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台湾TMTS展が6年ぶり単独開催 7万人が来場、オンライン展には11万人
工作機械の輸出額で世界5位、生産額で世界7位の台湾で台湾国際工作機械展(TMTS2024)が3月27日から31日までの5日間、台北市東部の台北南港展示センター1、2号館で開かれた。6年ぶりの単独でのリアル開催に631社が3,350小間を超える規模で開催され、国内外から7万人が来場し、オンライン展には123カ国から11万人がアクセスした。今回展のテーマは「DX & GX 持続可能な未来」で、各出展者がDX(デジタルトランスフォーメーション)とGX(グリーントランスフォーメーション)の2つを軸に、製品とサービス、自動化や省人化に向けたソリューションを競った。台湾の工作機械業界にとり最大の輸出先の中国が不動産不況を受け、設備投資が急減速して販売を落とすなか、台湾メーカー各社が何を目指しどう取り組むのかを現地で取材した。【台北=是州煩太(文・写真)】
ファンを引き付け知名度も向上
TMTSは2010年に台湾中部の台中市で初開催され、今回で7回目の開催。6回目となるはずだった20年展は新型コロナウイルス感染症の拡大で中止に追い込まれ、2年前の22年展は会場を台北に移し、30回の節目を迎えた台北国際工作機械見本市(TIMTOS)との合同で、「TIMTOS×TMTS2022」として国内向けの開催を強いられた。海外の在住者に対しては、同時開催されたオンライン展での視聴参加の呼びかけを余儀なくされた。
半世紀を超える長い歴史を持つTIMTOSに比べ、台中で開催されるTMTSの知名度はかつては今ひとつ。初期の開催時には日本で開催される日本国際工作機械見本市(JIMTOF)の知名度と集客力を利用し、JIMTOF閉幕の翌日をTMTSの開幕日に当て、各国からのJIMTOF来場者に帰国前の立ち寄り、寄り道での来場を促した時期もあった。主催の台湾区工作機械工業会(TMBA)が編み出した秘策だった。
産業用機械を広範に展示するTIMTOSに対し、切削を中心とした金属加工用の工作機械と周辺機器に絞って展示するTMTSは、初開催から14年を経てより熱心なファンの引き付けに成功し、今や知名度も上げて来場者数を増やしてきた。
開催地の台中は、工作機械や周辺機器の各主要メーカーの本社と工場の集積地でもある。工場の見学も兼ねて、TMTSを目当てに台湾を目指す来場者も増えた。あえて例えるなら、TIMTOSが台湾版JIMTOFなのに対し、TMTSは台湾版メカトロテックジャパンの位置づけだ。今回はかつての台中の会場が取り壊され、新会場の建設計画の遅れも重なり、台北での開催となった。
意欲的な新興国の需要捉える
今回展には7万6776人が来場。台湾各地からはもちろん、68ヵ国・地域から3,319人の外国人が来場した。外国人来場者数の上位10カ国は、インド、日本、中国、マレーシア、フィリピン、米国、インドネシア、タイ、ベトナム、トルコで、多くの国が視察団を組織して会場を訪れた。
大手自動車メーカーが工場を持つポーランドやチェコ、メキシコやアフリカなどからも来場した。既存の工業国はもちろん、設備投資への意欲が高い、新興工業国の需要をしっかり捉えた印象だ。つまり、これらの国々が今後、日本の工作機械業界が挑むべき市場、いわば「お得意さま」へと導く国だ。台湾製の工作機械を導入したら、次は必ずより高性能な日本製の工作機械が欲しくなるはずだからだ。
TMBA理事長でYCMブランドを展開する永進機械工業の陳伯佳総経理は開会式で「今回のTMTSは、従来の台中での開催から台北での開催に変わっただけでなく、多くのユニークな取り組みに挑戦した。最新の機械の展示だけでなくソリューションを提案し、DXとGXを軸に持続可能な未来社会を提案する。ユーザーの経験や体験を基に分析を重ねて機械を改善した。これまでとは違った斬新なものづくりの世界を披露したい」と意気込みを述べた。
日本の首相に相当する陳建仁行政院長や官房長官に相当する林佳龍総統府秘書長らがあいさつし、官民挙げた応援体制もアピールした。蔡英文総統こそ来場しなかったものの、開会2日目には5月に次期総統に就任する頼清徳副総統、5日目の最終日には頼政権下で副総統に就任する蕭美琴前駐米大使も会場を訪れた。
オーエスジーが3製品を市場投入
オーエスジーがこのほど、高性能油穴付き超硬ドリル「ADOX」、非鉄用超硬ドリル「HYP-ALD-3D/HYP-ALDO-5D」、非鉄用超硬エンドミル「HYP-ALM-2F・3F/HYP-ALM-RF」の発売を開始した。
高性能油穴付き超硬ドリル「ADOX」
独創的なオイルホール形状「MEGA COOLER」によりクーラント吐出量を最大化。「R Gash」との相乗効果により、炭素鋼からステンレス鋼まで、幅広い被削材に対して安定した加工と長寿命を実現する高性能油穴付き超硬ドリル。「R Gash」の効果とクーラント吐出量の増加により、低いクーラント圧でも良好な切りくず形状かつ、優れた切りくず排出性を実現する。さらに加工能率の改善につながる低スラストを実現し、ワークへの加工負荷を軽減。高能率加工を可能にする。加えて「MEGA COOLER」は、低いクーラント圧でも従来品と同等のクーラント量を吐出。高圧クーラントポンプ圧の低減により消費電力量の削減にも貢献する。
■サイズラインナップ
・3D・5D・8D:φ2~φ6
・10Dタイプ:φ2.4~φ6
・15D・20D・25D・30Dタイプ:φ2.3~φ6
非鉄用超硬ドリル「HYP-ALD-3D/HYP-ALDO-5D」
特殊ギャッシュ仕様により、低抵抗と切りくず安定性を実現する。独自の溝形状と優れた表面平滑性で良好な切りくず排出が可能。さらに、ダブルマージン採用で加工安定性を向上します。HYP-ALDO-5Dは油穴付きで、内部給油により、切りくず排出性をさらに高める。
■サイズラインナップ
・HYP-ALD-3D:φ1~φ12
・HYP-ALDO-5D:φ3~φ12
非鉄用超硬エンドミル「HYP-ALM-2F・3F/HYP-ALM-RF」
ワイドな溝形状と優れた表面平滑性で、良好な切りくず排出性を実現する。シャープな刃先と45°の強ねじれ溝により、切削性能を向上。さらに、HYP-ALM-RFは、非鉄加工に最適化されたニック形状を採用し、高能率な荒加工が可能。
■サイズラインナップ
・HYP-ALM-2F・3F:φ1~φ20
・HYP-ALM-RF:φ4~φ20
MOLDINO アルファ高送りラジアスミルシリーズにインサート材種「JS4160」を追加発売 ~35HRCの炭素鋼・合金鋼で抜群の長寿命~

MOLDINOがこのほど、アルファ高送りラジアスミルシリーズに炭素鋼や合金鋼の切削に優れる新インサート材種「JS4160」を追加し発売を開始した。特長は以下の通り。
(1)靭性と耐熱性のバランスに優れた超硬母材、耐熱性と耐溶着性に優れたコーティング膜の採用により高能率加工時でも安定した長寿命を発揮する。
(2)SS材、SC材、SCM材など35HRC未満の被削材の不安定加工や高能率加工に適しており、湿式加工にも対応する。
■推奨できる加工用途
硬度35HRC未満の炭素鋼・合金鋼の荒切削加工。

■適用昇進(追加発売品)
・アルファ高送りラジアスミル TR2F用:2アイテム
・アルファ高送りラジアスミル TD4N用:2アイテム
・アルファ高送りラジアスミル ASR多刃タイプ用:4アイテム
■価格(追加発売品)
¥1,210~¥1,650(消費税別)
ヤマザキマザック 加工能力強化と高精度化により高生産性を実現する複合加工機”INTEGREX i NEO”シリーズ 発売開始

ヤマザキマザックは、このほど、加工能力の強化と高精度化により高生産性を実現する複合加工機「INTEGREX i NEO」シリーズを開発し、販売を開始した。
複合加工機“INTEGREX(インテグレックス)”は、同社のフラッグシップモデルとして長年にわたり進化を続けてきた。今回、新たに開発したINTEGREX i NEO シリーズでは、コンパクトな新デザインのミル主軸を採用し、ワーク干渉を抑制して加工領域を拡大。さらに、20000 回転仕様(オプション)では、ミル主軸の構造を最適化して剛性を高め、高速主軸でありながら鉄系材料のミーリング加工でも高剛性を生かした高い生産性を発揮する。
また、旋削主軸・ミル主軸の冷却機能を強化するとともに、各駆動軸のボールねじの温度情報に基づき全長変化を補正する機能を搭載した。これにより熱変位の影響を低減し、連続加工時の加工精度のさらなる安定化を実現している。
INTEGREX i NEO シリーズでは、多品種少量生産など高頻度での工具の段取り替えが必要な場合に適したフロントマガジンを採用、さらに工具脱着装置や工具仮置台を新たに設け、段取り時のオペレータの負担を軽減する。
INTEGREX i NEO シリーズの特長
(1)生産性向上に貢献するミル主軸
コンパクトかつ凹凸部をなくした新デザイン。全ての仕様で、ミル主軸の全長を短縮しコンパクト化を実現したことで、ワークとの干渉を抑え加工領域が拡大。また、丸みを帯びたデザインにすることで、切粉が横方向に流れやすくなり、工具への切粉付着リスクを低減した。工具への切粉付着に付随するトラブルを未然に防ぎ、自動化による連続運転時にも高生産性を実現する。
さらに20000 回転仕様(オプション)は、主軸の構造を見直したことで剛性が向上。高速主軸ながら、鉄系材料のミーリング加工でも切込み量を上げることができ、加工時間を短縮して生産性向上に寄与する。
(2)連続加工時の加工精度を安定化
冷却回路と冷却油の流量を最適化し、旋削主軸全体の温度変化や変化量を小さくすることで、構造体の変形や旋削主軸の傾きを抑制する。また、ボールねじの温度情報を基にボールねじの全長変化を補正する機能を搭載した。これらの熱変位対策により、コールドスタートやインターバルをはさむ連続加工時にも外径・内径旋削ともに寸法変化が小さくなり、加工精度の安定化に寄与する。
(3)機械前面からの工具交換に対応するマガジン
機械前面から一度に複数の工具交換が可能なマガジンは、多品種少量生産など頻繁に工具交換が必要なケースに適している。マガジン下部の開閉式の仮置台や、ボタン操作のみで簡単に工具の脱着ができる脱着装置を新たに設け、段取り時のオペレータの負担を軽減し、安全な作業環境を提供する。
■主な仕様
(最大回転速度および棒材作業能力は、チャックの種類により異なる)
■機種展開
INTEGREX I NEOシリーズとして以下の仕様を展開。豊富なラインナップより、あらゆるワークサイズの高効率・高精度加工に貢献する。

DMG森精機 3Dモデルから加工形状を認識して加工プログラム作成 MAPPS V/X用PC版 対話型プログラミングソフトウェア「CELOS VISUALprogramming 3D」を発売
DMG森精機がこのほど、3Dモデルから加工形状を認識して、加工プログラムを作成する ソフトウェア「CELOS VISUALprogramming 3D」を開発し、工作機械の稼働状況の可視化や予防保全、リモート保守などを通じて、機械の安定稼働と生産性向上を支援するCELOS Clubの会員限定オプションとして販売を開始した。
加工プログラムの作成は、2次元の設計図面を基に対話画面でプログラムを作成する方法が一般的だが近年、製品多様化が進み、部品形状がより複雑化しているため、2次元図面からの情報読み取りや手動入力による作業負担が増加し、入力・操作ミスのようなヒューマンエラーが発生していることを受け、同社では、CADで作成した3Dモデルを直接認識して加工形状を抽出し、加工プログラムを作成する ソフトウェア「CELOS VISUALprogramming 3D」を開発するに至った。
この製品は、Windows PC向けのソフトウェアで、3Dモデルから加工形状を認識し、対話形式で加工プログラムを作成できる。3Dモデルのプレビュー表示で、加工形状を視覚的に確認しながら、表示される図やメッセージに沿って対話形式で操作を進めることが可能で、複雑な操作手順を覚える必要はない。取り込んだ加工形状は、対話の加工工程に変換されるため、面取り加工の追加や形状変更が必要な場合でも、3Dモデル自体を編集することなく柔軟に対応できる。
これにより、加工工程ごとの手動による条件入力回数が削減でき、プログラム作成時間を大幅に短縮する。また、入力ミスや、操作ミスのようなヒューマンエラーも低減できるため、プログラム品質も向上する。
プログラム作成の効率化により、従来の対話機能と比較してプログラム作成時間を80%削減、プログラム チェック時間を50%削減し、開発から製造までのリードタイムを大幅に短縮することが可能だ。
さらに、専用シミュレーションソフトウェア「CELOS DYNAMICpost for CELOS VISUALprogramming 3D」が標準搭載される。このソフトウェアは「CELOS VISUALprogramming 3D」で作成した加工プログラムを基に、PC上で正確に機械の動きを再現することができるもので、実機での動作確認に要する時間を短縮し、干渉チェックによる安心安全な加工を実現する。また、顧客が所有する機械モデルはあらかじめソフトウェアに搭載されているため、モデル準備の手間なく利用できる。
3Dモデルから加工プログラムを効率的に作成するCELOS VISUALprogramming 3Dと作成したプログラムを実機レベルでシミュレーションできるCELOS DYNAMICpost for CELOS VISUALprogramming 3Dの両製品を組み合わせることで、加工プログラム作成からシミュレーションまで一貫してPC上で完結することができる。
▼映像はこちら▼
https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=8431
製品構成と主なベネフィット
■CELOS VISUALprogramming 3D
対話形式によるわかりやすい操作で、プログラム作成時間を大幅に削減
・3Dモデルから加工形状を認識して加工プログラムを生成
・従来の対話機能と比較して、プログラム作成時間を80%削減
・機械からもリモートデスクトップで使用可能
手動入力による入力ミスを防ぎ、素早く、正確な加工プログラムを作成
・3Dモデルから直線と円弧のエッジを選択して、輪郭形状を取り込み
・傾斜面を選択することで、割り出し5軸の座標系の設定が可能
・従来の対話機能と比較して、プログラムチェック時間を50%削減
■CELOS DYNAMICpost for CELOS VISUALprogramming 3D
正確な機械モデルを基にしたNCシミュレーション
・CELOS VISUALprogramming 3Dで作成した加工プログラムをPC上でシミュレーション
・事前に工具干渉や加工順序の確認が可能で、実機上でのプログラムチェック時間を削減
・顧客の保有している機械モデルが標準で付属するため、モデル準備は不要
●対象機種
・5軸加工機:INHシリーズ 、DMU 50、NMVシリーズ
・複合加工機:NTXシリーズ、NTシリーズ
・ターニングセンタ:NLXシリーズ
・横形マシニングセンタ:NHXシリーズ
ヤマザキマザックグループに勤務の落合氏「黄綬褒章」を受賞

ヤマザキマザックグループ(本社:愛知県丹羽郡大口町)に勤務する落合岳彦氏が、令和7年秋の褒章において「黄綬褒章」を受章した。
「黄綬褒章」は農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する個人に対して与えられる褒章で、落合氏は入社以来、長年にわたりレーザ加工機の組立業務に従事してきた。なかでも、機械精度を左右する摺動面のきさげ作業において卓越した技能を発揮し、高精度・高品質なレーザ加工機の製造に大きく貢献した。これらの功績が評価され、今回の選出となった。ヤマザキマザックグループの「黄綬褒章」受章者は、今回で累計12 名となった。
■落合岳彦氏
入社日 : 2004 年9 月1 日
職 歴 : 2004 年~2008 年 美濃加茂製作所 レーザ加工機 組立課
2008 年~2013 年 美濃加茂製作所 生産管理課
2013 年~2022 年 美濃加茂製作所 レーザ加工機 組立課
2022 年~現在 美濃加茂製作所 第一工場 総務課(教育担当)
〈功績・貢献の概要〉
●レーザ加工機の高精度化に貢献
入社以来、レーザ加工機の組立業務に従事し、ベース組立からユニット組立、機械調整に至る全ての組立工程に携わってきた。特に、組立基礎となる摺動面のきさげ作業においては、高精度な平面度・直角度を実現し、レーザ加工機の高精度化に貢献した。
●新機種の組立効率化に貢献
レーザ加工機の新機種立上げに際し、設計部門をはじめ関係部署と連携し、ユニット組立、総組立、機械調整の各工程における業務効率の向上に貢献した。
●若手技能者の指導育成に関する功績
特級仕上げ技能士および職業訓練指導員免許を有し、仕上げ作業指導者として「組立基礎教育」を定期的に開催して、若手社員の技能向上に貢献してきた。技能検定の指導員としても技能育成に努め、現在までに約100 名の技能士を誕生させた。また、2017年度からはものづくりマイスターとして、県内の工業高校や中小企業の若手技能者へものづくり技能を伝える活動を行っており、技能伝承・人材育成にも貢献した。
〈主な表彰歴・取得検定〉
表 彰 歴 : 卓越技能者 岐阜県知事表彰/卓越技能者 厚生労働大臣表彰(現代の名工)
技能検定 : 特級仕上げ技能士
DMG森精機「2025 年“超”モノづくり部品大賞」の「日本力(にっぽんぶらんど)賞」を受賞

DMG 森精機は、このほどモノづくり日本会議と日刊工業新聞社主催の「2025 年“超”モノづくり部品大賞」において同社の切削力計測システム「Process Force Monitor」が「日本力(にっぽんぶらんど)賞」を受賞した。
“超”モノづくり部品大賞は、日本のモノづくりの競争力向上を支援することを目的として、産業・社会の発展に貢献する「縁の下の力持ち」的存在の部品・部材を対象に、応募されたものの中から、モノづくり日本会議と日刊工業新聞社によって選出し、表彰する制度。
今回受賞したProcess Force Monitor(以下、PFM)は、工作機械のミーリング主軸のフランジ部に搭載されるひずみセンサに基づく切削力計測システム。2024年度には精密工学会技術賞を受賞しており、今回で2度目の受賞となった。
PFM は切削工具が受ける外力(切削力)により生じる僅かなひずみを、ひずみセンサで検出することで、切削力の動的3方向成分の計測を実現したもの。PFMの特長はセンサ取り付けによって主軸剛性の低下やメンテナンス性を損なうことなく、自動工具交換(ATC)を含む自動化対応を実現した切削力計測システムであることが挙げられる。
PFMで計測した切削力は、加工プロセスの状態監視や加工制御だけでなく、衝突やびびり、工具欠損の検知といった安全性の向上にも寄与し、また、ひずみセンサを構成する半導体部品や金属材料には、有害規制物質に該当しないものを選定しており、環境負荷の低減にも配慮している。
同社は、現在、PFMを搭載した機種展開を進めており、将来的には標準搭載とする予定。
天田財団 2025年度前期 研究開発・国際交流・技能検定受検手数料助成先を決定
天田財団(理事長=磯部 任氏)は、このほど2025年度前期の助成先を決定したと発表した。(1)研究開発助成・国際交流助成 助成先総数は114件、助成金総額は2億8,322万円となった。 内訳は、研究開発助成85件、2億6,221万円、国際交流助成29件、2,100万円となった。 1987年(昭和62年)の創立以来、38年間で累計助成件数は2,473件、助成金総額は45億7,578万円となった。 なお、今回決定した助成先研究者に対して、11月29日(土)にAMADA FORUM(神奈川県伊勢原市)において、助成金目録を贈呈する「天田財団助成式典」を開催する。 また、10月1日より国際交流助成(国際会議等参加助成のみ)を、後期助成先として追加募集している。(2)資格取得助成(技能検定受検手数料助成) 助成対象の資格として、職業能力開発促進法施行令で指定され都道府県職業能力開発協 会が実施する国家検定である「工場板金」「金属プレス加工」および「非接触除去加工(レーザー加工作業)」の技能検定受検手数料に助成をした。 助成先人数は97名(32団体)、助成金総額は174万円。内訳は、曲げ板金作業が助成人数10名(1団体)助成金額は20万円、金属プレス作業が助成先人数56名(15団体)、助成金額は108万円、レーザー加工作業が助成先人数31名(16団体)、助成金額は43万円となった。 2019年(令和元年)以来、累計助成先数は2,361名(764団体:2,358名、個人:3名)、助成金総額は4,040万円となった。 なお、2025年度後期の助成先募集は10月1日より開始している。
2025年9月分工作機械受注総額は1,391.5億円
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2025年9月分の受注実績は以下の通り。
2025年9月分工作機械受注総額は、7カ月連続の1,200億円超。1100億円超えは56カ月連続。前年同月比では3カ月連続増加。年度上半期末としてはまずまずの水準。
内需は436.5億円(前月比+36.8% 前年同月比+5.1%)で6カ月ぶりの400億円超え。航空・造船・輸送用機械の前年比は大幅な伸びとなるも、主な需要業種は軒並み減少となった。
外需は955.0億円(前月比+8.2% 前年同月比+13.9%)で前月比6カ月ぶりにプラスとなり、950億円超え。前年同月比では12カ月連続と持続的な増加となっている。
9月の工作機械受注は、年度上期末の効果が色濃く表れ、上振れ傾向が状態化。受注の先行きは、米国の関税措置が一段落するも、国際情勢の明るさは見通せないなか、慎重な動きが見込まれる。概して堅調ながら第4四半期の回復に期待。
9月分内需 436.5億円(前月比+36.8% 前年同月比+5.1%)
受注額の月別推移

(出所:日本工作機械工業会)
内需総額は、436.5億円(前月比+36.8% 前年同月比+5.1%となった。
6カ月ぶりの400億円超えも、9月単独で直近5年間の平均と比べ低い水準。主な需要業種は、前月比で全てが増加も、前年同月比では自動車、電気・精密が減少しており、内需総額が例年よりやや低い水準となった一つの要因。
・⼀般機械は前⽉⽐で3カ⽉ぶり増加、前年同⽉⽐は3カ⽉連続減少も、2025年累計平均と⽐べ⾼いレベルとなっている。2025年の暦年受注額の中で、3番⽬に⾼く堅調。
・建設機械は5カ⽉連続10億円には届かずも、概して堅調に推移。
・⾦型は、2025年の暦年の中で2番⽬に⾼い受注額で堅調。
・⾃動⾞向けは、前⽉⽐で増加したものの、前年同⽉⽐では2カ⽉連続減少した。
・直近の年間平均と⽐べると、平均レベルとなり、投資の顕在化はみられない。
・⾃動⾞関連は、⽶国の関税措置が⼀応決着したものの、電動化対応の⽅向性が定まらない中、抑制的な投資環境が続いている。

(出所:日本工作機械工業会)
9月分外需(955.0億円 前月比+8.2% 前年同月比+13.9%)

(出所:日本工作機械工業会)
外需総額は955.0億円(前月比+8.2% 前年同月比+13.9%)となった。
・前⽉⽐は6カ⽉ぶりの増加、前年同⽉⽐では12カ⽉連続増加し、13カ⽉連続の
800億円超え。950億円超えは4カ⽉ぶり。
・外需は、世界経済と需要業種の不透明感は払拭されず、概して緩やかな動きとなる。
①アジア
アジア計は、2カ⽉ぶりの450億円超え。
・東アジアは2カ月ぶりの350億円超え。
・中国は2カ月ぶりの300億円超えで、2025年の平均より高い水準。
・その他アジアは5カ月連続の100億円超え。
・インドは2カ月ぶりに居50億円超え。
②欧州
欧州計は2カ月ぶりの150億円超え。
・ドイツは前月比で30%超えの増加、4カ月ぶりの36億円超え。
・イタリアは2カ月ぶりの20億円超え。2025年の平均並みの水準。
③北米
北米計は前月比、前年同月比で増加し、8カ月連続の250億円超え。
・アメリカは前月比、前年同月比増加し、2025年の平均よりやや高い250億円超え。
・4カ月ぶりの25億円超え。

(出所:日本工作機械工業会)
・⼀般機械は、2カ⽉連続300億円割れも、2025年の平均並みの⽔準と概して堅調に推移。
・⾃動⾞は、前⽉⽐2カ⽉、前年同⽉⽐で8カ⽉連続増加し、4カ⽉ぶりの250億円超え。
・電気・精密は、前⽉⽐で減少、前年同⽉⽐は微増も、5カ⽉ぶりに120億円割れ。
・航空・造船・輸送⽤機械は、前⽉⽐、前年同⽉⽐ともに増加。
日本機械工具工業会 2025年9月分 会員統計生産額まとまる
日本機械工具工業会がこのほどまとめた2025年8月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。■生産額 切削工具 373.5億円(106%)、耐摩耗工具 31.7億円(103%)、総合計 412.3億円(105%)。■ドリル生産額 特殊鋼工具 12.3億円(107%)、超硬工具 42.9億円(115%)、ダイヤ・CBN 0.9億円(86%)、総合計 56.1億円(113%)。■エンドミル生産額 特殊鋼工具 4.5億円(115%)、超硬工具 38.7億円(112%)、ダイヤ・CBN 1.4億円(107%)、総合計 44.6億円(112%)。■カッタ生産額 特殊鋼工具 1.6億円(122%)、超硬工具 6億円(122%)、ダイヤ・CBN 0.5億円(120%)、総合計 8.1億円(122%)。■ギヤカッタ生産額 総合計 5.5億円(86%)。■ブローチ生産額 総合計 8億円(109%)。■ねじ加工工具生産額 特殊鋼工具 31.2億円(111%)、超硬工具 3.7億円(104%)、総合計 34.9億円(110%)。■バイト生産額 特殊鋼工具 0.1億円(152%)、超硬工具 8.6億円(99%)、総合計 8.7億円(100%)。■リーマ生産額 特殊鋼工具 1億円(86%)、超硬工具 2.7億円(105%)、総合計 3.8億円(99%)。■鋸刃カッタ生産額 特殊鋼工具 1.3億円(112%)、超硬工具 0.5億円(97%)、総合計 1.9億円(107%)。■インサート生産額 超硬工具 151.9億円(105%)、ダイヤ・CBN 20.4億円(99%)、総合計 172.3億円(104%)。■ボディ関係生産額 総合計 17.5億円(103%)。■超硬合金生産額 切削用 129.5億円(106%)、耐摩耐触用 15.6億円(105%)、総合計 146.9億円(105%)。
