべきである
 

アマダが子育てサポート企業として「プラチナくるみん認定」を取得

 アマダがこのほど、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣が認定する「プラチナくるみん認定」を2025年7月22日付で取得したと発表した。

 「プラチナくるみん認定」は、次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画の基準を満たして「くるみん認定」を受けた企業のうち、さらに高い水準の取り組みを行い、その基準を満たした企業に与えられる特例認定で、同社は、2023年の「くるみん認定」取得後も、男性への積極的な育児休業取得促進、仕事と育児の両立支援制度の整備、有給休暇取得の促進など継続的な施策を行ってきたが、今回、これらの取り組みがさらに高い基準を満たしたと認められ、「プラチナくるみん認定」の取得につながった。

 アマダグループでは、「働きがいのある職場づくり」を重要課題の一つとして掲げ、「アマダグループで働く社員一人ひとりが働きやすさと仕事のやりがいを実感できる活力ある職場づくり」を軸に、長期にわたり安心して働ける基盤づくりを推進しており、今後も、社員の仕事と子育ての両立を支援しつつ、その能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に努めていく方針。

■ 行動計画(2023年4月1日~2025年3月31日の2年間) 
 目標1:育児休業取得率を次の水準以上とする。 
 男性正社員 取得率:70%以上 女性正社員 取得率:100%以上 
 (実績:男性正社員 取得率:79.7% 女性正社員 取得率:112.5%) 
 目標2:個々の事情に応じた、多様で柔軟な働き方改革の推進

■ 行動計画目標達成のための主な取り組み 
(1)育児休業取得の推進 
 男性社員の育児休業取得を推進するため、上長から本人への取得奨励を必須化しているほか、役職者研修において育児休業に関する情報提供を継続的に行っている。また、社内報に男性育休取得者インタビューを掲載した周知活動、両立支援施策を検討するための社員意識調査を実施している。 
(2)育児休業復帰サポート 
 育児休業取得者には、円滑な職場復帰を実現するため、上長とのコミュニケーションをサポートする「育休復帰支援面談シート」を活用している。休業から復帰までの流れや具体的な役割、業務内容をお互い明確に理解できるよう促し、男性の育児休業を受けいれやすい職場風土の醸成を図っている。 
(3)多様で柔軟な働き方改革の推進 
 柔軟な働き方を実現するため、フレックスタイム制の活用を推進している。また、有給休暇取得率向上に向け、「有休奨励日」の実施、「時間単位での有休取得制度」を導入した。さらに、育児、看護、傷病など特別な事情がある場合に利用可能な「特別事情によるテレワーク利用制度」を新設し、社員がそれぞれのライフスタイルに応じて柔軟に働ける環境の整備に取り組んでいる。
 

サキコーポレーションが10月1日よりコーポレートロゴマークを一新

新ロゴマーク

 

 サキコーポレーション(以下サキ)が、本年10月1日より、コーポレートロゴマークを一新する。新ロゴマークは、DMG MORIグループ共通のフォントとカラーを採用し、「DMG MORI Group」の表記を添えたデザイン。

 この変更は、サキがDMG MORIグループの一員として、ブランドの統一感を高めるとともに、グループ全体のシナジーを最大限に発揮していく存在であることを、すべてのステークホルダーに明確に示すもの。

 サキは、自動検査分野においてSPI・AOI・AXIのフルラインアップを展開し、精密なハードウェア設計と先進の画像処理・AI解析技術を組み合わせた高品質な検査ソリューションで、製造現場の自動化、省人化、生産性向上に貢献しており、専門性と、電子部品実装、EV、半導体などの成長分野での実績を活かし、2016年の経営統合以来、DMG MORIグループの新たな事業領域の拡大を支えている。また、人材の交流や幅広い業務領域での知見の共有、将来的な製品開発に向けた技術連携、製造体制における協力など、多面的なシナジーの創出が進んでおり、今回のロゴマーク刷新を機に、DMG MORIグループの技術・知見・ネットワークをより有機的に連携させることで、提供価値の深化とグローバル市場でのさらなる成長をめざす方針。

 

2025年7月分工作機械受注総額は1,283.6億円

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2025年7月分の受注実績は以下の通り。

 2025年7月分工作機械受注総額は、1,283.6億円(前月比△3.6% 前年同月比+3.6%)となった。受注総額は5カ月連続の1,200億円超。1,100億円超えは53カ月連続。前年同月比では2カ月ぶりの増加。

 内需は354.5億円(前月比△11.1% 前年同月比△0.7%)で2カ月連続の350億円超え。補助金効果が剥落し、金型、自動車、航空機関連で増加するも、基調は横ばい圏内の動きを示す。

 外需は929.1億円(前月比△0.4% 前年同月比+5.3%)で前月比4カ月連続の減少も、900億円超えを維持。前年同月比では10カ月連続の増加と堅調が持続。

 工作機械受注の先行きは不透明感の高い世界経済の状況や米国関税措置の影響が和らぐなか、内外需での堅調な推移に期待しつつ、下振れリスクへの留意も必要。

7月分内需 354.5億円(前月比△11.1% 前年同月比△0.7%)
 

 内需総額は、354.5億円(前月比△11.1% 前年同月比△0.7%となった。

 2カ月ぶりの350億円超えも伸び率では前月比、前年比ともに減少した。一般機械、電気・精密での減少が、自動車、航空機・造船・輸送用機械の増加を補えなかったことが、内需の減少要因とみられ、結果、基調は横ばい圏内で推移。

 ・⼀般機械は前⽉⽐、前年同月比で2カ⽉ぶりに減少。5カ月ぶりに140億円割れ。
 ・建設機械は前月比で4カ⽉連続減少し、金型は13カ月ぶりの15億円超え。
 ・補助金効果は苦楽の影響が色濃く、低調に推移している。
 ・⾃動⾞向けは2カ⽉連続で前⽉⽐で増加し、4カ月ぶりに80億円超えとなった。前月比で+15.9%、前年比で+26.0%となった。モデルチェンジ関連投資に加え、必要に迫られた更新投資が受注に表れた結果とみられる。
 ・⾃動⾞部品は前⽉⽐で+28.3%、前年比34.7%となり4カ⽉ぶりに50億円超え。


(出所:日本工作機械工業会)


7月分外需(929.1億円 前月比△0.4% 前年同月比+5.3%)

 外需総額は、929.1億円(前⽉⽐△0.4% 前年同⽉⽐+5.3%)となった。
 ・前⽉⽐は4カ⽉連続減少も、前年同⽉⽐では10カ⽉連続増加し、11カ⽉連続の800億円超え。3月以降、900億円超えの水準を維持するも減少傾向にある。
 ・世界経済の不透明感はあるも、関税措置の過度な懸念が和らぐなか、年後半に期待。
 
① アジア
 アジア計は、5カ月連続の450億円超と堅調持続。
 ・東アジアは4カ月連続の400億円割れ。
 ・中国は5カ月連続300億円超えのレベルを意地。
 ・その他アジアは3カ月連続の100億円越え。
 ・インドは2カ月連続の50億円超え。

② 欧州
 欧州計は3カ月連続の150億円超え。
 ・ドイツは前月比、前年同月比で2カ月連続減少し、3カ月ぶりの35億円割れ。
 ・イタリアは前月比、前年同月比ともに増加し、5カ月連続20億円超え。

③ 北米
 北米計は前月比、前年同月比で減少も、6カ月連続の250億円超え。
 ・アメリカは2カ月連続の250億円割れも、6カ月連続で前年比プラスとなる。
 ・メキシコは前月比、前年同月比ともに減少し、4カ月ぶりの20億円割れ。

(出所:日本工作機械工業会)

今後の見通し

 米国による自動車輸入への追加関税や相互関税の発動が相次ぎ、米中対立激化の懸念も高まった4月以降、世界経済の不確実性が増し、米国内をはじめ各地域で設備投資が停滞することへの警戒感が広くうかがえる。しかし7月分の受注結果を総覧したところ、目立った影響は依然として見受けられない。

 こうした中で、米国政府は8月7日に世界69カ国・地域からの輸入に対する新たな相互関税率を発表し、日本についてはベースラインの10%から15%へと引き上げられた。当初の予想より低率となったことで、我が国の輸出産業が受ける影響が多少和らぐと見られる他、これまでの生産拠点を巡るユーザの逡巡がひとまず解消に向かい、長らく見送られていた設備投資が進みだすものと期待される。

 各地域別に展望すると、まず北米は、米国の中小ジョブショップ等で設備投資に一部慎重姿勢が認められるものの、全体傾向として引き合いや商談は先細っておらず、自動車や建設機械、航空・宇宙関連で今後もまとまった規模の受注が見込まれる。

 中国については、自動車関連で有力完成車メーカ系列を中心に活発な設備投資が続いている他、各種産業機械やエレクトロニクス分野においても、新興の有力ユーザ等による活発な設備投資が続くと見られる。インドでは通信機器関連の特需が一旦収束した様子だが、自動車や自動二輪、農業機械等で引き続き旺盛な需要が見込まれる。

 北米・アジアと比較して、日本(内需)及び欧州の景況は足元で力強さを欠いているが、徐々に地合いが整いつつあり、秋以降の本格的な改善が期待されている。

 上述したように米国の相互関税が当初予想より低率となったことで、我が国の輸出産業が受ける影響が多少和らぐと見られる一方で、前年までとの比較では増税であり、ユーザの設備投資動向に注意が必要である。また、貿易赤字削減に強い意欲を示す米国政府が、今後更なる措置を打ち出す可能性も考えられる。また、これから交渉が本格化する米中、米印間の関税協議も含め、最新の動向や発表内容を油断なく注視し、世界各国での需要に対応していく。


 

日本機械工具工業会 2025年7月分 会員統計生産額まとまる 

 日本機械工具工業会がこのほどまとめた2025年7月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。■生産額 切削工具 376.3億円(101%)、耐摩耗工具 32.2億円(97%)、総合計 415.9億円(100%)。■ドリル生産額 特殊鋼工具 12.6億円(99%)、超硬工具 43.2億円(111%)、ダイヤ・CBN 0.7億円(74%)、総合計 56.5億円(107%)。■エンドミル生産額 特殊鋼工具 4.5億円(95%)、超硬工具 40.5億円(104%)、ダイヤ・CBN 1.3億円(90%)、総合計 46.3億円(103%)。■カッタ生産額 特殊鋼工具 1.6億円(136%)、超硬工具 5.8億円(109%)、ダイヤ・CBN 0.5億円(126%)、総合計 8億円(115%)。■ギヤカッタ生産額 総合計 6.1億円(94%)。■ブローチ生産額 総合計 7.7億円(98%)。■ねじ加工工具生産額 特殊鋼工具 32.3億円(103%)、超硬工具 3.8億円(94%)、総合計 36.1億円(102%)。■バイト生産額 特殊鋼工具 0.1億円(65%)、超硬工具 8.6億円(97%)、総合計 8.7億円(97%)。■リーマ生産額 特殊鋼工具 1.1億円(94%)、超硬工具 2.9億円(127%)、総合計 4億円(116%)。■鋸刃カッタ生産額 特殊鋼工具 1.2億円(97%)、超硬工具 0.5億円(96%)、総合計 1.7億円(97%)。■インサート生産額 超硬工具 148.8億円(99%)、ダイヤ・CBN 21.9億円(98%)、総合計 170.7億円(99%)。■ボディ関係生産額 総合計 17.7億円(94%)。■超硬合金生産額 切削用 127.6億円(97%)、耐摩耐触用 15.4億円(88%)、総合計 144.8億円(96%)。  

経産省・2025年6月度機械統計 機械工具生産動態調査

 経済産業省の2025年6月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。


 *機械工具(機械統計)との差はダイヤモンド工具のダイヤモンドドレッサー、グライディングホイール、カッティングソー、セグメント工具、その他ダイヤモンド工具。
 *耐摩工具の一部はその他超硬工具に含まれる。
(表出所:日本機械工具工業会)
 

『JIMTOF2026(第33回日本国際工作機械見本市)』が始動! ~果てなき高度へ 羽ばたく技術~

意気込みを示す日本工作機械工業会 柚原専務理事

 『JIMTOF2026(第33回日本国際工作機械見本市)』(主催=日本工作機械工業会、東京ビッグサイト)が、来年10月26日(月)から10月31日(土)の6日間、東京ビッグサイトで開催するにあたり、去る7月29日、都内の芝パークホテルで会見が開かれた。

 『JIMTOF2026』は、工作機械やあらゆる周辺機器が一堂に会するものづくりの総合見本市であり最先端の技術や製品が集う世界最大級の国際技術ショー。2028年以降、土・日を含んだ6日間の会期で開催してきたが、今回はウィークデーを1日長くして現代のビジネス形態に合致した日程となっている。また、会期中は東京ビッグサイトの大規模修繕工事により東ホール4、5、6が休館となってしまうが、「効率的なレイアウトで魅力ある展示会の実現を目指す」としている。

 今回のキービジュアルコンセプトは、『果てなき高度へ 羽ばたく技術』。最先端のものづくりと次世代へと継承されていく技術を折り鶴をはじめとした〝折り紙の鳥〟で表現している。このキャッチコピーはJIMTOFに集結する工作機械業界の高度な技術がさらなる高見へと羽ばたき、果てしない未来に繋がっていくよう願いを込めたもの。

 会見の席で、日本工作機械工業会 柚原一夫専務理事は、「最近の米国による関税の交渉は決着を見たようだが不透明感が残っているが足元の工作機械受注は底堅さが感じられる状況である。近年の製造業は労働力不足、カーボンニュートラルへの対応、サプライチェーンの強靱化など様々な課題に直面している。製造業の基盤となる設備を提供する工作機械メーカーとしてはこれらの課題をニーズとして捉え、その解決に向けて日夜研究開発を進めている。国内外の各メーカーが一堂に集うJIMTOFでは、グリーン、デジタル、レジリエンスの3つのキーワードを念頭にその成果が具体的かつ最適なソリューションとして披露される。製造業の競争力の強化と価値創造に寄与し、政府の方針等にあいまって設備投資の機運の高まることを期待している。」と述べ、「前回、大々的に実証したアカデミックイベントの経験を活かし、出展者と学生を結ぶ企画・イベントを拡充して未来のものづくりの継承にも注力していきたい。」と意気込みを示した。

JIMTOFに期待を込める東京ビッグサイト 岩瀬常務

 続いて、東京ビッグサイト 岩瀬和春 常務が、「昨年のJIMTOF2024は過去最大規模の開催となった。JIMTOFは1962年の初開催から半世紀以上が経過し、この間、社会情勢や経済環境が大きく変化した。近年ビジネスの場において、事業原価の高騰、人材獲得の競争激化、DX化に伴う情報セキュリティ対策の必要性など様々な変化の波が押し寄せ、これまで以上に時代の変化に迅速かつ的確に対応していくことが重要となっている。JIMTOFはこれまでもその時代における製造業の最先端技術や製品を国内外へ発信し続けた。変化の激しい時代だからこそ、JIMTOFは最新の技術・製品を発表、展示する場として、また最先端の技術を競う質の高い見本市として常に進化し、世界に存在感を示すことが重要と考えている。」と期待を込めた。

東4、5、6ホールが休館するも効率的なレイアウトにより魅力ある展示会の実現を目指す!

概要を説明する日本工作機械工業会 秋山国際部部長

 日本工作機械工業会 国際部の秋山部長から『JIMTOF2026』の開催概要の説明があった。この中で秋山部長は、「JIMTOFは60年の時を超え、新たなステージを迎える段階となった。近年製造業は様々な課題に直面しているが、特にGXやDXについてはものづくり白書でも取り上げられており、また、AIの進化も日進月歩進んでいる。前回のJIMTOFでは日工会会員出展者の半数以上が世界初披露の新製品を出展し、来場者と対話を重ねて最適なものづくりを提案していた。このの流れを組み、主催者としては、引き続き、国内外有力メーカーをJIMTOFに呼び込み、あらゆる製造現場の課題に対応するハイエンドマシンや先端テクノロジーの展示を奨励する。」と述べ、出展者には、ユーザーの競争力強化と価値創造に寄与する最適な提案に加え、「製造業の省エネソリューションによって設備ビンテージの若返りを強力に後押ししていく流れを作っていく。」とした。

取り組みを説明する東京ビッグサイト 菊池事業推進部長

 『JIMTOF2026』の会期中は、会場となる東京ビックサイトの大規模修繕工事にて全体面積の約22%にあたる東4、5、6ホールが休館となってしまうが、「効率的なレイアウトによって魅力ある展示会の実現を目指す。」と述べた。

 東京ビッグサイト 菊池事業推進部長から主催者の取り組みなどについて説明があった。これによると、目標来場者数について、「プロモーション活動や学生向け企画の拡充を通じた学生誘致を協力に展開することで前回に引き続き13万人の目標を掲げている。」とした。

また、取り組みとして、「①国際技術ショーとしての魅力向上、②時代のニーズに即した最適な併催規格の実施、③出展者、来場者向けサービスのさらなる拡充の3点にスポットを当てる。」と述べた。

〈出展募集スケジュール〉
■主催者・協賛団体・海外工業会会員
 2025年10月1日(水)9:00~10月31日(金)23:59

■国内・海外一般
 2025年11月4日(火)9:00~11月18日(火)23:59

■申込み方法
 JIMTOF公式Webサイトに設置する「出展申込みフォーム」より必要事項を入力し申し込むこと。
▼公式Webサイトはこちら▼
www.Jimtof.org