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【動画あり】サンドビックが3Dプリンタで壊れないギターを製作し、ロック界のレジェンド、イングヴェイ・マルムスティーン氏がその破壊に挑戦!

 ギターの破壊パフォーマンスといえばロックスター。サンドビックは、自社の最先端の技術を試すべく、世界初となるオールメタル製の壊れないギターを製作し、マルムスティーン氏にその破壊スキルを思う存分ぶつけてもらったと発表した。 この破壊の検証に白羽の矢が立ったのは、なんとスウェーデン生まれのカリスマ・ギタリストであるイングヴェイ・マルムスティーン氏。「ギター破壊に情熱を燃やすミュージシャンはいないだろう。」とサンドビックのスポークスマン。 動画では、マイアミ郊外のロッククラブで、エキサイトしたファンの群れを前にギターを演奏するマルムスティーン氏の様子紹介される。その後、お決まりの破壊パフォーマンスを試みるが・・・。https://youtu.be/k1hxZyD9VGI (日本語の字幕設定が可能) サンドビックによると、今回、精密かつ持続可能な自社の最先端技術の高さを実証するために、壊れないギターの製作を企てた――という。 「私たちは消費者向けの製品を作っていないので、当社のメソッドが世界の最先端にあることに、一般の人々が気づくことはありません。」と、サンドビック・マシニングソリューションクラス・フォーストロム社長は言う。「マルムスティーン氏のような要求の厳しいミュージシャンのために、破壊に耐えるギターを作ることで、あらゆる複雑な加工課題に対処できる当社の能力をはっきりと示せるのです。」と自信たっぷり。 ネオクラシカルヘビーメタルの第一人者マルムスティーン氏は、タイム誌によって、世界で最も偉大なエレキギタープレーヤー10人の1人に挙げられたミュージシャン。カリスマ的なギタープレイと激高した感情をギターにぶつける破壊パフォーマンスで知られている。これまでに30枚のアルバムをリリースし、30年にわたってステージでギターを破壊してきたという驚きのミュージシャンだ。 「こいつは野獣のようなギターだ! サンドビックは明らかに時代の最前線にいる。熱心に取り組み、働いただけの成果を上げる。その姿勢には共感できるね。」と、マルムスティーン氏はその強度に驚きの声をあげる。 「この結果は驚くべきものだ。持てる力も技量もすべて出し切ったけれど、このギターを壊すことはできなかった。」 今回、このギターを製作したエンジニアは、著名なギター設計者のアンディ・ホルト氏(Drewman Guitars社)と協力して、マルムスティーン氏の厳格な音楽的基準と電光石火のような速弾きスタイルにマッチするギター製作に取り組んだという。 「私たちは上から下まですべてを新たに開発しなくてはなりませんでした。このギターには、これまでに作ったことのある部品は1つもありません。まさに芸術品です。」と、ホルト氏。 ギターの弱点は、ネックとボディの接合部。サンドビックは、ネックとボディのメインのハブ部分を1つの部品としてフライス加工することにより、この問題を解決した。 このギター製作は、サンドビックのいくつかの異なる部門が共同で取り組んだ大がかりなプロジェクトである。3Dプリンタでのギターボディ製造には、同社が誇る、金属粉末およびアディティブマニュファクチャリングにおける専門知識を活用した。これは、チタン合金の微粒子粉末床に、設計図通りにレーザを走査して粉末素材を溶融結合させ、順次積層する方法で、人間の毛髪よりも薄い層を重ねることにより、ギターボディを形づくる仕組みである。これにより、極めて複雑な設計の部品の小ロット生産が可能になった。 サンドビックのアディティブマニュファクチャリングエンジニア、アメリー・ノルビー氏は、「より軽量かつ高強度で柔軟性も高く、従来のフライス加工では不可能だった複雑な内部構造を持つ部品を作ることができるようになった。また、部品に必要な分だけしか材料を使わず、廃棄物が最小限に抑えられるため、より持続可能な製造方法ともいえます」。 ギターのネックと指板は、サンドビック・コロマントによって1台の機械でリサイクルステンレス鋼のブロック材から加工された。 「精度が極めて重要でした。」と、サンドビック・コロマントの加工プロセス開発担当者、ヘンリク・ロイカネン氏。「長年の経験を基に構築された当社のソフトウェアによって、最適な工具と推奨加工条件が提示されるので、フライス加工で、厚さ1ミリという難しいサイズの指板を作ることが可能になった。」 次の課題は、ギターボディに差し込む指板とネックの強度を高めることだった。このソリューションでは、ギターのネックと指板の間に超軽量の新しい格子構造を挟む形が採用された。サンドビックが最近開発したハイパー二相鋼による、この格子構造は、所定の重量において最も強度が高いものだ。 「共同の取り組みでより複雑な問題も解決する、このようなコラボレーションが、未来につながる重要な鍵なのです。」と、サンドビックの製品開発スペシャリスト、トマス・フォシュマン氏はコメントしている。▼世界初の壊れないギターの製作過程を紹介する動画はこちら▼https://youtu.be/4TKXvyYxoVw

コマツがバッテリーフォークリフト「FE15/FE18-1」を新発売

 コマツ(社長:小川啓之氏)は、このほど、新型バッテリーフォークリフト「FE15-1」、「FE18-1」を発売した。

 同社による小型クラスはバッテリー式フォークリフト「FEシリーズ」、中型クラスは油圧駆動式トランスミッションを採用したディーゼルエンジン式フォークリフト「FHシリーズ」を中心に商品展開を進めている。新発売の2機種は、FEシリーズの特長である同社独自の急速補充電システムにより稼働時間の延長が可能であるほか、イージーメンテナンスバッテリ―により、面倒なバッテリー補水作業や充電時のバッテリーフード開閉作業は一切不要だ。

 バッテリー式の特長である「環境性能」「経済性」と、エンジン式の特長である「長時間にも対応できるフレキシブルな稼働」「手間いらず」を両立し、バッテリー式フォークリフトの稼働現場を一気に拡大する。

 なお、東京・関越・中部・近畿四国カンパニーおよび浜松小松フォークリフト・福岡小松フォークリフト圏内にて先行販売。上記以外の地域は2019年下期に販売開始予定。

【レポート】「牧野精機の機械を入れて良かったと言われたい!」~牧野フライス精機が新本社工場を完成! 生産能力が36%アップ!~

 工具研削盤メーカーとして国内市場トップシェアを誇る牧野フライス精機(社長=清水大介氏)が、このほど新本社工場を完成した。同社は10年前からアジアを中心とした海外市場にも積極的に進出しており、国内外の旺盛な需要を取り込んでいるため、生産能力の限界が近いことに加え、今後の事業拡大を考慮して2015年より旧本社工場を解体しながら三期に分けて工事を進めてきた。総工費は25億円。これにより、生産能力は、旧工場対比で36%増となった。

幅広いラインナップと優位性

説明する清水社長
説明する清水社長
 同社の国内における営業拠点は、本社工場のある厚木(神奈川県)、太田(群馬県)、名古屋(愛知県)、大阪(大阪府)の4カ所。現在アジア地域にも積極的に進出をしており、近年は売上げの30%~40%が海外向けとなっている。中国に3カ所のほか、タイ、インドネシア、インドに工具研削盤のデモマシンを設置しており、機械見学やテスト加工を現地で行うことができる。また、各国に日本から営業を含め、加工技術やサービスが駐在しているので、海外でも日本国内と同様の迅速な対応が可能であるところが大きな魅力だ。

 同社が製造している工具研削盤は、ドリルやエンドミル等の切削工具を製造及び再研削するための工作機械だ。航空機からスマートフォンまで世の中にある大半の製品、直接的、間接的にこの切削工具を用いた切削加工を経て生み出されている。切削工具はものをつくるための道具でもあることから、世の中にとっては必要不可欠なものであり、清水社長は、「弊社が製造している工具研削盤も必要不可欠、非常に重要な工作機械だと言えます。」と述べている。

 同社の工具研削盤の歴史だが、万能工具研削盤「C-40」から始まる。清水社長はこの研削盤について、「1962年に牧野フライス製作所で開発され、1968年に当社に移管されたものであり、歴史的価値のある工作機械ロングライフ・ベストセラー賞を頂いています。」と説明をしており、50年以上たった今でも、同社ではこの機械を作り続けている。すでに世界で1万3,000台以上を販売しているというから、まさにロングセラー中のロングセラーだろう。

 同社のNC化、数値制御化は1982年のこと。日本で初めて、ワンチャック全加工が可能なNC工具研削盤「CNX40」を開発した。これからも同社かなり早い段階でNC化に成功したことが分かる。

開放的で広々とした社内
開放的で広々とした社内
 現在、同社における製品ラインナップだが、工具の外刃から外周までの全行程を行うワンチャック全加工機と言われるものから、工程を限定させた工具研削盤、太径工具対応から0.05φの極小径工具対応の工具研削盤など多様な種類を持つ。現時点で先進国における工具研削盤メーカーでは、同社ほど幅広い製品ラインナップを揃えているところはないと聞いた。

 切削工具は通常、ブランク研削、もしくは段研と言われる円筒素材の大まかな形状出しを行って、工具研削で歯を付け、最後に測定をするが、この工具研削の前後工程に同社は2017年から進出をしている。この前後工程までカバーしている企業・メーカーについて清水社長は、「現時点で、世界では当社のみとなっています。」と優位性をアピールした。

これが新工場だ! 特長はダントツの生産能力!

価格競争に巻き込まれない! ダントツの生産力を目指す工場内。
価格競争に巻き込まれない! ダントツの生産力を目指す工場内。
 清水社長は、新工場建設に至った経緯について、「弊社はどんな会社になっていきたいのか。私はお客様から『牧野精機の機械を入れてほんとによかったよ。』と10年後も20年後も言ってもらえるような会社にしていきたいと考えています。そのためにわが社は継続して存続し、かつ発展をしていかなければなりません。そのためにはダントツの生産力と価格競争回避が必要と考えています。」と述べた。

 なぜ生産力が断トツでないと駄目なのか――の理由に、「当社のライバルメーカーは、主にドイツ、スイス、オーストラリアになり、その生産拠点は東欧、中国、台湾、タイ等、人件費の安い所に所在をしています。当社がここ日本で今後も製造していこうと考えたときに、人件費の差を跳ね返すためには、生産力がダントツでなければなりません。ダントツの生産力を達成するためには、旧工場では限界があるということを2012年終わりに判断をして、一気に工場建設に動き始めました。」と説明した。

 新本社工場は、3つの棟をつなぎ合わせた形で構成されている。それぞれサイト1~3まであり、サイト1は1階、中2階、2階、3階、サイト2とサイト3は1階、中2階、2階という構造だ。

 新工場1階は生産スペース機械の組み立てが重量に関係なくできるようになっているうえ、サイト2の2階が丸ごとユニット組み立てエリアとして使用できる。生産スペースの従来比較では、重量級工具研削盤をどこでも作れるようになったことを挙げた。機械の大きさは機種によって違うが、旧工場においては19台設置が可能だったことに対して、新工場ではマックスで30台の機械が設置可能だ。サイト2の2階が丸々ユニット組み立てエリアとして使用することができるので、生産スペースは旧工場と比べるとかなり広がった。

 物の整流化については、サイト3をパーツ供給センターに機能特化させることで、整流化を実現した。基本的には、ここで物を受け入れ、サイト1のプロダクションエリアやサイト2の機械組み立てエリアに物を流す。サイト3で物をストックしておいて、サイト2のユニット組み立てエリアのほうに物を流す―――ということで整流化を実現する。

社員が働きやすい環境へ

社員の健康を考慮し、ジムを完備している。設備も最新のトレーニングマシンがズラリ!
社員の健康を考慮し、ジムを完備している。設備も最新のトレーニングマシンがズラリ!
 清水社長は、「この生産スペースの拡張や物の整流化、この2つだけでも生産能力はかなり上げられると思っています。生産能力は旧工場対比で36%増できるという計算ですが、ただ、これで満足するのではなく、50%増・・・最終的には75%増の生産能力を達成したい。そのために当社は、人員増強と同時に、組立ての自動化、搬送の自動化、検査の自動化などにも積極的に投資をしていきたいと考えています。」と考えを述べた。

 また、価格競争回避についても触れ、「新工場ができてスペースが広がりますので、サイト1の1階部にソリューションセンターを設けます。このセンターでは機械を常設して、テスト加工や加工ノウハウの蓄積、研究開発等を行う計画です。現在機械メーカーは、機械だけ売っていれば良い、という時代はとうに過ぎています。加工ノウハウ等までを提供していかなければ簡単に価格競争に巻き込まれてしまう。今後はIoTを念頭に置いた研究等も実験を通して行う必要があり、ようやくこのソリューションセンターが完成したことでその準備が整いました。」と意気込みを示した。

 最後に清水社長は、「新本社工場建設にあたり、思いがありました。それは、社員が誇りを持てる職場環境づくりを目指すということです。従来、中小製造業と言えば、どうしても老朽化した薄暗い工場というイメージがつきまとっていました。私はそうしたイメージを払拭して、社員が清潔で働きやすく、家族を連れて来たくなるような職場環境を目指したかった。様々な意見はあろうと思いますが、私は優れた製品というのは、良い職場環境から生まれると信じております。けっして華美ではなく、社員が気持ちよく働けるようなデザインを心掛けて工場を建設して参りました。」と新工場建設において率直な気持ちを話し、しめくくった。

【社長訓示】「“自己”、“当処”、“即今”の心がけが大事」DMG森精機 社長 森 雅彦

 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。厳しい就職戦線の中で当社を選んでくれたこと、また無事に学校を卒業されて入社されたことを心より嬉しく思います。

 当社は、昨年創立70周年を迎えました。70周年というのは大変歴史があるように感じますが、会社としては100年を極めることも重要です。これから30年、悠々とお客様から可愛がっていただいて、働く人に活気があって、技術で飛び出ている―という会社でやっていくためには、みなさんと一緒に相当に努力しないといけないと思っています。

 今年はDMG MORIグループとなって10年目です。グループ全体で約13,000名、そのうちの3分の1が過去10年に入社しています。国籍や文化、言語から来る意識の違いを統一していくことが新入社員に強く求められています。昨年、売上収益が5,000億円を超えました。これから皆さんとともにさらに成長していくこととなります。

 いま世の中は非常に混とんとしていますが、確実に言えることもあります。本日納入された機械は10年後も動いています。つまり未来のことで決まっていることも多いです。決まっていることは何か、変えられないこと、変えられることは何か。自分の意志を持って、できるだけ正しい情報と深い知識をもとに自分の将来をしっかりと築いていくことが重要になります。

 工作機械はいかに丁寧に作って、丁寧に納めて、丁寧にサービスしていくかという仕事になります。派手さには欠けますが、一生をかけるのに悔いのない仕事です。一番大事なことは、いかにお客様と良い関係を長く続けるかということです。照れずにかまさず、威張らず、正直に淡々とやっていきましょう。また、禅で「自己」「当処」「即今」という言葉があります。まず自分でやろう、目につくところからすぐにやろうという心がけが大事です。

 1日12時間を勤務の上限とし、次の出社まで12時間は休むインターバル制を取っていますので、メリハリをつけて最大のパフォーマンスを発揮してください。よく遊んで、よく学んで、よく働いて、充実した人生を送ってください。

【社長訓示】「安全・健康第一に、グローバルに活躍しよう!」 コマツ 社長 小川啓之

 入社おめでとう。今日から、私たちの仲間になったことを心から歓迎したい。

 皆さん一人ひとりには、何よりも安全・健康第一で、コンプライアンスを徹底し、社会人人生を歩んで行ってもらいたい。

 コマツグループは、その市場や共に働く仲間もグローバルに展開している。皆さんにも多様な文化を受け入れ、人脈を作り、専門技術力や独創力を培いながら、グローバルな人材能力を磨いてもらいたい。そしていろいろな機会に積極的にチャレンジすることで、さまざまな知識を身につけ、行動の範囲を広げていって欲しい。

 また、これからどんな仕事についても、わからないことは恥ずかしがらずにどんどん人に聞き、いろいろな場に積極的に飛び込み、現場・現物・現実に基づいて問題点をしっかりと見つめ、自律的・継続的に改善・改革する現場力を身につけて欲しい。そして、言葉にしたことは必ず実行するという強い意志を持ちながら、自分自身の夢の実現に向けて強みを磨いてもらいたい。

イスカルジャパンが「2019年イスカルジャパン責任者懇談会」を開催

 イスカルジャパン(社長=岡田一成氏)が3月15日、同社神戸テクニカルセンター(神戸市中央区)にて全国の販売上位特約店を対象に、「2019年イスカルジャパン責任者懇談会」を開催した。

 昨年10月に発表した最新LOGIQ工具シリーズが大きな反響を呼んだ同社では、開催の狙いについて、「新製品の積極的な市場投入・認知性の向上のため、より多くの顧客において紹介させて頂く機会を設けた。」とコメントしており、セミナーでは、商品のみだけでなく、新製品開発の背景及び理念の説明・企業概念、新体制での営業方針の発表を行った。

 今回は特に、イスカル社の加工ソリューションや成功事例等の有価な情報の提供ツールを、厳選された参加特約店トップに紹介し、セミナー後はテクニカルセンターにて実際に最新LOGIQ工具シリーズを用いたデモ加工を行った。

 セミナー後は、ホテルオークラ神戸へ場所を移して懇親会を開催し、参加者は和やかな雰囲気の中、情報交換や交流を楽しんだ。

 同社では、「日頃より弊社商品の拡販にご尽力頂いている流通の皆さまに、より深く弊社について御理解頂ける時間を過ごして頂いた。」としている。

オークマが中国の販売・サービス体制強化! 「済南テクニカルセンタ ー」を開設

 オークマ(社長=花木義麿氏)が3月21日、中華人民共和国の東部山東省済南市に建設した「済南テクニカルセンター」の開所式を行った。

 同テクニカルセンターは、上海、広州に続いて中国で3箇所目のテクニカルセンター。済南市の高速鉄道駅(済南西駅)から22km、済南遥墻国際空港から38kmの距離にある済南ハイテク産業開発区に位置する。山東省のビジネス、研究開発の中枢となるこの地区は最先端のハイテク産業が数多く進出し、活気ある国際企業都市に急成長している。

 済南テクニカルセンターの活用で、山東省を中心とするその北部(河北省・天津・北京)及び、内陸部(河南省)において、顧客への技術提案・サポート、またアフターサービスを強化して受注・売上げの拡大を図り、中国全体で年間400億円の受注獲得を目指す。

 済南テクニカルセンターを開設した背景について同社では、 「2019年の中国の国内総生産(GDP)成長率目標は6~6.5%。米国との貿易摩擦により中国のみならず、世界経済を取り巻く環境は厳しい状況にある。中国政府は2019年の景気拡大策として、製造業に対する増値税の引き下げ、インフラ投資の拡大など積極的な経済政策を進める方針を示している。中国では製造業の高度化の動きが年々高まっており、5軸制御マシニングセンタや複合加工機等の高付加価値工作機械の需要が伸びている。また、労働力不足が深刻化している中、ロボットシステム等を活用した自動化・省人化分野の需要拡大が期待される。」としている。

 今回の開設で、①最新鋭の高付加価値工作機械による現地でのテストカット対応、加工サポートの強化、②機械操作指導の充実、③サービスパーツ在庫の充実によるアフターサービスの迅速化、④地域に密着した営業活動の展開―――を掲げており、中国での営業活動、技術提案、技術サポート、アフターサービスの一層の強化を進める方針。

■概要

名  称:大隈機械(上海)有限公司済南テクニカルセンター
所 在 地:山東省済南市天橋区梓东大道8号中徳産業園35号
代 表 者:名旭泰博
建物面積:1,646m2(ショールーム面積479m2)
展 示 機:最新CNC工作機械5台
・5 軸制御立形マシニングセンタMU-4000V-L
・立形マシニングセンタGENOS M560-V
・1サドルCNC旋盤GENOS L3000
・1サドルCNC旋盤LBR-370
・横形マシニングセンタMBR-5000H
社 屋 内:1階=ショールーム、修理工場、測定室 2階=事務所、会議室、セミナー室
従業員数:12名(営業4名、技術2名、サービス5名、業務1名)
投 資 額:約3億円
設立年月:2019年3月

タンガロイがマシニングセンタ用ねじ切り工具 「SolidThread」(ソリッド・スレッド)を拡充

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、マシニングセンタ用ねじ切り工具「SolidThread」(ソリッド・スレッド)を拡充し、このほど発売を開始した。

 今回は、航空機産業向けねじ切り工具(MTECSシリーズ:UNJ内径ねじ、MJ内径ねじ)、低抵抗な1山仕様ねじ切り工具(MTECIシリーズ:60°普通刃、ISOメートル内径ねじ)の拡充を行う。特に需要が高くなっている航空機産業向けにラインナップ拡大を行い、広い範囲のピッチ(山数)の適応が可能となった。また1山仕様のねじ切り工具は、切削抵抗を軽減でき切削中のびびり振動を生じやすい加工や、M1X0.25等の小径ねじ加工時の信頼性向上を実現する。

 今回、22形番の拡充により、SolidThread全体で合計293形番のシリーズ設定となり、顧客の使用目的にあった最適工具を選定できるようになった。

 なお、UNJねじおよびMJねじをマシニングセンタで加工する際のNCプログラム作成は、同社のホームページ上で無料公開しているソフト「ThreadMilling Advisor」で作成可能となっている。

↓ThreadMilling Advisor↓
http://www.imc-companies.com/mtt/

 主な特長は以下の通り。

●航空機産業向けねじ切り工具の拡充により加工可能な対応ピッチ(山数)を拡大
MTECSシリーズ(短刃長仕様)
 UNJ内径ねじ :山数32-13
 MJ内径ねじ :ピッチ0.7-2mm

●1山仕様MTECIシリーズの拡充により、加工環境に応じた工具選択の幅を拡大
MTECIシリーズ
 60°普通刃内径ねじ :ピッチ0.35-3.0mm/山数72-8
 外径ねじ :ピッチ0.35-2.5mm/山数72-10
 ISOメートル内径ねじ :ピッチ0.25-0.5mm

主な形番と標準価格
●MTECSシリーズ
 UNJ内径ねじ MTECS06033C1032UNJ AH725 29,000円
 MJ内径ねじ MTECS06032C100.7MJ AH725 29,000円
●MTECIシリーズ
 60°普通刃 MTECI03019C5A60 AH710 31,800円
 ISOメートル内径ねじ MTECI03007C30.25ISO AH710 38,400円
 (いずれも税抜価格)
 設定アイテム:22形番

「Grinding Technology Japan 2019」が盛況裏に終了

 日本初の本格的な研削加工の専門見本市「Grinding Technology Japan 2019」(主催:日本工業出版/フジサンケイビジネスアイ)(特別協賛:切削フォーラム21、特別協力:砥粒加工学会)が、3月20日(水)に盛況裏に終了した。 この展示会は“課題解決型展示会”とも呼ばれ、技能が求められ、課題を抱える研削従事者のための展示会。無料の技術相談会である「研削コンシェルジュ」は、事前にネットの予約が殺到し、当日受付分もほぼ埋まってしまうほど盛況となった。 会場には国内外を代表する研削盤メーカー、工具研削盤メーカー、砥石メーカー、各種周辺機器メーカーが一堂に会し、展示会期間中は天候にも恵まれ、来場者は合計4,988名を数えた。 出展者からは、「来場者が研削の専門家ばかりで話が早く、密度の濃いディスカッションができた」等の意見が寄せられた。 また、今回の併催行事として、手作業でミクロン単位の加工精度をつくり出した技能五輪出場者による「精密組立」(平面検索、やすり掛けによる手仕上げ、組み立て)、さらには切削フォーラム21の主催による、汎用工具研削盤を使用した各種加工(底刃、外周、溝)の技術指導を公開した「工具研削体験会」には、連日立ち見の見学者が押し寄せ、手仕上げによる加工への感心の高さを示した。 また、砥粒学会の全面協力を得て実現したセミナーは、連日満員のセミナーが続く盛況ぶり。主催者は、「多くの課題を抱えているものの、専門展としての特性を生かして、出展者と来場者が密に話会う“課題解決型展示会”が実現できた。」としている。 次回の開催は、2年後の2021年3月2日(火)~4日(木)までの3日間、幕張メッセ4、5ホールで開催される予定。

東京工業大学とコマツ、「コマツ革新技術共創研究所」を設置  ~-先端科学技術と産業現場の知見を結集 機械部品の高機能化へ向け研究を深化~

 東京工業大学(学長=益一哉氏 以下、東工大)とコマツ(社長=大橋徹二氏)は、東工大における新しい産学連携プログラム「協働研究拠点」の第1号として「コマツ革新技術共創研究所」(以下、共創研究所)を本年4 月1 日に設置した。東工大すずかけ台キャンパスに325 ㎡の専用スペースを確保して、組織対組織の幅広い分野での連携を進めていく。 東工大とコマツは2015 年に組織的連携協定を締結し、建設機械などの高性能化に欠かせないトライボロジー技術を中心として複数の共同研究を進めてきた。現場のノウハウや経験に依存してきたトライボロジー分野で、東工大の機械・材料・化学各分野の研究者とコマツの研究者による基盤的な研究を進めてきたことで、油圧ポンプの寿命延長など、実際の製品にも活用できる多くの知見を得ている。 今回設置する共創研究所では、これまでのトライボロジー研究をさらに深化させ、また機械要素全体に研究分野を拡げることで、機械部品の高機能化と長寿命化を図る。さらに産業の現場で現出する未解明事象を基盤研究の源泉として、新たな研究分野を生み出していく構想。そのために、共創研究所では東工大・コマツ双方からの人材による企画室を設置し、連携テーマの探索、研究の企画機能を担っていく。 共創研究所の設置により、東工大にとっては学内にない産業現場の課題への接点、コマツにとっては自社が保有しない先端技術の獲得、さらに双方にとっては新たな人材育成の場の形成につながるとしており、今後も東工大とコマツは、取り組みを通じて、先端科学技術と製造業のノウハウを結合して日本の産業競争力の底上げを図っていくとしている。 なお、東工大として共創研究所の設置は最初のケース、コマツの国内大学における研究所の設置は、大阪大学に続き2 校目となる。≪コマツ革新技術共創研究所の概要≫名  称 :国立大学法人東京工業大学 オープンイノベーション機構協働研究拠点 コマツ革新技術共創研究所 場  所 :神奈川県横浜市緑区長津田町4259  東京工業大学すずかけ台キャンパス S1棟 設置期間 :2019年 4 月 1 日~2024 年 3 月 31 日 拠 点 長 :大竹 尚登(東京工業大学 教授 科学技術創成研究院副研究院長) 副拠点長 :住谷 明(コマツ 開発本部 材料技術センタ 所長)