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台湾TMTS展が6年ぶり単独開催 7万人が来場、オンライン展には11万人
工作機械の輸出額で世界5位、生産額で世界7位の台湾で台湾国際工作機械展(TMTS2024)が3月27日から31日までの5日間、台北市東部の台北南港展示センター1、2号館で開かれた。6年ぶりの単独でのリアル開催に631社が3,350小間を超える規模で開催され、国内外から7万人が来場し、オンライン展には123カ国から11万人がアクセスした。今回展のテーマは「DX & GX 持続可能な未来」で、各出展者がDX(デジタルトランスフォーメーション)とGX(グリーントランスフォーメーション)の2つを軸に、製品とサービス、自動化や省人化に向けたソリューションを競った。台湾の工作機械業界にとり最大の輸出先の中国が不動産不況を受け、設備投資が急減速して販売を落とすなか、台湾メーカー各社が何を目指しどう取り組むのかを現地で取材した。【台北=是州煩太(文・写真)】
ファンを引き付け知名度も向上
TMTSは2010年に台湾中部の台中市で初開催され、今回で7回目の開催。6回目となるはずだった20年展は新型コロナウイルス感染症の拡大で中止に追い込まれ、2年前の22年展は会場を台北に移し、30回の節目を迎えた台北国際工作機械見本市(TIMTOS)との合同で、「TIMTOS×TMTS2022」として国内向けの開催を強いられた。海外の在住者に対しては、同時開催されたオンライン展での視聴参加の呼びかけを余儀なくされた。
半世紀を超える長い歴史を持つTIMTOSに比べ、台中で開催されるTMTSの知名度はかつては今ひとつ。初期の開催時には日本で開催される日本国際工作機械見本市(JIMTOF)の知名度と集客力を利用し、JIMTOF閉幕の翌日をTMTSの開幕日に当て、各国からのJIMTOF来場者に帰国前の立ち寄り、寄り道での来場を促した時期もあった。主催の台湾区工作機械工業会(TMBA)が編み出した秘策だった。
産業用機械を広範に展示するTIMTOSに対し、切削を中心とした金属加工用の工作機械と周辺機器に絞って展示するTMTSは、初開催から14年を経てより熱心なファンの引き付けに成功し、今や知名度も上げて来場者数を増やしてきた。
開催地の台中は、工作機械や周辺機器の各主要メーカーの本社と工場の集積地でもある。工場の見学も兼ねて、TMTSを目当てに台湾を目指す来場者も増えた。あえて例えるなら、TIMTOSが台湾版JIMTOFなのに対し、TMTSは台湾版メカトロテックジャパンの位置づけだ。今回はかつての台中の会場が取り壊され、新会場の建設計画の遅れも重なり、台北での開催となった。
意欲的な新興国の需要捉える
今回展には7万6776人が来場。台湾各地からはもちろん、68ヵ国・地域から3,319人の外国人が来場した。外国人来場者数の上位10カ国は、インド、日本、中国、マレーシア、フィリピン、米国、インドネシア、タイ、ベトナム、トルコで、多くの国が視察団を組織して会場を訪れた。
大手自動車メーカーが工場を持つポーランドやチェコ、メキシコやアフリカなどからも来場した。既存の工業国はもちろん、設備投資への意欲が高い、新興工業国の需要をしっかり捉えた印象だ。つまり、これらの国々が今後、日本の工作機械業界が挑むべき市場、いわば「お得意さま」へと導く国だ。台湾製の工作機械を導入したら、次は必ずより高性能な日本製の工作機械が欲しくなるはずだからだ。
TMBA理事長でYCMブランドを展開する永進機械工業の陳伯佳総経理は開会式で「今回のTMTSは、従来の台中での開催から台北での開催に変わっただけでなく、多くのユニークな取り組みに挑戦した。最新の機械の展示だけでなくソリューションを提案し、DXとGXを軸に持続可能な未来社会を提案する。ユーザーの経験や体験を基に分析を重ねて機械を改善した。これまでとは違った斬新なものづくりの世界を披露したい」と意気込みを述べた。
日本の首相に相当する陳建仁行政院長や官房長官に相当する林佳龍総統府秘書長らがあいさつし、官民挙げた応援体制もアピールした。蔡英文総統こそ来場しなかったものの、開会2日目には5月に次期総統に就任する頼清徳副総統、5日目の最終日には頼政権下で副総統に就任する蕭美琴前駐米大使も会場を訪れた。
「工作機械技術の発展へ」工作機械技術振興財団 第47回工作機械技術振興賞 贈賞式を開く

工作機械技術振興財団(理事長=安達俊雄氏)が、第47回工作機械技術振興賞決定に伴い、第一ホテル東京(東京都港区新橋)で贈賞式を開いた。同財団は学術および科学技術の振興を目的として、牧野フライス製作所の創業者である牧野常造氏らの寄付により、1979年7月17日通商産業(現経済産業)大臣の許可を得て設立されたもので、2012年4月20日、内閣総理大臣から公益法人への移行認定を受け、公益財団法人工作機械技術振興財団となった。
今回は、工作機械技術振興賞・論文賞5件、同・奨励賞7件ならびに試験研究助成11件を選定した。その他同財団では、海外国際会議への参加支援、国内で開催される国際会議への開催支援も行っており、2026年6月期はすでに8件の助成を行っている。今回の選定を含め、贈賞・助成は累計1,225件(3,136名)総額13億8,811万円となる。
安達理事長はあいさつで、「当財団の事業は地道な活動ではあるが、工作機械技術の進歩・向上に間接的ながら着実に寄与してきたと考えている。」と述べた。その上で、「わが国経済を取り巻く環境は大きく変化している一方、牧野フライス製作所からの支援強化が進められている。当財団としても関係各位との連携を一層深め、振興事業のさらなる充実に努めていきたい」と今後の方針を示した。
続いて、新野秀憲審査委員長が審査報告を行い、試験研究助成事業の概要が紹介された。
来賓を代表して経済産業省の須賀千鶴産業機械課長があいさつした。須賀課長は、「工作機械は生活用品から航空宇宙分野に至るまで幅広い製品の生産を支えるマザーマシンであり、製造業の基盤を担う重要な存在だ。わが国の工作機械産業は、多様なニーズに高いレベルで応え続けることで世界トップクラスのシェアを維持している日本を代表する産業である。」と評価した。
さらに、「工作機械は製造業の復権という世界的潮流を象徴する戦略産業であり、経済安全保障上も極めて重要なことから、政府は経済安全保障推進法に基づく特定重要物資に位置付けている。」と説明。「今回の受賞を新たな飛躍の契機として、わが国工作機械産業のさらなる発展を牽引していただきたい」と期待を寄せた。
講演会では、東京都市大学理工学部機械工学科の川合邑佳氏が「微粒子ピーニングによるガラスのナノテクスチャリングとそれを用いた粉体付着防止効果」をテーマに、また、岡山大学学術研究院の篠永東吾准教授が「磁場制御下での大面積電子ビーム照射による表面仕上げ」についてそれぞれ講演した。
技術交流会では、大曽根靖夫日本機械学会筆頭副会長があいさつし、「研究・技術開発の成果が高く評価されたことに敬意を表する。これらの成果は研究開発の積み重ねにとどまらず、未来のものづくりを切り拓く一歩でもある」と述べた。さらに、「日本機械学会としてもフィジカルAI分野の強化に取り組んでいく。ぜひ活発な提案を寄せてほしい。」と呼び掛けた。その後、大曽根副会長の発声で乾杯が行われ、参加者による技術交流が深められた。

「地政学リスク警戒も需要に期待」日本工作機械販売協会が通常総会を開く
日本工作機械販売協会(会長=髙田研至 井高社長)が6月3日、第一ホテル東京(東京都港区新橋)で通常総会とともに記念講演会と懇親会が開かれた。
総会は滞りなく終了し、記念講演では、青木豊彦氏(アオキ会長、東大阪市モノづくり親善大使)を講師に迎え、「中小企業モノづくりの活性化 ~あつい心意気こそ人をうごかす~」をテーマに講演を行った。
懇親会であいさつした髙田会長は、地政学リスクや資源問題など製造業を取り巻く不確実性が高まっているとの認識を示し、「中東情勢やホルムズ海峡封鎖リスク、レアメタル問題など、業界を取り巻く環境は厳しい状況にある。」としたうえで、「こうした状況を正しく把握し、理解したうえで何をすべきかを考えることが重要だ。」と述べた。
また、国内においても円安の進行や人手不足、物価高騰など製造業にとっての不安要素があるとしながらも、「日本の製造業は大きな転換期を迎えている。」と前向きな見方を示した。
日本工作機械工業会の1~4月の受注実績については、総額6748億円、うち内需1669億円、外需5052億円となっていることに触れ、「このペースで推移すれば年間受注額は2兆円規模に達する可能性がある。」と分析。内需についても年間5000億円超が見込まれるとの見通しを示し、「皆様にお願いしている5300億円の目標達成に向け、力を合わせて取り組みたい」と呼び掛けた。
需要動向については、「航空宇宙、造船、防衛、エネルギーなどの重厚長大産業が引き続き堅調に推移しているほか、半導体製造装置やデータセンタ向け設備投資も底堅い。」と説明。さらに、自動車分野でも引き合いが増加しているとし、「後半には自動車関連需要の回復も期待できる。2026年は全体として大いに期待できる年になるのではないか。」と述べ、今後の市場拡大に期待感を示した。
来賓を代表して経済産業省製造産業局の須賀千鶴産業機械課長があいさつし、その中でエネルギーや原材料の安定供給に向けた政府の取り組みについて説明した。
須賀課長は、「エネルギーや原材料の安定供給の確保は、国民生活と経済活動の双方にとって最重要課題だ。」と強調。政府では関係閣僚会議を定期的に開催し、全国から寄せられる供給状況に関する情報を集約しながら、必要な対策を講じていると述べた。
また、「サプライチェーンは長く複雑であるため、流通過程で供給の偏りや一部製品の調達難、物流の目詰まりなどが発生するケースも確認されている。」と話し、経済産業省では情報提供窓口を常時設置し、個別事案を確認しながら供給網の円滑化に取り組んでいることを説明した。
その上で、「官民が緊密に連携しながら課題解決に取り組むことが重要だ。経済産業省としても全力で対応していく。」と述べ、業界関係者に協力を呼び掛けた。
続いて日本工作機械工業会の坂元繁友会長があいさつをした。その中で、坂元会長は、工作機械市場の好調な推移と設備投資環境の改善について言及。また、「足元の工作機械受注は大変好調に推移している」と述べ、3月の受注額が単月ベースで1935億円、4月も過去2番目となる1890億円を記録したことを報告した。
受注動向については、外需が7カ月連続で1000億円を超えたほか、内需も前年同月比で4カ月連続の増加となるなど、「国内外ともに堅調な推移が続いている。」と説明した。
また、「国内市場では老朽化した工作機械の更新を後押しする環境整備が進んでいる。」とし、特定生産性向上設備等投資促進税制の創設に加え、工程集約型加工機や高効率モータ搭載機が省エネ補助金の対象に追加されるなど、設備投資を促進する施策が相次いでいることを評価した。
その上で、「この好機を逃すことなく、ユーザーの皆様の生産設備改善に向けて一層努力していきたい」と述べ、業界のさらなる発展に向けた意欲を示した。
乾杯の発声を日本工作機械輸入協会の金子一彦会長(三宝精機工業社長)が行い、参会者は親睦を深めた。

「ものづくり支える商流を強化」 全日本機械工具商連合会 通常総会を開く

全日本機械工具商連合会(会長=坂井俊司 NaITO社長)は6月17日、トラスコ中山東京本社(東京都港区新橋)で2026年度通常総会を開いた。
坂井会長は冒頭、日頃の協力に感謝を述べたうえで、「昨年来、タングステン価格の高騰など不安定な状況が続いているが、中東情勢を除けば今年の景気には期待感がある。仕事量も比較的堅調に推移しているように感じる。」と述べた。また、「高市政権は積極財政のもと、ものづくりに力を入れる方針を掲げており期待している。半導体需要は生成AI関連を中心に引き続き好調で、産業構造も変化しつつある。われわれも力を合わせて取り組んでいきたい。」と抱負を語った。
総会では坂井会長が議長を務め、第1号議案「2025年度事業報告」、第2号議案「2026年度事業計画」、第3号議案「その他」の各議案を審議し、いずれも承認された。
総会後には、経済産業省製造産業局素形材産業室の大今宏史室長が「経済産業省の取組紹介」をテーマに講演した。講演では①中東情勢を踏まえた対応②取引適正化の推進③中小企業省力化投資補助金④その他補助金制度――について説明し、参加者は熱心に耳を傾けながらメモを取っていた。
懇親会では、中山哲也理事長(トラスコ中山社長)があいさつし、「ものづくりの現場が元気でなければ、われわれの業界も成り立たない。テレビでは半導体やITが注目されているが、日本経済の主役はやはり製造業だ。日本の産業がさらに発展することを願っている。」と述べ、乾杯の音頭を取った。
続いて、顧問の新藤義孝衆議院議員は、「今後の経済情勢は依然として予断を許さない。仮にホルムズ海峡を巡る問題が落ち着いたとしても、その影響はしばらく続くだろう。半導体や石油由来資源の供給は製造業に直結する課題だ。」と指摘。そのうえで、「中小企業省力化投資補助金などを活用し、省力化投資による生産性向上を後押ししたい。企業の業績拡大につながる好循環を生み出していきたい。」と意欲を示した。
参会者は活発に意見交換を行いながら親睦を深め、盛会のうちに閉会した。
「価値創造で激動の時代を切り拓く」日本金型工業会 総会を開く
日本金型工業会(会長=山中雅仁 ヤマナカゴーキン社長)が6月3日、ホテル インターコンチネンタル東京ベイ(東京都港区海岸1-16-2)で第14回定時総会を開いた。議事終了後、第二部は講演会が開かれ、スズキ 生産本部 ものづくり推進部 に務める組谷智之 主幹が『「金型熟練者から五感のデジタル伝承」実質、残された時間は5年』をテーマに講演した。総会終了後には懇親会が開かれ、会員企業や関係者らが交流を深めた。
懇親会場であいさつに立った松岡寛高副会長(中部支部長、七宝金型工業社長)は、「総会では事業報告や今後の方針について活発な議論が行われた。懇親会では業界の未来について率直な意見交換をしてほしい。」と呼びかけた。
松岡副会長は、金型業界について「自動車や家電製品などの製造を支える縁の下の力持ち。」と位置付けた上で、原材料価格の高騰や人手不足など厳しい経営環境に言及。一方で、「日本の金型技術は世界トップレベルであり、海外からも高い信頼と評価を得ている。」と強調した。
また、DXやAIの活用が進むなか、「現場で培われた職人の勘や経験、微細加工を追求する技術は容易に代替できるものではない。」と述べるとともに、「変化の時代だからこそ企業同士のつながりや情報交換が重要になる。」と語った。
続いて、43年にわたり同工業会の事務局を支えてきた中里専務理事が退任のあいさつを行った。
中里専務理事は、「日本の金型業界はこれまで幾度もの不況を乗り越えてきたが、今後はこれまでとは異なる荒波が待ち受けているかもしれない。新たな時代には新たな船で挑まなければならない。」と述べ、関係者への感謝を伝えた。
最後にあいさつをした山中会長は、業界を取り巻く環境の変化について「かつては顧客企業の成長に合わせて市場も拡大し、仕事も自然と増えていく時代だった」と振り返った。
その上で、「当時は顧客が次々と椅子を並べてくれる『椅子取りゲーム』のような時代だったが、現在はその椅子自体が減っている。」と表現。「市場が自然に膨張する時代は終わった。これからは各社が自ら価値を創造しなければならない。」と訴えた。
さらに、「工業会としても様々な活動を進めているが、海外市場への挑戦も重要な選択肢になる。リスクや課題はあるものの、厳しい時代だからこそ挑戦を続け、新たな時代を切り拓いていきたい」と述べ、業界のさらなる発展に期待を寄せた。
乾杯の発声は牧野フライス製作所の宮崎正太郎社長が行い、参会者は親睦を深めた。

DMG森精機 独拠点を拡張 超音波技術の開発・生産体制を強化 新型機も世界初公開!
DMG森精機は、ドイツ・シュティプスハウゼンにあるDMG MORI Ultrasonic Lasertec GmbHの拠点を拡張し、6月10日(現地時間)に開所式を開催した。生産、物流、研究開発機能を強化するとともに、工作機械製造および硬脆材料加工における超音波技術の重要性を改めて示した。
今回の拡張では、生産、物流、研究開発機能の強化を目的に約1,400平方メートルを増設したほか、研修設備を刷新し、屋外エリアを備えた社員向けカフェテリアも新設した。
DMG MORI執行役員兼DMG MORI Ultrasonic Lasertec GmbH社長のパトリック・ディードリッヒ氏は、「今回の拡張は、シュティプスハウゼン工場へのDMG MORIの強いコミットメントを示すものです。生産・開発体制をさらに強化し、今後の成長と技術革新に向けた基盤を整えました。」と述べた。
開所式には、DMG MORIグループCEOの森雅彦氏をはじめ、顧客やパートナー企業、政治・行政関係者、地元関係者らが出席した。ラインラント=プファルツ州経済・観光・エネルギー・気候保護省の政務次官シモーネ・シュナイダー氏は、「未来の技術には、それを支える先進的な工作機械が不可欠です。DMG MORIのような企業は、大胆な取り組みによって革新力を体現し、前進を続けています。」と期待を寄せた。
同社は今回の拡張により、とりわけ研究開発機能を強化し、革新的な製造技術の開発を継続するとともに、高度化する加工ニーズに対応した実践的なソリューションの提供を進める方針だ。
シュティプスハウゼン拠点は、DMG MORIにおける超音波加工技術の中核拠点として位置付けられている。超音波技術を搭載した5軸マシニングセンタを製造し、半導体や光学、医療、航空宇宙など幅広い産業向けに供給している。高周波の超音波振動を活用することで、硬脆材料や難削材を高効率かつ高精度に加工できるほか、工程集約や自動化ソリューションとの組み合わせにより、複雑な製造プロセスの効率化にも貢献している。
また、開所式に合わせて6月10日から12日まで「ULTRASONIC Technology Days」を開催し、硬脆材料の超音波援用加工の幅広い用途を紹介するとともに、新型機「ULTRASONIC 80 Precision」を世界初公開した。
同機は、工具の回転運動に高周波振動を重ね合わせることで、硬脆材料を高い信頼性と加工精度で加工し、加工負荷を大幅に低減するもので、高剛性構造と高度な冷却設計により最大5μmの位置決め精度を実現したほか、同時5軸加工と円筒研削を1台でこなす工程集約型マシンであり、同社では、〝マシニング・トランスフォーメーション(MX)〟を体現するソリューションとして提案している。
(次のページは世界初公開のULTRASONIC 80 Precisio)
オーエスジー 両面高送りラジアスカッタシリーズ「PHCW」新発売

オーエスジーがこのほど、人気製品のインデキサブルツール〝OSG PHOENIXシリーズ〟から、新製品「PHCW」を発売した。
この製品は、圧倒的な「刃先強度」による高い耐欠損性により、金型の荒加工時間を大幅に短縮する両面高送りラジアスカッタ。多刃ボディにより加工能率を向上し、耐欠損性と低抵抗を両立したインサートにより、加工難易度の高い断続加工や突出しの長い加工においても安定した高能率な荒加工を実現する。
加えて両面4コーナ仕様を採用することで、優れた経済性を備え、ランニングコストの低減にも貢献。ラインナップは、ストレートシャンクタイプφ16~φ32、ねじ込み式φ16~φ40の2種類。ねじ込み式は専用シャンクホルダとの組み合わせにより、長い突出しが求められる加工にも対応する。
〈特長〉
(1)耐欠損性を向上する大きな疑似R
(2)高豪勢な厚みのあるインサート
(3)低抵抗化を実現する大きなすくい角のブレーカ
(4)ランニングコストを低減する経済的な両面4コーナ仕様
(5)切りくず排出性を向上するオイルホール付きボディ ~加工能率を向上可能にする多刃仕様をラインナップ~
■サイズラインナップ
PHCW SS ストレートシャンクタイプ:φ16~φ32 6サイズ
PHCW SF ねじ込みタイプ:φ16~φ32 8サイズ
アマダ 回収機を自社製品へ 金属加工機械業界初の循環体制を構築
アマダは、板金加工機械の回収・再生ビジネス(リバースビジネス)において、同社の強みである直販・直サービス体制を生かし、マシンの回収から資源化、再調達までを一貫して行う独自の資源循環(サーキュラーエコノミー)の取り組みを6月から本格的に開始した。
同社は2026年度にスタートした「中期経営計画2030」のサステナビリティ戦略で、サーキュラーエコノミーをマテリアリティ(重要課題)に位置付けている。今回の取り組みは、その具体策の一つとして実施するもので、資源リサイクルパートナー企業および電炉鉄鋼メーカーと連携し、国内における資源循環体制を金属加工機械業界で初めて構築した。
アマダはこれまでも、下取りなどで回収した自社製マシンを整備し、中古再生機として市場へ供給するリバースビジネスを展開してきた。高品質な整備と全国サービスネットワークによる保守体制を強みに、多くのユーザーから支持を得ている。
今回、新たに構築した資源循環モデルでは、回収マシンの資源化をさらに高度化した。従来は、保守が困難な旧型機などについて、市場への再流通を避けるためリサイクル資源として処理していたが、今後は自社製品の原材料として再利用することで、回収マシンの資源価値を最大限に生かしていく。
初年度は年間約1,000トンの鉄資源を調達する計画。同社が再生困難と判断したマシンは、パートナー企業による解体・選別を経て、電炉鉄鋼メーカーの電気炉で高品質な鋼材へと再生される。その鋼材を再び自社製品の製造資材として調達することで、自社製品を原材料として循環利用する資源循環の仕組みを国内で実現した。
今後は、このモデルを板金加工機械以外の製品にも展開するほか、非鉄金属や周辺機器の資源回収・循環についても検討を進め、アマダグループ全体で持続可能なモノづくりを推進していく方針だ。
■資源循環モデルの概要
・開始時期:2026年6月
・開始エリア:首都圏および東海地域を中心に回収済みマシンから開始(順次拡大予定)
・初年度調達量:年間約1,000トン(鉄資源)
2026年5月分工作機械受注総額は1,770.1億円
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2026年5月分の受注実績は以下の通り。
2026年5月分工作機械受注総額は、1,770.1億円(前月比△6.3%、前年同期比+37.5%)となった。3カ月連続で1,700億円を超え、歴代では本年3月(1,935億円)、同4月(1,890億円)、2018年3月(1,829億円)に次ぐ4位に相当する。中東情勢が世界経済に影響を及ぼす懸念がある中でも、北米及びアジアでは引き続き需要が旺盛で、日本についても春先以降前向きな動きが広がりつつある。
先行きは、内需では政策的支援効果、外需では、AI・ロボット関連需要の活況が国際情勢による不透明感を払拭し、さらなる設備需要の伸長が見込まれる。一方、インフレ懸念が設備投資に影響を及ぼす可能性に留意。
受注額の月別推移

(出所:日本工作機械工業会)
6月分内需453.3億円(前月比△8.0% 前年同月比+37.3%)
内需は前月比で2カ月連続減少(△8.0%)、前年同月比で5カ月連続増加(+37.3%)の453億29百万円となった。上旬に大型連休があり営業日数が少なかったが、3カ月連続で400億円を超えた。
業種別に見ると、前月比(+89.7%)・前年同月比(+149.6%)と共に大きく伸び、初めて70億円を上回った「航空機・造船・輸送用機械」(72億円)の増加がまず目を惹く。民間航空機のエンジン部品、構造体等で複数のまとまった案件があった他、造船関連も含め、防衛関連の設備投資も含まれていると見られる。「自動車」(93億円)は前月比で4カ月ぶりに減少(△17.1%)したが、前年同月比 (+95.0%)は4月に続いて高く、HV関連を中心に完成車・部品メーカとも春先からの回復傾向が持続している。「一般機械」(145億円)や「電気・精密」(51億円)、金属製品(41億円)では、引き続きデータセンターや発電、半導体製造装置関連等に関する需要の高まりが窺える。
中小企業のユーザにおいては、年央に採択が予定される省エネ補助金への関心が感じられるが、全体的に繁忙感が高まる中で、補助金を待たず早めに設備投資に踏み切る動きも一部に窺える。
・⼀般機械は、需要が⼀進⼀退で推移も、前年同期比よりやや高い水準(26年平均は150億円)。
・建設機械は3カ月ぶりの10億円割れも、海外需要を受けて引き続き堅調に推移。
・⾦型は、2カ⽉ぶりの15億円超えと堅調に推移、半導体製造装置関連でも積極的な投資が窺える。
・⾃動⾞向けは、前月比で4カ月ぶりに減少も、前年同月比は2カ月連続で90%を超え好調が続く。
・自動車部品、完成車ともに前年同月比の伸びが大きく、今後に期待。
・ICE関連投資がここ数ヶ月持続しており、25年平均の73億円を一段高いレベルに押し上げている。

(出所:日本工作機械工業会)
5月分外需 1316.8億円8前月比△5.7% 前年同月比+37.6%)

(出所:日本工作機械工業会)
外需は、前月比で2カ月連続減少(▲5.7%)、前年同月比で+37.6%(20カ月連続増加)の1,316億77百万円となった。外需は昨年12月以降の各月が歴代1~6位を占めるなど歴史的な高水準で推移しており、5月の受注額は3位に相当する。
主な地域別にみると、北米(374億円)は「一般機械」(125億円)が12カ月ぶりに120億円を超えたほか、「航空機・造船・輸送用機械」(76億円)も高水準での受注が継続、3カ月ぶりに400億円を下回ったものの、引き続き好調が持続している。
欧州(168億円)は「商社・代理店」(23億円)が前月比で4割強減少するなど全体的に軟調で、3カ月ぶりに200億円を下回った。アジア(750億円)も前月比で3カ月ぶりに減少したが▲1.6%と僅少で、3カ月連続で750億円を上回るなど活況が続いている。「一般機械」(230億円)は前月比で5カ月ぶりに減少したものの3カ月連続で200億円超の水準が持続、「電気・精密」(210億円)は、中国の他、台湾やベトナムでも特需があり、3カ月連続で200億円を超えた。また「自動車」(209億円)は中国での受注増加が著しく、初めて200億円を超えた。
・⼀般機械は、前月比、前年同月比ともに5カ月連続増加、2カ月連続の400億円超え。
・⾃動⾞は、前⽉⽐で2カ月連続減少も、前年同⽉⽐では16カ⽉連続増加し、3カ⽉連続250億円超え。
・電気・精密は、前月比で2カ月連続減少も、前年同月比では7カ月連続増加し、3カ月連続250億円超えと高い水準で推移。
・航空・造船・輸送⽤機械は、前月比3カ月ぶり減少も、前年同月比では3カ月連続増加で、2カ月連続の100億円超えと高い水準で推移。
① アジア
アジア計は、3カ月連続750億円超え、750.3億円
・東アジアは、7カ⽉連続400億円超え、先⽉次ぐ歴代2位の581.6億円。
・中国は、7カ⽉連続350億円超え、歴代3位の512.5億円。
・その他アジアは13カ⽉連続の100億円超え
・インドは前⽉⽐で2カ⽉連続⼤きく減少も、前年同⽉⽐では25%超の増加と堅調な推移
② 欧州
欧州計は、3カ月ぶりの200億円割れ
・ドイツは、3カ月ぶりの40億円割れ
・イタリアは、3カ月連続の25億円超え
③ 北米
北米計は、歴代4番目の373.6億円
・インドは前⽉⽐で2カ⽉連続⼤きく減少も、前年同⽉⽐では25%超の増加と堅調な推移
・メキシコは、5カ⽉ぶりの30億円超え

(出所:日本工作機械工業会)
今後の見通し
6月上旬に会員企業を対象に実施した、本年第3四半期に関する受注動向見通し調査のDI値が+8.7ptと増加するなど、年後半も高水準での受注が見込まれる。
設備投資の周辺環境を見渡すと、恒常的に自動化・高効率化、環境対応に関する需要が見られ、長らく設備投資を抑制してきたユーザを中心に老朽機更新の必要性が高まっている。その上で、技術革新に対応するための投資、様々な動機から生産拠点を見直す動きが強力なドライバーとなり、これまで抑制されていた反動もあって、設備投資の大きな流れを生み出しつつある。
全体的に見て、データセンターや半導体製造装置に関する需要が、多くの地域で目につく。更に地域別に見ると、北米は、ジョブショップ、エネルギー、建設機械、自動車、航空・宇宙関連等で、引き続きハイレベルな需要の喚起が見込まれる。
アジアは、中国で引き続き、輸出向け自動車、通信機器、発電、ロボット等で需要の更なる高まり或いは高原状態の持続が予想される他、インドも高水準での受注推移、その他の国・地域でも生産拠点の分散化を図る動きが見込まれる。内需(日本)は、自動車関連需要が今後も持続的に増加した場合、「一般機械」など他分野での設備投資にも波及していくものと期待される。
こうした状況を踏まえ、坂元繁友会長は、当会第17回定時総会後に催した懇親会(6月5日)での冒頭挨拶にて、2026年の受注見通しを年初に表明した1兆7,000億円から2兆円に改めた旨を表明した一方で、国際情勢を受けた調達事情の悪化やインフレが設備投資に影響を及ぼす可能性があり、今後も状況の推移を注視していく。
2026年の工作機械受注修正見通し
・年初見通し(2026年1月8日公表)の17,000億円を2割弱の上方修正。
・受注総額は2年連続増加し、過去最高額が視野に入る。
日本機械工具工業会 2026年5月分 会員統計生産額まとまる
日本機械工具工業会がこのほどまとめた2026年5月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。■生産額 切削工具 388.4億円(113%)、耐摩耗工具 44.2億円(138%)、総合計 441.9億円(115%)。■ドリル生産額 特殊鋼工具 13.2億円(111%)、超硬工具 47.8億円(116%)、ダイヤ・CBN 0.9億円(100%)、総合計 62億円(115%)。■エンドミル生産額 特殊鋼工具 4.4億円(105%)、超硬工具 38億円(104%)、ダイヤ・CBN 1.5億円(115%)、総合計 43.9億円(105%)。■カッタ生産額 特殊鋼工具 1.2億円(81%)、超硬工具 6.7億円(126%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(94%)、総合計 8.3億円(115%)。■ギヤカッタ生産額 総合計 5.6億円(113%)。■ブローチ生産額 総合計 7.7億円(110%)。■ねじ加工工具生産額 特殊鋼工具 31.3億円(105%)、超硬工具 4億円(120%)、総合計 35.3億円(106%)。■バイト生産額 特殊鋼工具 0.1億円(123%)、超硬工具 8.6億円(95%)、総合計 8.7億円(95%)。■リーマ生産額 特殊鋼工具 1.1億円(103%)、超硬工具 2.6億円(123%)、総合計 3.7億円(117%)。■鋸刃カッタ生産額 特殊鋼工具 1.3億円(99%)、超硬工具 0.5億円(97%)、総合計 1.7億円(98%)。■インサート生産額 超硬工具 149.6億円(112%)、ダイヤ・CBN 21.1億円(108%)、総合計 170.7億円(112%)。■ボディ関係生産額 総合計 14.8億円(95%)。■超硬合金生産額 切削用 136.1億円(123%)、耐摩耐触用 24億円(161%)、総合計 162.7億円(127%)。
