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「ものづくり日本大賞」受賞者を発表

1月22日に内閣総理大臣賞の表彰式・祝賀会が行われた。あいさつをする安倍総理
1月22日に内閣総理大臣賞の表彰式・祝賀会が行われた。あいさつをする安倍総理
 政府は1月15日、第7回「ものづくり日本大賞」の受賞者を発表した。内閣総理大臣賞に24件 71名を選出、経済産業大臣賞、特別賞、優秀賞の受賞者51件 244人 3団体も決定した。

 「ものづくり日本大賞」は、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、今後を担う若年人材など、「ものづくり」に携わっている各世代の人材のうち、特に優秀と認められる人材を顕彰するもので、経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省の4省が連携し、2年に1度開催される。

 今回、経済産業省関係で内閣総理大臣賞を受賞したJFEスチールの「Co₂排出減に適した製鉄原料製造プロセス(Super-SINTERⓇ)の開発」では、製鉄業のCO₂排出量削減を狙い、製造業・建設業の全排出量の52%を占め、その中で約70%を排出している製鉄プロセスに着目したもの。焼結工の焼結強度と還元性を向上、製造プロセスを冶金学的に分析し、焼結鉱製造プロセスにおいて大幅なCo₂差削減を実現する技術の工業化に成功した。また、同社所有の全焼結機に導入し、大幅なCo₂削減と同時に数百億円規模のコスト削減を達成し、地球温暖化防止、省エネルギーに貢献した。

 同じく受賞した日立製作所他2団体の「産業革新を牽引する世界最高性能のIoTセンサーの開発」では、メカトロニクス技術と半導体技術を融合し、センサー素子と制御回路が2.5mm四方の1チップ上に集積された世界初の半導体ひずみセンサーを開発。様々な構造物や機器類の変形を過酷な環境下でも長期間安定した1µ素トレインレベル(1kmのものが1m伸び縮みする現象を計測)の高感度計測(従来氏絵品との比較で感度25,000倍)が可能となった。今後は、機械、医療、建築など多くの産業分野でIoTを加速する革命的センサーとして期待される。

 国土交通省関係で受賞した熊谷組の「ネットワーク対応型無人化施行システム」は、建設機械通信機器をIP化することで柔軟勝高度なシステム拡張を可能とし、操作室から建設機械群を長距離遠隔操作する技術。総合的なi-Constructionの活用で全行程人が立ち入らずに安全に緊急災害対応を行った(国土交通省九州地方整備局阿蘇大橋地区斜面防災宅策工事)。

 なお、経済産業大臣賞と特別賞は2月5日に表彰式を、経済産業地方局では優秀賞等の表彰式等を行う。

ものづくり日本大賞(内閣総理大臣賞)受賞案件

経済産業省関係
●「Co₂排出量削減に適した製鉄原料製造プロセス(Super-SINTERⓇ)の開発」JFEスチール(株)

●「産業革新を牽引する、世界最高性能のIoTセンサー開発」日立製作所他2団体

●「革新的構造・世耕技術『構造アレスト』で実現した安全・環境性能に優れるメガコンテナ船」ジャパン マリンユナイテッド(株)他2団体

●「ビッグデータ・IoT時代を支える総ユーザーコストに優れた大容量データテープ」富士フィルム(株)

●「漁獲物を獲れたての鮮度で保持するための船船搭載型シャーベット状海水氷製造機の開発」(株)ニッコー他2団体

●植物由来生分解樹脂の世界的普及の端緒となる日本初の射出成形技術群の開発と応用製品」小松技術士事務所他1団体

●「伝統技術をベースとした立体的製陶技術による文化財の複製」大塚オーミ陶業(株)

国土交通省関係
●「ネットワーク対応型無人化施行システム」(株)熊谷組

●「常温硬化型超高強度繊維補強コンクリート『スリムクリート工法』」(株)大林組

●「平成の国宝姫路城大天守保存修理『伝統技術と現代技術の融合による姫路城の再生』」鹿島建設(株)

●「優秀施工者国土交通大臣顕彰受賞者(建設マスター)」(株)創建 淺田朋憲

●「優秀施工者国土交通大臣顕彰受賞者(建設マスター)」(株)植木組 北谷吉(*つちよし)弘

●「優秀施工者国土交通大臣顕彰受賞者(建設マスター)」(有)前原亙店 前原 剛

●「優秀施工者国土交通大臣顕彰受賞者(建設マスター)」(株)装匠 倉迫貴裕

●「海事関係功労者(純国産大型高速ディーゼルエンジンの開発)」新潟原動機(株)園部邦彦

厚生労働者関係
●「卓越した技能者(現代の名工)」(株)オオトリ 久保田 清

●「卓越した技能者(現代の名工)」シチズン時計マニュファクチャリング(株)飯田殿岡工場 荒井寛子

●「卓越した技能者(現代の名工)」藤工房和裁学院 加藤静子

●「卓越した技能者(現代の名工)」博多人形工房川崎 川崎幸子

●「技能五輪国際大会金メダリスト」
トヨタ紡織(株)佐藤健太 岡野祥磨
(株)共和エクシオ 清水義晃
(株)デンソー 麻生知宏 上野祐平 最上 拓

文部科学省関係
●「平成27年度文化庁映画賞映画功労部門被表彰者(映画大道具製作者)」(有)吉田美術 吉田晴美

●「平成26年度文化長官表彰被表彰者(建造物修理技術者)特定非営利活動法人京都文化財建造物研究所 川嶋一雄

●「第16回高校生ものづくりコンテスト全国大会旋盤作業部門優勝」、「第11回若年者ものづくり競技大会旋盤職種金賞(第1位)」愛媛県立東予高等学卒業〈現(株)シマブンコーポレーション勤務〉高橋真也

●「リアルタイムに選手とシンクロするスポーツ観戦システム」、「全国高等専門学校第27階プログラミングコンテスト(課題部門)」、「平成28年度最優秀賞(文部科学大臣賞)受賞」東京工業高等専門学校 

「今年は需要に応えていく」日本工作機器工業会が賀詞交歓会を開く

あいさつをする寺町会長
あいさつをする寺町会長
 日本工作機器工業会(会長=寺町彰博 THK社長)が、1月17日、都内の芝パークホテル別館で賀詞交歓会を開いた。

 平成29年秋の褒章で藍綬褒章を授章した寺町会長はお礼の言葉を述べたあと、「私どもは古い産業と思われているところもあるが、どんなにITが普及しAIが進展しロボット化されようと、部品がきちんと供給されないと高精度なものができない。ものが多く使われるようになるために、また小型・微細化に進んでいくためにわれわれが日夜、研鑽を積んで、さらに良いものをさらに提供していかなくてはならない。そういった産業をわれわれが支えていくという自負をもっていければと思っている。今、日本の設備投資産業は自動化ロボット化が進んでいる。また人手不足もあり自動化は避けられず、機械の高度化が進んでおり、まさにわれわれがその成長の趨勢を握っている。」と述べ、2017年度の販売額について、「昨年は1900億円を超えるのではないかと話したが、10年ぶりに2000億円台に到達できた。」とし、今年の予想については、「まだ集計中だが、日工会が1兆7000億円、ロボット関係団体が1兆円、半導体製造装置関連が2兆1600億円という数字を挙げている。したがって2007年の過去最高の数字をオーバーする数字を今年は達成しなければならない。その覚悟をもって、当工業会は日々生産と販売に努力をしていきたい。今年は元気をもって需要に応えていく。」とした。

経済産業省 片岡 産業機械課長
経済産業省 片岡 産業機械課長
 続いて正会員の入会の報告があったあと、来賓を代表して片岡隆一 経済産業省 製造産業局 産業機械課長が、「アベノミクスが始まって5年が経ち、企業業績も過去最高水準、正社員向け有効求人倍率も1倍を超えている。この1倍超えはバブル期に遡るわけだが、バブル期とは明らかに状況が違う。足元は総人口の減少に留まらず、労働力人口の減少もいわれている。女性、高齢者、障がいのある方等、様々な社会参加・労働参加を勧めてもなお、この労働力減少については難しいだろう。2017年当初は、トランプ政権が登場したのでどうなるかわからない、ブリジクトがあるので、世界は保護主義化に向かうのではないか、というリスクのある話が多かったのだが、これを吹き飛ばす形で、様々なところで設備投資に対する意欲が出てきた。結果として工作機械、半導体製造装置、ロボット、産業機械等、ほとんどのところで前年比増の出荷額並びに受注額を記録している。工作機械、半導体製造装置に至ってはリーマンショック前の数字を超えている。日本国内は製造しようにも人手不足という状況だ。本当の意味のデフレ脱却を実現するには、将来に向けた省力化のための設備投資を実現していく。これは待ったなしの課題であり、そうしたものの機械部品であるボールねじ、リニアガイド等の供給がとにかく足りない、ということになると、受注が受注のまま終わって出荷に至る前に時が経てばいつの間にか不景気となっても良くないので、皆様方には製造キャパシティを確固たるものにしていただきたい。」とあいさつをした。

 乾杯の発声を北川祐治 副会長(北川鉄工所 社長)が行った。宴もたけなわの頃、散会した。

オーエスジーのIT戦略部がオフィス移転を機に働き方改革を実行

コミュニケーションエリア
コミュニケーションエリア
 オーエスジー(社長=石川則男氏)のIT戦略部が、オフィスの移転に伴い職場環境を一新した。

 フリーアドレス制を導入し、固定電話の一部を除き一掃。またペーパーレスにより、作業効率の向上と環境配慮を行い、「多様性の効率的な融合 ~わくわく(Woku Woku)スペース~」をコンセプトに、新しいアイデアを生みだすための働き方改革を実行している。


よりクリエーティブに働きやすい環境

マルチモニタリングシステム
マルチモニタリングシステム
 生産設備のIoT化や、SNSに代表とされる顧客との新しいコミュニケーション・チャネルなど、IT技術がビジネスに果たす役割が増大している。同社ではこうした時流を背景に、基幹システムの維持運用を主な役割を担うIT部門について、社内外の多様な意見を集め、アイデアを新しい仕組みとして具体化していく役割を担う部門と位置付けている。そこで、オフィスをフリーアドレスにすることで、あらゆる部門の社員が気軽に立ち寄り、コラボレーションできる環境作りを行った。オフィス内は、コミュニケーションエリア、協働エリア、集中エリアなど、目的に応じたゾーンニングがされており、自分の仕事の内容に応じて席を選ぶことで、IT部員の生産性の向上を目指している。

集中エリア
集中エリア
 オフィス内の壁面には大型のマルチモニターを設置し、それを囲むように椅子を配置している。この配置は、具体化したアイデアを表示することで、改善に向けての意見や追加のアイデアが自然と語り合われる場を生み出すことが狙い。オフィスの一画で、常に新システムのプロトタイプ評価を行っているイメージだ。現在は、最近リリースした工場の稼動状況モニターを表示しており、工場責任者や生産管理担当者が頻繁に立ち寄り、活発な意見交換がされている。



 IT戦略部 神谷部長
 IT戦略部 神谷部長
 また、ペーパーレス化を加速し、従来スペースの多くを占めていた書類キャビネットは不必要となった。神谷伸顕IT戦略部 部長は、「会議での紙資料の使用をゼロにしました。出入りのITベンダー各社にもご協力頂き、会議前に参加者全員に資料を電子ファイルで共有するルールにしています。また、保管資料の多くを占めていたシステム設計書も、レビュー/承認プロセスを見直すことで、電子ファイルで完結できる業務プロセスにしました。」としている。

 新オフィスの準備にあたっては、多くの社員の声を反映してコンセプトづくり、レイアウト検討、配色や什器の選択を行っており、働き方改革は、会社主導のものが多い中、社員自らに、「働き易さ」や「仕事への”わくわく”」を考える機会を与えることも、また重要であると考えている。

三菱マテリアルが難削材旋削加工用インサート材種「MP9000/MT9000シリーズ」にチップブレーカを追加

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)は、難削材旋削加工用インサート材種「MP9000/MT9000シリーズ」にチップブレーカを追加し、このほど販売を開始した。

 難削材加工用インサート材種「MP9000/MT9000シリーズ」は、航空機や医療器具などを中心としたチタン合金、耐熱合金、耐食合金などの難削材といわれている旋削加工用のインサート材種。

 耐摩耗性、耐欠損性、耐溶着性を向上させ、突発欠損や切りくずトラブル対策としてユーザーから高い評価を得ていることを受け、メインブレーカのアイテム追加と補間ブレーカとなる「MJブレーカ」を追加し、用途の拡大を図る。

 「LSブレーカ」「MSブレーカ」「RSブレーカ」「MAブレーカ」「MJブレーカ」の主な特長は以下の通り。

 ① 「LSブレーカ」は、軽切削領域でのコーナR以下の切込み量において、切りくずコントロール性能が大幅に向上。
 ② 「MSブレーカ」は、大きな2段すくい角により、中切削領域での切りくず絡みを防止。
 ③ 「RSブレーカ」は、荒切削領域用として、ポジランド採用により耐溶着性を高め、低速加工時に発生しやすい溶着チッピングを抑制。
 ④ 「MAブレーカ」は、汎用切削領域に対応する切りくず処理性で、ポジランド刃形により切れ味が良好。
 ⑤ 「MJブレーカ」は、軽切削領域用メインブレーカの「LSブレーカ」と中切削領域用「MSブレーカ」の補間ブレーカとして、軽切削領域から中切削領域に対応し、難削材切削加工時に見られる境界損傷を抑制。

標準価格(いずれも税抜価格)
CNMG120402-LS MT9015:760円
 (代表型番)DNMG150404-MJ MP9005:1,180円
SNMG190612-MS MP9015:2,400円

ダイジェット工業が好評の「マックスマスター」に刃先強化形インサートをラインナップ

 ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)がこのほど、両面4 コーナ仕様の高能率荒加工用工具「マックスマスター」に、刃先強化形の「PH ブレーカインサート」をラインナップした。炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、焼入れ鋼、鋳鉄、高強度ステンレス鋼などの平面・ポケット、ヘリカル、曲面、溝削り加工に威力を発揮する。

 この製品は、金型加工ユーザーをはじめとした、高負荷条件におけるより一層の安定加工の要望に応え、さらなる性能向上を実現したもの。

 特長は以下の通り。

 ●刃先強化形のPHブレーカにより耐欠損性に優れ高負荷切削に対応。
 ●小型インサートながらインサート厚みを4mmと厚くし、断面強度をアップ。また刃先形状を最適化し、幅広い切削条件下で安定加工が可能。
 ●3次元ブレーカインサートにより、刃先強度は保持しつつも切削抵抗は従来品とほぼ同等を実現。両面4コーナ仕様で経済的。
 ●φ50の炭素鋼加工で切りくず排出量Q=317cm3/minを実現。
 ●インサート材種は新PVDコーティングJC8118とJC7560を採用。炭素鋼からプリハードン鋼、焼入れ鋼、高強度ステンレス鋼など幅広い被削材に対応。

■サイズ・価格
インサート形番:ENMU100412ZER-PH  インサート材種:JC8118、JC7560
標準価格 1,180 円(税抜)

三菱日立ツールが続々と新製品を投入! ~GALLEAシリーズ第6弾 刃先交換式のレンズ工具「GF3L形」、金型加工用ヘッド交換式エンドミル「EHXエンドミルシリーズ」~

 三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)が、続々と新製品を市場投入している。このほど発売した新製品は、GALLEAシリーズ第6弾の刃先交換式のレンズ工具「GF3L形」、金型加工用ヘッド交換式エンドミル「EHXエンドミルシリーズ」の2製品。いずれも金型業界に貢献する工具だ。

GALLEAシリーズ「GF3L形」

 従来工具で高能率加工を行う場合、送り速度を上げて高能率加工を行う方法が一般的だったが、加工形状が複雑な場合などでは機械の送り速度が追従せず、狙い通りの高能率加工を実現できないケースがあった。近年では異形工具を使用し、5軸加工プログラムの作成可能なCAD/CAMソフトウエアの登場で加工することが可能になっている。

 「GF3L形」は、このような最新のCAD/CAMを活用し、GALLEAシリーズの特徴である「加工するピッチを大きくすることで加工能率を大幅に向上する」ことが可能な製品として今回、ユーザーの期待に応える形で開発された製品だ。また、3コーナーのインサートを採用し経済性を向上させている。

 金型の緩曲面の中仕上げや仕上げ加工、金型構造部の勾配面(緩斜面)の加工、タービンブレード翼面の仕上げ加工に威力を発揮する。
 
 特長は以下の通り。

 1.GF3L形は緩曲面・緩斜面の仕上げ加工に適したレンズ工具。
 2.切れ味良好な3枚刃のポジ刃形設計で高能率な仕上げ加工を可能にする。
 3.ユニークなインサート拘束面が強固なインサートのクランプを実現した。
 4.最新のTH3コーティング、PN2コーティングを採用し、さまざまな被削材に対し長寿命な加工が行える。
 5.GALLEAシリーズ(GF3L形とGP1LB形)を合わせて使用することで中仕上げから仕上げ加工をより高能率に行なうことができる。

仕様
●モジュラーヘッド:全3アイテム 
●超硬インサート:全6アイテム 

価格(税別)
●モジュラーヘッド:42,700~45,300円
●超硬インサート:1,880~ 2,800円

金型加工用ヘッド交換式エンドミル「EHXエンドミルシリーズ」

 金型製作で使用される超硬ソリッドエンドミルは、特に工具径の大きなものや、深彫り加工に使用されるロングシャンクのものは高価でユーザーの大きな負担となっていた。刃先交換式エンドミルの小径化や高精度化が進んでいるが、「より高精度の超硬ソリッドエンドミルで加工を行いたい。」というユーザーの要望を受け、同社では金型加工用として、超硬ソリッドエンドミルの刃形と刃先交換式エンドミルの経済性を併せ持つ「EHXエンドミルシリーズ」を開発した。
 
 製品の特長は以下の通り。



 1.「超硬」+「超硬」の2面拘束のモジュラーシステムを採用し、ソリッド工具に近い剛性と高精度を確保した。
 2.金型加工に好評な「エポックターボミル」「エポック21」「エポックパワーミル」刃形の超硬ヘッドをラインナップした。
 3.アプリケーションに対応したヘッド交換が可能で、経済性に優れている。
 4.超硬ヘッドには、耐熱性、耐摩耗性に優れたTHコーティングを採用している。
 5.EHXエンドミルシリーズにより金型の部品加工や深彫り加工などの、同社ソリッドエンドミルの適用範囲を広げることができる

仕様
■超硬ヘッド
・EHX-(H)-ETM4-TH:(φ12~φ20) 全6アイテム
・EHX-CEPR6-TH:(φ12~φ20) 全3アイテム
・EHX-EPP4-TH:(φ12~φ20) 全16アイテム
■超硬ホルダ
・EHX-ASC:(φ12~φ20) 全21アイテム
(アンダーカットタイプ、ストレートタイプ、ペンシルネックタイプ)

価格(税抜)
■超硬ヘッド
・EHX-(H)-ETM4-TH:(φ12~φ20) :16,800~39,300円
・EHX-CEPR6-TH:(φ12~φ20) :16,800~35,600円
・EHX-EPP4-TH:(φ12~φ20) :14,600~35,100円
■超硬ホルダ
・EHX-ASC:(φ12~φ20):57,600~128,000円

DMG森精機が「MASTER」シリーズ主軸の3年間無償保証サービスを開始

重切削に最適なpowerMASTER
重切削に最適なpowerMASTER
 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)が、このほど、ユーザーにより安心・安全かつ快適に製品を使用してもらうことを目的に、全世界で生産・販売するDMG森精機製の工作機械に搭載されている主軸「MASTERシリーズ」の3年間無償保証サービスを開始した。

 同社では、これまでも日本国内で販売する機械の修理・保守サービスは2年間の無償保証を提供しているが、主軸についてはさらに1年長い3年間の無償保証とした。これによりユーザーはより安心して使用できる。

 今回対象となるDMG森精機製の工作機械に搭載されている主軸「MASTERシリーズ」には、重切削に最適なpowerMASTER、高速マシニング加工用のspeedMASTER、複合加工機専用のcompactMASTER、ターニングセンタ用のturnMASTERの4種類がある。

 「MASTERシリーズ」は、全世界で培った技術力やノウハウを結集して全て自社開発し、それぞれの機械のもつ加工内容に合わせて最適な設計をしている。また、高精度ターニングセンタ(旋盤)の製造開始以来培ってきた主軸内製の経験を活かして、「MASTERシリーズ」も全て同社で内製しており、その品質には「自信をもっております。」としている。

イスカルジャパンがセルフセンタリング機能付き「スモウカムIQ HCPヘッド」を好評発売中!

 イスカルジャパンがヘッド交換式穴あけ工具、スモウカムシリーズにセルフセンタリング機能を備えた「スモウカムIQ HCPヘッド」を好評発売中である。

 HCPヘッドは、炭素鋼・合金鋼・ステンレス鋼・鋳鉄等の加工に対応し、セルフセンタリング機能を備えるため、下穴加工なしで、最大加工深さ12×Dまでの深穴加工が可能となる。

 先進のTiAlN PVDコーティング材質、IC908を採用したHCPヘッドは、標準スモウカムドリルボディ、DCNタイプに装着可能。また、ホルダーにはツイストクーラント穴を備え、フルート断面積が大きな、耐久性と安定性に優れたボディ構造を採用している。

 さらに、ホルダー先端のクーラント穴がワーク侵入時のクーラント効果を最大に発揮する。ハイレーキ化と適切な内部給油により、工具の長寿命化と加工穴精度向上に貢献、良好な切屑排出性を実現している。また、ホルダー寿命を延ばし、錆にも強い銀白色ホルダー(HRC50)を採用している点も注目されており、好評を博している。

■レパートリー
・ヘッド 
HCP (炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、鋳鉄用) ヘッド径:Φ6.0-Φ32.0mm
・ホルダー
DCN  加工深さ:1.5 / 3 / 5 / 8 / 12×D

「今年はダブル記念年」日本歯車工業会が賀詞交歓会を開く

あいさつをする栄野会長
あいさつをする栄野会長
 日本歯車工業会(会長=栄野 隆 日立ニコトランスミッション顧問)が1月19日、都内の東海大学校友会館で賀詞交歓会を開いた。

 第一部の新春特別記念講演会は、1921年に姫路市で創業し、2020年に100周年を迎える本田商店の四代目蔵元の本田眞一郎 本田商店 社長が、「ものづくりの精神」をテーマに講演をしたあと、会場をうつして第二部の賀詞交歓会が開かれた。

 あいさつに立った栄野会長は、「当歯車協会は今年度創立80周年の節目を迎えることになった。昭和13年に創立して80年、その後昭和33年に現在の名称の日本歯車工業会として社団法人化されて60年、ダブルで記念すべき年となった。11月に記念式典を開催する企画をしている。この会は長年当工業会のことを支えて頂いた会員各位に対する感謝の会であるとの趣旨で開催したい。」と述べたあと、今年度の展望と今後について説明した。それによると、「昨年の工業会の生産状況は内外需とも用途業種により若干の差はあるが2年振りに前年比プラスに推移した。今年度を通してもこの傾向は継続するだろうと見込まれている。時代は変化のスピードも速く、IoT、ロボット、自動化設備等がわれわれのものづくり現場に必須の時代となっている。当会はこれにも目を向け、タイミングを失うことなく、3つの原則で進みたい。」とした。具体的には、(1)歯車に関するJIS、ISOの制定と改定に深く関与していく。(2)新技術を踏まえた調査・研究、紹介。(3)生産活動を支える人造り――と3つの点を挙げた。

 栄野会長は、「技術についていうと、会員各社が使っている歯車用鋼材の品質評価装置を国からの補助事業を頂戴し2年間進めてきた。このコンセプトは自ら容易に高速で高度な品質評価ができることがキーワードである。着実に成果をあげており、世界にもまだ殆ど例のない世界初の装置になるのではないかと期待している。さらに今年以降、実用化を目指し、この装置で培われた評価法を工業標準の規格化に繋げていきたい。従来、技、眼力といった暗黙知をデーター化することができ、これにより信頼性の向上に繋げていくことができる。また、人づくりについては、当会が継続的に主催しているJGMA(ジグマ)ギヤカレッジで、歯車技術を将来にわたって担う技術者を対象に大学レベルの講座を開設・継続しているが、受講者は現在500名を超え、会員各社はもとより一般企業にも解放し取り組みとして評価を頂いている。」とした。

宮沢洋一 参議院議員 自由民主党 税制調査会長
宮沢洋一 参議院議員 自由民主党 税制調査会長
 来賓を代表して、宮沢洋一 参議院議員 自由民主党 税制調査会長が「世界経済・日本経済は絶好調といっていい。世界経済はアメリカ、ヨーロッパの政治的混乱にかかわらず良い。また中国は少々停滞するのかと心配されていたが中国経済も良い。ただ、景気というのは必ず波があるものであり、従来からいうと皆さんが景気は良くなったと言い出すと、だいたい景気の良いところは超えている。さて、工業会をあげて歯車の品質管理並びに評価に取り込まれているが、私が経済産業大臣の時からはじまった補助金であるが素晴らしいことをやられ、素晴らしい結果を予感させるこれまでの経緯である。昨年はまさに日本の品質管理が問われた年だが、先駆けて歯車工業会はこの問題に取り組まれ、世界標準にして世界をリードし、日本の歯車が世界に闊歩するような状況をつくり出そうとされている。時代を先取りした素晴らしいことだ。」と述べた。

経済産業省 多田 製造産業局長
経済産業省 多田 製造産業局長
 続いて、多田明弘 経済産業省 製造産業局長が、「2018年が将来を見据えた次の一手、次の次の一手を考える大事な年にして頂きたい。デジタル化、IoT、AI、ロボット化等様々な動きがある。先行きがどうなるのか、勝ち筋がはっきり見えてこない年になろかとも思うが、そういう時こそ、新しいチャレンジに向けた取り組みを進めて欲しいと思う。有名なダーヴィンの言葉には、最後に生き残るのは最も強いものではないし、賢いものでもない。変化に適応する力を持っているものだけが残るのだ、とされている。生物学の世界とリアルなビジネス企業とは同じではないが、新しい時代になんとか適応していく、先を見越していく、という姿勢は大事だ。次の一手は設備投資かもしれないし、人材投資、または研究開発投資かもしれない。歯車工業会におかれては国際標準化に向けた取り組み、安全性・信頼性に向けた取り組み、さらには人材育成といった会員企業を後押しする大きな作業をやられている。改めて敬意を表したい。」とあいさつをした。

 新規入会企業の紹介のあと、乾杯の発声を植田昌克 副会長(植田鉄工所 社長)が行った。宴もたけなわの頃、松波俊宣 副会長(岐阜ギヤー 会長)の中締めで散会した。

「自社の技術を大切にしながら仲間の力を借りる」日本金型工業会東部支部が賀詞交歓会を開く 

あいさつする加藤 日本金型工業会東部支部長 
あいさつする加藤 日本金型工業会東部支部長 
 日本金型工業会東部支部(支部長=加藤忠郎 日進精機 相談役)が、1月19日、上野精養軒で賀詞交歓会を開いた。

 第一部の特別講演では、「ビッグデータとは何か、それをモノ作りに役に立てるためにどうすべきか?」をテーマに、佐藤敏明 リコー研究開発本部 技師長が講演した。

 第二部の新年懇親会で、あいさつに立った加藤支部長は、「人工知能のAIやIoT等はわれわれの金型業界では直接関係ないので飛びつくのは考えものだ、もっと地に足をつけた経営をしよう、という話を数年前にしたのだが、最近はセンサーの発達でかなりIoTも身近になってきた。AIだけでなく、車の自動運転や様々な分野の展示会が併設されている。こうした展示会を見学するとITの進展の速さに今更ながら驚いている状態だ。今後は自分の会社にはない特長をもった会社と一緒に協業することが必要になるのではないか。自社の技術を大切にしながら仲間の力を借りてこの1年をぜひ乗りきっていこうではないか。」と活況あるあいさつをした。

経済産業省 岡本 素形材室長
経済産業省 岡本 素形材室長
 来賓を代表して、岡本繁樹 経済産業省 製造産業局素形材産業室長が、「わが国の経済状態は安倍政権発足以降、名目GDPは56兆円の増加、企業収益は過去最高水準を記録するなど経済の好循環が着実に実現しつつある。一方で、中小企業、小規模事業者は少子高齢化に伴う人材不足や、大企業との生産性の格差など構造的ともいえる課題に直面しており、景気の実感は未だ十分ではないと認識している。さらにグローバル競争の激化や第四次産業革命の到来など大変革の時代に到来しており、安倍内閣では生産性革命を政策の柱の1つとして位置付けている。その実現に向けた鍵としてコネクテッドインダストリーズを打ち出している。」と述べ、新たな価値創出の重要性を話した。

日本金型工業会 牧野会長
日本金型工業会 牧野会長
 続いて牧野俊清 日本金型工業会 会長(長津製作所 会長)が、「昨年は金型マイスター制度を発足した。それをさらに内容のあるものにしていく。昨年は60周年記念の年だった。ちょうど60年前の前の年、機械工業振興臨時措置法が出来て金型をはじめとした産業が高度化していったという歴史がある。その時、重要な役割を担う17の業種を定めた。工作機械や切削工具も入っており、金型も入っていた。いよいよ工業会も還暦を迎え、新たなスタートをきった、ともいえる。皆様の力を借りて金型業界がさらに高度化して世界に負けない金型産業したい。」と期待を込めた。

 新入会員の紹介があったあと、乾杯の音頭を井上真一 牧野フライス製作所社長が行い、宴もたけなわの頃、散会した。