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台湾TMTS展が6年ぶり単独開催 7万人が来場、オンライン展には11万人

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会場となった台北南港展示センター1号館

 

 工作機械の輸出額で世界5位、生産額で世界7位の台湾で台湾国際工作機械展(TMTS2024)が3月27日から31日までの5日間、台北市東部の台北南港展示センター1、2号館で開かれた。6年ぶりの単独でのリアル開催に631社が3,350小間を超える規模で開催され、国内外から7万人が来場し、オンライン展には123カ国から11万人がアクセスした。今回展のテーマは「DX & GX 持続可能な未来」で、各出展者がDX(デジタルトランスフォーメーション)とGX(グリーントランスフォーメーション)の2つを軸に、製品とサービス、自動化や省人化に向けたソリューションを競った。台湾の工作機械業界にとり最大の輸出先の中国が不動産不況を受け、設備投資が急減速して販売を落とすなか、台湾メーカー各社が何を目指しどう取り組むのかを現地で取材した。【台北=是州煩太(文・写真)】

ファンを引き付け知名度も向上

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台北南港展示センター2号館

 TMTSは2010年に台湾中部の台中市で初開催され、今回で7回目の開催。6回目となるはずだった20年展は新型コロナウイルス感染症の拡大で中止に追い込まれ、2年前の22年展は会場を台北に移し、30回の節目を迎えた台北国際工作機械見本市(TIMTOS)との合同で、「TIMTOS×TMTS2022」として国内向けの開催を強いられた。海外の在住者に対しては、同時開催されたオンライン展での視聴参加の呼びかけを余儀なくされた。

 半世紀を超える長い歴史を持つTIMTOSに比べ、台中で開催されるTMTSの知名度はかつては今ひとつ。初期の開催時には日本で開催される日本国際工作機械見本市(JIMTOF)の知名度と集客力を利用し、JIMTOF閉幕の翌日をTMTSの開幕日に当て、各国からのJIMTOF来場者に帰国前の立ち寄り、寄り道での来場を促した時期もあった。主催の台湾区工作機械工業会(TMBA)が編み出した秘策だった。

 産業用機械を広範に展示するTIMTOSに対し、切削を中心とした金属加工用の工作機械と周辺機器に絞って展示するTMTSは、初開催から14年を経てより熱心なファンの引き付けに成功し、今や知名度も上げて来場者数を増やしてきた。

 開催地の台中は、工作機械や周辺機器の各主要メーカーの本社と工場の集積地でもある。工場の見学も兼ねて、TMTSを目当てに台湾を目指す来場者も増えた。あえて例えるなら、TIMTOSが台湾版JIMTOFなのに対し、TMTSは台湾版メカトロテックジャパンの位置づけだ。今回はかつての台中の会場が取り壊され、新会場の建設計画の遅れも重なり、台北での開催となった。

意欲的な新興国の需要捉える

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「これまでとは違った斬新なものづくりの世界を披露したい」と語る陳伯佳TMBA理事長

 今回展には7万6776人が来場。台湾各地からはもちろん、68ヵ国・地域から3,319人の外国人が来場した。外国人来場者数の上位10カ国は、インド、日本、中国、マレーシア、フィリピン、米国、インドネシア、タイ、ベトナム、トルコで、多くの国が視察団を組織して会場を訪れた。

 大手自動車メーカーが工場を持つポーランドやチェコ、メキシコやアフリカなどからも来場した。既存の工業国はもちろん、設備投資への意欲が高い、新興工業国の需要をしっかり捉えた印象だ。つまり、これらの国々が今後、日本の工作機械業界が挑むべき市場、いわば「お得意さま」へと導く国だ。台湾製の工作機械を導入したら、次は必ずより高性能な日本製の工作機械が欲しくなるはずだからだ。

 TMBA理事長でYCMブランドを展開する永進機械工業の陳伯佳総経理は開会式で「今回のTMTSは、従来の台中での開催から台北での開催に変わっただけでなく、多くのユニークな取り組みに挑戦した。最新の機械の展示だけでなくソリューションを提案し、DXとGXを軸に持続可能な未来社会を提案する。ユーザーの経験や体験を基に分析を重ねて機械を改善した。これまでとは違った斬新なものづくりの世界を披露したい」と意気込みを述べた。

 日本の首相に相当する陳建仁行政院長や官房長官に相当する林佳龍総統府秘書長らがあいさつし、官民挙げた応援体制もアピールした。蔡英文総統こそ来場しなかったものの、開会2日目には5月に次期総統に就任する頼清徳副総統、5日目の最終日には頼政権下で副総統に就任する蕭美琴前駐米大使も会場を訪れた。

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芝浦機械 世界最大級・型締力12,000トンの超大型ダイカストマシンを受注(ギガキャストに対応)

 

 芝浦機械がこのほど、韓国上場企業SEOJIN SYSTEM CO., LTD.(CEO : Jun,Dong kyu)のグループ会社であるベトナム工場より12,000トンの型締力を持つ、「ギガキャスト」に対応した超大型ダイカストマシンDC12000GSを2台、正式に受注したと発表した。

 近年、電動化や軽量化の進展により、自動車の車体構造部品をアルミニウム合金などの軽合金で大型一体鋳造(ギガキャスト)するニーズが急速に高まっていることを受け開発に至った同社。この「ギガキャスト」技術は、複数の部品を一体化することで部品点数や製造工程の削減、さらなる軽量化や強度向上を可能にし、自動車の環境性能と生産効率を大幅に向上させる技術である。同社は、長年にわたるダイカストマシンの開発実績と技術力を活かし、「ギガキャスト」に対応した超大型ダイカストマシンをラインアップ化することで、次世代モビリティのニーズに対応するのが狙い。

〈新製品の特長〉


●業界最大クラスの型締力
 型締力12,000トンの超大型型締め装置により、より大きなアルミ部品の一体成形が可能。車体構造部品を一度に鋳造し、生産効率を大幅に高める。また今後は、型締力6,000 - 9,000トン級の複数ラインアップ化を進めていく。

●高精度・高信頼性の射出制御技術
 同社独自の2シリンダー方式と大流量、高応答サーボバルブを用いた射出機構及び制御により、短時間充填と短時間昇圧を実現、歩留まり向上と高品質を実現する。また最新の制御装置TOSCAST-999を搭載し視認性、保全性、使い易さを追求した。

 
〈今後の展望〉
 

 受注した2台のDC12000GS機は、次世代モビリティの生産工程にイノベーションを巻き起こすもので、同社の超大型ダイカストマシンと顧客の高精密金型との複合技術により、革新的な製品を生み出し、モビリティ社会へ新たな価値・創造を提供することとなる。生産を予定している製品群は大型バッテリーケースにとどまらず、車体ボディパネル成形も含まれ、将来、グローバル規模での需要増が見込まれる市場に新たな1ページを刻むとしている。同社は、このイノベーションを共創し、12,000トン機をはじめとする超大型ダイカストマシンによる成形を通じて、さらなる大型化・高効率化が求められるBEVやハイブリッド車などの次世代モビリティ領域でのイノベーションを力強くサポートしていく方針。

 また、自動車業界を中心に大型一体部品、複合鋳造品の需要が高まっていることから、引き続き顧客の多様なニーズに応えるための技術開発やサービス体制を強化し、国内外のモノづくりを牽引していくとしている。 
     
 

ダイジェット工業 「Diemaster 5G」を新発売!

Diemaster 5G ボアタイプ

 

 ダイジェット工業がこのほど、中仕上げ~仕上げ加工に対応した高精度倣い加工用刃先交換式カッタ「Diemaster 5G」本体(XFG/MXF形)及びインサート(WNHU形)を発売した。

 近年、切削加工の中~仕上げ加工において、高精度化に加え、高能率化やコスト削減の需要の高まりを受け、同社では経済性と高精度加工を両立し、かつ小径多刃仕様とすることで高能率加工を実現する刃先交換式ラジアスカッタを発売するに至った。

 炭素鋼、工具鋼、プリハー丼校、高硬度材、ステンレス鋼、鋳鉄の平面削り、曲面加工、ポケット加工、ヘリカル加工、突き加工に威力を発揮する。

〈特長〉
Diemaster 5G モジュラーヘッドタイプ

 ①    高精度本体(マスターにて+0.01/-0.05)に高精度H級インサートを組付けた時の正面・外周の振れ精度を最小限に抑え、高品位な加工面を実現。
 ②    インサートは、両面使用可能な6コーナ仕様で経済的、小型化しカッタを多刃仕様とすることで高能率な加工が可能。
 ③    インサートの底面と外周切れ刃に最適なワイパー切れ刃を設け、切削抵抗を低減しながら、優れた加工面が得られる。
 ④    オール超硬シャンクアーバ「頑固一徹」とモジュラーヘッドタイプの組み合わせで、長い突出しの加工にも対応。

 

Diemaster 5G インサート

■サイズと価格
【Diemaster 5G ボアタイプ】
 ・形番・サイズ:XFG形…φ50~φ66 (4形番)
 ・標準価格:64,800円~76,100円(税抜き)
【Diemaster 5G モジュラーヘッドタイプ】
 ・形番・サイズ:MXF形…φ16~φ42 (7形番)
 ・標準価格:26,200円~58,300円(税抜き)
【Diemaster 5G インサート】
 ・形番:WNHU04T310ZER    ・材種:JC8015、DH103
 ・標準価格:1,640円(税抜き)
 

アマダマシナリー 可変パルスカッティングバンドソー「PCSAW-430AXⅡ」を販売開始

 

 アマダマシナリーがこのほど、さらなる高速安定切断を実現し、環境に配慮した省エネ設計の可変パルスカッティングバンドソー「PCSAW-430AXⅡ」の販売を開始した。

 「PCSAW-430AXⅡ」は新技術「可変パルスカッティング」を搭載。従来のパルスカッティングはブレードに一定のパルス振動を与えながら切断加工を行う技術。これを切削条件や使用ブレードに応じて、最適なパルス周波数に制御可能な独自の可変パルスカッティング機構に進化させた。これにより切削抵抗が大幅に低減し、さらなる高速安定切断が可能とった。さらに、切断時間の短縮とエコポンプの採用により、従来マシンと比較して消費電力を大幅に低減。環境にも配慮した次世代の省エネ設計エコマシンだ。

 昨今の労働者、技能者不足を背景に、自動化やデジタル化に対するニーズの高まりを受け、同社ではこのような課題に対し、「PCSAW-430AXⅡ」は、様々なシステムをラインナップしたことで、多様な自動化ニーズに応えることが可能となった。また、アマダのIoT 「V-factory」に接続することで、稼働状況、保守情報の見える化と予防保全により、マシン稼働率の向上をサポートする。

主な特長

1. 可変パルスカッティング 
 従来一定だったパルス周波数を、被削材(材質、形状、サイズ)、ブレードの種類、切削条件に応じて最適なパルス周波数に制御することで、切削抵抗を大幅に低減する。さらに、11kWの高出力ブレードモーターを搭載し、超硬ブレード「AXCELA」での高速切断に対応。切断スピードは従来機と比較し最大で約30%アップした。またパルス振動を付加することで断続切削となり、実質的な1刃あたりの切削距離が連続切削よりも短くなるため、歯先摩耗の進行が抑制されブレード寿命も向上する。

2. 省電力化&環境負荷低減 
 マシン動作に必要な油圧ポンプは、必要な分だけ稼働させるエコポンプを採用。従来機と比較し待機時の消費電力量を約50%、加工時の消費電力量を約10~20%低減することができる。さらに高速切断による切断時間の短縮により、大幅な消費電力の削減が可能となり、環境負荷低減に貢献する。

3. 操作性&精度向上 
 直感的に操作できるタッチパネル方式の操作パネルは21インチにサイズアップし、視認性やデータ入力作業などの操作性が大幅に向上する。送材機構にサーボモーターとボールねじを採用したことで、高精度な位置決めを実現。本体バイスの構造を変更し、確実な製品保持により切断終了時の転倒を防止。これにより、バリを低減し、鋸刃のチッピングを抑制するとともに、最小製品長5mmまでの切断が可能となった。

4. システムアップ 
 RTコンベヤーを接続し、2つのコンベヤーレーンを交互に使うことで稼働率を向上した「1シフト対応モデル」、搬入、搬出装置を接続し、素材搬入から切断、製品仕分けまでを自動化した「2シフト対応モデル」、さらに材料収納棚を接続した「24時間対応モデル」など顧客のニーズに合わせた様々なシステムをラインナップ。システム化により大幅な生産性向上と省力化を実現する。


 

最短当日発送! 取り扱い総数約600万点の豊富な品揃えのオンラインショップ「my DMG MORI eMarket」が本格稼働!

24時間いつでもオンライン注文が可能

 

 DMG森精機のグループ会社であるテクニウムは、カスタマーポータル my DMG MORIの新機能として、昨年11月のJIMTOF2024にて、オンラインショップ「my DMG MORI eMarket」を発表して注目を集めたが、このたび機能をより充実させ、本格的に稼働を開始した。

 2018年に開始したmy DMG MORIは、オンライン上で保有機のマニュアルの閲覧、修理・復旧の依頼や スペアパーツの手配、e-ラーニングの受講などを行える、同社顧客専用のポータルサイト。工作機械は10年以上活用されるため、my DMG MORIを通して、機械のライフサイクル全体で顧客のマシニング・ トランスフォーメーション(MX)の推進をサポートする。日本ではすでに約13,000社が登録している。

 今回、my DMG MORI会員限定で提供を開始したmy DMG MORI eMarketは、切削工具や素材など、DMQP(DMG森精機認定周辺機器)の中で定期的に追加購入が必要となる消耗品「ライフサイクルDMQP」も簡単に購入できる。2022年に開始した機械のスペアパーツを販売する「パーツセレクター」も利用できる。

 また、トラスコ中山が提供する「トラスコ オレンジブック.Com」と連携し、約600万点の豊富な品揃えで、最短当日の発送が可能となったことに加え、my DMG MORIの保有機情報と連携し、同社製の機械を導入時に 購入した周辺機器を一覧で機械別に表示でき、欲しい商品を簡単に注文できる。支払いは、掛け払い(請求書払い)・クレジットカード払いの両方に対応している。

 さらに、my DMG MORI eMarketは、商品の購入のみでなく、工具や加工プログラムに関する課題を相談できる場として同社と工具メーカーの経験豊富なエンジニアが連携し、顧客の課題を解決する最適な ソリューションを提案する。国内だけでなく、欧州を中心に、海外にも多くの高品質な工作機械の周辺機器メーカーがあり、工作機械だけでなく、同社のノウハウや国内外のDMQPパートナーの高品質な製品を 一緒に提案することで、顧客のさらなる生産性向上をサポートするのが狙い。

さらに詳しく知りたい方は同社のWebサイトへ↓
https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=7550
 

アマダが基盤穴あけ加工機のリーディングカンパニーを買収 ~半導体産業における新たなレーザ加工技術の共創と新市場への参入へ~

(株)アマダ(本社:神奈川県伊勢原市、社長=山梨貴昭氏)は、このほど、ビアメカニクス(株)(本社:神奈川県厚木市、社長=清水秀晃氏)の全株式を取得する株式譲渡契約を締結し、完全子会社とすると発表した。 これにより、アマダが保有するレーザ技術などのコア技術や生産供給、サポート体制と、ビアメカニクスが保有するハイエンドまでの基板穴あけソリューションや顧客基盤を融合することで、半導体産業における市場への本格参入を目指す。さらに、レーザ加工や自動化などの新たな技術を共創し、差別化商品を開発、投入することで、顧客の技術進化ニーズに応える。アマダグループは各社のシナジーを追求することで、既存事業の拡大のみならず、半導体などの新分野にも拡大、進出し、さらなる成長を目指すとしている。  

DMG MORI SAILING TEAMスキッパー白石康次郎選手が無事完走! 「Vendée Globe2024」完走報告会を開く

鏡開きの様子

 

レースを振り返る白石選手

 DMG森精機のDMG MORI SAILING TEAMスキッパーである白石康次郎選手が2024年11月10日に出場した世界一過酷なレース「Vendée Globe2024」にて無事フィニッシュを迎えた。

 白石選手が2025年2月9日(日)に24位、90日21時間34分41秒の記録で無事完走したことに伴い、去る4月2日、パレスホテル東京(東京都千代田区丸の内)で完走報告会を開いた。

 白石選手がレースの活動報告を述べた。この中で白石選手は、「今回無事に2連続のフィニッシュを達成することができた。皆様のサポート、チームの状態も素晴らしかった。本当にありがとうございます。本来は森オーナーから8位を目指せ、ということでしたが、遠く及ばず24位となった。」と感謝の言葉とともに若干の悔しさを滲ませた。

 レースを振り返り、「今回3度目のヴァンデ・グローブは、感覚的に長かった。スタートは、なぎで全然進まず、特殊なスタートだった。メインセールのトラブルにも見舞われ、7本のうち、5本が折れてしまい、修理に24時間かかったが、クリスマスを迎え、正月を迎え、ホーン岬を通過することができた。」と奮闘した様子を語った。

オーナーのDMG森精機 森社長

 フランスからDMG MORI SAILING TEAMがリモートで、お礼を述べた。白石選手は、「このメンバーで精一杯これからも走り続けたい。」と意欲を見せ、鏡開きが行われた。

 オーナーのDMG森精機 森雅彦社長が、「今回は、このGlobal One号を持って帰ってきて、今年も大西洋側を中心に日本の港を回りながら試乗会、体験会を行うので、ぜひ皆さんお越しください。また、葉山の鐙摺の海岸バス停前に300坪ほどの土地を買った。白石選手を館長にして、海に関わる様々な世界中の書籍をあつめて図書館をつくり、学生やわれわれが集まってミーティングをしたり、世界中からセーラーが来て宿泊できる施設を計画中だ。」と構想を話し、会場を沸かせた。

 無事にレースを終えた白石選手に参会者はねぎらいの言葉をかけて喜びを表していた。

 

コマツ 建設機械向け遠隔操作システムを搭載した移動式DXオフィス「Smart Construction Teleoperation - モビリティーオフィス」 販売開始

「Smart Construction Teleoperation - モビリティーオフィス」車両イメージ(左)と内装例(右)

 

 コマツとその子会社のEARTHBRAINは、このほど共同で開発した建設機械向けの遠隔操作システムを搭載した移動式のDXオフィス「Smart Construction Teleoperation - モビリティーオフィス」を昨年末よりコマツカスタマーサポートを通じて販売の開始をしている。

 この商品は、カスタマイズされた大型バンに、建設機械向け遠隔操作システム「Smart Construction Teleoperation」のコックピット機能を備えた車両型のモビリティーオフィス。車両型のため、さまざまな現場へ迅速に移動でき、アクセスが難しい環境で稼働する建設機械でも、モビリティーオフィス内から遠隔で操作することが可能である。また、車両内には、エアコンを装備した快適な作業空間とパソコン、モニター、二人掛けのデスクを搭載しており、移動先でオフィスとして利用できる。ネットワーク環境が不安定な場所では、Wi-Fiを活用したソリューション「通信不感地対策Wi-Fiパック」を利用して安定した通信環境を構築することが可能だ。

 さらにSmart ConstructionⓇの各種ソリューションを活用することにより、ドローンなどで取得した測量データから地形情報をデジタル化し、施工現場の現状の見える化や進捗管理などをモビリティーオフィス内で行うことができる。災害時には、速やかに災害現場に駆け付けることで、被災地の状況を関係者間で共有できるようになり、迅速な復旧作業に貢献する。
 

2025年3月分工作機械受注総額は1,511.0億円

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2025年3月分の受注実績は以下の通り。

 2025年3月分工作機械受注総額は、1,511.0億円(前月比+27.8% 前年同月比+11.4%)となった。受注総額は、30カ月ぶりの1,500億円越超え。この受注増は内需及び外需(中国、インド)が貢献。

 内需は492.6億円(前月比+45.9% 前年同月比+0.0%)で、前月比2カ月連続増加、6カ月ぶりの400億円超え。

 外需は1,018.4億円(前月比+20.6% 前年同月比+17.9%)で、前月比は2カ月連続、前月同月比で6カ月連続増加、3カ月ぶりの1,000億円超え。

 3月の受注は、内外需で前月比・前年同月比ともに増加するも、期末効果や特需の寄与大。米国関税措置の影響拡大も懸念され、今後の動向を注視。

3月分内需

492.6億円(前月比+45.9% 前年同月比+0.0%)。

・6カ月ぶりの400億円超え。490億円超えは12カ月ぶり。
・前月比2カ月連続、前年同月比5カ月連続増加。
・年度末効果で増加するもこの先継続的に改善が進むか不透明な状況。


(出所:日本工作機械工業会)

3月分外需

1,018.4億円(前月比+20.6% 前年同月比+17.9%)

・3カ月ぶりの1,000億円超え。7カ月連続の800億円超え。
・前月比2カ月連続増加。前年同月比6カ月連続増加。
・全地域で前月比増加。状況に大きな変化は見られない。


(出所:日本工作機械工業会)

 

日本ロボット工業会 2025年1~3月期 マニピュレータ ロボット統計 受注・生産・出荷実績まとまる 

 ロボット工業会がこのほどまとめた2025年1~3月期のマニピュレータ ロボット統計 受注・生産・出荷実績は次のとおり。■業況 2025年1~3月期は、受注額が対前年同期比32.2%の増加、生産額が同22.2%の増加となった。受注状況をみると、前四半期に続き電子部品実装機が強い回復を示したほか、垂直多関節ロボットを中心としたマニピュレーティングロボットも同様の傾向を示し、受注台数、受注額ともに3四半期連続の増加となった。 出荷実績をみると、国内向けは、電気機械製造業向け、自動車製造業向けともに主要用途で減少が見られたものの、トータルで増加となった。用途別では、スポット溶接用や半導体用など大きく増加した一方で、アーク溶接用が大きく減少、輸出で堅調な実装用も勢いのない状況が続いている。輸出はアジア向けが中国を中心に増加し、実装用は1年を通して前年同期を上回ったほか、溶接用や他用途も堅調だった。北米向けもマテハン用、溶接用中心に増加し、7四半期ぶりに増加に転じた。マテハン用やスポット溶接用の大幅な減少が続いているものの、実装用や半導体用が引き続き増加した。一方、欧州では2020年の水準にまで落ち込んでいる。内外需ともに着実な回復が見込めるものの、世界経済の分断が需要環境を覆い、先行きに不透明感が漂っている。 受注・生産・出荷の各状況は以下の通り。■受注 ・受注台数(台) : 45,432(前年同期比+23.3%) 【3四半期連続の増加】  ・受注額(億円) : 2,091(同+32.2%) 【3四半期連続の増加】■生産 ・生産台数(台) : 44,022(前年同期比+14.8%) 【9四半期ぶりの増加】 ・生産額(億円) : 1,986(同+22.2%) 【2四半期連続の増加】■出荷 ・総出荷台数(台) : 44,688(前年同期比+10.2%) 【9四半期ぶりの増加】 ・総出荷額(億円) :  2,018(同+16.5%) 【8四半期ぶりの増加】  ―国内出荷台数(台): 10,159(同▲5.6%) 【3四半期ぶりの減少】      ―国内出荷額(億円):  542(同+2.3%)  【3四半期連続の増加】      ―輸出台数(台) : 34,529(同+16.0%)  【9四半期ぶりの増加】  ―輸出額(億円)   : 1,476(同+22.8%) 【8四半期ぶりの増加】■国内出荷内訳 電気機械産業向け ・国内出荷台数(台) : 3,350(前年同期比▲4.5%) 【3四半期ぶりの減少】 ・国内出荷額(億円) : 166(同+1.3%) 【2四半期連続の増加】 自動車産業向け ・国内出荷台数(台) : 3,159(前年同期比▲6.3%) 【4四半期ぶりの減少】 ・国内出荷額(億円) : 167(同+3.5%) 【4四半期連続の増加】■輸出内訳 電子部品実装用 ・輸出台数(台): 3,135(前年同期比+29.6%) 【4四半期連続の増加】 ・輸出額(億円): 568(同+33.1%) 【4四半期連続の増加】 溶接用 ・輸出台数(台): 9,428(前年同期比+39.0%) 【6四半期ぶりの増加】 ・輸出額(億円): 231(同+36.5%) 【6四半期ぶりの増加】