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【社長訓示】「変革の担い手として期待している」 アマダホールディングス 代表取締役社長 磯部 任

(要旨) 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。 製造業を取り巻く環境は、何十年に1度という大激変の時代に突入しています。Industry4.0 やあらゆるものがインターネットにつながるIoT という言葉に象徴されるように、情報通信技術の革新によりモノづくりの現場は大きく変革しています。また、少子高齢化や働き方改革により、お客さまや私たちの働く環境も大きく変化しています。 アマダグループでは、4月から本格的に新たなサービスを開始し、世界100 以上の国と地域で稼働する当社のマシンの稼働・生産状況が、リアルタイムで確認できるようになります。マシンと情報通信技術の一体による製造業の変革は、今後ますます加速していくでしょう。このような、モノづくりの現場における変革の時代にあって、皆さんには3 つのことを期待します。 1 つ目は、「自らの世界を広げる努力をすること」です。自身の業務を深く極めるタテ、社内外問わずグローバルに連携していくヨコ、そして業務のみならず幅広いトピックスに関心を持つナナメ、の視点から人間力を高めるように努めてください。 2 つ目は、「アマダグループの社員としての自覚と責任を持つこと」です。当社のマシンは、世界に約30 万台稼働しており、お客さまから大きな信頼をいただいています。この信頼を支えているのは、アマダグループの社員一人ひとりです。今日から皆さんは、アマダブランドを担っていくという自覚と責任を持って行動してください。 3 つ目は、「リスクを恐れずチャレンジすること」です。我々の業界はまさに激変しており、さまざまな取組みに積極的にチャレンジする精神を持ってください。 初心を忘れず、激変するモノづくりの現場のなかで新しいアマダグループを担っていくのは自分であるという気概を持ち、変革の担い手となっていただくことを期待しています。

【社長訓示】「仕事を通して素晴らしい人生を」 DMG森精機 取締役社長 森 雅彦

 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。 仕事の選択という人生での大きな決断において、当社を、またこの業界を選んでくれた点にまずは敬意を表します。これから皆さんとともに働き、成長していくことをうれしく思います。 当社に入社した皆さんには、工作機械やそのアプリケーション、システムのおもしろさ、深さをしっかりと知り、それ通じて全世界のお客様とつながっていくことを期待しています。 まずは、会社の歴史についてよく勉強してください。そして、工作機械にはどのような歴史があり、今後どうなっていくのかについて、ぜひ思いを馳せてください。会社とお客様の歴史、会社とパートナー企業との歴史を知ることは、社会の動き、需要の変化、技術の変遷を知ることです。不変のことはしっかりと知り、変化に対しては敏感に対応するというのが、みなさんが今後40年ほど働いていくにあたり重要な点です。 製品が開発されてからお客様の手に渡るまでにどんなサプライチェーンがあるか、常に念頭に置きながら仕事をするようにしましょう。マーケティング、開発、購買、加工、製造、検査、品質、営業、据付、タイムスタディ、検収、回収、保証、サービス、トレーニングといった流れを把握し、理解を深めてください。それも、表面的な理解だけではなく、本質を理解するということを徹底的に追及してください。 これからは人生100年時代です。自らのキャリアや人生設計を考えた上で、20代のうちに技術・技能を習得することが重要です。技術系であれば技能検定、経理であれば簿記、営業であれば正しく話す技術、設計であればCAD、CAM、その他SAPやCRM、ERPを正しく使う技術など、何歳になっても学ぶ姿勢を持ち、技能の習得を続けてください。そして、日本語での正しい読み・書きはもちろんのこと、英語でのコミュニケーションが取れることも大切です。またそれ以上に、当社の社員は数字に厳しくあってください。正確な数字を把握し、理解することが重要です。 最後に、今後様々な上司・職場の先輩から得る知識はしっかりと学び吸収していってください。常にやる気を持ち、目標を立て、自分自身を成長させていくという気概をもって取り組んでください。 「よく遊び、よく学び、よく働く」の三位一体で、仕事を通して素晴らしい人生を送れるようにしてください。

【社長訓示】「社会へ貢献するとともに充実下生き甲斐のある人生を」日立建機 執行役社長 平野耕太郎

(要旨)(1) 入社おめでとう。 これまでお世話になった方々への感謝の気持ちを忘れずに、若さと豊かな感性を生かし、仕事を通じて、社会へ貢献するとともに、充実した生きがいのある人生を築いてほしい。(2) 建設機械ビジネスは、グローバルで進展しており、先進国のみならず、新興国のインフラ整備など、国づくりに貢献している。また、製品自体もICTやIoT、AIの先進技術を活用し進化してきている。このような建設機械業界のさらなる飛躍に向け、若い力で新風を吹き込み、日立建機の発展の頼もしい担い手として活躍してほしい。(3) 高いプロ意識と目標を持って仕事に取り組んでもらいたい。常に新しいものを吸収しようとする前向きな姿勢を持ち、それぞれの職場で必要な知識や技術・技能を習得し、一日も早く「プロフェッショナル」になれるよう取り組んでほしい。(4) 日立建機グループ共通の価値基準・行動基準である「Kenkijinスピリット」を貫く3つの思想「Challenge(チャレンジ精神)」、「Customer(個客*志向)」、「Communication(風通しの良さ)」を十分理解し、それぞれの職場で伸び伸びと、積極的に活躍してほしい。(5) お客さまのメーカーに対する要望が、「製品を創る」ことから、「ソリューションを創り、提案する」ことに大きく変化している。この世の中の変化に対し、日頃より感性を研ぎ澄ましてその動きを敏感に感じ取るとともに、物事の本質を的確に捉える力を養ってもらいたい。お客さまのニーズや困りごとに対しては、自由な発想で知恵を出し、常にスピード感をもって対応してほしい。

【社長訓示】「一芸に秀でて欲しい」 コマツ 社長兼CEO 大橋徹二

(要旨) 入社おめでとう。 今日から、私たちの仲間になったことを心から歓迎したい。 社会人となる皆さんには、自分自身の夢を持ち、その実現に向けて自分の強みを磨いてもらいたい。そのためにも、まず一芸に秀でてほしい。そしていろいろな機会に積極的にチャレンジすることで、さまざまな知識を身につけ、行動の範囲を広げていって欲しい。 また、皆さんには、これからどんな仕事についても、わからないことは、恥ずかしがらずにどんどん人に聞いてもらいたい。いろいろな場に積極的に飛び込み、現場で現物を見て、現実をデータで確認する癖をつけることが必要だ。現場で学ぶ知識が将来の財産となる。また、成功と失敗の違いは途中で諦めるかどうかだ。諦めなければ成功に導いてくれる。 皆さん一人ひとりが、何よりも安全・健康第一で、コンプライアンスを徹底し、取り組んでいって欲しい。

タンガロイが新ロウ付け形状CBNインサート『ウェイビージョイントCBN』を発売

 タンガロイ(社長=木下聡 氏)が、このほど新ロウ付け形状CBNインサート『ウェイビージョイントCBN』の販売を開始した

 自動車部品などの高強度化に伴い、焼入れ鋼部品が増加している一方で、加工コストダウンのために、生産性と加工能率アップが求められている。切込みが大きい加工や乾式加工では、従来のCBNインサートではロウ付け部からのCBNの剥離が生じることがあり、低切込みで多数パス加工する必要があった。一方、『ウェイビージョイントCBN』は、ロウ付け強度が強く、1パスで深切込み・高送り加工が可能となり、加工効率を大幅に向上させることができる画期的なCBNインサートである。

■主な特長
●従来の1.6倍の切込みに対応できる新ロウ付け形状。
●熱伝導率が高いCBN体積増加により、乾式深切込み加工にも対応。
 ・0.8mmまでの深切込み加工が可能であり、加工パス数を減少させて、加工能率アップが可能となる。
 ・乾式加工でもCBNの剥離が生じにくく、切削液なしで深切込み断続加工を行うことができるので、湿式加工で頻発する突発欠損を防ぐことができる。

日立建機が四脚クローラ方式を採用した双腕型コンセプトマシンを開発

四脚クローラを採用した双腕型コンセプトマシン
四脚クローラを採用した双腕型コンセプトマシン
 日立建機(社長=平野 耕太郎氏)がこのほど建設機械の将来の可能性を示す、四脚クローラ方式を採用した双腕型コンセプトマシンを開発した。
 
 今回開発したコンセプトマシンは、建設・土木および鉱山、解体、林業、産業廃棄物の処理、金属リサイクルなど、さまざまな業種で活用される建設機械の作業領域が、将来、広がっていくことを見据えて開発したもの。従来の油圧ショベルにおける2 クローラ方式では、機械本体を水平に保つことが困難だった傾斜地や不整地などでも安定した作業が可能となるよう、四脚クローラ方式を採用している。4 つの各クローラユニットは、それぞれが独立して可動し、上部旋回体の安定性を向上する。

 また、将来の建設機械に求められる技術として、作業装置であるフロント構造物の軽量化にも挑戦た。ブームおよびアーム、フロントアタッチメントといった建設機械のフロント構造物は、耐久性向上のために年々重量が大きくなっているが、機械自体の安定性や作業性、燃費を向上させる面においては、負荷となる。今回開発したコンセプトマシンでは、アームおよびアタッチメントをアルミ合金化し、軽量化を図ることで、1 クラス上の作業能力を発揮することを可能としている。

 同社は、『「機械」を進化させ、豊かな生活空間をつくる「ひと」と「作業」の関係をより快適に、より高度に、より効率的なものする』という理念の下、油圧ショベルをはじめとする建設機械の開発を創業以来進めている。掘削機械として開発された油圧ショベルは、今日、解体および林業、産業廃棄物の処理、重量物のハンドリングなど、多くの用途で使用されている。

ユニークな四脚クローラ方式を採用し、不整地の凹凸に合わせ、各クローラユニットの上部にある油圧モータを中心にクローラユニット全体が振り子のように動くことで、不整地でのスムーズな走行を実現する。
ユニークな四脚クローラ方式を採用し、不整地の凹凸に合わせ、各クローラユニットの上部にある油圧モータを中心にクローラユニット全体が振り子のように動くことで、不整地でのスムーズな走行を実現する。
 これまでもさまざまな業種の顧客からの作業ニーズに応えるため、油圧ショベルを基にした多くの応用開発製品を提供してきた。2005年には、これまでの製品開発・設計における経験・ノウハウを生かし、油圧ショベルでより複雑な作業を可能とすることをめざして、作業装置であるブームおよびアーム、フロントアタッチメントからなるフロント機構を双腕化した「アスタコ」シリーズの第一弾を開発した。その後、2012年にZX135TF-3「アスタコNEO」を製品化するなど、作業性の追求を進めてきました。

 「アスタコ」シリーズは、2003年に将来に向けた従業員の技術研鑽を目的とした社内公募制プロジェクトにより開発が始まった。その後も、「建設機械のロボット化への挑戦」として、 シリーズの開発を継続し、震災被災地での復興作業をはじめ、社会課題の解決に貢献することを目的に、さまざまな作業への適用する開発を行っている。今回開発したコンセプトマシンの開発も、社内プロジェクトへの応募から始まったもので、若い技術者たちによる「こんなものを作りたい」という想いが結集したものであり、これからも企業理念に則した研究・開発を行い、「建設機械のロボット化」へも挑戦していくとしている。

コマツが延長保証ならびに無償メンテナンスパッケージ「KOMATSU CARE(コマツケア)」の内容を拡充

20tクラス油圧ショベル「PC200-11」
20tクラス油圧ショベル「PC200-11」
 コマツ(社長兼CEO=大橋徹二氏)が、新車購入時に付帯するパワーライン(エンジン、動力系装置、油圧関連装置)の延長保証ならびに無償メンテナンスのパッケージ「KOMATSU CARE(コマツケア)」の内容を拡充し、このほど提供を開始した。

 同社は2012年より、標準保証である1年間の新車保証に加え、オフロード法2011年基準に適合した建機の性能を長期にわたり維持するためのサービスプログラムとして、同パッケージを提供している。環境への貢献はもちろん、顧客のさらなるトータルライフサイクルコストの低減と長時間稼働を実現するため、オフロード法2014年基準に適合した7tから20tクラスまでの油圧ショベルの保証内容を拡充するとともに、新たにミニショベルへのサービス適用を開始した。

「KOMATSUCARE」の拡充内容(対象機種別)

① 20tクラス油圧ショベル
●パワーライン延長保証:(新)5年または8,000時間のいずれか早い方
(旧)3年または5,000時間のいずれか早い方
●無償メンテナンス※:(新)500時間毎に5,000時間まで(10回)
(旧)500時間毎に2,000時間まで(4回)
(※エンジンオイル・エンジンフィルタ・燃料プレフィルタ・作動油タンクブリーザ交換)

② 12tクラス油圧ショベル
●パワーライン延長保証:(新)5年または8,000時間のいずれか早い方
           :(旧)3年または5,000時間のいずれか早い方

③ 7tクラス油圧ショベル
●パワーライン延長保証:(新)5年または5,000時間のいずれか早い方
           :(旧)3年または5,000時間のいずれか早い方

④ ミニショベル(1t~2tクラス)※新設
●パワーライン延長保証:(新)3年または3,000時間のいずれか早い方
           :無償メンテナンス:(新)エンジンオイル・エンジンオイルフィルタ交換3回

板金エキスパートを目指せ! アマダスクールが「第30回優秀板金製品技能フェア」の入賞作品を表彰 ~厚生労働大臣省はワールド山内、経済産業大臣賞はシンエイメタルテックが受賞~

 職業訓練法人アマダスクール(理事長=末岡愼弘氏:神奈川県伊勢原市)は「第30回優秀板金製品技能フェア」5部門の入賞作品を選定し、3月3日(土)にアマダ・246ホールで表彰式を開いた。

 選考は日本塑性加工学会会員、シートメタル工業会役員と審査委員の他、アマダ・ソリューションセンターの来場者の投票で行われ、その結果、応募総数268点の中から技能賞以上の優秀作品79点が選ばれた。また、今回節目の30回を迎えるにあたり、新たに「神奈川県知事賞」、「日本塑性加工学会会長賞」、「海外最優秀作品賞の3つの賞が加わった。

 同フェアは、国内外の製造業において板金加工技術・技能の向上と交流を図り、業界全体の発展につながることを目的に1989年から毎年開催している。現在は5つの部門で毎年5月から国内外の板金加工作品を募り、作品はアマダ・ソリューションセンターで全て展示され、厳正な審査を経て毎年3月に表彰式を行っている。

過去最多の268点が出展

末岡理事長
末岡理事長
 主催者を代表して末岡理事長があいさつをした。末岡理事長は、「板金加工技術、技能の向上を図ることを目的に始まったこのフェアも30回目の節目を迎えることができた。この30年間に皆様からご出展いただいた作品総数は今回を含め累計で5053件に達した。このうち海外からは1221点あった。今回の出展数も過去最多の268点となり、海外からは全体の39%にあたる104点の出展をいただいた。」と述べたあと関係者に感謝の意を表した。また、30回目の節目にあたり、今回から3つの賞を加えたと説明した。それによると、「15年以上に亘り講演していただいている神奈川県から神奈川県知事賞を、第3回から協賛いただいている日本塑性加工学会から日本塑性加工学会会長賞を、さらに海外からの出展作品技術が40%近くに増加したことを背景に、アマダホールディングスより海外最優秀作品賞を贈らせていただくことになった。」とした。また、第30回を記念して副賞の楯のデザインを一新して、“優秀板金技能フェアオリジナル楯”とし、さらに、これまでの優れた作品の写真を収録した記念誌を今年の6月に刊行すると述べた。

 また、昨今の板金業界については、「経営者の皆様から、少子化の影響を受け、人材の確保が非常に難しく、技能者の育成や技術の継承などが悩みの種となっていると聞いている。今後はデジタル技術の進化により、加工技術の自動化、AI化などがさらに進んでも人間が長年培った技能・技術やノウハウを全てこれに置き換えるということはなかなか難しいことだと思う。高度な技能を持つエキスパート人材を育成し、併せて最新のデジタル技術も活用していくという姿勢が重要だろう。当フェアが板金エキスパートを目指す若い皆様にとってひとつの目標となり、また、励みとなって技能・技術向上の一助となれば主催者としてこれ以上の歓びはない。」と、次世代へ向けて声援を送った。

瀧原 厚生労働省 能力評価担当参事官
瀧原 厚生労働省 能力評価担当参事官
 来賓を代表して、瀧原章夫 厚生労働省 能力評価担当参事官が、「第30回と永きに亘り大変素晴らしいフェアを続けてこられた関係者の皆様に改めて敬意を表するとともに受賞された皆様には心からお祝いを申し上げる。こうした技能、技術は非常に大切なものであり、今後の展開に感心がある。最近はAIが出てきて、人間が果たしていく役割はなにかということを考える。例えば作品をつくるときに優れたものをつくることは機械の発想としてあるが、ここにこだわりたい、面白い、というところはおそらくAIにはないだろうと思っている。今あるものをより高めていくのもイノベーションではあるが、少し次元の違った世界に入って発展させるのもイノベーションだ。コンテストは自分のこだわりや好みを思い切り発揮できる場所なので、技術・技能の向上とともに、気持ちをもって面白さを追求して欲しい」旨のあいさつをした。

岡本 経済産業省素形材産業室長
岡本 経済産業省素形材産業室長
 続いて、岡本繁樹 経済産業省製造産業局素形材産業室長が、「政府が出した統計で、過去からの国内企業の経常利益を表したグラフがある。それは4つのグラフがあり、1つは大企業の製造業または非製造業、それから中小企業の製造業または非製造業。そのうち3つは右肩上がりで上がっているが、うち1つは残りの3つに比べると鈍い上がり方をしている。ここに該当するのは中小企業の製造業であった。こうした状況を改善するために素形材産業室は取り組んでいるが、この改善策については端的に言うと売上高を伸ばすかもしくは不必要な経費を減らすか、その両方ができればなお良しというところだが、企業が持っている高い技術を技術目線ではなく、価値目線で表現することにより新たな販路開拓をすることができないかと考えている。この技能フェアでは、金属の板から様々なものを生み出しており、この取り組みはまさに自分たちの技術を価値として表現できる最たるものである。このように価値で表現する取り組みが今後もますます浸透するようにと考えている。」旨を述べた。

交流会で見た若い力! 学生作品の部 金賞受賞 三重県立津高等技術学校の作品に注目!

若い力の力作だった。
若い力の力作だった。
 第二部の交流会では受賞作品がズラリとならぶ実証加工プラザで行われた。今回、製造現場ドットコムが注目したのは、学生作品の部で金賞を受賞した三重県立津高等技術学校の「帆船『エルピス・パンドーラ』」。若い力の結集ともいえる作品だ。この作品は、加工精度(mm):0.5、加工時間(min):7000、材質:SUS304、厚板(mm):1.2、寸法(mm):200(W)×780(D)×520(H)となっている。

 同校のメタルクラフト科担当金属成形科担当である鶴岡大和先生に苦労した点について尋ねてみたところ、「胴体部分です。最初は壁をはってやろうと思っていたのだが、これがなかなか思ったようにできない。ハンマーの跡が付いてしまう。いかに立体的につくるかということで、細かく骨を分けた。3DのCAD自体が学校にないので、2次元から見て、1つ、つくって目で判断する。もうそれは職人のようにカンの世界でした。つくって、う~ん、となればつくり直し等の手を加えた。1つつくり直すと他も全てつくり直しになってしまうので、注意深く慎重に作業をしていきました。」と振り返り、「生徒が帰る時間になっても帰らず、間に合わせるために苦労しました。」と笑った。

将来が楽しみだ。
将来が楽しみだ。
 受賞した学生3人に、「将来どういう仕事に就きたいか?」と質問したところ、「プレスブレーキを使って自分で商品をつくって世に出したい。いずれ年を取っていけば、自分で設計したものを世に送り出していければいいなと思っています。」、「プレスブレーキをやっていきたい。学校でもやっているんですが、プレスブレーキで精度良く製品が出来たときの歓びがあるんで、それを極めて、いい技術者になりたいです。」、「レーザーなど学校で学んだ機械をつかって試作品やまだ世の中にないものをつくっていきたいです。」と、製造業界にとって非常に心強い返答をいただいた。未来の宝ここにアリ! 

第30回優秀板金製品技能フェア 主な受賞作品

●厚生労働大臣省
「ISEKI」 (株)ワールド山内
●経済産業大臣賞
「ウォームギア」 シンエイメタルテック(株)
●神奈川県知事賞
「ギアロック」 ナサ工業(株)
●中央職業能力開発協会会長賞
「エキゾーストシステム」 光陽電機(株)
●日刊工業新聞社賞
「Stitched tube Ring」 ナサ工業(株)
●日本塑性加工学会会長賞
「俺の曲げ」 (株)西野精器製作所
●海外最優秀賞作品賞
「撹拌機陽機構部品」淇鋒企業股份有限公司
●組立品の部・金賞
「板金編み込みキューブ」 (株)河村産業所
●造形品の部・金賞
「ステンレス薔薇花束」 (株)ナダヨシ
●学生作品の部・金賞
「帆船『エルピス・パンドーラ』 三重県立津高等技術学校

タンガロイがCNC旋盤加工の高生産性トータルツーリングに対応する『TungCap』(タングキャップ)を拡充

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)が、複合加工機やCNC旋盤での高精度、高能率加工に対応するPSC取り付けクイックチェンジツーリングシステム『TungCap』(タングキャップ)に『C3サイズ カッティングヘッド』『C3・C4汎用クランピングユニット』を追加し、このほど発売を開始した。

 近年、自動車および航空機産業では、より高い生産性の向上を目的にCNC旋盤加工用のクイックチェンジシステム化が進んでいることを受け、同社は、機上での工具交換と試削りを不要とし、大幅な機械停止時間の削減が可能となるツーリングシステムTungCapに、CNC旋盤に多く採用されているC3サイズのカッティングヘッドを拡充。さらに、C3・C4サイズ汎用クランピングユニットも標準設定することで、幅広い旋盤で高生産性なトータルツーリングを可能とした。

■主な特長
・機上でのインサート交換が不要
・繰り返し刃先位置精度±2μmであるため、機外での寸法測定により、試削り不要

■主な型番と標準価格(税抜)
・外径加工用C3カッテンィングヘッド:C3ACLNL22040-0904N 26,400円
・内径加工用C3カッテンィングヘッド: C3PCLNR17090-12 36,800円
・溝入れ加工用C3カッティングヘッド: C3CHFVR22040N 41,100円

【集まれ! 進化系企業】「第53回機械振興賞」 受賞候補者募集 4月2日(月)~5月31日(水)まで

 機械振興協会(会長=釡 和明氏:東京都港区芝公園3-5-8)では、わが国機械産業の振興のため、「機械振興賞」事業を実施し、優秀な研究開発を行い、その成果を実用化することによってわが国機械産業技術の進歩発展に著しく寄与した企業・大学・研究機関および研究開発担当者を表彰しているが、4月2日(月)~5月31日(水)まで、「第53回機械振興賞」受賞候補者を募集している。 この賞は、機械産業技術に関わる独創的な研究開発と新製品の製造、製品の品質・性能の改善、または生産の合理化に顕著な業績を上げた研究開発担当者、および企業等を表彰します。機械振興賞では小規模事業者への支援を強化するため、小規模事業者を対象とした審査委員長特別賞を設けており、機械産業に関わる関係団体からの推薦だけでなく、自薦による応募も受け付けている。なお、平成30年度より新機械振興賞(全15回)は、「機械振興賞」となり、また、回数は昭和41年に開始した機械振興協会賞(全37回)を併せて継承して行うとして手続き中である。

概要

(1)表彰対象 独自性、革新性および経済性に優れた機械産業技術に関わる研究開発およびその成果の実用化により、新製品の製造、製品の品質・性能の改善、または生産の合理化に顕著な業績を上げたと認められる企業等および研究開発担当者(一業績につきおおむね5人程度を限度とし、事情により当該企業等に属さない者も含む。)とする。 ただし、当該研究開発は、おおむね過去3年以内に完成したものに限る。(2)募集の方法 機械産業に関わる関係団体、地方公共団体、国公立試験研究機関、学会等に募集を依頼し、受賞候補者の推薦を求める。また、受賞候補者による自薦も受け付ける。 受賞候補者の推薦期間は、平成30年4月2日(月)から5月31日(木)必着とする。(3)表彰の方法 ① 特に優秀とみとめられたものについて経済産業大臣賞および中小企業長官賞(中小企業のみ)の授与を申請する者年、機械振興協会会長賞および小規模事業者(中小企業基本法における小規模起業者)を対象とした審査委員長特別賞に対し、会長名の賞状を贈呈する。 ② 受賞する企業等に対し、記念楯を贈呈する。 ③ 受賞する研究開発担当者に対し、賞金を贈呈する。賞金の額は、経済産業大臣賞は80万円、中小企業長官賞は50万円、機械振興協会会長賞は30万円、審査委員長特別賞は20万円(研究開発担当者が複数である場合も、これらと同額)とする。(4)選考 機械振興協会会長が委託する学識経験者より成る審査委員会により行う。(5)受賞者発表 平成30年12月に発表の予定。■問合せ先 機械振興協会 技術研究所 産学官連携センター(東久留米)賞事務局 TEL:042-475-1168 E-mail :prize@tri.jspmi.or.jp▼募集要領」「応募書類の様式」ダウンロードはこちら▼http://www.jspmi.or.jp/tri/prize/