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日本マイクロソフトが小柳建設と「Holostruction」の推進で連携 建設業の施工検査の効率化を目指す


(写真左=平野拓也 日本マイクロソフト社長、右=小柳卓蔵 小柳建設社長)

 日本マイクロソフト(社長=平野拓也氏、本社:東京都港区)と小柳建設(社長=小柳卓蔵氏、本社:新潟県三条市)は、4月20日、Windows 10 を搭載した世界初の自己完結型ホログラフィック コンピューター「Microsoft HoloLens(マイクロソフト ホロレンズ)」を活用したプロジェクト「Holostruction(ホロストラクション)」の推進において連携すると発表した。

 現在、建設業界は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックや、2027年開業予定のリニアモーターカーなどによる需要の高まりと、高齢化に伴う労働力人口の減少から、技能労働者の不足が深刻化し、生産性の向上が課題とされており、政府主導による「i-Construction」が推進されるなど、建設事業者にとって、様々な課題や新しい規格などへの対応が求められている。

 日本マイクロソフトが本年1月から国内の法人と開発者向けに提供開始した「HoloLens」は、目の前の現実世界の中に、3Dの仮想物体であるホログラフィックを重ねて表示させることで、現実世界と仮想世界を複合させ、それぞれの長所を活かした「Mixed Reality」(複合現実)を実現する新しいデバイス。

 小柳建設は、1945年の創業以来、土木事業、建築事業、自社開発の浚渫事業を軸に、総合建設業として地域社会の成長発展に貢献してきた企業。今回、日本マイクロソフトと連携し、建設業における計画・工事・検査の効率化、および、アフターメンテナンスのトレーサビリティを可視化するコンセプトモデルを開発したが、今後も継続的に開発を行い、将来的な実用化に向けて取り組んでいく。なお、業務生産性とトレーサビリティの向上を目指して「HoloLens」を活用するのは、建設事業者としては国内初となる。

 VR(Virtual Reality)デバイスと異なり、現実世界が見えている状態のまま、ホログラフィックも見えて操作でき、音声やビデオを使って遠隔地の同僚と、同じ複合現実の世界を共有しながらオンライン会議もできることから、小柳建設では、国内での発売前から、「HoloLens」を活用することで、建設事業者の様々な課題の解消や軽減を実現できるものと考え、マイクロソフトがグローバルで提供する 「HoloLens」 の開発プログラムをマイクロソフト コーポレーション(本社:米国ワシントン州レドモンド)と締結することで、マイクロソフト コーポレーション、および、日本マイクロソフトのコンサルティングサービスと連携してコンセプトモデルを開発してきた。

 平野 日本マイクロソフト社長は会見の席上で、「HoloLensは現在日本を含む9カ国で提供されており、多くの開発者の支持を得ている。すでにWindowsストアにおいては、150を超えるアプリケーションがダウンロードできる状態。特に日本においては今年の1月に開発者、並びに法人向けに販売を開始した。すでにHoloLensを着用した数十名の開発者が集まって連日勉強会をしてみたり、幅広い業種の方がビジネスでどのように活用できるのかと検討されたり、われわれの想像を超えるような反響と盛り上がりを見せている」と述べた。

HoloLensを活用した小柳建設コンセプトモデルについて

参考画像
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 業務トレーサビリティを確保する仕組みを開発し、計画、工事、検査、アフターメンテナンスの全てを表現するツールとしての活用と、政府が推進するi-Constructionを後押しできることを目指している。建設現場では、検査員の不足や負担が喫緊の課題とされており、小柳建設では、BIM/CIMデータを活用した、直感的な新しい検査基準の検討、検査文書の作成負担を軽減する試行策に取り組んでいる。今回のコンセプトモデルでは、設計図を3Dで可視化しつつ、検査に必要なデータや文書も一緒に格納し、必要な時にすぐ表示できる仕組みを開発している。

 建設現場では、物理的に行き来が難しい場所や危険な場所もあるが、「HoloLens」を活用することで、場所にとらわれずに現場の状況を確認したり、遠隔地の人と視界を共有することができるため、工事の安全やコミュニケーションの迅速化にも貢献する。今回のコンセプトモデルでは、3Dグラフィックで「HoloLens」に映し出される図面や現場視界を共有する機能、実物大の1/1スケールで実際にその場にいるかのような体験、建設重機や作業員の配置を計画段階からシミュレーションする機能も開発している。

三菱マテリアルが2商品を新発売

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)は、このほどハイスミーリングシャンクドリルの「バイオレット高精度ドリルシリーズ」として「VAPDJ」と、複合材加工用超硬ソリッドドリル 「MCシリーズ」の販売を開始した。

ハイスミーリングシャンクドリル「VAPDJ」

 ハイスミーリングシャンクドリル「バイオレット高精度ドリルシリーズ」は安定した穴径が得られるとして高い評価を博しているが、新たに発売する「VAPDJ」は、剛性と切りくず排出性を両立させる独自溝形状を採用し、深穴の高精度加工と寿命を向上させたドリル。
主な特長は、以下の通り。

 ① 独自の高剛性溝断面形状を採用することで心厚を最適化し、さらに溝後端部のチップポケットを大きくすることで、工具剛性と切りくず排出性の両立を実現。
 ② 溝部を平滑化することで切りくず排出性を向上させ、ドリル直径の10倍の穴深さもノンステップで加工が可能。
 ③ TiNコーティング品と比較し2~3倍程度の長寿命を実現するバイオレットコーティングを採用。

型  番:ドリル直径Φ1.0mm~Φ10.0mm 66型番
標準価格: 2,200円~17,000円
・(代表型番)VAPDJD0100:2,500円
・VAPDJD0200:2,200円
・VAPDJD0960:17,000円
・VAPDJD1000:12,500円
(いずれも税抜価格)

複合材加工用超硬ソリッドドリル“MCシリーズ”を発売

 航空機産業、自動車産業で需要が急増しているCFRP(炭素繊維強化プラスチック)は炭素繊維と樹脂の複合材であり、特に航空機産業ではCFRPとアルミニウム合金やチタン合金を重ねた被削材の切削加工において、安定的かつ効率的な加工が要求されるうえ、CNC工作機械やハンドツールなど、ユーザーの使用機械に合わせたドリルが必要となっている。

 こうしたこととを受け、同社ではCFRPのさまざまな加工に対応する複合材加工用超硬ソリッドドリル “MCシリーズ”6種類を同時に発売するに至った。
主な特長は、以下の通り。

 ①  CFRP単体専用の「MCC」は先端角を90°にし切削抵抗を低減することで、加工残しの無い良好な穴品質を実現。
 ②  CFRPとアルミニウム合金を重ねた被削材専用の「MCA」は、切りくずを包み込むような専用溝設計により、切りくずが穴壁面に接触することを防止し穴加工の隙間や段差を抑制。
 ③ CFRPとチタン合金を重ねた被削材専用の「MCT」は、切削熱を抑制するシャープな切れ刃にすることで切れ味が向上し高品質な穴加工を実現。
 ④ 高精度穴加工専用の「MCW」は切れ刃にV字の溝を持つ独自設計により、外周で生成される切りくずをコントロールし、加工穴径の隙間や段差の抑制と加工穴出口のバリを抑制。
 ⑤ CFRP単体専用「MCCH」は、ハンドツールに対応すべく靭性を高めた専用超硬材種の採用により突発的な折損を防止し、切れ刃の切削抵抗を低減することで信頼性の高い穴加工を実現。
 ⑥ CFRPとアルミニウム合金を重ねた被削材専用の「MCAH」は、ハンドツールに対応すべく靭性を高めた専用超硬材種の採用により突発的な折損を防止し、溝形状を最適化することで切りくず分断性と排出性を両立。

型  番:「MCC」5型番、「MCA」2型番、「MCT」2型番、「MCW」4型番、「MCCH」6型番、「MCAH」6型番

標準価格:17,500円~83,000円
・(代表型番)MCC0638X03S080 DD2105:52,000円
・MCA0638X05S070 DD2110 :54,000円
・MCT0638X05S070 TF15:18,000円
・MCW0638X05S070 DD2110:56,000円
・MCW0638X05S070 HTi10:22,000円
・MCCH0638X03S070 DT2030:37,000円
・MCAH0638X05S070 DT2030:21,000円
(いずれも税抜価格)

ダイジェット工業が2商品を追加販売開始!

 ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)がこのほど、「QMミル」に仕上げ用チップを追加、 刃先交換式座ぐり加工用ドリル「TAタイラードリル」の寸法を拡張した。

QMミルに仕上げ用チップをラインナップ

 刃先交換式小径多刃工具「QMミル」に、仕上げに対応した「ミラーチップ」YOHW形は、「QMマックス」と同様、小径の「QMミル」でも仕上げ加工が可能なチップ。炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、焼入れ鋼、鋳鉄、ステンレス鋼などの底面および側面仕上げ加工に威力を発揮する。
 特長は以下の通り。

 ① 仕上げ専用の研削級チップにより高精度な加工が可能
 ② 高硬度材用には高速加工も可能なPVD被膜「新DHコート」採用のチップ。材種「DH102」を、一般鋼などには汎用的に使用が可能な材種「JC8015」をそれぞれラインナップ。
 ③ 被削材SKD11(硬さ60HRC)の仕上げ加工にて、加工面粗さは底面加工時Rz=0.7μm、側面加工時Rz=0.95μmを達成(チップ材種DH102使用時)。
 ④ チップコーナRはR0.3、R0.5、R0.8の3型番を揃え、小さな隅Rの加工にも対応
 ⑤ φ10(2枚刃)~φ32(8枚刃)と超多刃仕様の「QMミル」で使用するため、ソリッド工具以上の加工能率で仕上げ加工が行えるうえ、刃先交換式なので工具コストの削減も可能。

標準価格
・YOHW0602**ZER-12材種DH102: 1,240円(税抜価格)
・YOHW0602**ZER-12材種JC8015: 830円(同上)

刃先交換式ドリル「TA タイラードリル」寸法拡張!

 幅広い用途で使用できる、先端角が180°フラットの刃先交換式座ぐり加工用ドリル「TAタイラードリル」の寸法を、 発売中のφ14~φ32の0.5ミリとびチップ37型番に加え、今回φ14~φ20の0.1ミリとび48型番を追加、全85型番に拡張した。有効加工深さは工具径×1.5倍まで(本体は発売中1ミリとび19型番を共用)。炭素鋼、工具鋼、合金鋼、プリハードン鋼、ステンレス鋼、鋳鉄の座ぐり・穴あけ加工に威力を発揮する。
 特長は以下の通り。

 ① TA EZドリルで定評のあるチップクランプ方式を採用、工具交換はチップのみで行えるため、大変経済的。
 ② 傾斜面や円筒面など不安定な被削材形状への座ぐり・穴加工や交差穴加工を下穴なしの状態からノンステップで行なえる。
 ③ 本体はタイラードリル専用に設計、併せて高剛性「Gボディ」を採用することで本体剛性を向上、安定した加工を実現。
 ④ チップ材種はPVDコーティング材種「JC7550」を採用、独自の内部給油方式でプリハードン鋼やステンレス鋼でも長寿命化を実現。
 ⑤ 薄板の穴あけ加工において通常のドリルよりバリの発生が少ない。

標準価格
・チップ:φ14.1=10,000円(税抜価格)~

タンガロイが経済性に優れるエコインサートシリーズ「ISO-EcoTurn 」のVNMG形インサート&ホルダを拡充

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、このほど小型化により経済性に優れたエコインサートシリーズ「ISO-EcoTurn(エコターン)」にVNMG形状及びホルダを大幅拡充し、発売を開始した。

 好評を博している「ISO-EcoTurn」は、小型インサートでありながら、切削性能に関与するチップブレーカ諸元およびインサート厚みが一般的に使用されているインサートサイズ(通常品)と同じで、切込み3.0mm以下において、通常品と同等の切削性能が得られるように設計されている。一般的なダウンサイズインサートは通常品よりも厚みが薄いのに対し、この商品はインサートの厚みを同じにすることで同等の耐欠損性を維持している。

 さらに、この商品は、インサート体積を大幅に削減することで、通常品より経済性に優れ、なおかつ同じ切削性能が得られることで、実際に使用される生産ラインの工具費低減に寄与できるシリーズとなっている。

 今回VNMG形状を拡充することにより、「ISO-EcoTurn」によるトータルツーリングを可能にした。また、標準的に使用されているVNMG1604形状の内径加工では、最小加工径がφ37mmだったのに対し、「ISO-EcoTurn」のVNMG1204形状では、最小加工径φ32mmが可能で、従来のVNMG形状では不可能とされていた加工を実現する。

 更にVNMG1204形状は、他のインサート形状よりも工具費低減メリットが大きく経済性に優れるため、工具費低減に大きく寄与する。材種には、鋼用CVD材種のT9100 series・ステンレス鋼用のCVD材種T6100 series及びPVD材種AH600 seiries・サーメット材種NS/GT9530を、また、チップブレーカには、鋼加工仕上げ用TSFブレーカ及び中切削用TMブレーカ・ステンレス鋼の仕上げ用SSブレーカ及び中切削用SMブレーカをそれぞれ設定した。

 ホルダは外径用・内径用及びTungCapを設定し、さらに外径用及びTungCapには高圧クーラント対応シリーズTungTurn-JETを設定することで、あらゆる加工に対応し、生産性の向上に貢献する。
 主な特長は以下の通り。

 ① ISO-EcoTurnにVNMG形状を拡充し、CNMG/DNMG/TNMG/WNMG/VNMG形状のラインナップを構築。
 ② 通常インサートよりも小型化を実現し、希少資源の使用を低減させた経済性に優れたインサート。

主な型番と標準価格
●インサート
・VNMG120402E-TSF NS9530: 770円
・VNMG120408E-TM T9125 :1,010円

●外径用ホルダ
・AVJNR2525M1204-A :13,600円
・PVJNR2525M1204-CHP: 37,200円

●内径用ホルダ
・A25R-PVUNR1204-D320 :32,900円
・A32S-PVUNR1204-D400: 41,300円

●TungCap
・C4AVJNL27060-1204N 26,400円
・C6PVJNR45065-1204-CHP 50,500円
(いずれも税抜価格)

オーエスジーがINTERMOLD2017の会期中に「金型セミナー」を開催

 オーエスジー(社長=石川則男氏)が4月12日~15日まで東京ビッグサイトで開催したINTERMOLD2017の会期中、「金型セミナー」を開催した。

 会期中の14日、15日の2日間、東京ビッグサイト会議棟にて開催したセミナーでは、超硬エンドミル「PHXエンドミル」を使用した超深掘り加工など金型最先端技術についてのノウハウを、同社の今泉悦史 加工技術グループリーダーが説明した。

 また、高能率で高精度な加工ができる切削条件自動計算ソフト「KC-TOOL」の紹介もあった。

 

三菱マテリアルの「切削アカデミー“実験コース”」が受講者募集中

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)は、切削加工技術者育成を目的とした研修「切削アカデミー」に2017年度より「実験コース」を追加する。 「切削アカデミー」は切削工具メーカーならではの切削加工技術の基礎知識や応用、専門的な知識を学ぶ体系的な研修として、受講者から高い評価を博している。2017年度は、従来のコースに加え、実験を主とした切削現象を学ぶ研修「実験コース」を追加した。 6月開催の「実験コース」は、加工をする際に発生するバリの観察やその機構について、実験を通して学んでいく従来にない研修。切削現象を理解することにより、切削加工職場で生じる疑問を解決し、より高い切削技術を身に付けることが狙い。

コースおよび開催日程

■実験 バリコース (1日) バリ生成のメカニズム、バリと境界摩耗の関係を実験から学び、バリを意図的に発生させる実験を行う。[6月30日(加技C)]■初心者コース(1日) 切削加工の種類、切削工具の呼称など、切削加工職場で使われる言葉を学ぶ。[5月19日(加技C)/5月26日(加技C)]■基礎コース(2日) 切削加工の種類、被削材と切削工具の基礎知識を学び、切削条件の計算式を習得。[4月13、14日(加技C)/7月20、21日(中部TC)/8月24、25日(加技C)]■応用ターニングコース(1日) 旋削加工の詳しい知識や工具選定について学ぶ。切削加工職場で適切に工具が使用されているか判断する能力、一般的な工具損傷の基礎知識とその対策を身に付ける。[4月21日(加技C)/9月8日(中部TC)]■応用ミーリング・ドリリングコース(2日) 転削加工の詳しい知識や工具選定について学ぶ。切削加工職場で適切に工具が使用されているか判断する能力、一般的な工具損傷の基礎知識とその対策を身に付ける。[6月8、9日(加技C)]■ターニング トラブルシューティングコース(1日) 旋削加工のトラブルシューティングを集中して学びます。[6月16日(加技C)]■ミーリング トラブルシューティングコース(1日) 転削加工のトラブルシューティングを集中して学ぶ。[7月28日(加技C)]■ドリリング トラブルシューティングコース(1日) 穴あけ加工のトラブルシューティングを集中して学ぶ。[9月22日(加技C)]■難削材加工コース(1日) 難削材加工の基本的な考え方と、実用的な加工を学ぶ。[8月4日(加技C)]■切削抵抗解析コース(1日) 切削抵抗測定と測定結果の理解、不安定切削の状態を学ぶ。[9月29日(加技C)](*加技C:加工技術センター、中部TC:中部テクニカルセンター)受講対象者:切削加工の実務者、生産技術者受 講 料:コースごとに設定▼申込みはWEBサイト▼http://carbide.mmc.co.jp/solution/purpose/education/training/academy所在地●加 工 技 術センター:埼玉県さいたま市大宮区北袋町1丁目297番地●中部テクニカルセンター:岐阜県安八郡神戸町横井1528-1(岐阜製作所内)

ジェイテクトがHANNOVER MESSE 2017に初出展

 ジェイテクト(社長=安形哲夫氏)は、昨年のJIMTOF2016で発表した「人と設備が協調し、人の知恵が働く、人が主役のスマートファクトリー」を実現する「つながる」「見える化」「バリュー」「チェーン」4つの導入ステップと、IoE(Internet of Everything)ソリューションを提案しているが、Industrie4.0提唱の地であるドイツで、同社が提案する「人が主役のスマートファクトリーづくり」を4月24日からドイツのハノーバーで開催されている「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ) 2017」で訴求している。

 同社は導入ステップ「つながるソリューション」として、メーカーの異なる設備も簡単につなげることが可能なアドオンタイプのボード型PLC「TOYOPUC-Plus」を展開しており、このほど、EtherCATに続きPROFINET対応モジュールを追加する。

 また、つながる範囲を拡げる「チェーンソリューション」実現の手段として、顧客の利便性に応じた自由なクラウド選択を可能にしている。今回、第一弾として、この春シーメンス(社長=藤田研一氏)が提供を開始するクラウドベースのIoTオペレーションシステム「MindSphere(マインドスフィア)」の採用を決定した。

日立システムズグループと日立システムズフィールドサービスが全国約300か所のエンジニアを活用した現場のデジタル化を支援するサービスを開始 ~第一弾は製造業向けに「統合資産管理サービス 金型管理モデル」~

 日立システムズ(社長=北野昌宏氏)と、グループ会社の日立システムズフィールドサービス(社長=山本義幸氏)は、全国約300か所のサービス拠点にいる日立システムズグループのエンジニアを活用した企業の現場業務のデジタライゼーションを支援するサービスを拡充する。 自動車や機械、プラスチックなど各種の部品製造業では、金型などの各種の製造に関する資産・設備を多数(数万点規模)保有・管理している。資産管理の効率化のために一部の企業では資産管理システムが導入されているが、多くの企業では資産管理のIT化以前に、台帳上で資産の情報が正確に管理されていないケースが多いのが実情である。例えば、生産のために製作する金型は、1個あたり数千万円から数億円と高額で、金型の種類やサイズ、量も多数あるにも関わらず、手書きや表計算ソフトウェアなどで台帳管理されていることが多く、また、国内外の製造委託先に貸し出すケースもあり管理が非常に煩雑なため、台帳に記載されている内容と実際の資産が一致しないという事象が多数発生しており、資産台帳の精度向上が重要な課題となっていた。 こうした背景を受け、その第一弾として、このほど製造業向けに、資産管理ルールの見直し支援や、工場や倉庫などに点在する金型などの固定資産の実棚卸しの代行、台帳の整備など、資産の正確な把握と維持を支援する「統合資産管理サービス 金型管理モデル」の販売を開始した。このサービスにより、金型などの固定資産を正確に把握できるようになるほか、資産管理の効率化や固定資産税の適正化を実現する。  具体的には、全国に展開している日立システムズと日立システムズフィールドサービスのカスタマーエンジニアが、顧客の現場で各種資産に対する現物確認や管理ラベルの貼り付け、棚卸し作業や資産台帳の整備(現物確認した上でデータの登録・追加・削除を実施)などの業務を代行し、正確な資産の把握・管理を支援する。代行にあたっては、属人性を排除するため、第三者である同社の担当者が顧客と一緒に資産管理ルール(資産管理ラベルの貼り付け位置、手順など)の見直しをするとともに、カラーコード(色の配列によってバーコードやICタグを代替できる認識技術)やRFIDなどのIT技術の活用によって、複数資産の一括読み取りの実現や、データと現物との照合・データ更新を自動化するなど、管理プロセスを効率化する。 さらに、棚卸し作業と同時に、操業に必要な設備と不要な設備に分類するルール作成や保全計画管理などの業務支援をサービスとして提供する。また、ニーズに応じて、設備資産管理システムや遠隔監視システムの導入・運用・保守、データ分析、レポーティングまでも支援することが可能になった。 これらにより、資産台帳の精度向上、設備の有効活用、固定資産税の適正化、棚卸し工数の削減などが実現する。

ヴェロソフトウェアが金型加工向けAutomatic CAM 最新版「WorkNC 2017 R1」をINTERMOLDで初披露

 ヴェロソフトウェアが、Automatic CAMシステムの最新バージョン「WorkNC 2017 R1」を2月28日にリリースし、4月12日より東京ビッグサイトで開催された「INTERMOLD2017」にて初披露した。

 最新バージョン「WorkNC2017 R1」では、新荒加工パス追加による加工効率アップや機能追加・改善、グラフィック機能のパフォーマンスアップ、ライセンスシステムの更新など、多岐にわたって追加改善を実施したバージョンとなる。
 主な強化ポイントは以下の通り。

仕上げツールパス「パラレル仕上げ加工」の追加
 レンズ工具に代表される異形工具の設定・計算に対応した走査線系ツールパス。同カスプハイトであれば径方向ピッチを大きく設定することが可能なため、加工時間短縮が期待できる。

荒加工パス「Waveform荒加工」にマイクロリフト速度を追加
 アプローチ速度・切削速度・早送りにマイクロリフト速度の追加(デフォルト1.5倍)。

Auto5に加工エリミットに応じた回転機能追加
 Auto5>垂直回転ではリミットオーバー時に回転軸を自動回転。リミット内を自動維持する。

ヤマザキマザックが村田機械と協業 合同記者発表会を開く ~スマートファクトリーのロジスティクス・ソリューション「MAZATEC SMS」の販売を開始~

 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)は、村田機械(社長=村田大介氏)とIoT時代の物流と自動化分野で協業に合意し、3月22日、MAZAK ART PLAZA(名古屋市東区)にて合同記者発表会を開いた。顧客の工場のスマートファクトリー化を推進するロジスティクス(物流と自動化)・ソリューションとして、自動倉庫機能を備えたパレタイジング自動化システム「MAZATEC SMS(Smart Manufacturing System)」を共同開発し、販売を開始する。

 両社で開発した「MAZATEC SMS」は、マザックのマシニングセンタおよび複合加工機の自動化システムと村田機械の自動倉庫システムを融合した新しいスマート生産システム。「MAZATEC SMS」は、上位基幹システムであるERPやMESとの連携、モバイル端末などのIoT機器の活用、さらに大容量の自動倉庫機能の追加や省フロアスペースかなどに対応し、素材入庫から完成品の出庫までの工場内の物流を効率化することで生産性のさらなる向上を実現するもの。また、倉庫棚の全長や全高・棚サイズも自在に設計可能で、エルゴノミクスを考慮し、かつロボットなどによる長時間無人システム運転にも対応した段取りステーションのオプション展開など、顧客の多様なニーズに柔軟に対応する。

ヤマザキマザック 山崎社長
ヤマザキマザック 山崎社長
 会見の席で、山崎社長は今回の協業について、「製造現場では世界的な労働人口の減少や人件費の高騰を背景に自動化や少人数化のニーズが高まっている。弊社はこれまでに1984年に開発した多品種少量生産システムの“MAZATROL FMS(Flexible Manufacturing System)”をはじめ、工作機械を用いた加工ラインの自動化を推進してきた。一方、ドイツ政府が推奨するインダストリー4.0でいわれているサイバーフィジカルシステムやマスカスタマイゼーションといったニーズを取り入れた高効率な生産システムの実現などIOTを活用したスマートファクトリー化への取り組みが近年製造業全体に加速している。こういったトレンドの中、弊社が得意としてきた自動化システムにおいても倉庫機能の追加やスペース効率を高める大容量化、さらにはERPなどの基幹システムとの高度な連携の必要性が高まっている」と述べ、今回の製品を「スマートファクトリー化のための重要な構成要素のひとつとなる製品」と位置付けた。

 今回の協業で、村田機械の得意とする自動倉庫システムとヤマザキマザックの工作機械による部品加工ラインを高度に融合し、これをERPなどの上位基幹システムと結ぶことで、素材の入庫から完成品の出庫までの物流と情報の流れを同期させ、工場内のサプライチェーンマネジメントを飛躍的に向上させることが可能になった。ヤマザキマザックでは同社が培った自動化技術、IOTを活用して「マザックiスマートファクトリー」と名付けた自社工場のスマート化を現在すすめている。山崎社長は、「今後は村田機械と協力してお客様の工場のスマートファクトリー化へ向けたお手伝いをしていきたい」との考えを示した。

村田機械 村田社長
村田機械 村田社長
 村田 村田機械社長は、「今回の協業のために開発した自動倉庫システムはマザックの貴重なアドバイスを賜りながら、自動倉庫の柔軟性と情報管理システムをバランスよくつくりこんだスマートファクトリーのロジスティックソリューションであり、マザックの顧客の期待に充分応えられるものだと自負している。弊社は日本における自動倉庫の黎明期から、ロジスティックの製造販売保守を手掛け、世界三十カ国、1500システムの納入実績がある。機械自動車電機医学化学食品等いつの時代とともに様々な工場内物流企業間物流のソリューションを提供してきた。ネットによってあらゆるサービスがつながる今日、ものづくりも物流も大きく稼動しているが、ロジスティックの現場でも工場の中、倉庫の中で完結するのではなく、販売や生産、経営管理等情報システムの連携によるより高度なサプライチェーンにかかせない」と述べた。

 特長は以下の通り。

●パレットサイズ□400~□1000mmまでのマザック製マシニングセンタ・複合加工機に対応
 *一部特注対応
●機械加工用の治具パレットだけでなく、倉庫機能としての素材パレットも収納可能
 素材供給からバッファ保管、完成品出庫まで一貫した自動化を実現
●倉庫棚の全長、全高、各棚サイズを自在設計により大容量・高効率収納を実現
 設備設置面積当たりの収納効率を向上(例:同一設置面積でのパレット棚数が既存の90から150棚に約7割アップ)
●エルゴノミクスを考慮した作業性の良い段取りステーション
 同期出庫により段取り効率を湖上させる“シンクロ段取りステーション”、連続無人運転が可能な“ロボットローディング仕様”の選択が可能(オプション)