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「現状に甘んじることなくさらなる上を目指す」 ~三菱マテリアルが「2018年度東日本三菱拡販戦略会議(MSM)」を開催~

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(三菱マテリアル常務・カンパニープレジデント=中村伸一氏)が、5月25日、東京マリオットホテルで「2018年度三菱拡販戦略会議」を開催した。

 第一部の総会で、中村常務から超硬製品事業についての説明があった。この中で、「2017年度は弊社においても新中期経営戦略の初年度だったが非常に喜ばしい数字を収めることができた。対前年に対して10%ほど成長させていくという思いで予算を確定させ、活動をスタートしているところだ。また、加工事業カンパニーとしては、さらに先を睨んで、2025年度を到達年とした長期目標を掲げて売上等々目標値をおいて取り組んでいる。2025年度には2007年度比で約2倍強の売上を目指していきたい。」と話し、数年で最も高い投資を今年度は計画し、サービス並びに製品供給力のさらなる質の向上を目指していくとの考えを示した。

説明をする中村常務
説明をする中村常務
 また、同社の「ワクワクプロジェクト」についての説明があった。このプロジェクトは、「お客様の信頼を得る真のパートナーになるためには、われわれ自身もワクワクを持って、そのワクワクをお客さまにしっかりと伝えていくということが不可欠だ。」と捉え、「このプロジェクトの一貫として定期的に冊子を発行し、お客様との距離を縮める活動をし、お客様の悩みや課題に対して真摯に受け止め、それに応えていく姿勢を市場に訴えていく。」との狙いがあるとした。

 同社では2015年から「GCT活動」を展開している。これは、「Get the Customers Trust」の頭文字をつなぎ合わせたもの。「すぐ行く、すぐやる、とことんやる」という思いを持って、顧客の元に伺い、クレームの内容をしっかり聞いて、それに対応するという活動を指す、とした。

 また、昨年度において同社では、中部テクニカルセンターを開設したが、中村常務は、「われわれの技術をお客様に直接お伝えする場だが、さらにお客さまとの結び付きの場を設け、その距離を縮めていく、あるいはお客様の技術の伝承に役立てさせて頂く、そんな思いで切削アカデミーを開設した。」と説明し、「好調さに甘んじること無く、さらなる上を目指していく。」と意気込みを示した。

設備投資による生産能力の強化で新製品化率を高める

金子営業本部長兼ロジスティック本部長
金子営業本部長兼ロジスティック本部長
 金子善昭 営業本部長兼ロジスティック本部長が、超硬製品事業の営業環境について説明をした。この中で、営業本部の活動方針については、①顧客の懐に入る、②工場(人)を動かす。③利益向上を考える――とした。金子部長は、「お客様の懐に入るためには、まずは自分の所属する組織の中で、部下が上司の懐に入りやすい環境を構築しなければならない。」とし、「工場(人)を動かすためには、管理職が部下の仕事をしやすい環境をつくらなければならない。」と管理職に対して指導の強化を述べ、「若い営業マンは、毎日の活動の中で特約店様からお叱り、あるいは様々なリクエストを頂戴し、悩みや課題を抱えて毎日会社に帰ってくる。上司はそうした悩みを全て聞いて、まとめ、場合によっては工場の幹部に交渉をする。必要に応じては、私どものトップのところへ来て、そういった問題をぶつけて改善をするよう取り組んでいる。」と説明をした。また、利益向上のためには、「まずは自分の価値を高める。それが商品の価値を高めていくことにもなり、きちんと利益を取らしていただくことに繋がる。」との考えを示した。

 次に中期経営戦略の骨子に触れた。それによると、プロダクトアウトからマーケットインへ、徹底した選択と集中を図り、重要なユーザー、キーアカウントを徹底的に攻略していく旨を説明した。そのためには「顧客視点から全てを考えていく。」との思いを述べた。また、筑波製作所のさらなる設備投資による能力の増強と、海外の生産拠点を有効に活用することで、20%ほど生産能力をアップさせる旨を説明した。これにより特殊品について、3カ月以内にコンスタントに製品が納められる体制を構築していく。なお、現在岐阜製作所では、超硬ソリッドドリル増産3カ年計画を進めており、年度ごとに生産能力を高めている。合わせて必要な設備の投資も国内外で行っており、2020年までには生産能力を18%ほどアップさせるとの考えだ。

 新製品の開発と発売状況については、2018年12月末までの間に、1,600アイテム数を発売する予定とし、「積極的な新製品をどんどん投入して新製品化率を高めていく。」と積極的な姿勢を強調した。

 続いて2017年度東日本MSM年間表彰が発表され、金子部長より表彰状が贈られたあと、堀江武夫 営業本部流通営業部長から流通営業部方針の説明、高橋秀史 開発本部 独創区具開発グループリーダーから切削加工ソリューションと次世代工具について、それぞれ説明があった。

懇親会の様子
懇親会の様子
 場所を移して第二部の懇親会では、淵本友隆 淵本鋼機社長が「機械工具業界は比較的良好だといえるだろう。特に工作機械受注は引き続き順調のようで、私たちは幾分か、この恩恵にあずかっている。こうした設備関連の受注というのは何千万円の単位で売上が上がっている。こうした業界から切削工具業界をみるとわれわれの業界が少し小さくみえるかもしれないが、しかし、われわれの原点はホルダー1本、チップ1ケースからの地道という言葉がピッタリの商売だ。これこそがわれわれの基本であり基礎である。こうした設備投資が活発で好調な今だからこそ、良い意味での泥臭さ、地道さを忘れることなく、本年度も三菱ブランドをお客様に提供したいと思っている。」と述べたあと、乾杯の発声を行った。

 宴もたけなわの頃、三橋 誠 テヅカ社長が中締めを行い、散会した。

世界的に稀! ヤマザキマザックが2019年にユニークな体験教育型 工作機械博物館を開設

山崎社長
山崎社長
 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)がこのほど、創業100周年にあたる2019年に岐阜県美濃加茂市に「ヤマザキマザック工作機械博物館(仮称)」を開設すると発表した。

 山崎社長は、博物館を開設する意義や目的について、「工作機械は、さまざまな製品を生み出すマザーマシンと呼ばれ、自動車や航空機などをはじめ、私たちの身の回りの多くのものは工作機械がなければ作ることができません。工作機械は、ものづくりを通して社会の発展にも大きな貢献をしている製品だが、残念ながら一般の方にとっては、直接見る機会がほとんどなく、認知度も低いのが実情だ。このような中、当社は工作機械のリーディングカンパニーとして工作機械をより多くの人に知っていただくと同時に、ものづくりに対する関心をさらに高めて、今後も工作機械業界がさらに発展できるようにと、創業100周年を機に工作機械博物館を開設することにした。」と説明した。

 現在のところ、名称はまだ仮称で「ヤマザキマザック工作機械博物館」としているが、「単に当社製の古い工作機械だけを展示して、ヤマザキマザックの歴史を振り返るためだけの博物館ではなく、19世紀の産業革命当時の外国製の工作機械をはじめ、さらには蒸気機関車や昔の自動車など、その時代に作られた代表的な工業製品を併せて展示する予定。」と山崎社長。

 具体的な内容は、歴史的な工作機械の動態展示をはじめ、蒸気機関車や自動車、航空機など代表的な工業製品も合わせて展示し、マザーマシンとしての工作機械の役割や、同社の歴史を分かりやすく紹介するとしている。

現地下工場外観。
現地下工場外観。
 山崎社長は、「展示する多くの工作機械は、一般の方にもその原理や仕組みが理解しやすいように動態展示、つまり実際に動く状況、状態で展示する予定。さらに来場者が実際に見て、触って、楽しみながらものづくりを学ぶことができるコーナー等も設けて、体験教育型の博物館として次世代を担う子どもたちの教育の場にしたい。」との考えを示した。

 この博物館は、IoTを活用した現代の工作機械で構成された自動加工ラインも併設し、実際の製品に使われる部品の生産を行う。現在地下工場で生産しているレーザー加工機の生産は、組み立て専用工場となる美濃加茂第一工場に移動する予定だ。またその一方で、この地下博物館内にIoTを活用した自動化、無人化システムの一部を美濃加茂製作所より移設して、実際に工作機械の部品加工を博物館内で行い、来場者が見学できるようにするという。

 「これまでの工作機械の歴史とともに、現代の自動化ラインを見学いただくことで、工作機械の進化と先進性を来館者に実感していただきたい。」(山崎社長)

ユニークで珍しい地下博物館は自然エネルギーの活用で環境に優しい施設

博物館イメージ
博物館イメージ
 この博物館は、同社のレーザー加工機を生産している現・ヤマザキマザックオプトニクス地下工場を改装し開設されるが、この地下施設は、地表から約11メートルの深さに作られており、地熱を利用し、省エネ化を実現するなど環境にやさしい施設として高い評価を博していた。

 山崎社長は、「施設自体が自然エネルギーの活用事業であり、これを博物館施設として活用し、一般公開することは、環境問題などから再生可能エネルギーへの関心が高まる現在においても意義のあることだと考えている。」としており、年間を通じて温度変化が少ない地熱を空調に活用することで、地上と比べて光熱費が6割減少すると見込んでいる。

 同社では、次世代の製造業を担う子どもや学生への教育並びに勉強の場にするなど、ヤマザキマザック美術館と同じく社会および文化への貢献事業の一環と位置付けている。また、博物館の開設予定地には、美濃加茂市の中で最大の総合公園となる前平公園(美濃加茂市前平町)が隣接しており、現在、美濃加茂市はこの前平公園の再整備を計画しているが、同社が工作機械博物館を開設することで、公園全体の魅力の向上と産業観光を通じた地域振興にもつながることが期待されている。

 「ヤマザキマザック工作機械博物館(仮称)」は、2019年秋の開設を予定している。

これが「ヤマザキマザック工作機械博物館(仮称)」の特長だ!

展示される工作機械の一例
展示される工作機械の一例
●工作機械に特化した博物館
 ヤマザキマザック博物館(仮称)は世界的にも稀な、工作機械に特化した博物館。19世紀以降の各時代の工作機械とともに蒸気機関車や自動車など代表的な工業製品も展示することで、工作機械の進化と同時に、「人の暮らしと工作機械の関わり」も学ぶことができる。工作機械史の中で、同社が創業から現在に至るまで、どのような軌跡を歩み、ものづくりに貢献してきたかを紹介する。

●みて・さわって・楽しめる体験教育型博物館
 実際に加工物にさわって精度を体感したり、工作機械の基本の動作原理を来場者自身が操作し分かりやすく体験できる装置模型などを展示。20世紀初頭の工場を再現した展示コーナーをはじめ、多くの機械を動態展示し、実際に動く様子をみることができる「みて・さわって・楽しめる体験型の博物館」となる。一般の来場者にものづくりの楽しさ、大切さを伝える「産業観光」、さらには次世代の人材育成の一助を担う「産業教育」を通じて、地域や社会に貢献する博物館を目指す。

●IoTを活用した現代の自動加工ラインを併設した博物館
 博物館内にIoTを活用した現代の工作機械で構成された自動加工ラインを併設し、実際に工作機械に使われる部品の加工を行う。これまでの工作機械の歴史とともに、現代の自動加工ラインを見学することで、工作機械の進化と先進性を実感できる。

●環境にやさしい、省エネ地下博物館
 ヤマザキマザック博物館(仮称)は、地表から約11メートルの深さに開設される地下博物館。博物館と地中との間には幅60センチの「風洞」が全長約600メートルにわたって張り巡らされ、地表から取り入れた外気は風洞を通して地中の温度に近づけ館内に供給。年間を通じて温度変化が少ない地熱を空調に活用することで、地上と比べ光熱費が6割減となる環境に優しい、ユニークで斬新な省エネ博物館となる。

■□■ヤマザキマザック工作機械博物館(仮称)概要■□■
所 在 地:岐阜県美濃加茂市前平町3-1-2
延床面積:約10,000㎡(自動化ライン含む)
収蔵品数:約600点
開館予定:2019年秋
総投資額:約15億円

イスカルジャパンが「2018UTS」を開催 ~ユーザーの具体的な紹介事例が人気~

セミナーの様子
セミナーの様子
 イスカルジャパン(社長=小宮信幸氏)が6月8日、同社神戸テクニカルセンター(神戸市中央区港島南町)で「2018UTS(ユーザーテクニカルセミナー)」を開いた。

 同社では、毎年このUTSセミナーでイスカル独自の新製品を紹介しており、好評を博しているが、今年は『Machining Intelligently』をテーマに掲げ、“賢い、高能率加工”を実現するための「IQ(High Q Line)製品を展開し、それはISO旋削工具、穴加工用工具、ミリング工具、グリップ工具などイスカル製切削工具全般に渡っている。

 セミナーでは、最新のイスカル工具と特殊複合ツールの紹介(デモ実演を含む)、並びに“ユーザーのユーザーによるイスカル製品による具体的な成功事例の紹介をした。同社では、「コストダウンと生産性向上を通して、生産性、収益アップのヒントに繋がるものと確信している。」としている。

ユニークなアイデアを活かした高能率加工の実現がコンセプト

小宮社長
小宮社長
 小宮社長はあいさつの中で、「イスカル工具を通じての情報交換の場としてユーザー自身で成功事例を発表していただくことにしている。通常メーカーのセミナーというと、商品や事例の紹介が一方通行になりがちだが、ユーザーに発表していただくことにより、このセミナーの事例が加工に皆様の参考になるものと確信している。」とUTSセミナーの目的を話した。

 また、イスカル社と同社の拠点があるイスラエル、イスカルジャパンについて、「イスラエルは中東の国で、石油も出ない資源も少ない人口800万人ほどの小さな国。イスラエルの言葉に“神はアラブに石油を、ユダヤに知恵を与えた”とある。したがって小さな国であるイスラエルの資源は、独創的なアイデアだ。現在のイスラエルはそのアイデアを生かすため、政府のバックアップもあり、START-UPで湧き上がっている。START-UPとは、ユニークな発想でアイデアを出し、その実現のために会社を興し、そしてパートナーを見つけ、さらに発展を目指すものである。分野もIT、AI、セキュリティ、製薬等々多岐に亘っている。」と紹介をしたうえで、有名なSTART-UPを「自動車の最も重要な課題である自動運転の画像認識でトップを走るモービルアイ社がある。世界中の多くの有名自動車会社がこの会社と連携をしている。イスラエルはアイデアを非常に重要視する国だ。」とイスラエルについて説明をしたあと、「イスカル社は1952年にイスラエル北部の町、ナハリヤで創業した小さな工具メーカーだった。1978年にユニークなアイデア工具である世界初の自己拘束式突切工具“セルグリップ”の開発以降、毎年ユニークな新製品を多数金属加工業界に届け、現在は世界第2位の超硬切削工具メーカーに急成長してきた。」と述べた。

モニターを使用したデモ加工に参加者も釘付けだった。
モニターを使用したデモ加工に参加者も釘付けだった。
 また、「イスカルジャパンはイスカル社の製品を日本市場に届けるため、1994年に開設され、今年で25周年を迎えることができた。これも皆様のご愛顧のお陰である。」と感謝の意を表した。

 小宮社長は、イスカル製品のコンセプトを「ユニークなアイデアを生かしての「Fast Metal Removal(高能率加工)である。」とし、セミナーでは、加工現場の生産コスト削減を実現するため、『HIGH IQシリーズ』工具を始めとする高能率加工工具を担当者が詳しく説明をしたあと、デモ加工を行った。

「環境変化はビジネスチャンス」日本工作機械工業会が定時総会を開く

あいさつする飯村会長
あいさつする飯村会長
 日本工作機械工業会(会長=飯村幸生氏 東芝機械会長)が、5月31日、都内のホテルニューオータニで定時総会を開いた。

 総会後の懇親会で飯村会長があいさつをした。この中で飯村会長は、「世界情勢を見みると、米中間の貿易摩擦や、北朝鮮、中東をはじめとする地政学的リスクの顕在化など、不安定な動きも強まっているが、国内外の工作機械需要については、非常に旺盛に推移をしている。工作機械産業を巡る市場環境は、今、地政学的な問題であるとか保護貿易の問題も含めて、好調ではあるが一方で、脆弱さを秘めた展開となっている。」とし、2017年度日工会の受注額については、「1兆7,804億円で、年度ベースで史上最高額を記録した。」と述べた。また、「2018年度は、2018年の年初来、この4月までの受注累計額が6,555億円となった。これを単純に3倍にすると1兆9,665億円となり、年初の見通しの1兆7,000億円を上回るハイペースで推移をしている。」と好調さを示した。

 その一方で、部材の供給難について、「工作機械メーカーは、世界のものづくりの発展に貢献していくために、サプライヤーのと緊密に連携をして、ユーザーへの供給責任をしっかり果たしていかなければならない。できるだけの努力をしていく。」とした。

 世界の工作機械産業を取り巻く環境については、「大きな変革期を迎えている。技術面では、IoTを含めた製造業のネットワーク化、スマートマシン、スマートファクトリー、スマートマニュファクチャリング、そしてIoT活用による効率の改善が言われ、加えて、自動車のEV化、CASEというキーワードで表されるように、様々な変化が自動車業界で起きている。航空機需要もその需要が顕在化をしている。先端医療分野の成長による難削材加工需要の増加などと同時に、国際競争の面では、東アジアでの技術レベルが向上している状況と思う。日本の工作機械メーカーは、このような環境変化をビジネスチャンスとして、国際競争を勝ち抜いていかなければならない。この中で、少子高齢化社会の進展に対応して、将来の技術革新を担う技術者や、優秀な技能者の確保・育成に努めていかなければならない。」と人材育成の重要さに触れ、「この数年間、日工会は、人材の確保・育成、生産性向上を軸とした需要喚起と設備投資の促進、産学官一体となった技術開発に次々と取り組んできた。この結果、業界の体質も大いに強化された。この中で工作機械業界が、インダストリー4.0や、わが国のConnected Industriesの構想に見るごとく、新たな情報化の時代に直面し、ものづくりと情報の融合化が、一段と急速に進展しつつある。」と述べた。

 これらの状況を踏まえたうえで、「日工会としても、技術・情報・人材の一体的なレベルアップを図る、総合的な施策の展開が求められている。共有領域、協調領域、競争領域という3領域で捉えると、業界団体としての日工会は、業界に共通する、付加価値の高い情報の入手・展開とその高度化を図る共有領域と、共に知恵を出して汗を流す協調領域、この2つの深掘りをする役割を期待されている。」との認識を示したあと、「このプロセスにおいても工作機械に関連する素材や、他産業との情報交換や連携も、積極的に進めていかなければならない。」と考えを述べた。また、これらの取り組みを通じて、「業界各社が世界市場で戦い合う競争領域の環境整備を進めていく」とした。

 日工会では、『工作機械ビジョン2020』で示された産学官連携の強化、標準化戦略の強化、JIMTOFの発信力・求心力の強化、人材の確保・周知策の強化、この4ポイントを、各委員会が中心となって進めているが、飯村会長は、「4課題は当業界にとっては永遠の課題だが、すでに5年以上にわたって、日工会活動の中核を担うこととして取り組んできた。技術・情報・人材の一体的なレベルアップを図るべく、今年度のPDCAサイクルを回しながら、ビジョンに即した活動内容、現況の技術の変化に即した活動内容、海外の技術レベルのアップ等に即した内容で、この4課題を深化させていきたい」と意気込みを示した。

 今年度はビッグイベントである『JIMTOF2018』の開催年だが、飯村会長は、「JIMTOF2018を、国際色豊かに、盛況裏に導かなければいけない。キーワードは“つなぐ”。世界トップの技術ショーとして、最先端の工作機械技術の製品を披露すべく、準備を進めているところだ。日工会としても、東新展示棟の有効活用をはじめ、会期中に実施する工作機械トップセミナーや、国際工作機械技術者会議、企画展示、海外業界等との来賓の方々の接遇などについて、万全を期して準備を進めていく。また日工会は、2021年に創立70周年を迎えるが、これに向けて、技術や需要構造、国際競争環境の変化に対応した、2020年におけるわが国工作機械産業の新たな展望を描いていかねばならないと考えている。技術面・情報面・人材面を統合した戦略施策の策定に向けて、本年度においては、IoT関連の技術動向や、自動車のEV化などの需要構造変化に関する情報収集を進め、もともとの施策に、旧施策に対するアペンディックスとして、新しい施策を付け加えるというキックオフを今年度始めていく。人材事業では、少子高齢化に対応した人材確保策の展開に加え、専門領域の多様化に対応した人材育成、研修事業の体制づくりを進めていく。」とした。

上田 経産省大臣官房審議官
上田 経産省大臣官房審議官
 来賓を代表して、上田洋二 経済産業省大臣官房審議官が、「第四次産業革命が進んでいく中、人生100年時代に対応した人材育成、これについての在り方を産業界と共にしっかりと議論、検討して取り組んでいきたい。世界に目を向けると、通商関連は非常にグローバルに大きな動きがある。自由で公正な経済圏の推進は非常に重要な課題だ。日米間の新たな枠組みであるFFRでは、TPPが日米にとって最善であるという立場で議論を行っていく。昨年12月に大筋合意に至りました日EU・EPAについても関税撤廃や協定による大きな成果の実現のため、一日も早い署名に向けて引き続き努力をいたしますし、またTPP11についても早期発効を目指していく。」とあいさつをした

「新しい世界が待っている」 ~日本機械工具工業会が平成30年度定時総会並びに表彰式を開く~

 日本機械工具工業会(会長=牛島 望氏 住友電気工業専務)が、6月6日、都内のアーバンネット大手町ビル LEVEL XXⅠ東京會舘で平成30年度定時総会及び表彰式を開催した。

 総会では、役員の交代の件、新規入会会員の紹介、平成30年度「生悦住賞」並びに「新庄(陰徳の士)賞」の受賞者発表、平成30年度生産額見通し、総務委員会、国際委員会、技術委員会、環境委員会からそれぞれ報告があった。その後、表彰式が行われた。

 平成30年度生悦住賞並びに新庄賞(陰徳の士)受賞者は以下の通り。

●平成30年度生悦住賞
・倉持 健氏〈元高周波精密(株)〉
・森 良克氏〈住友電機工業(株)〉
●平成30年度新庄(陰徳の士)賞
・佐藤 健氏〈(株)栄工舎〉
・坂 美佐子氏〈東海合金工業(株)〉
・杉原 勉氏〈(株)畑滝製作所〉
・栢下雅士氏〈マコトロイ工業(株)〉
・黒石 清氏〈山本精工(株)〉

「新ビジネスモデルの創成」 牛島会長

あいさつする牛島会長
あいさつする牛島会長
 懇親会で牛島会長は「スイスは高級時計メーカーが多く、その加工が面白い。ダイヤモンドでリングを削り、最後はタップでリューズの穴を開けるというところを見学したのだが、切粉が18金だった。これが美しいとぐろを巻いて出てくるところを拝見し、感動した。純金のリングに文字盤が宝石でできている。エメラルドを非常に緻密な方法でスライスして貼り付けるというようなことだった。スイスのメーカーがスイス製にこだわるなと感じたことは、工作機械やコーティングの設備もスイス製の設備ばかりだったこと。設備の色がスイスの国旗の色、赤と白。これに統一されているなど、凄いものを見学できた。」とスイスの時計メーカーを見学した感想を述べたあと、近年話題になっている自動化、電動化を含めた自動車の未来像について触れた。

 牛島会長は、「新しい世界が待っている。2050年くらいになると、自動車は動く蓄電池になっていると想像している。万が一停電になっても、自動車が給電し、このような機構に、再生エネルギー等の安定調達と歩調を合わせるように自動車そのものが、われわれの生活を担保するようなバッテリーになる可能性があるのではないかと個人的には思っている。また、海外の某タイヤメーカーはタイヤにセンサーを埋め込んで、走行距離や走行による負荷をビックデータにして、タイヤそのものにどれだけの負荷がかかっていくか等、かなり検知できるようになっているようだ。したがって将来は、使用状況によって課金するといったビジネスモデルを検討されている、という噂もある。」と、自動車産業のトレンドについて述べた。

 切削工具の未来像については、「高額な工具は、センサーが付いて、使用状況によってお客さまに代金を頂くといったビジネスのモデルも、将来は出てくるかもしれないと個人的には感じているが、直近の話ではなくまだまだ先の話。現状は従来どおりのビジネスモデルでわれわれは戦っていかなければならない。従来の延長線上での工具の開発とともに、将来を見据えた上でのセンサー等にも注力していかなければならないと思っている。」と見解を示した。

「新しい潮流“CASE”の中で大きな変化が」 経産省 片岡産業機械課長

片岡 経産省 産業機械課長
片岡 経産省 産業機械課長
 来賓を代表して、片岡隆一 経済産業省製造産業局産業機械課課長が、「われわれも自動車新時代戦略会議を立ち上げて今夏には取りまとめることになっている。現在、“CASE”という新しい潮流がある。(CASE=「C」コネクティビティー〈繋がる〉、「A」オートノマス〈自動運行〉、「S」シェア〈共有〉やサービス、「E」EV化〈電動化〉)。この動きがものすごい勢いで広がるかどうか、そのスピードについては様々な議論があるが着実に進んでいくだろう。この潮流は、世界中のものづくりとサービスや、ネットとリアルの社会バランスをものすごい勢いで変え得る力を内在的には秘めているように思う。中国は3年前に『中国製造2025』という政策を打ち出した。次世代のIT産業、NC工作機械、ロボットや次世代自動車等を外国の資本や技術の力を借りながらも国産化していくという政策を3年ほど前の2015年5月に打ち出したが、実は本質はそこではなくて、その1年前の2014年4月に打ち出した『インターネットプラス』のほうが政策だと仰る方もいる。『インターネットプラス』という政策の中で2番目に上げられているものに、実は“シェアリングマニュファクチャリング”、日本語に直すと“共同製造”である。4月の上旬に工作機械の見本市が上海であり、そこで私は5軸の工作機械を作る中国のベンチャー企業を見学した。おそらくサーモを含めた日本製の基幹部品が入った上で作られているかと思うが、5軸という貿易管理上の対象になっているはずのものが、中国で作られている。こちらが細かい質問をする前から言われたのは、“日米欧の力は借りておりません”。つまり誰かを唆して技術流出させたわけではないという、まず模範解答があった上で、自分たちの資本を出した誰かという問いに“アリババだ”と応えた。確かに後で調べると、アリババは創業者たちがお金を得て、それをベンチャーキャピタルとして投資をされている。つまり中国のユニコーン企業の3分の1はそのアリババの、あるいは“BATJ”のベンチャーファンドがつくり出しているとのことだった。“いつからやっているのですか?”と尋ねると、“3年前だ”と返答があった。ここで勘のいい方は全てお分かりになると思うが、まさに中国は2015年5月に出した『中国製造2025』がある。半導体製造装置までを全部内製化すると言っている。この政策がランナップされたと同時に、恐らくアリババからの出資を得て、借り物とはいえ5軸の工作機械を作ってしまった。」と上海で開催された工作機械見本市での出来事を話した。

 「もしかしたら、共同製造、つまり需要と供給の上でマッチングしたサービス、あるいは使用に応じて課金する海外タイヤメーカーの例を考えると、将来的には工具もそういう形になるかもしれない。ひょっとしたら、工作機械も売り切るのではなくて、機械を貸して、商売を持ってきてマッチングをし、そこからネットのデジタルプラットのフォーマーが料金を得ていくようになってしまえば、工作機械や工具、周辺機器業界は、厳しいビジネスモデルのところになっていくかもしれない。さらに中国から追い上げられて、中国製で立派なものが安くできているとなれば、厳しくなる。日本の自動車産業は製造業の一本足としての非常に大きな地位を占めるが、その自動車が“CASE”の流れの中で大きく変化をしている。」と危機感を示し、最後に、「足元の状況が好調である今だからこそ、将来の大きな変化に備えた技術革新への対応をお願いしたい。」と声援を送った。

 乾杯の発声は中村伸一副会長(三菱マテリアル常務)が行った。宴もたけなわの頃、石川則男副会長(オースジー社長)が中締めを行い散会した。

 

日進工具が「銅電極加工用ロングネックボールエンドミルDRB230」を発表!

 日進工具(社長=後藤 弘治氏)は、本年6月13日にポートメッセなごやで開催された展示会「INTERMOLD名古屋」にて、「銅電極加工用ロングネックボールエンドミルDRB230」を発表した。

 この製品は、銅合金の加工に特化し、切れ味の良い特殊刃形状とDLCコーティングを採用したボールエンドミルで、注目どころは、銅電極の加工時に問題となるバリの発生を抑制する強スパイラル形状と鋭利な刃先、加工精度を安定させるDLCコーティング、立壁の加工でも安定した面品位を保つ強バックテーパーと外周刃シームレス形状で、高品位な加工を実現すること。特に難削材と言われていた銅タングステンの加工においても、これらの特長を発揮し、今までにない長寿命な加工を可能にしている。DRB230は高品位な電極加工に必須なボールエンドミルとして活躍が期待される。

 同社では、「引き続き、微細精密加工のニーズにお応えする製品の研究開発に注力してまいります」としている。

■サイズバリエーション
 ボール半径:R0.05~R3/有効長:0.3~50mm全57サイズ

■標準価格
 7,500円~15,200円

 発売日は、2018年6月下旬予定している。

ダイジェット工業が続々新製品を市場投入 ~「QM マックス」肩削り用インサートのシリーズ拡張、「SKS エクストリーム」に小刃数タイプおよびインサート新材種、刃先交換式ドリル「TA タイラーモジュラーヘッド」~

 ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)が現在、続々と新製品を市場投入している。今回発表したのは、①「QM マックス」肩削り用インサートのシリーズ拡張、②「SKS エクストリーム」に小刃数タイプおよびインサート新材種、③刃先交換式ドリル「TA タイラーモジュラーヘッド」の3商品。

「QM マックス」肩削り用インサートをシリーズ拡張!

 同社の主力製品「QM マックス」の肩削り用インサートZPMT 形は黒皮級でありながら底面・側面の中仕上げ~仕上げ加工まで可能なため、コーナR サイズ違いおよび難削材を含む幅広い被削材への対応など、適用範囲の拡大がユーザーより要望されていたことを受け、今回、現行タイプの見直し集約を行ない鋼用・アルミ用・チタン用とユーザーニーズを満たした新シリーズを開発、併せてコーナR サイズ拡張および新材種も追加し、さらに市場競争力を高めている。

 炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、焼入れ鋼、鋳鉄、ステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金などの肩削り、平面削りに威力を発揮する。

 特長は以下の通り。

 (1)インサートの切れ刃形状を最適化することにより、ピックの重なり部が滑らかになり、かつ、側面たおれ量0.01ミリ以下を実現(被削材S50C、Zピック3ミリ加工時)
 (2)インサート材種は既存のDH102、JC8118、CX75に加え、新PVDコーティング材種JC7518およびノンコートFC18を新たに採用。炭素鋼からプリハードン鋼、焼入れ鋼、ステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金まで幅広い被削材に対応。
 (3)インサートの種類は肩削り用のほか高送り用、H級仕上げ用などもラインナップ。ホルダは共有できるため1つのホルダで荒から仕上げ加工まで行なえる。

■標準価格
 標準価格:830 円~910 円(税抜き)

「SKS エクストリーム」に小刃数タイプおよびインサート新材種をラインナップ!

 この製品は、現行のSKS エクストリームは刃数を多くすることでテーブル送りを上げ、より高能率な加工を可能にする一方、切削抵抗は高くなる。そのため刃数を1つ減らすことで切削抵抗を下げ、切りくずポケット広さを確保することにより切りくず排出性も向上させた小刃数タイプが、ダイキャスト金型ユーザーなどから要望されていることを受け、発売に至った。本体ボアタイプで、工具径φ50、φ63 の小刃数タイプ4 形番を追加し、全サイズでは工具径φ50~φ160、計19 形番をラインナップ。また、インサート材種はJC8118、JC8050、JC7560 の3 材種となっている。

 炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、高硬度材、ステンレス鋼、鋳鉄の平面削り、ポケット加工、曲面加工、ヘリカル加工に威力を発揮する。

 特長は以下の通り。

 (1)従来品より切込みが大きく取れ、軸方向切込みは最大3ミリで1刃当たりの送り2ミリの高送り加工が可能。
 (2)インサートは両面6コーナ使用可能で経済的。
 (3)インサート厚みを7.5ミリと厚くすることで断面強度は従来品比1.5倍と高剛性となり、重切削や強断続加工にも対応。
 (4)インサート拘束面がクサビ形状のため、ねじ1本の取付けでインサートの動きを防止、かつ着脱も容易。
 (5)インサート材種はPVDコーティング材種JC7560およびJC8118に加え、耐欠損性に優れた母材と耐摩耗性の高い被膜を組み合わせた汎用性の高いPVDコーティング材種JC8050を追加ラインナップ。JC8050は炭素鋼からプリハードン鋼、ステンレス鋼など幅広い被削材に対応。

■標準価格
 ・本体標準価格: 39,500 円~インサート標準価格:1,710 円(いずれも税抜価格)

刃先交換式ドリル「TA タイラーモジュラーヘッド」

 プレス金型や大型構造物のボルト座ぐり穴加工や干渉物を考慮した座面への加工の要望に応えた同社が、今回、モジュラータイプを追加ラインナップした。

 炭素鋼、工具鋼、合金鋼、プリハードン鋼、ステンレス鋼、鋳鉄の座ぐり・穴あけ加工に威力を発揮する。

 本体モジュラーヘッドは、ボルト座ぐり穴に対応したφ14、φ17.5、φ20、φ26、φ32 の5 形番。インサートは工具径に対応。(φ20 以下はインサートサイズ0.1 ミリとび、φ20 超は0.5 ミリとび)。また、オール超硬シャンクアーバ「頑固一徹」はφ14 本体専用の4 形番を追加ラインナップ。・有効加工深さは工具径×0.7~1 倍まで。

 主な特長は以下の通り。

 (1)先端180°フラットの刃先交換式座ぐり加工用ドリル「TAタイラードリル」のモジュラータイプ。豊富なバリエーションのオール超硬シャンクアーバ「頑固一徹」との組合せにより突出しの長い加工にも対応。
 (2)TA-EZドリルで定評のあるインサートクランプ方式を採用、工具交換はインサートのみで行なえるため経済的かつインサート交換も容易。
 (3)傾斜面や円筒面など不安定な被削材形状への座ぐり・穴あけ加工や交差穴加工を下穴なしの状態からノンステップで行なえる。
 (4)インサート材種はPVDコーティング材種「JC7550」を採用、独自の内部給油方式でプリハードン鋼やステンレス鋼でも長寿命化を実現。

■標準価格
 本体: 29,000 円~、インサート:10,000 円~、オール超硬シャンクアーバ:42,000 円~(いずれも税抜価格)

イスカルジャパンが「WISPER LINE(ウィスパーライン)」 好評発売中!

 イスカルジャパン(社長=小宮信幸氏)の優れた防振機構を備えた「WISPER LINE(ウィスパーライン)」が好評販売中だ。

 この製品は、防振機構の搭載により、長い突き出しでの加工時や、負荷の高い加工時に加工中のビビリを抑制し、加工面精度・工具寿命・切削条件の向上に貢献するイスカルの最新製品。

 現在「WISPER LINE」には、“突切・溝入れ加工用カットグリップシリーズ”と、“ヘッド交換式内径旋削加工用工具シリーズ”をレパートリーしている。昨年末より販売を開始し、現在、好評につき、レパートリーを拡大中。

 「WISPER LINE」の“突切・溝入れ加工用カットグリップシリーズ”の優位性は、ブレード先端の下顎部に材質の異なるプレートを組み合わせた防振ユニットを設置することで、従来の工具では困難とされてきた深溝加工時も高い防振効果を発揮すること。スチール製のブレードに対し、タングステン性の防振プレートを採用し、加工振動が発生した際、ブレードの振動より防振プレートの振れが一瞬遅れることで振動を相殺、減衰させる防振構造となっている。

 また、調整ねじを回転させて防振プレートの圧力を調整でき、突き出し長さに応じた防振性が得られる。ブレードには内部クーラント穴を採用し、切刃部への適切なクーラント供給で深溝加工時も良好な切屑排出性を実現する。

 一方の「WISPER LINE」の”ヘッド交換式内径旋削加工用工具シリーズ”は、ホルダー内部にダンパー機構を設け、長い突出し加工時にもビビりを抑えて加工可能、最大加工深さ10×Dまで対応する。振動減衰効果で加工音を減少し、良好な表面仕上げを実現。複数のヘッドタイプをモジュラー式ホルダーに装着して使用し、旋削・ねじ切り・溝入れ加工に対応する。

●WISPER LINE - カットグリップシリーズ
・レパートリー
(チップ) GIMF / GIMN 6 mm幅, GIMY / GIMF / GIMM 8 mm幅
(ブレード) CGHNM 53-6DG-AV 6mmチップ用> , CGHNM 53-P8-AV 8mmチップ用>

・希望小売価格 (参考)
(チップ)  GIMY / GIMF : 8mmチップ 2,430円~ スモウテック PVDコーティング >、 GIMM : 8mmチップ 2,450円 スモウテック PVDコーティング >
(ブレード) CGHNM 53-6DG-AV / CGHNM 53-P8-AV : 101,300円

●WISPER LINE - ヘッド交換式内径旋削加工用工具シリーズ
・レパートリー
(交換式ヘッド) AVC-D… 旋削/ねじ切り/溝入加工対応
(ホルダー) AV-D.. シャンク径Φ16-60mm

・希望小売価格(参考)
(交換式ヘッド) 価格後日決定予定
(ホルダー) 価格後日決定予定

三菱マテリアルが新製品を発売中! ~センタリング・面取り加工用超硬ドリル“リーディングドリルシリーズ”「DLE」、焼結合金・鋳鉄加工用CBN材種「MB4120」~

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント:中村伸一氏)が、続々新製品を発売している。このほど新たにm①センタリング・面取り加工用超硬ドリル“リーディングドリルシリーズ”「DLE」、②焼結合金・鋳鉄加工用CBN材種「MB4120」を市場投入した。

センタリング・面取り加工用超硬ドリル“リーディングドリルシリーズ”「DLE」

 この製品は複合旋盤、小型自動旋盤で使用されるセンタリングや面取り加工などに対応した超硬ドリル。今回、ERコレットに対応した取り付け部径5mm、7mmを含む、先端角90°、9アイテムの販売を開始した。

 主な特長は、以下の通り。

 ① 二段先端角形状とシンニング形状により、ステンレス鋼の加工でも異常欠損なく耐久性に優れ、寿命延長を実現。
 ② 良好な食付き性と切れ味の良い刃先形状は、切削抵抗が低いことにより、動力の小さい小型自動旋盤での加工に最適。
 ③ ドリル専用PVDコーテッド超硬材種により、一般鋼はもちろん軟鋼、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、鋳鉄系まで幅広い被削材で優れた耐摩耗性を実現。

■標準価格
・DLE0300S030P090 DP1020 :6,770円
・DLE0500S050P090 DP1020 :8,410円
・DLE0700S070P090 DP1020 :10,260円
・DLE1000S100P090 DP1020 :13,620円
・DLE1600S160P090 DP1020 :29,760円
(いずれも税抜価格)

焼結合金・鋳鉄加工用CBN材種「MB4120」

 この製品は、バルブ機構やオイルポンプ部品などの焼結合金・鋳鉄加工において、耐欠損性を大幅に向上させることにより、連続加工から断続加工まで、幅広く使用可能なCBN材種。このほどネガティブインサートとポジティブインサートを同時に販売を開始した。

 主な特長は、以下の通り。

 ① 微粒cBN粒子により、優れた刃先靱性を発揮し、高い耐欠損性を有することにより、断続加工においても安定した加工を実現。
 ② 焼結条件の最適化により、微粒cBN-微粒cBNの結合が強固となり、加工中に発生するcBNの脱落やクラックの発生を抑制することで、優れた耐摩耗性と耐欠損性を実現。
 ③ 刃先処理は、切れ味の良いシャープエッジをはじめ、丸ホーニング、3種類のチャンファーホーニングを規格化し、バリエーションが豊富。

●標準価格
・NP-CNGA120404SF2 MB4120:4,830円
・NP-DNGA150408SE2 MB4120:4,830円
・NP-TNGA160404GS3 MB4120:6,260円
・NP-CCGW09T308TS2 MB4120:5,380円
・NP-VBGW110304FS2 MB4120:5,380円

アマダホールディングスがメキシコにテクニカルセンターをオープン ~地域密着型によるサービス体制の確立へ~

180627アマダHD
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 アマダホールディングス(社長=磯部任氏)は、メキシコモンテレイ市郊外のStiva 工業団地にモンテレイテクニカルセンターを新設し、6 月7 日(木)にオープンした。

 現地法人アマダメキシコ(AMADA de MÉXICO, S. de R.L. de C.V.)は、モンテレイテクニカルセンターを通じて、最新のマシンやソフトウエアを使用し、顧客の課題を解決する実証加工や加工技術の提案、ならびに現場のオペレーターに対するマシン操作の研修などのサービス活動を行っていく。

 メキシコの板金加工機械市場は、近年の外資系企業の進出を背景に、一定の成長が期待されるとともに、現地企業においても、加工コストの削減や生産性の向上を実現する高機能マシンへのニーズが高まる傾向にある。一方で、アマダメキシコは、これまで実機を用いた提案は、米国の拠点に赴いて行っており、今回のテクニカルセンターの新設により、潜在需要やお客さまのニーズに対して迅速かつ地域密着型のサービス活動が可能となる。

 さらに、定期的にさまざまな加工課題に対する解決策を提案するセミナーを開催し、顧客がマシン導入後も品質と効率を追求した運用ができる体制を整えていくとしている。

 アマダメキシコは、メキシコ国内でのサービス体制を確立し、顧客に対してモノづくりの競争力強化を直接サポートすることにより、2021 年までに2017 年度比で約30%の売上拡大を目指していくとしている。

■モンテレイテクニカルセンター概要
所在地: Avenida TLC 57 E
Parque Industrial Stiva
Apodaca NL CP 66626, Mexico
延床面積: 2,130 m²
建屋: 1 階建て (展示場、セミナールーム、事務所など)

■モンテレイテクニカルセンター展示マシン
1. 省エネ・変種変量・ワイドレンジ・ファイバーレーザマシン
「ENSIS-3015AJ (3kW)」
2. AC サーボ・シングルドライブNCT (NC タレットパンチプレス)
「AE-2510NT」
3. ハイブリッド・ドライブシステム搭載 高速・高精度ベンディングマシン
「HG-1303」
4. 高速・高精度サーボベンディングマシン
「EG-6013」
5. AMNC/PC 付き下降式油圧ベンディングマシン
「HM-1003」