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新会長に横山ジェイテクト副会長 日工会

日本工作機械工業会が都内のホテルニューオータニで第33回通常総会を開催し、横山元彦ジェイテクト副会長が新会長に就任した。副会長の牧野二郎牧野フライス製作所社長、稲葉善治ファナック社長、森雅彦森精機製作所社長は留任。





世界最高の工作機械を供給する

総会終了後の懇親会で横山新会長が、「当工業会でも会員企業は被災されたユーザー企業の復旧支援、夏場にかけた節電対応など当面の震災対策に全力をあげて取り組んでおります。このたび理事全員のご推薦を頂きまして、中村前会長から日本工作機械工業会会長のバトンを引き継ぐことになりました。会長職の責任の重さを痛感しております。まさに今年、日本工作機械工業会は60周年を迎え、大変恐縮しておりますが、一方で、なんとしても皆様のご期待に応えられるよう皆様のお力添えをいただきながらこの使命をまっとうしたい。先人たちが築き上げた長い歴史は重んじつつ、新しい時代でのさらなる飛躍を期して新たな礎を築くというのが会長たる私の重要な役目であろうと考えております。この大任を果たすためには私自身、必死に、一生懸命努力してまいりますので、皆様方のご指導とご支援をよろしくお願い申し上げます。さて、この工作機械産業をとりまく環境の変化を本日まとめました。まず、平成22年度の工作機械の受注実績は前年度比で約2倍の1兆1100億円強となりました。これは年度での史上最高額を記録した平成19年度以来、3年ぶりの1兆円超えであります。これは国内市場を含めた世界市場でわが国の工作機械のファンの多さ、需要の強さの表れだと思っております。一方で、工作機械産業を取り巻く環境というのはリーマンショックを経まして極めて大きく変化をしております。外需比率は中国をはじめとする新興国市場の急成長により今やほぼ7割まで伸長しています。これら新興諸国による工作機械の急速な需要増に加えて生産だけでなく、技術レベルにおいても急速な向上が見られます。日本、中国、韓国、台湾の4カ国を合わせますと世界生産の65%を占めるという状況になりました。まさに工作機械産業は新しい新興国地域が牽引するという新しい時代に突入したのだと思います。市場構造が内需中心から外需へ転換する中で、昨年来の大幅な円高、あるいは原材料の高騰など、私ども工業会の会員企業の皆さまは総じて厳しい状態が続いているとも言えます。また、技術や労働面において、ひとつは少子高齢化の伸展、あるいは団塊世代の定年退職もあり、若年労働力の不足、あるいは技術や技能の継承問題も顕在化など、われわれ工作機械産業を取り巻く経営環境はかなり転換期を迎えています。こうした現状で、わが業界としては時代の変化に即応するとともに、世界最高の工作機械を供給するというのがミッションだと思います。これが世界のものづくりを支えてゆくと確信しています。そのためには業界が結束をして共通の課題に取り組まなければならないと思っています」とあいさつした。

変化を先取りして日本経済を復興を

来賓を代表して、鈴木正徳経済産業省製造産業局長があいさつした。この中で鈴木局長は、「今回の大震災で感じたことですが、復旧の速さには驚くものがありました。被災された地域には1万以上の部品の工場が工作機械を使われて部品を製造されていました。当初は復旧までに時間がかかるのではないかと危惧をしていましたが、工作機械メーカーの余震の中での復旧活動、業界を挙げて1500名以上のメンテナンスの方々が被災地に入られたと伺っております。余震が続く中、大変だったとは思いますが、ほとんどの企業が1週間から2週間で復旧されたとのことで、こんなことができる国が他にあるのかとつくづく感じた次第です。日本の部品、素材、様々な機械が世界にとって不可欠なものである、ともう一度世界各国も認識したのではないかと思っています。私ども、復旧のために第一次補正予算で、大企業・中堅企業向けに2兆8000億円の融資の規模など復旧のための予算措置をとりました。これは単なる復旧には終わらせたくない、ぜひ、復興につなぎたいと。変化に対応するような10年後、20年後を見据えた復興にしたいと考えております。新たな生産システムを皆様で考えてゆけば、これまで海外に出て行った工場も国内に回帰することができるのではないかと感じています。今回の震災を踏まえて、次のリスクを少なくするような工場をどうするべきか、政策的にもご支援申しあげまして新たな生産システムを今回ぜひやらせていただきたいと思っております。ぜひ、変化に対応し、変化を先取りするような日本経済にしていきたいと思います」と述べた。

皆で力を合わせて頑張っていきたい 日本金型工業会東部支部

日本金型工業会東部支部(支部長=牧野俊清氏・長津製作所会長)が5月26日に東京・五反田・ゆうぽうとで17回通常総会を開催した。








総会終了後、川田康夫トヨタ自動車常務役員が「トヨタ自動車のモノづくり革新と金型の果たす役割」をテーマに講演し、続いて懇親会に移った。

懇親会の中で牧野支部長は日頃の感謝の意を表したあと、「最近、ものづくりの観点からですが、トヨタが海外展開をしなければならなくなるかもしれないというのと、円高対策へのメッセージがメディアに伝わらなかったのは残念な思いです。ごく最近の工業統計が出てきましたが、金型で働いている人数は2003年から2005年までは14%増加していましたが、その後2008年は元にもどって14%減でした。厚生年金の加入の数を見てもここ数年は14%同じように減少しています。非常に厳しい状態です。このような中で、非常に残念なことではありますが、金型工業会西部支部の1/3が脱会されたということです。今、われわれが厳しい環境の中ですから、皆で力を合わせて頑張っていきたいと思っています」とあいさつした。


ものづくりが元気になるには金型業界の力が必要

来賓を代表して佐々木啓介経済産業省製造産業局素形材産業室企画官が、「去る3月11日、大変な被害が発生しました。被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。私も被災地に出向きました。印象に残ったのは市内を歩いておりますと、ありがとう、頑張ろう、という張り紙が至るところに貼ってありました。それを見て胸がいっぱいになりました。被災地の皆様方含めて日本全体が元気になるためには、やはりものづくりの力を欠かすことはできないということ。ものづくりが元気になるには、本日集まりの金型工業会の皆さまが元気にならなければ日本全体が元気にならないと確信しております」とあいさつした。


続いて増田仁経済産業省関東経済産業局産業部長が、「私ども今年度も中小企業の皆さまの戦略的基盤技術の開発、いわゆるサポインをやっております。全国で562件、関東で268件の応募がありました。その中で、金型は20、これは立派な数字だと思います。この中で審査を進めてまいりますのでよろしくお願いいたします。現在、東部金型工業会の天青会の皆さま、金型イレブンということですが、海外のアウェーでしっかりPRしてください。ジャパンブランドを、日本の金型の良さをご理解いただけると思います」とあいさつした。


中里栄常務理事が、上田勝弘日本金型工業会会長のあいさつを代読した。この中で、「今回の東日本大震災は日本経済に大きな打撃を与えました。とりわけ製造業の被害は大きく、金型関連産業にも直接的、間接的に大きな影響を与えております。日本金型工業も金型の全国団体として新しい時代の新しいスタイルの団体として積極的な提案をしたいと思っています。そのためには全国一枚岩として団結して正会員・賛助会員の力を結集したいと思いますので、ご協力のほどをよろしくお願いいたします。しかし、残念ながら、このような状況の中で西部支部の一部に分化活動がありました。さらに別団体を設立して、その団体名を意図的に日本金型工業会西部支部とまったく間違いやすい同じ名称を名乗っております。理解に苦しみますが、半数以上の西部支部会員の皆さまは、今の状況を踏まえ残られました。今後は残られた会員の皆様ととも風通しのよい活動ができることで、魅力ある工業会活動を推進してまいります。どうか東部支部の会員・賛助会員の皆さまにおかれましてはご理解いただき、今後とも工業会運営にご協力くださいますようお願い申し上げます」と述べた。

牧野二郎牧野フライス製作所社長の乾杯の発声で和やかな歓談がはじまり、宴たけなわのころ、散会した。

金型メーカーと大学生がコラボレーション! 「ウィズラビ」新発売 モルテック

金型メーカーのモルテック(社長=松井宏一氏、神奈川県川崎市)が、初の自社製品「ウィズラビ」を発売した。
ウィズラビは小さな小物入れ。カバンに取り付けることもできる。

この商品の注目すべきところは金型メーカーと大学生がコラボし、Twitterから企画が始まった商品であるということ。うさぎの耳をあしらった可愛らしいデザインはポストイットやリップブラシなど、使う人の用途に合わせて活躍してくれる。

注文はこちらから⇒ http://www.moltec.co.jp/p-art/withrabi/withrabi_top.html

東機工が創立100周年 

東京都機械工具商業協同組合(略称:東機工、理事長=斉藤保男・斉藤機工社長)が5月24、東京・三田の機械工具会館で創立100周年記念式典を開催した。

式典では冒頭斉藤理事長が挨拶をした。この中で斉藤理事長は、「明治43年に東京金物商組合としてスタートしたのが始まりで、現在の名称に変わったのは昭和22年。正式には昨年が100年でしたが、いずれにせよ大変大勢の皆様に協力いただいて100年を迎えることが出来ました。大震災はまだ先行きも見えてこない状況で、当業界への影響もはかりしれません。だからこそ、組合一丸となって頑張っていきたいと思っています。100年の歴史を振り返ると、明治から戦前までは、金物商組合の名称通り、バルブ、ねじなどあらゆるものを供給していました。戦後は機械と工具に特化し、戦後復興の役割を果たしてきました。決して目立つ存在ではありませんが、製造業界を縁の下で支えてきたと自負しています。
昭和30年から40年代のオイルショックまでは、高度成長期で、モノを揃えるだけに専念してきた時代であり、オイルショックはあったが、バブル崩壊までは豊かさを満喫できたいい時代でもありました。バブル崩壊後は、厳しい状況が続き、仲間の倒産や廃業も多々あったうえ、後継者の問題もあり、会員もピーク時と比べ、現在は残念なことに半減してしまいました。現在は、既存のままでは儲かるような商売がしづらくなっている状況です。ITを駆使したネット販売、カタログ販売などの流れもその厳しさに拍車をかけています。また、100年に一度と言われるリーマンショック後は、ユーザーの海外移転も加速しています。その後、何とか回復し、明るい兆しが見えたところで、今回の震災が起き、またも混乱した状況になってしまいました。振り返りますと、優秀なメーカーの製品を供給することで、業界は成り立ってきましたが、今は本当に厳しい状況にあるといえます。ITの発達で、われわれよりもユーザーに価格や納期が先に伝わっていることもあり、このように課題も多いが、一致団結して乗り越えなければならなりません。Face to Faceの必要性、重要性はまだまだあります。ただ、今までと同じやり方では駄目で、独自のスタイルを確立しなければならない。将来のテーマとして、全機工連では、ITへの対応、人材育成、業界認識の向上を掲げていますが、東機工としても協力していきたい。また、100年という長い歴史を今後に語り継いでいくことも必要だと感じています。100年を通過点というのは奢りかもしれないが、次の100年に向け、メーカー、商社とともに、大いなる夢とロマンを持って、力強く一歩踏み出していきたい」と述べた。

来賓を代表して、都築直史経済産業省製造産業局素経済室長(代読:佐野徹同課長補佐)、吉村恵一東京都産業労働局商工部経営支援課長、大村功作東京都中小企業団体中央会会長がそれぞれあいさつした。続いて東京都知事感謝状が組合に贈呈されたあと、豊田健一郎氏(元理事長・勝山精機)、武田都雄氏(元理事長・竹内産業)、片桐信一氏(元常任理事・ジェイエムティ)の3氏に感謝状が贈られた。

左から片桐氏、豊田氏、武田氏、斉藤氏
左から片桐氏、豊田氏、武田氏、斉藤氏

閉会の辞を山森哲朗副理事長(ヤマモリ社長)が述べ、懇親会に移った。

大震災で分かった高度なサプライチェーン

懇親会では田中康造全日本機械工具商連合会会長(喜一工具会長)が祝辞を述べた。
田中会長は、「全機工連の中でも東機工は一番大きな団体です。大阪もあと2年で100周年になります。われわれの業界は100年前に同業者の皆さんが集まった団体なんですね。個人的な話をしますと、私の父は輸入商社に勤めていました。海外から逃げて立売堀に店を出していました。東京へいくと皆さん買ってくれる・・・と父は話していました。東京が中心となってこの業界は発展していったのです。私は先日、被災地に足を運びました。石巻は酷かった。1階は流されてしまって在庫も車もない状態です。注文しても物が入って来ない、助けていただきたい、とのことでした。事務所を2階に移し、携帯で商売をしました。海岸沿いはほとんど壊滅的です。復旧するには時間がかかるでしょうが、頑張るんだ、という気持ちの強さを感じました。ぜひ、在庫がなくなった、商品を流して欲しい、だけどなかなか回って来ない、被災地のわれわれに優先的に商品が回るようにならないか、という話もありました。この未曾有の大災害で混乱した今ですが、100年の間を振り返ると大変な時代の変化がありました。何もない時代もモノを集めて、モノを流通させようと頑張って来ました。日本の産業界を支えるよう今後も頑張りましょう」とあいさつした。

メーカーを代表して石川則男日本工具工業会理事長(オーエスジー社長)が祝辞を述べた。
この中で石川理事長は日頃の感謝の意を述べたあと、「100年の歴史の中で3月11日に起きた東日本大震災も記憶に残る歴史のひとつです。未曾有の大震災が起きましたが、会員に皆さまの中には被災された方もいらっしゃいますが、心からお見舞いを申し上げますとともに、一刻も早い復興を心より祈念いたします。この大震災は日本の製造業が大変高度に管理されたサプライチェーンを切り裂き、日本の中核産業である自動車産業、エレクトロニクスを大きな減産に追い込みました。しかしながら、各企業、関係各位の皆さまの普及不眠のご努力も着実に成果を結びつつあります。最近では部品供給の前倒しという明るいニュースも聞くようになりました。日本の製造業というのは高度なサプライチェーンに支えられたピラミッド構造ではありますが、今後は大震災を教訓になんらかの柔軟性が加えられるものになろうかと思います。私どもメーカーは、日本経済の復興のためにこのサプライチェーンの中でなにができるのか、個々の企業の特長・特色を活かして精一杯やっていきたいと思っています」とあいさつをした。

柏木征彦東京都金物卸商協同組合副理事長(柏木工機社長)の乾杯の発声で和やかな歓談タイムがはじまり、宴たけなわのころ、関谷隆雄東機工副理事長(関谷機工社長)の中締めで散会した。

2011年は12.5%増の1800億円を予定 日工機器

日本工作機器工業会(会長=寺町彰博氏・THK社長)が5月18日に東京・港区の芝パークホテルで19回通常総会を開いた。

総会終了後に懇親パーティーが開催された。
冒頭、寺町会長は日頃の感謝の意を表したあと、「2010年度の暦年の成績ですが、前年に対しまして97.7%増の1600億円を超えることができました。2011年につきましても12.5%増の1800億円を予定しています。さて、3月11日に起きた大震災で2万5000人の死者・行方不明という非常に多くの方が被災されました。当会員の中でもなんとかギリギリ操業が出来るようになったという方もいらっしゃいます。福島原発の問題では10万人を超える方が避難を続けています。会員の皆さまにおかれましても夏の操業をどうするのか懸念されている一方、需要が強い状態が続いており、供給で大変苦労しなければならない状態です。電力制限を受けながらこの暑い夏を送らなければならないのですが、皆さんしっかりと頑張っていただきたいと思っております。世界中がサプライチェーンの中で日本が占めている割合が強いと感じられて、日本の仕事が減る危険性がでてきています。僭越ですが、昔は家電が世界の中で席巻していましたが、現在は韓国・中国にほとんど持っていかれています。自動車関連が今回を機に日本から世界へ行かないように踏み留めなければいけない。また、就労者が減るということは経済が縮小していく表れです。この問題に歯止めをかけなければ日本の再生はないと感じています」とあいさつした。

皆様と協力しながら日本の産業経済を支える

来賓を代表して藤木俊光経済産業省製造産業局産業機械課長があいさつした。この中で、「まさに3月11日に起きた東日本大震災は直接・間接に被害を受けられた方、影響を受けられた方が多数いらっしゃるのではないかと思います。改めてお見舞いを申し上げるとともに、この震災を糧としてわれわれはより強い産業、より強い経済を作っていかなければならないという思いで取り組んでいるところです。たしかに日本の隅々に至るまでサプライチェーンのネットワークが及んでいてそれが日本の経済産業を形作っていることを改めて痛感している次第です。これをもう一度、強い基盤のもとに立て直す、そのためになにができるのか、ということを真剣に考えて、本日お集まりの皆さまと協力しながら日本の産業経済をしっかり支えて行きたい」とあいさつした。

鋳物用高能率加工用工具 「ネガヘプタ」発売開始! ダイジェット工業

ネガヘプタ本体
ネガヘプタ本体
鋳物は自動車・トラックのディーゼルエンジンやトランスミッション、および工作機械のヘッドやギアケースなど様々な部材で用いられていることを受け、ダイジェット工業は、高能率平面加工をターゲットとした多角形チップ採用の正面フライス「ネガヘプタ」を開発し、6月1日より発売を開始する。

特長   
・鋳物の高能率加工に最適な多刃使用の正面フライス。
・チップは7角形・ネガで両面の14コーナとも使用可能で非常に経済的。
・外周部が逃げる7角形状を採用しており、14コーナ使用時で4.5ミリ、最大で6ミリの高切込み加工が可能。
・3次元ブレーカのポジ刃形採用で切削抵抗を他社同等品比約30%削減。
・チップ材種は、耐摩耗性と耐欠損性のバランスの良い専用母材に、従来品より厚膜かつ高温で安定したアルミナ層(α型)を有し耐摩耗性を向上させた新コーティング、「JC605X」を採用。
本体は低消費動力のレギュラタイプと、より高能率な加工が可能な超々多刃タイプをラインナップ。

サイズ・標準価格
・レギュラタイプ Φ63・5枚刃(71,000円)~Φ160・10枚刃(134,000円)
・超々多刃タイプ Φ100・14枚刃(145,000円)~Φ250・36枚刃(390,000円)
・チップ 1,680円
※受注生産にてΦ63~Φ400の各サイズ、および左勝手も製作。
※初回はミリボアタイプのみの発売です。インチボアタイプは今夏発売予定。

初年度販売金額は5000万円を見込んでいる。

牧野フライスが「加工セミナー」を開催

牧野フライス製作所(社長=牧野二郎氏、本社・東京都目黒区)が5月19日(木)~21日(土)までの3日間、同社の東京メカニカルセンタで「加工セミナー(東京)」を開催し、“小さいものから大きなものまで加工面にこだわる”ユーザーが訪れた。

今回のセミナーの内容は、①コア加工の改善――EPXデータの有効性、グラファイト放電の進化、②機上測定の最新情報、③超硬材の切削。

今回、特に興味を引いたのは、図面のない形状を正確に再現するCAMシステム。デザイナーのニュアンスやタッチを精密に具現する。デジタイジングデータやデザイン形状(CG)をSTLデータで出力し、メガサイズを超える膨大なSTLデータをスムーズに処理、マシニングセンタによる高速切削加工を可能にした。ちなみに、STLデータとは、3次元形状を表現するデータのフォーマットの1つ。3つの頂点の座標と法線ベクトルにより定義される三角形ポリゴン(ファセット)で形状を表現するもの。

FF加工という最適パス論理に則って、荒から仕上げまで工具摩耗や工具折損の少ない安定した高速加工ができる。豊富な加工経験に基づく実践的な切削条件をデータベースとして搭載し、初心者でも簡単に高品位のNCデータを作成できる。

もうひとつ注目されていたもののひとつに「スマートチェッカ」がある。これは機上で形状精度を確認できる曲面形状測定支援ソフト。測定位置を指定するだけで形状精度を簡単に計測できるので、次の工程に進む前に問題を発見することができ、いわゆるポカミスを減らしてくれる。追加高の際に再段取りがいらず機上測定で工程も短縮でき、切削・放電いずれの加工機でも安心の測定精度を誇る。

「ジャパンブランド金型」確立に活動推進 天青会

日本金型工業会東部支部の若手経営者組織である“天青会”が5月13日に都内の上野精養軒で第39回定時総会を開催した。

今年は役員の改選が行われ、新会長に中野 誠・中野金型彫工舎常務が就任した。

中野会長は、「国内の金型業界は厳しい状況が続く中で、ようやく一筋の光が差し始めた矢先に今回の震災が起こった。復興の道のりは険しいものと思われますが、われわれの使命は目の前の仕事を誠実に全うすることではないでしょうか。今こそ日本のものづくりの底力を見せる時です。一致団結してこの難局を乗り越えましょう。さて、天青会は平成23年度事業として、前年度に引き続き、金型工業会で推進する「JAPANブランド育成支援事業(ブランド確立支援事業)」に積極的に協力します。最高級(トリプルA)金型の提供のみならず、ユーザーの抱える問題や提案を解決する、+α(プラスアルファ)のソリューションを有する象徴として「AAA+A(トリプルエー・プラス・エー金型)」のジャパンブランド化に推進協力します。また、会員企業同士がお互いの会社の内容をもっと知り、仕事での結び付きが深められるよう、定期的な情報交換を行う「ワイガヤ交流会」を新たに開催します」とあいさつした。

4月分工作機械受注総額は1069.4億円 日工会

日本工作機械工業会がまとめた4月分の受注実績は以下の通り。2011年4月分工作機械受注総額は1069.4億円(前月比△5.8%・前年同月比+32.3%)となった。【4月分内需】333.3億円(前月比+4.0% 前年同月比+50.1%)① 一般機械  147.8億円(前月比+0.3% 前年同月比+53.0%)  うち金型   14.6億円(前月比△20.0% 前年同月比+34.3%)② 自動車  80.7億円(前月比△19.7% 前年同月比+35.9%)  うち部品 54.4億円(前月比△12.8% 前年同月比+30.4%)③ 電気・精密 53.0億円(前月比+116.1% 前年同月比+67.9%)④ 航空機・造船・搬送用機械 8.1億円(前月比△22.6% 前年同月比△17.0%) 【4月分外需】736.1億円(前月比△9.6% 前年同月比+25.6%)①アジア:394.7億円(前月比△11.4% 前年同月比+6.1%)・東アジア:329.7億円(前月比△5.5% 前年同月比+17.3%)〈韓国〉:31.5億円(前月比△50.4% 前年同月比△16.1%)〈中国〉:282.5億円(前月比+6.2% 前年同月比+31.6%)・その他アジア:65.0億円(前月比△32.8% 前年同月比△28.5%)〈インド〉:23.2億円(前月比△20.0% 前年同月比+41.0%)②欧州:142.2億円(前月比+3.3% 前年同月比+50.9%)〈ドイツ〉:42.0億円(前月比△16.5% 前年同月比+62.0%)③北米:181.8億円(前月比△15.8% 前年同月比+63.9%)〈アメリカ〉:162.3億円(前月比△11.9% 前年同月比+52.6%)

3月分超硬工具主要統計

超硬工具協会がまとめた3月分超硬工具主要統計は以下の通り。【超硬合金重量】450トン(前年比111.1)。【超硬工具生産額】切削工具167億100万円(前年比100.9)、耐摩工具35億200万円(同99.9)、鉱山土木工具億6億7400万円(同107.5)、その他工具5億8200万円(同145.5)、焼結体・工具18億4400万円(同116.3)、合計233億300万円(同102.8)。【輸出入】輸出70億7200万円(前年比113.8)、輸入38億6300万円(同118.0)。【超硬工具出荷額】切削工具194億500万円(前年比115.3)、耐摩工具35億5700万円(同101.6)、鉱山土木工具7億1300万円(同108.5)、その他工具4億2100万円(同110.8)、焼結体・工具21億6200万円(同139.9)、合計262億5800万円(同114.6)。【刃先交換チップ】生産1853万9000個(前年比90.0)、出荷2468万4000個(同111.0)。