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アマダプレスシステム 15軸制御 ワイヤ回転式トーションマシン「LM-26A」を販売開始 ~独自のダブルスウィング軸により加工領域を拡大~

アマダプレスシステムは、このほどワイヤ回転機構と8本の加工スライドで、直感的な操作を実現する15軸制御ワイヤ回転式トーションマシン「LM-26A」の販売を3月11日から開始した。
トーションマシンは、ねじりばねを得意としながら引きばね、圧縮ばね、フォーミングなど、あらゆる線加工の成形が可能なばね成形機で、新商品の「LM-26A」は、2023年に発売した対応線径違いの「LM-16A」と同様に、加工スライドを4軸ずつ上下に分けて、スライドの横移動を数値制御するダブルスウィング軸を搭載している。
これにより、これまで難しいとされていた複雑形状の加工など、加工領域が拡大するうえ、さらに、プログラムによる高い再現性により、段取り時間の短縮や作業軽減につながり、生産性が向上した。
また、従来機のTM-20Mと比べ、より太線の加工を可能としながら設置面積は同等の省スペース化を実現した。
同社では、「近年、モノづくりの現場では品質や生産性向上の要求のみならず、少子高齢化や熟練技能者の引退などの人手不足を背景に、自動化や段取りの簡易化に対するニーズも高まっている。このような課題に対し『LM-26A』は、独自のばね成形専用プログラム『MNO2』によるプログラム作成の簡易化や生産状況の見える化のほか、多彩な機能を通じて解決し、高効率生産をサポートします。」と意気込みを示している。
主な特長
(1)高精度加工の実現
2連フィードローラユニットの採用により、ワイヤにかかるフィード圧の負荷を軽減し、安定したワイヤ送りが可能になった。さらに、高い分解能のサーボモーター制御により、精密な動作が可能になり、高精度加工を実現。加えて、全スライドがセンサーとして使用できるモーターセンサーシステムにより、巻き角度、コイルの自由長などを1000分の1mm単位で計測できる。結果は表やグラフで表示され、各軸の修正が可能。
(2)加工時間の短縮と段取り削減による生産性の向上
高速回転のロータリーサーボスライドが曲げ加工の時間を短縮する。スピナツールは、コンパクトでありながら軸ピンと外ピンの間隔調整が可能なため、線径ごとのピンの交換作業が不要。これにより、交換時の打ち直しや焼き入れの作業を削減でき、段取り時間とランニングコストを削減する。
(3)独自開発のプログラムによる操作性の向上
ばね成形機専用プログラム「MNO2」は、プログラムの流れや各軸の動作状況、入出力、ジャンプ項目などが一目で把握できる。ナビシステム機能とタッチパネル仕様より、操作性が大幅に向上し、簡単にプログラムを作成でき、段取り時間を短縮できる。また、IoTへの対応として、マシンの稼働状況をスマートフォン、PCなどで監視でき、予防保全機能による定期的なメンテナンスで生産効率の向上に貢献する。
(4)加工ニーズに合ったソリューションを提案
スライドが最大200mm前方に動く「3Dスライドユニット」、干渉回避に有効なワイヤ切断後の加工を可能にする「エアグリップユニット」、コイルの外径調整をサーボモーターで行う「外径サーボユニット」、コイル長さを計測する「静電容量センサーユニット」など、後工程や計測など様々なニーズに合わせ、豊富なオプションユニットを取りそろえている。
仕様

DMG森精機 「健康経営銘柄」に2年連続、「健康経営優良法人 ~ホワイト500~」に3年連続で認定

DMG森精機は、このほど健康経営に優れた上場企業として昨年に続き2年連続で、経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄2025」に選定された。同銘柄は社員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業を選定するもの。また、経済産業省と日本健康会議により3年連続で、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する「健康経営優良法人2025」の大規模法人部門「ホワイト500」にも認定された。
現在、会社の安定した事業運営と持続的な発展成長にとって、社員が心身ともに健康であることは必要不可欠とされているが、同社は、2018年に12時間勤務間インターバルを義務化、2019年に全社員に人間ドック方式の各種がん検診を含めた健康診断を個人負担額なく導入、2020年に敷地内全面禁煙化を実現し、さらに健康管理増進センターを設立した。
2021年に「DMG森精機 健康経営宣言」を発表し、順次、社内健康データの見える化、ラインケアのヘルスリテラシー向上を目的とした管理職のためのWebinar研修の開始、要二次健診者の追跡や服薬アドヒアランスの確認、40歳未満有所見者に対する保健指導、運動・栄養教室の開催などを継続して実施している。
最近では、血圧対策と食生活の見直しの啓発のための「毎月17日は社内昼食の全メニュー減塩デー」を開始、「女性の健康とワーク・ライフバランスに関する実態調査」に基づき「生理休暇」日を有給化、介護離職者予防の取組みも始めるなど、より組織的で系統的な取り組みを展開している。また、世界各国の拠点事業所で栄養バランスのとれた昼食を提供している。
同社では今後も経営理念に掲げる「よく遊び、よく学び、よく働く」を体現する社員の意欲的な働きに期待するとともに、会社をあげて組織的な健康増進施策を推進することにより、社員が高いワーク・エンゲイジメントを持ちながら、健康に個々の能力を発揮できるよう取り組んでいく方針。
フジムラ製作所 「最新ベンディングロボットシステム」など最新マシンを導入

国内最先端の「デジタル板金」を進める、フジムラ製作所は、このほど最新設備としてアマダ製「全自動曲げ加工システム EGB-6013ARce」と「自動金型交換装置付き 最新ベンディングマシン EGB-6020ATCe」を導入したと発表した。「EGB-6013ARce」は、埼玉県内で初の導入となり、3月中旬から本格的に稼働を開始する。
「EGB-6013ARce」は、少量多品種生産が中心だった受注に加えて、最近は量産品などの取引先が増加してきたことで、これに伴う生産体制を強化するために第一工場に導入した。特に小物製品の加工に最適なシステムであり、小物曲げ製品は突き当てが難しい形状のものや、小物曲げ加工時に危険が伴う場合があることから、作業者の安全面を考慮して人的負荷を軽減する狙い。
可搬重量10kgで人間の可動域に近い自由度を持つ「6軸多関節ロボット」と、加工製品に合わせて自動でグリッパーを交換する「オートグリッパーチェンジャー(AGC)」、さらに最大27種類の金型を搭載し自動で金型交換を行う「ツールストッカー」を最新式のコントローラーとタブレットを連携させてオペレーションすることが可能となっている。さらに材料のセットや加工後の製品を搬出するコンベヤー装置などにはセンシング技術を用いており、経験の少ない現場オペレーターにも扱いやすいシステムで構成されているのが特徴。
同社としてはベンディングロボットの導入は初めてとなるが、これはベンディング工程の自動化を含む板金加工体制を、発注先の業種や要望に合わせて適時、再構築を図る必要があると考えていることと、社員全員のロボット(自動化)への意識を高め、「実際に使うことによって、その便利さを現場作業者にきちんと理解してもらいたい」という狙い。今回の導入により、工場内の自動化とデジタル化の一体感を高め、一層のDX 化を図っていく方針。
「ベンディングロボット EGB-6013ARce」 基本システム概要

また、第四工場に導入した「EGB-6020ATCe」は、これまでも導入実績のあるベンディングマシン用ATC(自動金型交換装置)を搭載した最新小型曲げ加工マシンとなる。ベンディングマシンの金型交換は重量作業であると同時に金型の取付ミスなどのリスクがあることと、経験の少ない作業者には負担が大きい作業であり、金型ストッカーからの取出し・収納といった時間がかかる。

フジムラ製作所では、これまでも大型ベンディングマシンなどではATC付のマシンを導入しており、その効果を高く評価してきた。
同社では、「今回は、10ロット以下の小物製品の加工においても効果があると考え、導入に至りました。また、ATC の効果は安全と正確さだけに留まらず、曲げオペレーターに女性が増えていることや、外国人オペレーターにとっても安全性と作業性を両立させた利便性の高いシステムとして期待しています。」とコメントしている。
「自働金型交換装置搭載ベンディングマシン EGB-6013ATCe」 基本システム概要

日立建機 使用済みの作動油を再生する技術を開発

日立建機は、このほどサーキュラー・エコノミー(資源循環型経済)の実現に貢献する取り組みの一環として、使用済みの作動油を再生する技術を開発したと発表した。
同社は、再生した作動油を用いた中型油圧ショベルZX135US-5B(13tクラス)1台を、メーカー保証付き中古車としてこのほど日本で販売した。今後も日本で再生する油圧ショベルには本技術を適用し、作動油を含めて車体全体を再生していく計画。
日立建機グループは長年にわたり、顧客の使用済み純正部品を新品同等に再生して市場に供給している。また、2021年からは油圧ショベルなど建設機械の車体本体の再生にも取り組んでいる。今回は、稼働時間3,200時間以上の中型油圧ショベルZX135US-5Bを新車同等の性能まで再生し、さらには再生した作動油を用いて再び中古車として市場に供給する。再生した作動油を中古車に用いて商用化するのは、日立建機にとって今回が初めて。

油圧ショベルを動かす血液のような役割を果たす作動油は、油圧ショベルの長時間の稼働に伴い、異物混入、熱による成分変化、酸化などで劣化するため、定期的に作動油を抜き取り新しい作動油に交換する必要がある。同グループはこれまで、作動油の長寿命化をめざし、添加剤の投入などによる研究開発に取り組んできたが、今回、専用装置を使用して不純物や汚染物質を取り除く浄油方法と添加剤の投入を組み合わせることで、作動油を交換することなく、動粘度や酸化の度合いなど日立建機が定める品質基準まで再生する技術を開発した。また、再生した作動油を用いた油圧ショベルが正常に稼働することも確認している。この技術により、作動油の交換作業の負荷も軽減され、効率的な機械の再生が可能になった。
なお、13tクラスの中型油圧ショベルには125リットルの作動油が使用されており、この作動油の生産には、一般的にその数十~100倍に相当する原油が必要とされる。したがって、13tクラスの中型油圧ショベルに使用される作動油の生産には、約1万リットルの原油が消費されると推定される。使用済みの作動油を再生することで、原材料である原油の消費を低減することができる。
2025年1月分工作機械受注総額は1161.5億円
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2025年1月分の受注実績は以下の通り。
2025年1月分工作機械受注総額は、1,161.5億円(前月比△18.8% 前年同月比+4.7%)となった。受注総額は、内外需共2割弱の前月比減少で2カ月ぶりの1200億円割れ。前年同月とほぼ同水準で総じて横ばい圏内の動き。
内需は320.0億円(前月比△19.9% 前年同月比+4.6%)で、年末年始の営業日減や補助金待ち等の影響もあって、2カ月ぶりの350億円割れ。主要業種を中心に勢いは依然弱く、底這い状態。
外需は841.5億円(前月比△18.4% 前年同月比+4.7%)で、2カ月ぶりの850億円割れ。前月の反動減もあるが、欧州は弱含み。一方、アジアは中国やインドを中心に堅調持続。
1月の受注はほぼ前年並みの受注も受注業種や国・地域に違いが見られ、まだら模様の状況。今後の動向を注視。
1月分内需
320.0億円(前月比△19.9% 前年同月比+4.6%)。
・2カ月ぶりの350億円割れ。
・前月比3カ月ぶり減少。前年同月比3カ月連続増加。
・営業日減や補助金待ち等の影響もあって、前月比減少も総じて横ばい圏内の動き。

(出所:日本工作機械工業会)
1月分外需
841.5億円(前月比△18.4% 前年同月比+4.7%)
・2カ月ぶり850億円割れ。
・前月比2カ月ぶり減少。前年同月比4カ月連続増加。
・季節要因で前月の反動減が見られたが、状況に大きな変化は見られず。

(出所:日本工作機械工業会)
日本機械工具工業会 2025年1月分 会員統計生産額まとまる
日本機械工具工業会がこのほどまとめた2025年1月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。■生産額 切削工具 347.4億円(106%)、耐摩耗工具 29.9億円(102%)、総合計 385.8億円(106%)。■ドリル生産額 特殊鋼工具 11.9億円(90%)、超硬工具 35.9億円(103%)、ダイヤ・CBN 0.8億円(96%)、総合計 48.7億円(100%)。■エンドミル生産額 特殊鋼工具 4.6億円(125%)、超硬工具 33.7億円(111%)、ダイヤ・CBN 1.2億円(120%)、総合計 39.6億円(113%)。■カッタ生産額 特殊鋼工具 1.4億円(182%)、超硬工具 5.2億円(112%)、ダイヤ・CBN 0.5億円(131%)、総合計 7.1億円(123%)。■ギヤカッタ生産額 総合計 5.5億円(82%)。■ブローチ生産額 総合計 7.2億円(103%)。■ねじ加工工具生産額 特殊鋼工具 30.6億円(100%)、超硬工具 3.1億円(102%)、総合計 33.7億円(100%)。■バイト生産額 特殊鋼工具 0.1億円(83%)、超硬工具 7.6億円(93%)、総合計 7.7億円(93%)。■リーマ生産額 特殊鋼工具 1億円(105%)、超硬工具 1.9億円(103%)、総合計 3億円(104%)。■鋸刃カッタ生産額 特殊鋼工具 1.3億円(101%)、超硬工具 0.4億円(108%)、総合計 1.7億円(103%)。■インサート生産額 超硬工具 144.7億円(110%)、ダイヤ・CBN 20.2億円(105%)、総合計 164.9億円(110%)。■ボディ関係生産額 総合計 15.2億円(105%)。■超硬合金生産額 切削用 117.7億円(106%)、耐摩耐触用 14.9億円(112%)、総合計 134.4億円(107%)。
世界を代表する工作機械国際展示会の魅力を発信! 「EMO ハノーバー2025World Tour」を世界約30カ国で開く ~日本は東京で開催~

ドイツ工作機械工業会とドイツメッセは欧州を代表する生産技術、工作機械、金属加工機械の見本市である「EMO Hannover2025」(会期=2025年9月22日~26日、主催:ドイツ工作機械工業会/ドイツメッセ)の魅力を伝える「EMO Hannover World Tour」を世界で開催し、日本は2月19日、都内のステーションコンファレンス東京(東京都千代田区丸の内)で開催した。
「EMO Hannover2025」は、「innovate Manufacturing(イノベート・マニュファクチャリング)」をテーマに、革新性、国際性、インスピレーション、金属加工の未来を見せてくれるもので、工作機械、生産システム、アディティブ・プロセスから精密工具、オートメーション、測定技術やソフトウェアなど、金属加工のバリューチェーン全体を紹介する世界でも優秀の生産技術の展示会だ。2023年のEMOには45カ国から1,800以上の出展社が集まり、約140カ国から約92,000人の業界関係者が来場した。日本からは1,600人が来場している。
今回のEMO2025では現在(取材日2025年2月19日)、35カ国から約1,300の出展者が課題解決のためのソリューションを提示し、各分野の専門家が自動化、AIを含むデジタル化、サステイナビリティといったメガトレンドについて議論し、金属加工におけるさらなる発展を目指す。
当日は、ドイツ工作機械工業会 エグゼクティブデイレクター Dr.マルクス・ヘーリング氏およびドイツメッセ ヘッドオブニュービジネス ハートヴィヒ・フォン・ザース氏がドイツにおける工作機械や製造プロセスのトレンドや「EMO ハノーバー2025」の魅力を紹介。さらにEMOの魅力についてパネルディスカッションも開催され、日本からは同展示会に長年出展しているオークマ 常務 山本武司氏とヤマザキマザック 欧州副総支配人 山崎 拓氏がパネルディスカッションに参加した。
EMOハノーバーの魅力
「EMO Hannover World Tour」は工作機械業界の第一人者である日本工業大学工業技術博物館館長の清水伸二氏の司会進行でスタートした。清水氏はEMOの魅力について、「大変魅力的で独創的な技術が展示され、わたしの研究活動の中でも大変勉強になった。」と感想を述べ、「今年はEMO50周年の記念すべき年。このような年に本誌会を務めさせていただくことを大変嬉しく、光栄に思っている。」と述べた。
ヘーリング氏が「ものづくり業界のために開催される生産技術の国際展示会」をテーマに講演をした。この中でヘーリング氏は、「EMOはエボリューション、インスピレーション、国際性を代表している。世界中のビジネスの人々が機械工学業界にいる様々な人に会うことができることが大きな価値のひとつ。まが、現在の経済、景気動向を示すトレンドセッターでもある。今年はEMO50周年記念にあたる。50年前は携帯電話がなかった。モバイルデバイスもインターネットもありません。今は最新のニュース等携帯でも受け取ることができるうえ、バーチャルショールームもある。」と話した。

続いてフォン・ザース氏が「EMOへ訪問すべき理由」について講演をした。フォン・ザース氏は、「私たちはコミュニケーションの大変がオンラインで起きているような世界に住んでいるなかで、見本市は私たちがクライアント、カスタマーとビジネスパートナーとつながるうえで非常に重要な場となっている。要するに電子メールやビデオ会議では置き換わることのできないような場を見本市は提供できるのではないかと思っている。来場者はブランドの下にあるプロダクトを間近で見ることができるので、その中で出展者は自分たちが何をするのか、また、ポテンシャルカスタマーを見つけるような場として活用することができ、しっかりとエモーショナルな大変強い形でブランドを見せることができることになるでしょう。」と魅力を述べた。
パネルディスカッションでは、出展歴の長いオークマの山本氏とヤマザキマザックの山崎氏がEMOでの〝戦略的な価値〟について次のように話した。

山本氏:社史で調べたところ、1970年にハノーバーショーがあり、それが欧州展示会に出展する最初だったようだ。やはり欧州は工作機械のメッカと考えている。お客様との接点を築いて行けるという点で、世界でも最も重要な展示会のひとつと認識している。展示会の良さはリアル感覚で、人と人との実際のコミュニケーションにある。メーカーである私どもとしてはお客様のその先のお客様といったニーズを知ることにより、理解することができる。お客様の知恵、悩み、チャレンジ、これを共有化して具現化していくという非常に貴重な機会である。
山崎氏:EMOではわれわれ欧州中のスタッフが一堂に介して皆で結束して式を高めることができる貴重なイベントになる。われわれとしてはこのイベントを通して社内の結束力を高めることもひとつの魅力であると考えている。また、EMOのような国際展示会というのは、世界中に数多く存在しているが、その中でEMOほどフェアな競争が出来ている展示会というのはないのではないかと思っている。EMOは世界中のメーカーが一堂に分け隔て無く展示している展示会になるので、出展者にとっても来場する皆様にとっても世界中のトレンドを計り知ることができるので今後の戦略を立てていくうえでも大変重要な展示会だと感じている。
EMOのココに注目!
〈金属加工 効率化のための自動化〉
今回の「EMO2025」では、多くの出展者が幅広い自動化ソリューションが出展される予定。コボットの特別展示エリアは特に注目で、多くの自動化ソリューションが集中的に展示される。具体的には共同作業ロボットの可能な用途と使用例などが実現され、これにはグリッパー、画像処理、測定システム、ソフトウェア、産業用電子機器、フィードシステム、その他多くのものが含まれる。
〈持続可能な気候保護〉
サステイナビリティ特別展示エリアでは、明日の持続可能な生産のための最先端ソリューションを体験できる。エネルギー効率、再生エネルギーの統合、リサイクル経済、ライフサイクルコンセプトなどのトレンドについて出展者と来場者が情報を共有できる。
〈デジタル化とAIの組み合わせによる生産性向上〉
AI+デジタライゼーション特別展示エリアは、産業界の投資家や行政に対し、近郊知能と結合したネットワーキングの最新可能性を示してくれる。また、日本メーカーはこの分野における主導的な役割を果たすチャンス。
〈金属加工の未来〉
3つの分野(子ボット、サステイナビリティおよびAI+デジタライゼーション)の進歩が投資を刺激し、生産技術に対する需要を押し上げると推測。加えてドイツ工作機械工業会は、金属加工に関する重要なトピックである、アディティブ・マニュファクチャリング分野の最新アプリケーションにも焦点を当てている。将来と若い才能にも目を向け、機械工学のトレーニングと開発財団(Nachwuchsstiftung Maschinenbau 英訳:Training and Development Foundation for Mechanical Engineering)は、革新的競争力を維持できるように尽力しているが、今回、Special Youth(スペシャルユース)特別ブースでは、社内における技術の普及やデジタル化の要求に対して、トレーニングの最適手法を示す。また、スタートアップ・エリアでは、若いスタートアップ企業が斬新で先駆的なソリューションを紹介する。
【インタビュー】「EMOハノーバー2025で世界のメガトレンドに注目」

世界有数の生産技術専門展示会「EMOハノーバー2025」が本年9月22日~9月26日までドイツのハノーバー国際見本市会場で開催されるにあたり、「EMO Hannover 2025 World Tour」で来日したEMOの主催者であるドイツ工作機械工業会(以下VDW) エグゼクティブダイレクターのDr.マルクス・へーリング氏とドイツメッセ ヘッドオブニュービジネス ハートブィヒ・フォン・ザース氏にインタビューを実施した。
公平性が担保されるEMO

ドイツ工作機械工業会では、昨年の工作機械生産額は約87億米ドルで日本は世界のトップメーカーの中で3位されており、生産量の60%が輸出されているとしている。「アジアの重要な出展社の中で日本はEMOでも際立つ存在になる」と予想。へーリング氏はEMOの公平性について、「たとえば中国の展示会であれば、ほとんどの出展者は中国メーカーで来場者も自国の方が多い。意思決定者なのか、あるいは生産ラインの方なのか分かりにくいと感じてしまう。それに対してEMOは、様々な国から来ている国際性が担保され意思決定者も多く、中国で得られるようなチャンスよりももっと幅広いと考えている。」と話す。
工作機械は最終製品に大きな影響を与えるものになり、国の工業力にも直結するため、工作機械産業は非常に大きな影響力があるものだが、現在、競争の激化や投資の鈍化など、世界規模で解決しなければならない課題は業界全体にも見られるうえ、製造現場では熟練労働者の不足が問題視されている。これを解決する鍵のひとつに自動化・標準化があるが、130年以上の歴史があるVDWは「標準化は常に重要テーマとして扱ってきた。」という。
その理由について「最終的に輸出されたとなった時に、それを扱っていくお客さま、あるいは生産者からしても、コストそのものを削減する効果もあるうえ、製品の競争優位性を上げていくことにも資していく。その上で選択肢が増える環境をつくってきたと思う。やはり私たちドイツの単一国の市場っていうのではなく、EU、ヨーロッパとしての市場を設けていくことになっている。多国籍、様々な国の人たちが一堂に会しているわけで、もちろんヨーロッパ、EUは大きなカスタマーベースを持っている巨大なマーケットであり、個々にいる国が一つにならなくてはならず、それには標準化というのはすごく重要なプロセスだった。その点は、少々日本と違うのかもしれない。」とへーリング氏。
ひとつの産業ではなく裾野を広く

ドイツの工作機械業界産業として現在注目すべき点について尋ねてみると、へーリング氏は、「メカニカルエンジニアリングとして、ひとつの産業に特化するというよりはできるだけ裾野を広くしていく。以前は自動車寄りの時もあったが、最近ではより注目度が上がっているのは防衛産業。医療系では高齢化が進む中では解決しなければいけない問題からバイオアプリケーションもある。さらには航空・宇宙産業も裾野の広いアプリケーションの多い産業でもあるので、ここから先はいかに持続的にユーザーベースとして拡大していく見込みがあるのか期待したいところだ。」との見方を示した。
さらに、気になる自動車の未来については、「EVなのか水素なのかという風潮があるが、これといって断言できるものではなく、いずれにせよ、ここから先はどういうふうに先端化していくのか、イノベーションを図っていくのか、といった点にあると思う。目標を達成するためにはなにが必要なのか、ということを考えたら、未来のモビリティーと交通輸送について、しっかり議論する必要があるのではないか。そのためにはどういった技術が必要なのかと考えなければなりません。」と述べたあと、電気自動車が出現したころを振り返り、次のように続けた。
「そもそも電気自動車がでてきた1970年代から、EVの話はあったはずなんですが、そのチャンスを私たちは逃してきたというような歴史がある。内燃機関がどんどん発達していくなかで、コスト的にも内燃機関が良いという風潮もあり、結局EVの話は当時なかなか進まなかったのではないかと感じている。」(へーリング氏)
EMOでは材料の進化も見られ、積層造形も注目!

今回のEMOでは、新たな原材料、新たな技術を紹介する場でもあるので、ホットな見どころといえば、〝積層造形〟だという。
フォン・ザース氏は、「ぜひ今年のEMOはとにかく今までよりもさらに重要性を持つ業界の者にとってのワールドサミットのようなものになるので、参加はマストであり、イノベーションとして重要なタイミングに来ているということを申し上げたい。デジタル化が加速するなか、例えば、イノベーションで三角形を描くならば、自動化があり、持続可能な技術があり、AIがある。これらのイノベーションをここから先へ進めていく。もしかしたら指数関数的な動きも、爆発的なイノベーションの成長も、ここから先期待できるかもしれない。それが今度のEMOで垣間見ることができるかもしれないので、ここは参加必須だと思っていただければ嬉しい。」と世界有数の生産技術専門展示会であるEMOへの期待と意気込みで締めくくった。
世界の製造業をリードする産業見本市「HANNOVER MESSE2025」が3月31日~4月4日まで開催

International Linkage ドイツメッセ日本代表(代表=竹生学史氏)は1月16日、ステーションコンファレンス東京(東京都千代田区丸の内)で、世界の製造業をリードする産業見本市「HANNOVER MESSE2025」を本年3月31日~4月4日までドイツのハノーバー見本市会場で開催するにあたり、プレスカンファレンスを開催し、展示会の魅力や注目の技術やソリューションを説明した。
今回のパートナーカントリーはカナダ。また、この日は、ゲストスピーカーとして、HANNOVER MESSEに長年にわたり出展しているドイツを代表する出展企業の日本法人であるフエストの代表取締役であるボゴダノビッツ・グレゴリッシュ氏が日本企業やエンジニアが注目すべきドイツの技術やソリューションにカンして講演した。

主催のドイツメッセ グローバルディレクター トレードフェア アンド プロダクツマネジメントのバシリオス・トリアンタフィロス氏より、ドイツ及び世界の産業技術の動向を展示会の概要について説明があった。
会見の席でトリアンタフィロス氏は、HANNOVER MESSE2025について「今回はエコシステムを出展します。出展者はただ単に商品を示しているわけではなく、将来がどうやって形成されることを示します。ここがユニークな点だと考えます。デジタル化によってビジネスモデルが急速に変わっています。この展示会は単なるイベントではない変革のホットスポットであり、〝技術で未来をつくる〟ことを実行しようとしています。」と意気込みを示した。
トリアンタフィロス氏は、「今回の展示会には3つの主なテーマがある。」とし、それによると、①オートメーションとセンサー技術、②ドライバーフリーテクノロジー技術、③ロボット工学・ロボティクスオートメーションを挙げた。また、膨大なチャンスを秘めている分野について、「特に注目すべきがAI。2025年ハノーバーメッセ、包括的なテーマと言えるでしょう。プロトタイプの設計から完成品に至るまで、AI技術は作られています。より迅速で柔軟性がある持続可能な製造プロセスを実現することができます。AI関連のテーマは豊富に展示します。例えばエネルギー分野。今までにないような可能性も秘めています。」と力を込めた。
また、スタートアップ企業についても触れ、「スタートアップは中小企業にとっても重要だと考えます。ハノーバーメッセの中でぜひスタートアップのセクションに日本企業も参加していただきたい。ドイツ、カナダのスタートアップもいて、そこに日本のスタートアップも加わり、一緒にコラボレーションができれば大変なポテンシャルだと思います。」と期待を込めた。
今回の「HANNOVER MESSE2025」では、1,600人以上のスピーカーがプレゼンテーションを実施し、スタート専門家の方が一堂に会す。また、「日独経済フォーラム」も併催される。
MOLDINOが2商品を新発売! アルファモジュラーミル専用超硬シャンクASCにフリーネックタイプを、アルファ高送りラジアスミルTD4Nにラインナップをそれぞれ追加
MOLDINOがこのほど、各種金型の深彫り加工に威力を発揮するアルファモジュラーミル専用超硬シャンク「ASC」にフリーネックタイプを、金型、金属部品の荒切削加工用にアルファ高送りラジアスミル「TD4N」にラインナップを追加し発売を開始した。
アルファモジュラーミル専用超硬シャンクASCにフリーネックタイプを追加

近年、ギガキャストに象徴されるダイカスト金型の大型化が進んでいる。この大型化の狙いは、主に部品点数の一体化による高機能化と低コスト化だが、起伏の大きいダイカスト金型が大型化することで従来の金型に比べて一層の深彫りが必要となっている。同社従来品の超硬シャンクが加工可能な領域は工具径に対する突き出し量の比率 L/D=10程度が上限で、これより深い領域の加工は放電加工を適用せざるを得ず、コスト高となり加工時間も長くなる。
このような課題に対し、同社ではダイカスト金型の抜き勾配に応じたテーパ設計を適用することで干渉を回避しつつ、剛性を向上することでL/D=12程度までの深彫り加工に対応するアルファモジュラーミル専用超硬シャンク「ASC」のフリーネックタイプを開発するに至った。
この商品の特長とメリットは、次のとおり。
(1)テーパタイプとストレートタイプをラインナップ。
(2)干渉を気にせず突き出し量を調整できる。
(3)テーパタイプは独自の高剛性形状で、従来に比べ深い領域まで工具が届く。
(4)ストレートタイプは工具径よりシャンク径が小さく、立壁との干渉がない。
■仕様
・テーパタイプ:適用ヘッド外径φ10~φ22(12アイテム)
・ストレートタイプ:適用ヘッド外径φ10~φ25(13アイテム)
■価格
47,500円~482,000円(消費税別)
アルファ高送りラジアスミル TD4Nにラインナップを追加

2016年6月に同社より発売されたアルファ高送りラジアスミル「TD4N」は、発売以来、高送り工具では常識とされていた「削り残し」を、加工能率を損なうことなく削減し次工程の負担を軽減するとして高い評価を得ており、同社を代表する高送り工具となったが、今回、形状加工で重宝されるアンダーカットタイプに加え、近年では加工プログラム・加工形状(コーナR)に制約がある場合や工具とワークの干渉を回避する用途として刃径+1mmサイズが好まれる傾向が顕著になってきたことや、また、同一インサートで幅広い工具刃径へ対応することで、使用用途の拡大につながることから、大径サイズの要望も増加したことにより、同社ではTD4Nに刃径+1mmや大径(Φ50)サイズなど、市場のニーズに応える追加サイズを開発するに至った。
商品の特長とメリットは次のとおり。
(1)加工能率を損なうことなく、「削り残し量」を従来の0.5mmから0.2mm以下に低減することで、次工程の工具負荷を最大で40%削減する。
(2)優れた切りくず排出性により、突発的な破損トラブルを低減し、高能率な加工を実現する。
(3)経済性に優れた両面使用可能な4コーナインサートを採用した。
(4)工具とワークの干渉回避に使い勝手の良い刃径+1mmサイズやボアタイプ等をこの度追加した。
■仕様(追加発売品)
・シャンクタイプ:φ17~φ35(6アイテム)
・モジュラータイプ:Φ17~Φ33(5アイテム)
・ボアタイプ:φ50(2アイテム) 計13アイテム
■価格
46,000円~100,000円(消費税別)