ニュース
「Mastercam」用ミーリング加工自動化オプション「GC Mill Express」をリリース ゼネテック
ゼネテック(社長=上野憲二氏、本社:東京都新宿区)は、3 次元CAD/CAM システム「Mastercam」専用のミーリング加工自動化オプション「GC Mill Express」をこのほどリリースした。
「GC Mill Express」は、Mastercam の汎用性の高いツールパス作成機能の使い勝手をさらに強化するツールとして、同社が独自に開発をすすめてきたユーザー待望の「ツールパス作成自動化ツール」だ。加工対象となるCAD データに対し、あらかじめ登録してある加工工程を割り当てることによって自動でミーリング加工のツールパス作成を実行することができる。
CAM に対する自動化・省力化のニーズはますます拡大していくものとされているが、同社ではCAMに依存した自動化ではなく、「GC Mill Express」を活用したノウハウ蓄積型の自動化を提案する。
製品価格は20 万円(税別)で、最新バージョンのMastercam Mill(マシニング用CAM)上で動作する。「GC Mill Express」の特長は以下の通り。
サーフェスモデルやワイヤフレームからミーリング加工のツールパスを自動生成
「GC Mill Express」は、サーフェスモデルやワイヤーフレームに対し、あらかじめ登録されている加工工程を割り当てることによって、ミーリング加工のツールパスを自動生成する。加工を行う箇所は手動での選択のほか、CAD データの色、もしくはレイヤー別に配置された図形を自動で選択することができる。このため、設計段階で色やレイヤーの情報をモデリング形状に反映させることによって、CAM 側での作業負荷を大きく軽減することが可能となる。さらに、加工精度を決定する上で重要となるトレランスや残し代の数値も色やレイヤーごとにそれぞれ割り当てることができるため、加工工程を変更した場合でも、設定した加工精度を維持したままツールパスの作成が行える。
加工パターンの追加・編集によりノウハウの蓄積が可能
「GC Mill Express」にはインストール時に数種類の加工工程が登録されているが、ユーザー側での追加登録や編集・削除も自由に行うことができる。登録できる加工工程の数は無制限のため、例えば加工形状や材質ごとのノウハウを蓄積し、複数のオペレータが共有するといった利用も可能。また、将来的には新しい加工工程をユーザーサイトからダウンロードできる仕組みを構築し、「GC Mill Express」を利用した同社からの加工提案をユーザーに向けて行っていく予定である。
最大ワーク径2 mの高速大型横形マシニングセンタ「NHX10000」登場! 森精機
森精機製作所が「Xクラス」の横形マシニングセンタNHXシリーズの新たなラインアップ、として高精度横形マシニングセンタ「NHX10000」の販売を開始した。
「NHX10000」は最大ワークサイズφ2,000 mm×1,600 mm/最大積載質量5,000 kgの、NHXシリーズ待望の大型機種。近年、需要が高まっている建設機械や航空機、エネルギー産業における大型ワークや難削材の加工に最適のマシン。
高速・高精度を実現する独自技術
高速・高精度なNHシリーズのコンセプトを受け継ぎ、サドルを両端で支持するBox in Box構造を採用。主軸を中心とした対象構造により熱変位を抑える。またX、Z軸の駆動には、2本のボールねじで移動体の重心を駆動するDCG(重心駆動)を採用している。高速・高精度加工を阻む振動を抑制し、加工精度の向上、加工時間の短縮、工具寿命の延長を実現、この結果、真円度2.1 µm(スケール有りの場合)、従来機比2.5倍の早送り速度50 m/minと、2倍以上の加速度を実現した。また、振動抑制により、面品位も向上している。
B軸回転軸駆動にはDDM(ダイレクト・ドライブ方式モータ)を採用した任意割出しテーブルをオプションもある。駆動力をダイレクトに回転軸へ伝達することで、伝達効率の向上、高速化、バックラッシゼロを実現した。90°割出し時間は2.0秒(5,000 kgの場合)と、従来機比1/5に短縮している。
信頼性
NHX10000の主軸は、高圧クーラントの多用を考慮してラビリンス構造を高度化、主軸内にクーラントが浸入しない構造としている。チップコンベヤは内製の万能機外チップコンベヤを選択可能とした。粉状の切りくずから長い切りくずまで、種類を選ばず確実に機外へ搬出する。切りくずに起因する様々な問題を削減する信頼性の高いチップコンベヤである。
高い作業性
機外と機内に足場を設け、段差を無くすことで、機内での心出し作業や確認作業を容易に行える。段取りステーションのドア開口幅を広く(2,300 mm)取り、最大ワーク径φ2,000 mmのワーク着脱作業が容易になった。また切りくず処理については3本のスパイラルコンベヤを採用し、そのうち2本を段取りステーション側まで延長することで、段取りステーション内の切りくずも確実に機外搬送する。
シングルパレット仕様
「NHX10000」には、要望の多かったシングルパレット仕様を用意している。2面旋回式APCを装備しないシンプルな機械構成により、省スペース化を実現。機内の作業エリアを大きく確保することができ、段取りの作業性を向上している。試作品などの一品物ワークの加工に最適な仕様である。
多彩なオプション
高精度な同軸度を必要とする大型ワークの深穴ボーリング加工やガンドリル加工用に、パレットサイズと同じ最大工具長1,000 mmの工具が収納できるロングツールマガジンをご用意した。これによりB軸反転なしに加工ができ、切削時間の短縮と高精度加工が可能。さらに高精度な加工ニーズに対応するため、「多系統高精度オイルコントローラ」をオプションで用意している。機械上の複数の熱源に対して、個別に最適な温度の冷却オイルを流すことで、理想的な熱変位抑制を行う。
MAPPS Ⅳ+ESPRIT
操作パネルには新型高性能オペレーティングシステム「MAPPS Ⅳ」を搭載している。対話型自動プログラミング機能に加えて、CAMソフトウェア「ESPRIT」のライセンスを標準搭載している。機械とネットワーク接続されたパソコンで難易度の高い加工プログラムの作成が可能。また機械の遠隔保守や稼働状況の確認が可能なMORI-NETを標準装備している。
価格は67,580,000円 (F31iA)。生産台数5台/月。
難削材加工対応、高剛性大型立形マシニングセンタ「NVX7000」登場!
森精機製作所は、高精度立形マシニングセンタ「NVX7000」の販売を開始する。
「NVX7000」はNVXシリーズ待望の大型立形マシニングセンタ。テーブルサイズ1,700 mm×760 mm、Y軸移動量760 mmのNVX7000を市場へ投入し、ラインアップを拡充している。
特長は以下のとおり。
高精度
ボールねじの軸心冷却を標準採用し、さらにZ軸送り箱の冷却を行うことで、高精度加工を可能にしている。加工精度は従来機より70%アップした真円度1.9 µmを実現。さらに高精度な加工を追求するため、「多系統高精度オイルコントローラ」をオプションで用意している。機械上の複数の熱源に対して、個別に最適な温度の冷却オイルを流すことで、理想的な熱変位抑制を行う。
高剛性
切削加重を常に受けるY軸中央の摺動面を従来機比2.4倍に拡げ、さらに剛性を高めている。加えて主軸軸受内径はクラス最大のφ120 mm*1。その結果、重切削能力が20%向上した。重切削加工から高精度加工まで、あらゆる加工を行うのに十分な剛性を持っている。
高速
Z軸方向の微細な送りを繰り返す金型加工など、様々なシチュエーションで使われることを想定し、早送り速度と加減速のバランスを考慮。その結果、Z軸加速度を従来機に比べ2倍にアップすることで、より高速な送りを実現、サイクルタイムを短縮した。
信頼性NVX7000の主軸は、高圧クーラントの多用を考慮してラビリンス構造を高度化、主軸内にクーラントが浸入しない構造。チップコンベヤは万能機外チップコンベヤを標準オプションで準備した。短い切りくずから長い切りくずまで、種類を選ばず確実に機外へ搬出する。切りくずに起因する様々なトラブルを削減する信頼性の高いチップコンベヤである。
豊富な仕様
40番テーパ仕様には主軸回転速度20,000 min-1の高速仕様の主軸を、50番テーパ仕様には高速仕様に加えて、高トルク仕様の主軸を用意し、現場のニーズに合わせた主軸を選べる。また森精機製のロータリテーブル、「DDRT(ダイレクトドライブ方式ロータリテーブル)」シリーズが搭載可能。付加1軸仕様のDDRT、または付加2軸仕様の5AX-DDRTを搭載することで、同時4軸、5軸制御を必要とする複雑形状ワークの加工も可能となる。
MAPPS IV+ESPRIT
操作パネルには新型高性能オペレーティングシステム「MAPPS Ⅳ」を搭載。対話型自動プログラミング機能に加えて、CAMソフトウェア「ESPRIT」のライセンス付属の仕様も用意している。機械とネットワーク接続されたパソコンで難易度の高い加工プログラムの作成が可能であり、機械の遠隔保守や稼働状況の確認が可能なMORI-NETを標準装備している。
定価は 23,100,000円 (NVX7000/50) (F0iMD)。生産台数は10台/月。
7月分工作機械受注総額は1133.6億円 日工会
日本工作機械工業会がまとめた7月分の受注実績は以下の通り。2011年7月分工作機械受注総額は1133.6億円(前月比△11.8%・前年同月比+34.8%)となった。【7月分内需】357.6億円(前月比△14.2% 前年同月比+22.2%)① 一般機械 168.0億円(前月比△15.4% 前年同月比+36.9%) うち金型 22.5億円(前月比+15.1% 前年同月比+48.4%)② 自動車 107.5億円(前月比△4.5% 前年同月比+27.7%) うち部品 72.6億円(前月比+1.6% 前年同月比+19.2%)③ 電気・精密 36.3億円(前月比+27.3% 前年同月比△13.0%)④ 航空機・造船・搬送用機械 13.5億円(前月比+49.8% 前年同月比+14.2%) 【7月分外需】776.0億円(前月比△10.7% 前年同月比+41.4%)①アジア:425.5億円(前月比△18.7% 前年同月比+26.4%)・東アジア:325.9億円(前月比△18.9% 前年同月比+23.2%)〈韓国〉:27.6億円(前月比△5.7% 前年同月比△23.9%)〈中国〉:287.1億円(前月比△19.9% 前年同月比+36.4%)・その他アジア:99.5億円(前月比△18.1% 前年同月比+38.2%)〈インド〉:22.7億円(前月比△54.4% 前年同月比+4.0%)②欧州:138.9億円(前月比△0.8% 前年同月比+47.6%)〈ドイツ〉:50.9億円(前月比△1.2% 前年同月比+61.6%)③北米:195.4億円(前月比+5.6% 前年同月比+83.1%)〈アメリカ〉:174.0億円(前月比+6.9% 前年同月比+80.5%)
前年度比0.8%増の69兆3286億円の見通し 平成23年度機械工業生産額
日本機械工業連合会がこのほどまとめた平成23年度の生産動向は以下の通り。平成23年度の機械工業は、前年度末に発生した東日本大震災による甚大な被害により回復過程をたどっていた生産への下押し圧力が強まった。震災による部品を中心としたサプライチェーンの寸断や電力不足による生産現で設備投資も抑制気味に推移、また消費者マインドの悪化等による個人消費の下振れや、雇用情勢も持ち直しの動きに足踏みがみられるなど、景気全般に厳しい影響を与えている。また、原油等の資源価格や円高の動向等、当面先行きの不透明感がぬぐいきれないが、一方でサプライチェーンの復旧が前倒しで進んでいることや新興国経済の改善などによる輸出の伸び、さらに年度後半からは復興需要が本格化するなど、景気は徐々に回復軌道をたどるものと見られる。こうした中で、平成23年度の機械工業生産額は前年度比0.8%の69兆3286円となる見通しである。(1)一般機械一般機械の生産額は前年度比(以下同様)5.6%増の13兆5138億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「ボイラー・原動機」の内需は自家発電設備の需要の高まりや既存設備の維持を目的とした更新需要、外需はアジアや中東向け需要拡大や、環境意識の高まりを背景にしたエネルギー転換等の需要増も見込まれ4.2%増。「土木建設機械」は内需の回復基調が続き、外需も新興国のアジアに加え、従来の主要マーケットであった欧米の回復も見込まれ12.9%増。「印刷・製本・紙工機械」は国内が高付加価値設備を除き需要の停滞が懸念されるものの、海外では中国をはじめとする新興国の需要回復が見込まれることから4.2%増。「ポンプ・送風機・圧縮機」は内需が復興需要や更新需要、外需も新興国や産油国における需要増が期待できることから5.0%増。「油空圧機器」は油圧機器が建設機械需要が拡大する中国を中心に、空気圧機器も輸出が中国をはじめとする新興国や欧米で堅調に推移すると見込まれ8.3%増。「ロボット」は引き続き自動車自動車産業や電子・電気機械産業向けが好調で米国、中国をはじめとした海外需要が引き続き見込まれ10.0%増。「農業用機械器具」は国内は被災地域での需要減、部品調達における先行き不安はあるものの、アジア地域で堅調が見込まれることから横ばい。「金属工作機械」は国内は回復基調が続き、海外もアジア地域で依然として好調が続くことから19.8%増。「第二次金属加工機械」は円高の影響やコスト競争力の問題はあるものの、インド、東南アジアをはじめとして輸出が牽引する形の生産増加が期待され28.7%増。「鋳造装置」は回復基調にあるが、震災の影響により先ゆき不透明なこともあり横ばい。「繊維機械」は紡績機械、繊機は海外現地メーカーとの競合により減少が見込まれるが、引き続きアジア新興国やブラジルからの需要が回復しており、化学繊維機械、準備機械、編組機械等の増加が見込まれ20.9%増。「食品加工機械」は新債の影響は極めて大きく、夏行こうに新鋼需要を見込むが、先行きは不透明なことから5.7%減。「木材加工機械」は国内が国産材利用新興製作により、海外はロシア、米国の需要が見込めることから25.6%増。「事務用機械」は海外での現地生産が進み国内生産の減少傾向が続くことから11.0%減。「ミシン」は中国や東南アジア等での需要増が続くことから9.1%増。「冷凍機・同応用装置」は冷凍空調用圧縮機、冷凍空調用冷却塔で減少するものの、空気調和関連機器、冷凍冷蔵関連機器で増加が見込まれ、全体で0.4%増。「半導体製造装置及びFPD想像装置」はMPUメーカーやファウンドリで大幅な投資増額がなされ、高精細・中小型パネルや有機ELへの設備投資が期待されることから7.9%増加する見通しである。(2)電気機械電気機械の生産額は前年度比(以下同様)1.1%増の7兆359億円となる見通しである。機種別に見ると以下のとおり。「回転電気機械・静止電気機械器具・開閉制御装置」は中国を中心としたアジア向け輸出が期待できるものの、先行きには不透明感があり横ばい。「民生用電気機械」は生活に密着している製品で堅実な市場ではあるものの、生産の海外シフトが進むとみられ横ばい。「電球」は生産拠点の海外化や電球形LEDランプの普及の影響を受け、一般照明用電球、電球形蛍光ランプが減少すると見込まれ1.5%減。「電気計測器」は電気計器、電気測定器、工業用計測制御機器、放射線計測器、環境計測器のいずれも増加し、全体では11.4%増加する見通しである。(3)情報通信機械情報通信機械の生産額は前年度比(以下同様)4.1%減の5兆7655億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「民生用電子機器」は薄型テレビがエコポイント基準見直し後では大型品から中小型へ製品構成が変化し、カーナビゲーションシステムも工場被災や自動車生産減の影響、デジタルカメラは部品不足の影響が見込まれ、全体では2.0%減。「通信機器」は、有線通信機器ではトラフィック増への対応やLTEへの設備投資は継続するもののキャリアの設備投資は全般的に抑制傾向にあり、無線通信機器では携帯電話の需要減もあることから、通信機器全体では5.8%減。「電子計算機及び関連装置」は前年の教育用パソコン特需の反動減により5.2%減少する見通しである。(4)電子部品・デバイス電子部品・デバイスの生産額は前年度比(以下同様)0.1%減の8兆2541億円とんばる見通しである。スマートフォン向けが好調なものの、工場被災の影響により自動車、電子機械産業向けの供給に不透明さがあることから、「電子部品」は1.1%増加、「電子デバイス」は0.7%減少する見通しである。(6)輸送機械精密機械の生産額は前年度比(以下同様)3.1%増の1兆2821億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「計測機器」は計量機器、分析機器、測量機器ともに震災の影響を受けるものの下期に回復が見込まれ1.5%増。「光学機械」は写真機が4.6%増、望遠鏡・顕微鏡が震災の影響で部品供給に遅れがあるもののアジア地域での伸びが見込まれ5.7%増、カメラの交換レンズ・付属品が6.2%増、光学機械全体では5.8%増加する見通しである。(7)金属製品金属製品の生産額は前年度比(以下同様)1.1%増の2兆7562億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「鉄構物・架線金物」は2.0%減。「ばね」は震災による不確定要素が大きいため15.8%減。「機械工具」は特殊鋼工具がアジア向けの需要が堅調で4.2%増、ダイヤモンド工具が震災による需要減で3.3%減、機械工具全体では2.7%増、「バルブ・コック・鉄管継手」は震災の復興需要と新興国向けの輸出増で9.7%増加する見通しである。(8)鋳鍛造品鋳鍛造品の生産額は前年度比(以下同様)1.4%増の2兆5989億円となる見通しである。機種別にみると以下のとおり。「粉末冶金製品」は2.5%減。「鍛工品」は産業機械、土木建設機械関連および復興関連需要が堅調、自動車関連向けも電力需要抑制後に本格稼働が期待されることから3.0%増。「銑鉄鋳物」は横ばい。「可鍛鋳鉄・精密鋳造品」は4.8%増。「非鉄金属鋳物」は6.2%増。「ダイカスト」は横ばいの見通しである。
6月分超硬工具主要統計
超硬工具協会がまとめた6月分超硬工具主要統計は以下の通り。【超硬合金重量】537トン(前年比114.7)。【超硬工具生産額】切削工具194億1600万円(前年比105.6)、耐摩工具33億6700万円(同105.0)、鉱山土木工具6億6400万円(同104.1)、その他工具7億3300万円(同151.8)、焼結体・工具19億6600万円(同111.9)、合計261億4600万円(同106.8)。【輸出入】輸出77億7000万円(前年比109.7)、輸入38億6000万円(同116.9)。【超硬工具出荷額】切削工具192億2300万円(前年比105.6)、耐摩工具33億7000万円(同107.1)、鉱山土木工具7億3000万円(同108.1)、その他工具4億9000万円(同118.6)、焼結体・工具18億9300万円(同108.3)、合計257億600万円(同106.3)。【刃先交換チップ】生産2817万6000個(前年比119.0)、出荷2597万9000個(同117.2)。
6月分産業機械受注状況および輸出契約状況
産業機械工業会がこのほどまとめた平成23年6月分の産業機械受注状況および輸出契約状況は以下のとおり。6月の受注は5196億6100万円、前年同月比133.6%となった。・内需内需は3300億8300万円、前年同月比124.9%となった。内需のうち、製造業向けは前年同月比125.4%、非製造業向けは同181.6%、官公需向けは同55.5%、代理店向けは同112.3%であった。増加した機種は、ボイラ・原動機(180.2%)、化学機械(121.2%)、タンク(403.8%)、プラスチック加工機械(118.2%)、圧縮機(103.1%)、送風機(137.8%)、運搬機械(141.5%)、変速機(113.4%)、8機種であり、減少した機種は、鉱山機械(86.5%)、ポンプ(96.1%)、金属加工機械(59.4%)、その他機械(71.7%)の4機種であった(括弧の数字は前年同月比)。・外需外需は、1895億7800万円、前年同月比151.9%となった。プラントは13件、881億9600万円、前年同月比505.0%となった。増加した機種は、化学機械(113.8%)、タンク(561.3%)、ポンプ(190.2%)、運搬機械(108.1%)、金属加工機械(2011.4%[20倍])、その他機械(前年同月の受注金額がマイナスのため、比率を計上できず)の6機種であり、減少した機種は、ボイラ・原動機(34.8%)、鉱山機械(44.2%)、プラスチック加工機械(80.1%)、圧縮機(75.4%)、送風機(31.7%)、変速機(94.3%)、6機種であった(括弧の数字は前年同月比)。●6月分産業機械輸出契約状況は以下のとおり。6月の主要約70社の輸出契約高は、1799億3400万円、前年同月比158.9%となった。プラントは13件、881億9600万円、前年同月比505.0%となった。単体は917億3800万円、前年同月比95.8%となった。地域別構成比は、アジア65.8%、中東8.2%、北アメリカ6.2%、ヨーロッパ5.9%、南アメリカ4.8%、オセアニア4.5%となっている。
「製品需要を世界中から取り込む」キメラが海外進出へ

2011年6月に海外販売事業を展開する100%出資の子会社UNITED EXCEL PTE LTD.(シンガポール)の出資によりASCENDER GLOBAL ENGINEERING SDN.BHD(マレーシア、以下AGE)を設立。2011年年末の稼働を目標に工場設立を進める。マレーシアでは首都クアラルンプール近郊のセランゴール州、ペナン州において日系・欧米系電気・電子メーカーの進出・成長が加速しており、ASEAN地域全体での精密加工分野の市場拡大が見込まれており、同社ではマザー工場としてさらなる技術革新・開発を推し進め、AGEではキメラで培った超精密加工技術を移管することで、ASEAN地域では調達困難であった精密加工部品の製造・販売を実現していく。
同社では、海外生産拠点設立の背景を「日本のものづくり産業は成熟期を迎え、製品のサイクルは短く、価格競争は激化し、相次ぐ付加価値の創出といった過当競争の状態にある。昨年度の大手日系メーカーの海外生産比率は5割を超え、アジアを中心に現地調達、アフターサービスの需要は増加する。キメラ本社では、現状の雇用を維持したまま技術開発・革新を進め、付加価値の高い製品の需要を全世界から取りこむ。日系・欧米系企業を中心に需要増が見込まれるアジアに現地工場を設立し、金型製造に限らず、製造した金型を用いて電気電子部品、自動車関連部品の量産を展開する」としている。
マレーシア工場概要
■会社名:ASCENDERGLOBALENGINEERINGSDN.BHD.
■設立:2011年6月9日。
■登記住所:Suite2.7,Level2,BlockC,Plaza Damansara, 50490 Kuala Lumpur, Malaysia
■工場住所:No.140, Lorong P/AM 2/1,Arab Malaysian Industrial Park 71800,
Nilai, Negeri Sembilan, Malaysia
(マレーシア、ヌグリ・センビラン州、ニライ)。
■代表取締役社長:宮崎智秀。
■資本金:約7000万円(RM250万)。
※出資元:UnitedExcelPteLtd100%(UnitedExcelはキメラ100%出資の子会社)。
■その他資金調達・設備投資を含む総投資額:約5億円。
■事業内容:射出成型金型・プレス金型設計・製作。
精密金型部品・精密機械加工部品の製造・販売。
※その他、電気電子部品、自動車関連部品の製造・販売を予定
■2015年度売上(見込):2.4億円(金型部品の製造・販売のみ)。
※その他事業を含め将来的に年商5億円を目標とする。
■工場面積:1500㎡。
■改装工事期間:2011年8月~12月。
■稼働時期:2011年年末稼働目標。
■主な導入設備:フライス盤×2台、成形研削盤×7台、プロファイル加工機×2台、型彫放電加工機×5台、ワイヤー放電加工機×3台、マシニングセンタ×3台、各種検査器具(3次元測定器×3台、工具顕微鏡×4台、マイクロハイト×3台)。
■従業員数:2012年度33名。
2013年度53名、2014年度61名。
※立上げ期間については各セクション毎に日本人エンジニアを派遣(現在6名を派遣予定)。
JIMTOF2012のテーマは「匠の技と先端技術の融合」
世界で最も早く最先端の技術を見せる展示会であるJIMTOFは、1962年に大阪で第一回が開催され、今回で26回目、発足50周年の節目を迎える。工作機械と関連製品はあらゆる工業の基盤となることから、工業立国・日本の技術水準を映す鏡として国内外から高い感心を集め、今では充実した併催企画に加えて、高度な情報交換の場として世界中から注目されている。

来年のJIMTOFの開催時期は、2012年11月1日(木)~11月6日(火)まで。11月2日(金)・3日(土)の混雑緩和を見越し、オフピークで来場できるメリットを早期から周知、来場者分散に務めるとしている。出展規模の見通しは、約5000小間を予定。中国勢など海外からの出展申し込みも増加傾向にあり、前回実績を上回る可能性が高いと予想している。
出展申し込み期間は下記のとおり。
■主催者・協賛団体会員/海外工業会会員 2011年10月1日~10月31日。
■海外・国内一般 2011年11月1日~11月30日。
シリコンウェハやMEMS デバイスの時間当たり評価性能が2.6 倍に向上
マシンビジョンと画像関連機器メーカーのモリテックス(本社:東京都豊島区、社長=松岡昇氏)は、MEMS・半導体業界向け赤外透過検査システム「IRiseR」の改良型の販売を8月から開始する。
改良型「IRiseR」は、従来型の基本機能を継承しつつ内部機構やソフトウェアのリニューアルを行い、シリコンウェハやMEMS デバイスの時間当たり評価性能を2.6 倍に向上させ、オプション機能に自動外観検査機能を追加。今後、この改良型IRiseRをMEMS・半導体業界へ積極的に販売していく。
「IRiseR」は、モリテックスが平成19 年(2007 年)に開発したシリコンウェハを赤外光が透過する特性を活用した検査システム。一台でマクロからミクロまでのウェハレベルの評価が可能で、8 インチ(200mm)ウェハまでの一括検査に対応できる点が評価され、MEMSデバイスメーカーや半導体業界、研究機関などで広く活用されている。
改良型「IRiseR」は、ステージ速度の向上とソフトウェアの改良により時間当たり評価性能を2.6 倍に高め、また、オプション機能として自動外観検査機能を追加。本装置を使用することで、ウェハを手で扱わずに評価を行うCtoC システムの構築にも対応可能である。
近年、スマートフォン、ゲーム機、プリンタ、自動車をはじめ、様々な分野でMEMS デバイスが用いられているが、このうち、特に市場の拡大が期待されている自動車業界向けMEMS デバイスの分野では、メーカー各社が高精度かつ信頼性を有する低コストMEMS デバイスの開発に注力している。この背景としては、米国自動車市場(年間販売約1200 万台)における2008 年のサイドエアバックの義務化や2007 年TPMS(タイヤ空気圧監視システム)搭載法規制などがある。TPMS は欧州でも2011 年11 月以降に販売される新車への搭載義務化が決定しており、中国や日本でも搭載義務化に向けた法制化の検討が開始されていることから、今後の関連市場拡大が期待される。自動車向けMEMSセンサ市場は、TPMS に加えエアーバック用加速度センサや横滑りを検知する角速度センサなど、予防安全分野向けを中心に拡大することが予想され、加えて、ハイブリッド車に利用されるパワーデバイス需要が急増している。
自動車向けを始めとするMEMS 市場は今後急速な成長が見込まれており、2020 年までに現在の市場規模の2 倍を超える1 兆円規模の市場になるとの調査結果もあることから、この分野における検査関連需要は大きく拡大するであろう。同社では、MEMS 技術は、半導体分野でも3 次元実装やシリコン貫通電極(TSV)、光通信分野との融合などの研究が進められていることから、「IRiseR」の販売活動に注力するとしている。