ニュース

完璧なセキュリティのためのインターロックシステム

このほどフランスのロニス(RONIS)社は、中圧・高圧の電気機器・電気設備を対象とする作業者と機器の安全確保に特化したインターロックシステムのフルラインナップを開発した。4種類の製品シリーズから成るこのラインナップは、所定の順序に従う操作を要求することによって、リスクを伴うすべての構成要素に対応できる多彩なロック機構を提供する。これらのシステムは、顧客企業固有のニーズに合わせてカスタマイズすることもできる。

断路器の制御用インターロックから、サーキットブレーカー、インバーター、変圧器のロッキングシステム、そしてアクセスドア(トラップドア、扉、小扉など)のロック機構に至るまで、同社のインターロック製品ラインアップは最大限のセキュリティをもたらすように特別設計されたもの。リスクを伴う各構成要素は1つまたは2つ以上のロック機構に拘束されており、各ロック機構はそれぞれ固有のキーを使う場合にのみ作動させることができる。ロック機構が相互依存関係にあるため、ひとつのキーを解除して次のロック機構を作動させるには、前のロック機構が正常に動作する必要がある。この仕組みは機械式であるため、信頼性が向上し、もっとも安全なロック機構である。各操作は一定の手順に入念に組み込まれており、キーの利用により、所定の手順を踏まないわけにはいかず、エラーのリスクが解消される。

これらのシステムはオール金属製であり、最大限の信頼性を確保するため、品質面と堅牢性の面で厳選された材料で構成されている。過酷な使用環境においても機能する堅牢なステンレス製ケース(錠箱)を中心に、各インターロック機構は真鍮製のピンタンブラーシリンダー錠を備えており、組み合わせの可能性を広げている。

複製しにくく、約80,000通りの組み合わせが可能な新型キーであるリバーシブルキーも開発された。

同社では日本販売代理店を募集している。

コンタクト
RONIS
Mr. Jean-Philippe Vuylsteke / Sales and Marketing Director
Email : jean-philippe.vuylsteke@ronis.fr  Tel : +33 (0)2 48 74 50 00 
Website : www.ronis.fr 

今までにない! ヘアライン模様を曲面形状に転写

3D横荒ヘアライン
3D横荒ヘアライン
牧野フライス製作所(社長=牧野二郎氏、本社・東京都目黒区中根)がこのほどヘアライン模様を曲面形状に転写できる3次元CAMシステム 「FF/cam」 のオプションとして、「ヘアライン仕上げ (HLF) 」の販売を開始した。

ヘアライン模様とは、金属の表面処理加工のひとつで、一方向に髪の毛などの細かい傷をつける加工法およびその仕上げを指す。従来、成型品にヘアライン模様を付ける方法(金型内に転写シートを配置して形成する方法・インモールド成形で「IMD」、「IML」)と、金型にサンドペーパーを擦りつける方法がある。

「IMD」は、加飾されたフィルムを送り装置により射出成型の金型内で転写、工程数が少ないことから自動化・高速化が可能で成型品の大量生産に適しており、一方「IML」は、
絵柄などを施したIMLを金型内で成形品に直接貼り付けることで、射出成形と同時に加飾を行う。 工程数が多いことから成形品の大量生産は難しく、少量多 品種生産が適すとされている。

従来法のデメリットは、材料コストがかかるため用途が高級品に限られることがあげられる。転写箔の位置決め、転写不良、フィルム破れ、シワ などがコストに跳ね返り、リサイクル法の適用により回収後の費用もコスト がかかってしまううえ、 ヘアライン模様に再現性がない。

同社が提案するのは、ヘアライン模様を切削加工で金型に付加することに より工程の削減、外注業者への注文が不要となり 成型品を短期間に作成できる画期的な加工システムだ。これにより、リードタイムの大幅な短縮が実現し、切削加工することによりデザイナーのイメージを再現しやすく、同じヘアライン模様のついた金型を作成できる。

レーザ用FACレンズを使用せずに対照的なビームプロファイルを実現

モリテックス(社長=松岡昇氏、本社:東京都豊島区)は、このほど親会社であるSCHOTT AG(本社:ドイツ マインツ、取締役会議長兼CEO:ウド・ウンゲホイヤー)が本年5月に開発した、FACレンズを使用せずに対照的なビームプロファイルを実現する溶融ファイバ「ビームシェーパー(Beam Shaper)」の取扱いを開始した。

ビームシェーパーを使用することで、高出力ダイオードレーザ使用時に用いられる速軸コリメーション(FAC)レンズが不要となる。 今後、このSCHOTT AGが開発したビームシェーパーを製品ラインナップに加え、レーザーメスなどの医療用機器分野やレーザ光源を使用した工作機器分野などへの販売展開を行う。

SCHOTT AGでは、非対称的に発光するレーザダイオード光を、形の均一な光線に成形するためのソリューションとしてビームシェーパーを開発、この製品はフレキシブルな多成分グラスファイバで、レーザダイオードとの直接結合が可能だ。

現在、レーザダイオードは、固体レーザの励起など、多くの用途に使用されている。レーザダイオードは小型で効率的だが非対称的に発光するという難点があった。これを解消するため、調整が難しいFAC レンズが必須であり、システムレベルでは、組み立てに時間がかかるという難点があった。SCHOTT AGの開発した新技術ではFAC レンズが不要となるので、短時間での組込が可能となる。

レーザダイオードから放出された光は、例えば口径の小さな円形など、様々な形への変形が可能なので、高品質なレーザ光を出すことが可能である。現在、ファイバは0.4 から0.8 までの範囲の開口数に対応している。さらに、出射光を一般的なライトガイドに入力した場合、最長2,000mmまで80%の光を透過させることが可能だ。

耐久温度は約150 度。出力密度によっては、コネクターを冷却することが必要な場合もあるが、これらのライトガイドは強固な構造で使い勝手が良いことから、既設のレーザダイオードも一層使いやすくなり、その性能の向上も可能である。これにより、医療分野におけるレーザメスへの利用をはじめ、工業分野においてのレーザ光源を使用した工作機器への搭載といった新たな用途への利用も期待されている。

レーザ加工機能を搭載した5軸マシニングセンタ「LASERTEC 210 Shape」を販売開始

レーザーヘッド
レーザーヘッド
森精機製作所は、提携先である独国・DMG社製のレーザ加工機能を搭載した5軸制御マシニングセンタ「LASERTEC 210 Shape」の販売をこのほど開始した。

「LASERTEC 210 Shape」は、Y軸移動量2,100 mmの大型マシニングセンタ。HSKインタフェースを介してレーザ加工用のファイバレーザスキャニングヘッドを装着することで、5軸での切削加工に加え、「レーザによるシボ加工」が可能である。シボ加工とは、ワーク表面に皮革調、ハニカム調といった模様を施す、特に金型業界で要求される微細な仕上げ加工。レーザによるシボ加工は、化学薬品で金属表面を腐食させて行う従来のエッチング法に比べ、正確で多彩なパターンが得られるメリットがある。「LASERTEC 210 Shape」は、金型の中でも大型となる自動車のダッシュボードやハンドルなど内装部品用金型の加工に適している。

工程集約

シボ加工面
シボ加工面
1台のマシニングセンタに5軸の切削加工とレーザ加工が集約、荒加工からシボ加工による表面仕上げまで、一貫した加工が可能である。段取り換えに時間と手間を要する大型の金型において、段取り換えが不要となりワンチャッキングで加工を完了する。またレーザヘッドは切削工具とは異なり摩耗・破損の心配がなく、光源寿命も100,000時間と長いため、長時間無人運転を行う金型加工を安心して行うことが可能である。

簡易操作を実現する「LASERSOFT-3D-TEXTURE」
「 LASERSOFT-3D-TEXTURE」は、自由なデザインを実現するソフトウェア。ビットマップ形式のモノクロ画像データや紙に出力したプリント情報からレーザ加工用プログラムを作成が可能である。つなぎ目なしで、広い表面や自由曲面に複雑な形状の投影ができる。簡易操作を実現するため、標準で三次元干渉チェック機能や5軸レーザ加工用の自動プログラミング機能を装備し、5軸レーザ加工をサポートする。

ヒューストンソリューションセンタを新装開設

同社では、回復基調にある米国市場において顧客のサポート体制を強化するため、主要販売店であるEllison Technologies,Inc(以下Ellison)と共同でヒューストンソリューションセンタを新装開設した。

この建物はEllisonが米国およびカナダに所有する21の拠点の中で最も規模が大きい。Ellisonのサービス、アプリケーション、営業担当、DMG/Mori Seiki USAのエンジニアリング社員あわせて25名が駐在している。ソリューションセンタ内に603.9㎡あるショールームを設け、最新設備と最新加工技術を紹介してくれる。また、最適な機械をチョイスできるようデモ加工を見学することもでき、要望するワークの加工図面に対するテスト加工を顧客立会いのもと実施し、テスト加工を通じて熟練の技術者が最適な加工法、工具、治具、切削条件など提案してくれる。

なお、米国市場は航空機やエネルギー、自動車産業を中心とした肥沃な市場であり、ヒューストンは石油・天然ガス掘削関連の中心地である。

モノの在り処を考慮できて、処理も高速化!

ロケーション機能
ロケーション機能
フレクシェ(社長=浦野幹夫氏)は、このほど生産スケジューラ「FLEXSCHE(フレクシェ)」シリーズの新製品「FLEXSCHE 11(フレクシェ11)」の販売を開始した。「FLEXSCHE 11」では、複数箇所に分散する品目(原材料、中間品、製品)の場所の違いを考慮したスケジューリングとそれらの理論在庫量の視覚化のための「ロケーション機能」を新機能として搭載。この機能により本格的に計画立案の条件として扱えるようになった。

その他にも、多くの製造業に馴染みのある部品表形式でマスターデータを編集できる「部品表メンテナンス機能」、普段使い慣れたMicrosoft Excelを使って簡単かつ柔軟にさまざまな帳票を作成できる「Excel帳票機能」など、数十項目の新機能追加や機能改良が施されているとともに、処理も高速化(データによっては旧バージョンと比べて約30~40%短縮)した。

部品メンテナンス機能
部品メンテナンス機能
日本語版「FLEXSCHE 11」リリースに合わせて、英語版および簡体字中国語版「FLEXSCHE 11」もリリース。システム構成を検討しやすく、また価格面でも導入しやすくするためにセット製品もラインナップしている。生産スケジューラパッケージソフト「FLEXSCHE GP(フレクシェ・ジーピー)」を中核とし、機能や扱えるデータ規模が異なる4種類のセット製品がある。価格は420~640万円(税別)。また、多人数での計画立案環境を実現するサーバー・クライアント製品「FLEXSCHE Communicato(r フレクシェ・コミュニケーター)」のサーバーと2台のクライアントをセットにした「FLEXSCHE CommunicatorRegular Pack(フレクシェ・コミュニケーター・レギュラー・パック)」が780万円(税別)。

本年6月の販売開始から1年間で50システムの導入を見込んでいる。

Mastercam ベースの産業用ロボットオフラインティーチングシステム

ゼネテック(社長=上野憲二氏、本社・東京都新宿区)は、3 次元CAD/CAM システム「Mastercam」上で動作する産業用ロボットオフラインティーチングシステム「Robotmaster」(開発元:カナダ・JABEZ Technologies 社)の新版をリリースした。
「Robotmaster」とは、Mastercam のもつ多彩なツールパスを利用し、各種産業用ロボットの動作プログラムを作成するMastercam ベースのオフラインティーチングシステム。加工データの作成からロボット用動作プログラムの出力はもちろんのこと、オ

Mastercam で作成したツールパスから、ロボットの動作プログラムを作成
Mastercam で作成したツールパスから、ロボットの動作プログラムを作成
ンラインティーチングでは困難なワークや周辺構造物との干渉やリミットオーバーの検出・修正もすべてMastercam 上で実行することができる。また、CAD/CAM をベースとしているためプログラムの修正や再利用が容易であり、ミーリングや溶接、研磨、ウォータージェット、バリ取りなど様々な用途に応用が可能となっている。

最適化機能により、エラー箇所を検知し最適な動作へ変換
最適化機能により、エラー箇所を検知し最適な動作へ変換
このほどリリースの新版では、Mastercam の最新バージョン「Mastercam X5」上での動作が可能となったほか、Robotmasterの特長的な機能である「最適化機能」が大幅に強化され、ロボット動作時の姿勢をより詳細に制御することが可能になった。

製品価格は240 万円より。なお、Mastercam を所有していない場合は、別途Mastercam の購入が必要。





「Robotmaster V5 for Mastercam X5 MU1」の優位性

■ 最適化機能を強化し、3 種類のパラメタでロボットの姿勢を制御
ロボットの動作時におけるエラーを検知し、最適な姿勢・動作に変換する「最適化機能」が大幅に強化。旧バージョンでは工具のベクトルを制御する「工具回転」パラメタのみで最適化を行っていたが、新版では工具軸の傾きを制御する「工具チルト」パラメタ、レール軸を使用したロボットの可動範囲を簡単に調整する「レール最適化」パラメタの2つが加わり、計3種類のパラメタから最適化の設定が行える。これによりロボット動作時における最も有効な姿勢を従来以上に細かく設定できるため、ロボットの作業時間を大幅に短縮することが可能となる。

■ ワークスペース解析機能
ロボットの稼働範囲に加工対象となるモデル形状を配置し、選択したツール(エンドミルやレーザーなど)で加工を行う際に必要なリーチがロボット側にあるかどうかを事前に検証することが可能になった。ワークの配置場所を検討する際や、Mastercamで作成したツールパスがロボットの稼働範囲内で正しく動作するかを確認する場合に有効な機能である。

■ 新しいポストプロセッサの設定インターフェイス
ポストプロセッサのインターフェイスが一新され、パラメタ内の項目をプルダウンから設定するだけでロボットプログラムの出力形式を変更することが可能となった。旧バージョンではプログラム形式の変更に高度なポストプロセッサの開発スキルが求めらていたが、新版では変更方法が非常に簡素化され、ユーザー側でも簡単にポストプロセッサの設定を行うことができる。

5月分工作機械受注総額は1080.6億円 日工会

日本工作機械工業会がまとめた5月分の受注実績は以下の通り。2011年5月分工作機械受注総額は1080.6億円(前月比+1.0%・前年同月比+34.0%)となった。【5月分内需】323.0億円(前月比△3.1% 前年同月比+12.7%)① 一般機械  159.9億円(前月比+8.2% 前年同月比+57.3%)  うち金型   15.7億円(前月比+7.5% 前年同月比+3.8%)② 自動車  83.2億円(前月比+3.1% 前年同月比△27.6%)  うち部品 61.2億円(前月比+12.5% 前年同月比+28.0)%)③ 電気・精密 29.3億円(前月比△44.8% 前年同月比△19.2%)④ 航空機・造船・搬送用機械 17.2億円(前月比+113.0% 前年同月比+312.3%) 【5月分外需】757.6億円(前月比△+2.9% 前年同月比+45.8%)①アジア:424.2億円(前月比+7.5% 前年同月比+34.0%)・東アジア:312.2億円(前月比△5.3% 前年同月比+27.6%)〈韓国〉:33.1億円(前月比+5.0% 前年同月比△23.3%)〈中国〉:265.2億円(前月比△6.1% 前年同月比+52.2%)・その他アジア:112.0億円(前月比+72.3% 前年同月比+55.6%)〈インド〉:37.2億円(前月比+60.2% 前年同月比+134.2%)②欧州:131.0億円(前月比△7.9% 前年同月比+71.4%)〈ドイツ〉:46.4億円(前月比+10.6% 前年同月比+98.0%)③北米:177.3億円(前月比△2.5% 前年同月比+53.1%)〈アメリカ〉:148.5億円(前月比△8.5% 前年同月比+35.4%)

4月分産業機械受注状況および輸出契約状況 

産業機械工業会がこのほどまとめた平成23年4月分の産業機械受注状況および輸出契約状況は以下のとおり。4月の受注は2981億6100万円、前年同月比108.1%となった。・内需内需は1955億8700万円、前年同月比99.3%となった。内需のうち、製造業向けは前年同月比94.7%、非製造業向けは同94.6%、官公需向けは同111.4%、代理店向けは同117.3%であった。増加した機種は、ボイラ・原動機(101.0%)、化学機械(113.2%)、タンク(111.6%)、プラスチック加工機械(129.8%)、ポンプ(101.6%)、圧縮機(131.4%)、送風機(118.8%)、変速機(115.1%)、金属加工機械(159.9%)の9機種であり、減少した機種は、鉱山機械(99.3%)、運搬機械(66.1%)、その他機械(91.0%)の3機種であった(括弧の数字は前年同月比)・外需外需は、1025億7400万円、前年同月比130.0%となった。本月、プラント案件はなかった。増加した機種は、ボイラ・原動機(142.5%)、鉱山機械(103.0%)、化学機械(139.2%)、圧縮機(179.0%)、運搬機械(154.1%)、金属加工機械(139.0%)、その他機械(121.2%)の7機種であり、減少した機種は、タンク(4月の受注がないため比率を計上できず)、プラスチック加工機械(75.0%)、ポンプ(96.1%)、送風機(29.9%)、変速機(92.2%)の5機種であった(括弧の数字は前年同月比)。●3月分産業機械輸出契約状況は以下のとおり。4月の主要約70社の輸出契約高は、933億300万円、前年同月比133.7%となった。本月、プラント案件はなかった。単体は933億300万円、前年同月比133.7%となった。地域別構成比は、アジア77.3%、ヨーロッパ8.5%、北アメリカ7.7%、中東4.0%、南アメリカ1.1%、オセアニア0.6%となっている。

「世界最高水準の技術で貢献する」 日本工具工業会

日本工具工業会が6月2日、東京・銀行倶楽部で通常総会を開いた。
役員改選が行われ新理事長に増田照彦三菱マテリアル執行役員加工事業カンパニーバイスプレジデントが就任した。

総会終了後の懇親会で増田理事長は、「この災害でピンと張りつめていた業界のサプライチェーンが少しほころんでしまった。しかしながらリーマンショックのように需要がなくなったわけではありません。われわれは世界最高水準の熱処理技術、微細加工、生産性向上まで皆様方に貢献しています。今回、私は新理事長を仰せつかりましたが、諸先輩方がつなげてきた文化、伝統を守りつつ、つなげていくことがとても大切だと感じております。皆様方よりアドバイスをいただきながら頑張っていきますのでよろしくお願いいたします」とあいさつした。





来賓の挨拶を藤木俊光経済産業省製造産業局産業機械課長があいさつした。この中で藤木課長は、「3月11日に未曾有の大震災が起こりました。ところが当初思っていた最悪のシナリオよりは日本の産業は復興していると感じます。日本の現場力の力強さを改めて認識している次第です。自分の力を信じてしっかりやっていくということが1日も早い復興に繋がっていくのではないかと思っています。しかしながら世界のマーケットは日本を待ってくれないわけですので、国際競争力の中でしっかり勝っていくためにも、今、何をしなければならないのか、われわれも次に向けたステップを皆様とともに歩んでいきたいと思っています」と述べた。


1000億円超えの力強い見通し

役員改選にあたり、新理事長に就任した増田理事長は6月6日、東京・機械振興会館で記者会見を開き、就任にあたって豊富を次のように語った。
「伝統ある日本工具工業会の理事長を仰せつかり気の引き締まる思いです。また、今はまさに復興・復旧の時期ではありますが、需要はあると思っています。今年度は3年ぶりに1000億円を超えるという力強い見通しもあります。正会員、賛助会員お互い切磋琢磨しながら絆を高め、日本が得意とした熱処理技術やコーティング技術についても各社協力しながら頑張っていきたい。ISO規格やグローバル化への対応をすすめていき、環境問題への対応としても工具工業会の活動を活性化したいと思っています」。

また、記者からの「1000億円を超えるバックボーンは?」との問いに対して、「歯切り工具、ブローチ、ソリッドツール関係は下期は若干影響を受けるがカバーできると思う。生産量は大きく下がることはないだろう。ソリッド関係やタップ関係は需要が強く、震災面からサイズ切れを起こしているくらいで、顧客に迷惑をかけています。需要のほうは心配していません」とした。

●プロフィール
増田照彦、1952年12月生まれ。
1975年3月 上智大学外国語学部卒業後、同年4月三菱金属入社(現:三菱マテリアル)東京製作所、東京支店、加工事業カンパニー超硬製品事業部、三菱マテリアルツールズ 東アジア営業部、営業・マーケティング室など勤務、2009年6月 執行役員東京支店長(兼)超硬製品事業部副事業部長、2010年6月 執行役員加工事業カンパニーバイスプレジデント(兼)超硬製品事業部長、2011年6月 執行役員加工事業カンパニーバイスプレジデント(兼)超硬製品事業部長(兼)ダイヤモンド工具事業部長。信条は、昨日まではリハーサル。天地有情。趣味は散歩、葉書絵、エッセイ、カフェ巡り。

「厳しいレアメタル事情に苦しむ中小メーカーのお手伝いをしたい」 超硬工具協会

超硬工具協会が、6月3日に通常総会を開催し、役員改選の結果、新理事長に田中啓一氏(日立ツール社長)が就任した。これに伴い6日に開いた記者会見上で抱負を語った。

現在超硬工具協会は正会員37社、準会員7社、賛助会員23社、会員総数67社が加盟している。超硬工具出荷額は平成22年度に入ると4~6月気679億円(前年比174.7%)、7~9月期(同149.6%)、10~12月期720億円(前年比127.9%)、1~3月期734億円(前年比119.7%)と推移した結果、改正需要見通しの2800億円を達成し、3年ぶりに前年度実績を超えている。ところが、3月11日に発生した東日本大震災の復旧復興はいまだ災害の全容解明も進まない状況と、自動車および部品産業の被災により生産停止とその影響による自動車産業の生産ストップをはじめ、福島第一原子力発電所等の停止による今夏の電力使用の削減など、需要産業の生産活動は難しい状況にあるとしている。

平成23年度の事業計画の中に需要見通しが見送られている理由を田中理事長は、「当工業会は年2回見通しを発表しているが、今回、需要見通しアンケート調査を実施している時期と重なって震災が起きてしまった。地区懇委員から需要見通しは困難であり、想像がつかないと意見が寄せられた。最大の需要業界である自動車の生産活動も停止などかつてない状況下もあって、正式に当初需要見通し策定を行わないことを決定しました。下期にわたっては発表できると思います」と述べた。

レアメタルの高騰について問われると、「現在経産省のバックアップもあるが、各社独自の対応をされている。経産省はレアメタルを少なく使った製品に補助金をつけた。中小メーカーにとってはそれらの書類が不慣れな場合、事務作業についてもお手伝いをして、なんとかレアメタル事情の厳しさを助けていけたらと思っています」とした。

最後に田中理事長は、「これから専務理事をはじめベテランの方に助けていただきながら努力をしていきたいと思います」としめくくった。

●プロフィール
田中啓一。神奈川県出身。昭和24年12月生まれ。昭和47年3月慶應義塾大学経済学部卒業後、同年4月 日立金属入社。平成14年2月 Hitachi Metals America,Ltd.取締役社長、平成18年4月 日立金属事業役員海外事業企画センター長、平成18年4月 Hitachi Metals America,Ltd.取締役会長、Hitachi Metals Europe Gmbh取締役会長、同年9月 宝鋼日立金属軋輥(南通)有限公司董事長、平成21年4月 日立金属執行役員常務 営業センター長、平成22年6月 日立ツール代表取締役社長(現任)