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DMG森精機が社内託児所を開設

伊賀事業所 託児所外観
伊賀事業所 託児所外観
 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)は、2018年4月より伊賀・奈良事業所、名古屋本社、東京グローバルヘッドクオータの国内全事業所にて、社内託児所を開設する。新築または既存施設の改修等により、事業所内もしくは近隣に社員専用の託児所を設ける。

 これまでも、独DMG MORI AG社との統合を機に全社を挙げて社員のワークライフバランスの充実・強化を図ってきたが、2016年からは、国内全事業所にて週末の出勤日に限定し社内託児所を開設し、未就学児を持つ女性社員の活躍を後押ししていた。

 利用者からの「子供がそばにいて安心。焦燥感なく効率的に働ける」などの声を受け、創業70周年の節目を迎える2018年より、社内託児所を常設することになった。

 同社では、「社員が出産後も安心して働き続けることが出来、公私共に充実した生活を送ることが出来るよう、社員の声に耳を傾けていく」としている。


ジーベックテクノロジーが不可能といわれた破れ交差穴・斜め交差穴のバリ取り自動化を実現!

 ジーベックテクノロジー(社長=住吉慶彦氏)は6月21日(水)より、「XEBEC裏バリカッター&パス」の対象穴形状に、破れ交差穴と斜め交差穴を追加する。

 「XEBEC裏バリカッター&パス」は、昨年6月に発売を開始し、裏バリ取りの自動化に革命を起こした新製品。裏バリ取りの穴の交差の仕方は様々で、破れ交差穴と斜め交差穴はこれまで自動化に対応したツールがなく、相談が多い穴形状だった。こうしたニーズを背景に、同社ではmこの不可能と言われた穴形状への対応を検討し、このほど実現するに至った。

 発売日である6月21日(水)は、同日東京ビックサイトで開催される、「第21回機械要素技術展」でサンプルワークを初展示し、加工動画を上映して大々的にPRを行う。(東8ホール 小間番号4-6)

 同社では、「今後ともバリ取りや研磨等における問題解決に全力を傾けてまいります」としている。 

【告知】OKKが中部・西日本、東日本でそれぞれプライベートショーを開催

 OKK(社長=宮島義嗣氏)が、中部・西日本、東日本でそれぞれプライベートショーを開催する。

 概要は以下の通り。

■OKK東日本プライベートショー
【日時】2017年7月13日(木)10:00~17:00、14日(金)10:00~16:00
【会場】OKK東京テクニカルセンター さいたま市北区日進町3-610

主な出展機種

■OKK中部・西日本プライベートショー
【日時】2017年7月20日(木)10:00~16:00、21日(金)10:00~16:00
【会場】OKK猪名川製作所 技術センター 兵庫県伊丹市北伊丹8-10

主な出展機種

 今回はいずれもIoTシステムによる生産効率向上やプログラム支援技術等のOKKのソフトウェアを提案する。また、加工品質向上に向けたセミナーや加工実演展示も多数行う。

タンガロイが平面加工用カッタ「DoTriple-Mill」(ドゥートリプル・ミル)M級インサートを拡充

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、このほど、平面加工用カッタ「DoTriple-Mill」(ドゥートリプル・ミル)M級インサートの発売を開始した。

 「DoTriple-Mill」は、四角形・八角形・丸駒の3種類のインサートを取り付けることができる最新の平面加工用カッタ。インサートのクランプ強度を大幅に向上させるダブテイルクランプ構造を採用し、高能率加工時での高い信頼性が評価されている。現在発売中のG級インサートの評価が高く、M級インサートの発売に至った。

 四角形のSNMUタイプは2㎜の正面切れ刃を持ち、荒加工から仕上げ加工まで対応する。また、切りくず処理性に優れ、特にステンレス鋼の加工で従来品よりも安定した加工が可能である。八角形のONMUタイプは、経済的な16コーナのインサートであり、SNMUタイプと同じ切れ刃形状を有している。丸駒のRNMUタイプは切れ刃強度が高く、切込み変動の大きい加工に向く。低切込み時には高送りによる高能率加工が可能なインサートである。

 M級インサートには従来材種であるAH3135、AH120の他、新CVD材種のT3225、T1215が設定されている。T3225はステンレス鋼と鋼、T1215はダクタイル鋳鉄とねずみ鋳鉄の高速高能率加工にて大きな力を発揮する。

「DoTriple-Mill」は豊富なインサートのラインナップで、多種多様なニーズに対応する。
 主な特長は以下の通り。

 ●3種類のインサートが1つのカッタボディに装着可能
 ●インサートのクランプ剛性を向上させるダブテイル形状を採用
 ●様々なワーク材質に対応するラインナップで、特にステンレス鋼加工に有効
 ●仕上げ加工、高送り加工、黒皮部の加工等、様々な用途で力を発揮

主な形番と標準価格
●インサート
・SNMU1307ANEN-MJ AH3135 1,480円
・ONMU0507ANEN-MJ T3225 1,590円
・RNMU1307ZNER-MJ T1215 1,670円
(いずれも税抜価格)
 拡充アイテム:全12形番

「コネクテッド・インダストリーズで新たな付加価値が創出」日本ロボット工業会が平成29年度通常総会を開く

 日本ロボット工業会(会長=稲葉善治ファナック会長兼CEO)が、 5月24日、都内の東京プリンスホテルで、平成29年度通常総会を開いた。
 
 総会後に平成29年度正会員・従業員功労表彰が行われたあと、懇親会が開かれた。


あいさつする稲葉会長
あいさつする稲葉会長
 懇親会の席で稲葉会長は、日頃の感謝を表したあと、「わが国経済は、政府の製造業に対する支援策、自動車を中心とした設備投資に加えて個人消費の持ち直しの動きが見られ、景気は回復基調にある。海外においては反グローバリズム、中東や北朝鮮問題などの懸念材料等、不確定要因はあるが、米国をはじめ、中国、欧州の経済が持ち直している。このような状況のもと、わが国のロボット生産は、円高基調に進んだこともあり需要の約7割を占める輸出の環境としては厳しい状況であったが、好調な国内出荷の伸びにも支えられ、昨年平成28年は、対前年比3.3%増の7,033億円と9年ぶりの7,000億円越えとなった。今年は、引き続き、国内の需要増に加え、米国でのさらなる景気拡大と製造業界回帰による堅調な伸び、中国での高い自動化投資意欲、さらに欧州でのインダストリー4.0を通じた産業用ロボットへの感心などから海外需要の拡大も期待されている。このようなことから本年のロボット生産額については、対前年比7%増の7,500億円を目標としている。また経済産業省は日本の産業が目指す新しいコンセプトとしてコネクテッド・インダストリーズを提唱されている。ここでのつながりとして、人と機械のシステム、人と技術、国境を越えた企業と企業、世代を超えた人と人、さらには生産者と消費者をあげている。このような様々なつながりにより、新たな付加価値が創出されるとしている。コンセプトにおいてもロボットの役割がしっかりと位置付けられており、当業界としてもこの一翼を担うべく、ロボットの開発と普及に向けて全力を尽くしていく」と意気込みを示した。

あいさつする糟谷経産省製造産業局長
あいさつする糟谷経産省製造産業局長
 続いて来賓を代表して糟谷敏秀 経済産業省製造産業局長が、「毎年ものづくり白書を出しているが今回の白書では、ますます日本の製造業の人手不足が深刻化しているという結果が出ている。8割の製造企業が人手不足で悩んでおられる。ビジネスに影響が出ているという回答もある。こうした中で人手不足にも対応し、生産性を上げ、成長に繋げる上で、ロボットの活用は待ったなしの状況であると感じている。ロボット新戦略を一昨年にまとめて最初5年間、政策の集中実施期間とした。これから最初の5年間の3年目に入るわけだが、これまでロボット導入実証事業を行うとともに、ロボット工業会の会ではシステムインテグレータがボトルネックになっているとのご指摘を受け、システムインテグレータを2020年までに3万人に倍増することを決めた。そのため平成28年度の補正予算に、システムインテグレータ向けの補助金を計上している。ロボット工業会には事務局になっていただき、344件の公募があった。5月11日は一次採択37件、344件のうち37件というのは心苦しいが、追加公募の開始をしたので、引き続き追加公募で良い提案をいただけるようお願いしたい」とあいさつをした。

「勢いは良く、今期に期待」日本工作機器工業会が第25回通常総会を開く

あいさつする寺町会長
あいさつする寺町会長
 日本工作機械機器工業会(会長=寺町彰博・THK社長)が、5月22日、都内の芝パークホテルで第25回通常総会を開いた。

 総会後の懇親会の場で寺町会長は、日頃の感謝と総会が無事終了した旨を報告したあと、「昨年はプラス成長の予想をしていたが1月から9月までは円高等の理由もあって厳しい状況が続き、前年を下回った。販売額は6.1%減の1,709億円となった。2017年度については、5.7%増の1,807億円を予想しているが、昨年の10月から受注は好調に推移しており、この3月は2007年の過去最高水準の受注を業界としても取れるようになった。この勢いは現在も続いているので、今期は上回る報告ができるだろうと期待をしている。昨年の後半から半導体製造装置等が好調になり、自動化・ロボットも良くなり、工作機械関連も回復をしている。われわれに関連する業界が非常に良いという状況であり、一方、海外に目を向けると、中国の経済対策も効いて好調な経済を支えている。ヨーロッパも自動車の販売はさらに好調となっており、設備投資も進んできている」とあいさつをした。

あいさつする片岡経産省産業機械課長
あいさつする片岡経産省産業機械課長
 続いて、来賓を代表して片岡隆一 経済産業省製造産業局産業機械課長があいさつをした。この中で片岡課長は、「昨年の秋頃から工作機械関連の動きが出てきている感がしている。中国の政策効果も出てきており、アメリカ、ヨーロッパも良くなってくるということで全体としてはかなり良いと思われる。場合によってはリーマン前まで今年はいくのではないか、という期待がある。そこで、最終需要に近いところでなにが起こるのか、これをしっかり見ていくことも大切だろう」と述べた。

 乾杯の発声を北川祐治副会長(北川鉄工所社長)が行った。宴もたけなわの頃、散会した。

「世界経済や金融市場を冷戦に判断し適切な舵取りを」日本工作機械輸入協会が第62期通常総会を開く

 日本工作機械輸入協会(会長=中川貴夫 シーケービー社長)が、5月23日、都内の日比谷松本楼で第62期通常総会を開催した。

あいさつする中川会長
あいさつする中川会長
 総会終了後の懇親会で、中川会長は、総会が滞りなく終了したことを報告したあと、「当協会会員は、現在、正会員・賛助会員合わせて61社となり、昨年同時期に比べ4社増となった。昨年この場で会員数60社の目標を発表させていただいたが、関係者の皆様のお陰をもって60社を超えることができた。感謝申し上げる次第である。さらに会員数の増加に向けてさらに努力していく所存である。2017年は欧州で重要な国政選挙が相次ぎ、オランダ、フランスと続き、秋にはドイツ連邦議会選挙が行われる。3月には英国は正式にEU離脱を通知した。欧州だけでなくアジア情勢も緊張が続いている。こうした中、世界経済や金融市場を冷静に判断し、適切な舵取りをすることが、貿易に携わる当協会の社運を左右するといっても過言ではない。2017年は緊張の年。この緊張の年に備えたい」と述べた。

 続いて新会員の紹介が行われた。

あいさつする片岡 経産省産業機械課長
あいさつする片岡 経産省産業機械課長
 来賓を代表して、片岡隆一 経済産業省製造産業局産業機械課長が、「日本経済、世界経済は明るくなってきたと感じている。特に工作機械の設備投資関係については、日工会の統計を拝見しても秋あたりから良くなってきている感じがしている。アメリカの経済も動きつつある。中国は政策をしっかりやっていかなければ政権の維持が難しいので政策効果への期待がある。ヨーロッパも一時の悪さからは良くなってきたと、まだら模様ではあるが皆様の関連業界からは聞こえてくるようになった。こうした中で日本の経済、産業としても発展を遂げたいという思いである」とあいさつをした。

 乾杯の発声は、アントネッラ・マルッチ イタリア大使館 貿易促進部副代表が行った。

すべてを一つのラインへ ~STUDERの最新「Flow Assembly」(フローアセンブリ)~

 Fritz Studer AGは、2015年10月にThun(トゥーン)拠点で新しいFlow Assemblyによる操業を開始した。これはSTUDERが全社一丸で計画的に取り組む開発と改善によるもので、2008年より企業理念として効率改善プログラム「PuLs」を制定し、全ての分野に対して活動している。この活動では最適な作業ツールにまでこだわり、企業が係わるすべてのプロセスと業務のさらなる向上を目指している。

 「Flow Assembly」は、同社の全製品ラインナップに利用できるよう考案され、機械はラインの最終ステーションを通過したあと、既に出荷準備が整っている状態にある。特殊な定寸装置や顧客のチャックシステムなども、ライン上で設計通りに組付けられる。レーザー測定とテスト研削もこの一連のフローの中にある。「全てが一つのラインで流れるように組み立てられる最新方式を当社は採用する」と同社取締役のGerd könig氏。

 この「Flow Assembly」は16のステーションに分割され、U字型に並んでいる。Uの片側のストレート部では、通常のレールシステムを使用している。もう一方のストレート部では、大型精密工作機械のガイドと同様の構造をもつ長さ40mのコンベアシステムを採用し、レーザー測定や稼働中の機械のテスト研削を行う。このラインは4時間の作業を2回行うシングルシフト用に設計され、22.9mm/min(5.5m/4h)の速度で進む。それぞれの研削盤で異なる作業内容にはステーションの密度を調整することで対応している。

 16のステーションを4部門に分け、1部門には最高4名の従業員を配属し、超複合的な機械の組立を行う。このライン用に新たなマネージメント構造を制定し、この分類を実施している。1つの部門を管理するマネージャーの主要課題は、支障のないステーションの作動を保証することであり、マネージャーは作業現場で直接業務を行うため、部門内従業員とより密接なコミュニケーションが確立でき、故障が生じた場合も最小限に食い止めることができる。必要となる組立部品は倉庫から直接、また時にはkanban(かんばん)により供給され、次の作業サイクルで必要となる工具を含めたすべての部品が4時間毎に供給される。さらなる新たな特長は完全なサブアッシー組立が、ライン隣の作業場で行われることで、最適なタイミングでラインへ配送できる。完成した研削盤はその後、直接エンドユーザーまたは社内のユーザーへ発想される。

 同社の優位性は、高いプロセス安定性に生み出される最新の加工コンセプト。könig氏は、「プロセスが詳細にわたって明確であるため、われわれもさらに効果的な行動ができる。そのため当社は効率向上と生産時間の短縮を実現できる」と明言している。

 フローラインによる機械生産台数は理論畳で1日2台、受注生産である。変動の大きな研削盤市場においても、同社では最新の生産コンセプトにより、フレキシブルに納期厳守で市場の要求に対応するとしている。また、高度に融通性のあるコンセプトのため、生産台数を増加させることも可能としている。

セコ・ツールズが新しいグローバルウェブサイトを開始

 セコ・ツールズは、このほど、金属切削ソリューションのガイドとなる新しいグローバルウェブサイト www.secotools.com を立ち上げた。このウェブサイトでは充実した製品情報や技術情報、業界最高峰のリソース、サポートをまとめて案内し、ユーザーが生産性を高めて複雑な金属加工プロセスに対応できるよう支援するものである。

 「セコ・ツールズは、今日における競合の激しい市場でメーカの皆様が必要としているのは、複雑な金属加工の課題を迅速に解決する信頼性の高いソリューションであると考えています。新しい secotools.comでは、生産性を高めるために必要な製品やサポートをお客様が容易に見つけることができます」とセコ・ツールズグループの CEO、Lars Bergström 氏は述べている。

 このサイトは、サイト内の効率的な検索エンジンとナビゲーション機能を使用することで、ユーザーは必要なものを、どのデバイスからでも 24時間、すばやく簡単に見つけられる。高度な検索機能により、それぞれのニーズに最適な工具や加工方法を特定して迅速にソリューションを得ることが可能。

 新機能の 1 つに Suggest (工具提案)機能がある。これは、高性能なオンライン製品選択ツールで、部品メーカの顧客それぞれに固有の加工要件に最適な金属切削ソリューションを案内する。入力された情報に基づき、推奨される最適な工具を迅速に見つけ出して提案する。

 新しいセコオンラインストアでは、ご注文をすばやく、スムーズかつ簡単に行うことができる。製品、価格、割引、在庫状況をリアルタイムで確認できるため、ユーザーの生産性が向上する。注文の状況、発送と注文履歴も容易に確認できる。( 日本でこのサービスは利用できない)。

 他にも、ニュースとイベントのセクションでは、最新のニュース、記事、イベントにアクセスでき、ダウンロードセンタでは業界最高の金属切削情報・リソースへ容易にアクセスできる。

 このサイトでは柔軟に適応する画面デザインを採用しており、デスクトップコンピュータ、ノート PC、スマートフォン、タブレットなど様々なデバイスでアクセスしても最適な画面表示で見ることができる。

▼新しいセコ・ツールズウェブサイトはこちら▼
http://www.secotools.com

「AMADA INNOVATION FAIR 2017」が開催! ~IoT技術を駆使した「V-factory」の全貌もお披露目~

アマダホールディングス 磯部社長
アマダホールディングス 磯部社長
 アマダホールディングス(社長=磯部 任氏)は、5月19日(金)から6月24日(土)までの金・土曜日の12日間、神奈川県伊勢原市内の本社アマダ・ソリューションセンターにてグループ各社と共同し、『V-factory 2017 “つながるモノづくりによる利益の想像”』をテーマに「AMADA INNOVATION FAIR 2017(AIF2017)」を開催、IoT技術を駆使した「V-factory」の全貌も披露する。

 同社では、IoT技術でアマダ商品をつなげることにより、顧客の製造現場に付加価値を提供する新しいサポートサービス「V-factory」の展開を予定しているが、本年10月からのモニターを得て、2018年1月よりサービス開始を計画している。

 今回、アマダグループでは、これまで「AMADA INNOVATION FAIR 2017」をきっかけとして、「間違いのないモノづくり」「段取りを減らすデジタルなモノづくり」を提唱してきたが、IoT分野でも業界に先駆け90年代より製造現場のデジタル化、ネットワーク化に早期から取り組んでいる。

AIF2017では“間違えのない”&“生産を止めない”取り組みが見学できる。
AIF2017では“間違えのない”&“生産を止めない”取り組みが見学できる。
 同社が推奨する「V-factory」は、IoT技術によって、同社が提供するマシン・金型・ソフトウェアが「V-factory Connecting Box」を通じ、必要な情報だけを安全なセキュリティー環境下で同社に収集・集積することが可能になる。さらに、新たに開設する顧客との窓口となる「IoTサポートセンター」を通じて、生産を止めない対応を基本サポートとし、オプションサポートとして、顧客の有事に備えたバックアップサポートからビッグデータの活用による生産効率の向上を実現する提案までの付加価値を提供する。

 5月18日に開催されたプレスプレビューで、アマダホールディングスの磯部社長は、「今回のフェアでは、自信をもって皆様をお迎えすることができた。今回は、つながるモノづくりによるお客様利益の創造をコンセプトにV-factoryの集大成をお見せしていくことになる。通信は富士通と提携・協業して準備に入っている。AIの部分、各種センサー部等は、一社のみならず、様々な企業と提携・協業を図っていかなければならないと考えている」との考えを示した。

アマダ 柴田社長
アマダ 柴田社長
 4月1日付けで就任した柴田耕太郎アマダ社長は、「アマダの企業理念にお客様の発展と共に、とある。お客様ファーストを実行していきたい。アマダという会社はアマダグループ75%の実績を上げていかなければなりません。これはホールディングスとの連携によって実現するが、V-factoryの訴求、北米を中心とした海外市場の拡大に向けて活動してきたい」と方針を述べた。


これが「V-factory」だ!

 同社では、「モノづくりにおけるIoT化の集大成としてV-factoryが実現することで、より一層モノづくりの価値を高めることが可能になり、アマダが従来提供していたスマートファクトリーから大きな変化を果たした。」とコメントしているが、この「V-factory」がもたらす3つの付加価値に注目したい。

(1)生産を止めないサポート
 顧客が計画通りの生産を実行するためには、マシン本体、周辺装置、金型など、これらの正常な運転が必須。「V-factory」では、予期せずにマシンが止まることがないよう、また、金型や部品のスペアが不足することがないようにリアルタイムでコンディションを監視し、事前での保守をサポートする。

(2)顧客の有事に備えたバックアップ
 製造現場ではデータの保管管理に最大限の配慮が必要だが、これらモノを製造するためのデータやプログラムに加え、それを構築するための基となるパーツの展開図や図面を厳重なセキュリティー環境下でバックアップし保管する。

(3)生産効率の向上サポート
 モノづくりの全体をサポートする同社では、顧客が計画に見合った生産を実行することを現場でナビゲートしていくために、ソフトウエアを中心としたアプリケーションの分野からもサポートを行う。アプリケーションを併用していくことで、計画に対してズレが出た時の原因の究明や特定を行い、テキスト情報でアウトプットするなど、常に予定と実績を対比し設備を最大限に活用する。また、製造時の稼動状態をアマダでモニタリング・分析することにより、コスト削減だけでなく、高品質なモノづくりを可能にする加工方法と工程など、さらなる生産性向上に向けた運用を提案する。

 V-factoryは、①IoTサポートセンター、②V-factory Connecting Box、③ビックデータの活用、④ユーザーへのリアルタイムなソリューション提供――の4つで構成されている。

①IoTサポートセンター
 「V-factory」全般における顧客との窓口となる「IoTサポートセンター」を開設する。アマダ製品に関する知識と経験を兼ね備えた同センターのスタッフが的確なサポートを行う。

②V-factory Connecting Box
顧客とアマダをIoTでつなぐ、高度な安心を実現した専用の通信機器。OPC-UA、MT Connectの汎用オープンインターフェイスも備えている。富士通とのパートナーシップにより実現する。

③ビッグデータの活用
 「V-factory Connecting Box」を通じて蓄積されたデータを、常に利用可能な状態で整理・保管し、顧客に情報を提供するために分析、解析を行う仕組みを構築する。

④ユーザーへのリアルタイムなソリューション提供
 「IoTサポートセンター」が顧客に対してサポートしていくツールとして、直接マシンに接続してその原因を究明するリモートサポートのほか、最新のIoTツールを導入する。

 “リモートサポート”とは、マシンに思わぬトラブルが発生したときに、リモート接続による遠隔診断や遠隔復旧を行う仕組み。マシンに直接リモート接続詞、トラブル状況を診断し、好感が必要な部品の特定と手配、さらにはサービススタッフの手配を迅速に行います。また、緊急対応として応急的に処置してマシンを動かすことなどが可能である。

 顧客が診て活用できる情報として提供するためのwebを活用したツール“My V-factory”も顧客の生産を止めないための保守、マシンの運用改善などを参照することができる仕組みとなっており便利である。金型や部品の見積や発注、それらの履歴管理もサポートする。今後、重要な情報は全てこの“My V-factory”を通じて情報を提供していく。
 
 顧客の手元のスマートフォン等の携帯端末で、マシンの状況をリアルタイムに把握することができるサービス“V-factory App”もそれぞれのマシンの稼働時間やメンテナンスの必要性の有無など、マシンの状態や生産性の進捗を遠隔地にいても知ることができるので、ありがたい仕組みだ。

今回のAIFは、アマダのIoT「V-factory」が体験可能!

 

 アマダの「V-factory」は、2015年に“工場全体の管理機能としての見える化”、2016年には「最適スケジューリング、加工技術、予防保全”をテーマにしてきたが、2017年はこれまでの「V-factory」の集大成が見学できる。IoT技術によって、マシンに搭載された様々なセンサーからマシンの稼働状況を監視できる商品へ進化させ、新たなサポート体制で付加価値を提供するという仕組みを展開していた。同社では、本年3月にドイツで開催された世界的IoT展示会である「CeBIT」に初めて出展し、金属か鋼機械とIT技術の融合による“状態や状況が見える工場”を訴求してきており、大成功を収めた。今回のAIF2017では、その進化版を披露してくれる。なお、この秋開催のアジア最大級のIoTイベントであるCEATEC JAPANにも出展するとのことだ。

 AIF2017では「V-factory」を中心に4つのゾーンで様々なソリューションを提案している。

(1)V-factoryゾーン
 アマダのIoTを支える5つのコンテンツを「いつでも・どこでも見える」仮想工場と、大型スクリーンやモバイル端末などを使って具体的に紹介する。
 ①Monitoring
 コンディションを監視可能なマシン・金型・部品
 ②Manufacturing Design
 被加工材に対して加工方法と工程・マシンを設定するソフトウェア
 ③Factory Control
 加工方法と工程情報から生産計画通りの生産を促すソフト・ハードウエア
 ④IoT Servicing
 IoT技術によるマシン・金型・部品の状態監視による予防保全・予知保全のサポート
 ⑤IoT Consulting
 稼動情報、生産情報の解析によるコンサルティング

(2)自動化ゾーン
 変種変量生産への対応、省力化・長時間運転など、顧客の多様化したニーズに応える自動化ソリューションを、具体的な運用の違いとその効果を提案する。

(3)溶接ゾーン
 汎用溶接からレーザ溶接、精密微細溶接、自動化システムまでの溶接ソリューションを一堂に会し、新しい価値である「溶接加工領域の拡大」を提案する。

(4)加工技術ゾーン
 顧客の課題解決の糸口となる製品視点での加工技術を、業種別・工程別に導入前・後の比較をデータに基づき提案する。

■新製品■
1.省エネ・変種変量・ワイドレンジ・ファイバーレーザーマシン
「ENSIS-3015AJ(3kW)+ASFH」

2.2次元レーザーマシン
「LC-1212αVNT」

3.全自動リブ・長物曲げシステム
「HG-2204Arm」

4.究極の多品種少量対応ベンディングマシン
「HG-2204ATC」

5.ファイバーレーザー溶接システム
「FLW-3000ENSIS」

6.ツインヘッドインバータースポット溶接機
「ID-40IVTHNT」

7.フロントオープンレーザ
「LC-6030θⅢ(6kW)+AS-61020PC」

8.デジタル電動サーボプレスSDEシリーズGORIKI
「SDE-2017+LFD-300V」