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日東工器が小口径配管での大流量・液だれ低減を実現する迅速流体継手「コンパクトゼロスピルカプラ」を発売

 日東工器(社長=小形明誠氏)は、このほど迅速流体継手「コンパクトゼロスピルカプラ」を開発し、発売した。

 スーパーコンピュータなどの電子精密機器では、稼働時に発生する熱が故障の原因になる。そのため、冷却水を配管内に流すことで電子機器を冷やす水冷方式が導入されていた。近年では電子機器の高密度実装化に伴い、稼働時の発熱量が増加していているため、冷却効率を高めるコンパクトかつ大流量の継手のニーズが高まっている。

 今回発売の「コンパクトゼロスピルカプラ」は、こうした小口径配管における大流量のニーズに対応した設計により、冷却効率の向上を実現した製品だ。また、ワンタッチ接続のため狭い箇所での作業がしやすくなっている。さらに独自の液だれ低減バルブ構造を採用し、接続・分離時の液だれ量と空気混入量を低減したことにより、配管周囲を清潔に保ち、液だれによる電子機器の故障を防止する。

 サイズは、1/8、1/4の2タイプ。使用圧力は1.0MPaまでに対応。

日立建機教習センタの共同出資事業に合意

 アウトソーシング(会長兼社長=土井 春彦氏)、アウトソーシング子会社のPEO(代表取締役社長=西村洋平氏)および日立建機 (社長兼CEO=平野耕太郎氏)は、 ICT施工の全工程について学ぶことができる教習プログラムの開発・提供を目的に、5月31日、日立建機の100%子会社で、建設機械などの教習事業を展開する日立建機教習センタ(社長=山本茂紀氏)を共同出資会社とすることに関して基本合意書を締結したと発表した。 グローバル総合人材サービス企業のアウトソーシンググループは、業種分散により、特定業種動向に左右されない業績平準化と流動性を両立するなかで、建設機械分野においても豊富な実績がある。また、IT、建設・土木の技術者育成スキームを推進し、業界最大級である13,000 名超の在籍エンジニアによる技術者派遣のみならず、システム・エンジニアリング、ロボット、ソフトウエアの開発にも高い実績とノウハウを有している。 一方、日立建機グループは、建設・マイニング機械に関わる製品や部品・サービスをはじめとしたバリューチェーンをグローバルで提供しており、国内においては、生産労働人口の減少、熟練技能者の高齢化を背景として、建設・土木業界の課題である「安全性向上」「生産性向上」「ライフサイクルコスト低減」の解決に貢献するため、ICT 施工ソリューションを提供するとともに、日立建機教習センタの教習事業を通じて、建設・土木業界の人材育成サービスを提供している。 アウトソーシンググループと日立建機は、今後、ICT 施工の導入を促進するためには、建設機械の操作に関する教習とともに、ICT 施工の全体が学べる教習の提供が必要であると判断し、日立建機教習センタを共同出資会社とし、パートナーとして協業を開始するに至った。この協業では、アウトソーシンググループが培ってきた製造業向けの研究開発工程から量産工程までに至る知見と、日立建機のICT 施工向けの製品・ソリューションを提供してきた経験とノウハウを生かし、日立建機教習センタが担ってきた教習に加えて、起工測量から、設計・施工計画、施工、検査、データ納品までの全工程について学ぶことができる教習プログラムを開発・提供していく。

コマツが建設現場のデジタルトランスフォーメーションを加速 ~NTTドコモのGNSS位置補正情報配信基盤を活用~

 コマツ(社長=小川啓之氏)がこのほど、NTT ドコモ(社長=吉澤和弘氏)が技術検証を開始した「GNSS位置補正情報配信基盤」を活用し、建設現場のデジタルトランスフォーメーションを実現して安全で生産性の高いスマートでクリーンな「未来の現場」の早期実現を目指すと発表した。

 コマツは、本年4 月よりスタートした新中期経営計画「DANTOTSU Value – FORWARD Togetherfor Sustainable Growth」において、イノベーションによる価値創造を成長戦略のひとつとしている。その中では、モノ(建設機械の自動化・高度化)とコト(施工オペレーションの最適化)の高度化により施工のデジタルトランスフォーメーションを実現することで、深刻な労働力不足など、建設現場における社会課題の解決を目指している。

 具体的には、高度化されたICT 建機が司令塔となり、すでに市場にある従来型も含めたすべての建機がデジタル化されお互いが協調して稼働することで、安全と生産性が大幅に高められた現場の実現を目指す。そのためには、高度化されたICT 建機の市場導入に加え、既存の従来型建機に後付けでICT 機能を付加する「スマートコンストラクション・レトロフィットキット(仮称)」の提供、施工計画および3D 設計データの自動生成機能、そして精度の高いGNSS 位置補正情報が欠かせないとしている。

 今般、NTT ドコモが提供するGNSS 位置補正情報配信基盤を活用することにより、低価格で精度の高い位置補正情報を取得することが可能となり、コマツが描く「未来の現場」の実現を加速する。

「この時をチャンスと見てイノベーションを起こしていく」日本工作機器工業会が第27回通常総会を開く

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 日本工作機器工業会(会長=寺町彰博 THK社長)が5月21日、東京都内の芝パークホテルで第27回通常総会を開いた。

 総会後の懇親会であいさつに立った寺町会長は、「2018年度の暦年の売上は、2,280億円で前年比13.5%増となり、当初の予想を5%ほど上回ることができた。また年度としても過去最高の実績を達成することができた。」とし、2019年度の需要予測については、「現在のところ5%減の2,166億円を予測している。米中の問題がここまで深刻になるということは予想に入っておらず、今年1年間はタフな中でやっていかなければいけない。」との見方を示し、「この時をチャンスと見て、イノベーション等を徹底的に取り組んでいくということが必要だろう。部品やそこに使われる道具、ツールといったもののクオリティーが高くて壊れないということが大変重要になる。これはまさに日本のお家芸ではないか。この強さをしっかりと保持しながらイノベーションを起こしていくことが、われわれ日本の企業に求められているところではないか。」と述べた。

経産省 玉井産業機械課長
経産省 玉井産業機械課長
 来賓を代表して、玉井優子 経済産業省 製造産業局 産業機械課長があいさつをした。この中で玉井課長は、「2018年度については、多くの業界、企業で過去最高の売上や受注を記録するという非常に明るい話題が満載だったが、その後、年明けに様々な動きが出ている。特に世界経済の不透明なものを受けて少々先行き不透明感が徐々に広がってきているように感じているが、こうした中でも、足元のことというよりは、中長期的な取り組みを行う必要があると考えている。」との認識を示した。

 北川祐治 副会長(北川鉄工所社長)が乾杯の発声を行い開宴した。宴もたけなわの頃、散会した。


「ロボット利活用の推進に全力で取り組む」日本ロボット工業会が通常総会を開く

あいさつをする橋本会長
あいさつをする橋本会長
 日本ロボット工業会(会長=橋本康彦 川崎重工業常務)が5月22日、東京都内の東京プリンスホテルで通常総会を開いた。

 総会後の懇親会であいさつに立った橋本会長は、「米中の貿易摩擦が当初見込みに反して、ますますエスカレートする方向にあるのに加え、英国のブレクジット問題、欧州議会の選挙等、われわれにとっては不安要素を抱える中でさらに不透明感が高まっており、景気の回復が遅れることを懸念している。」と先行き不等感を滲ませた。2018年度については、「受注額は9,624億円(前年比+1.9%)、生産額は9,116億円(+3.9%)と、それぞれ数字的には、過去最高となった。」と述べた。

 2019年度については、「国内需要では引き続き好調な状態が続いるが、米中貿易摩擦の影響から、出荷額の7割を占める海外輸出が2018年度下期から減速傾向は続いている。年初の期待に反して、受注額は9,400億円(前年比▲2.3%)。生産額は、8,800億円(▲3.5%)と残念ながら5年ぶりのマイナス成長となる見込み。」と予測した。

 また、ロボットの社会実装を加速して、社会改革を担うことについて触れ、「必要な制度整備や施策体系について早急に取りまとめをすることになっており、ロボット業界としてもロボットの利活用推進に当たっては全力で取り組む所存である。本年度は市場拡大に向けた取り組み、イノベーション加速に向けた産学連携の推進、国際標準化の推進や国際協調・協力の推進という柱を挙げて、進めている。」と述べた。特に市場拡大に向けた取り組みについて、「昨年7月に設立したFA・ロボットシステムインテグレータ協会の会員が既に200社を超えるという大きな規模になっており、業界の期待の大きさが伺われる。業界としても、これらの期待に応えるべく、業界のネットワークの構築や、事業環境の向上、システムインテグレーションに対する専門の高度化、さらには、マッチング活動や人材育成といった活動を積極的に展開することとする。また、競争力をベースにした、グローバル市場での優位性に向け、イノベーションの加速を通じた市場の獲得、拡大、さらには市場におけるわが国の競争力の維持等、引き続き、日本ロボット学会はじめ、各関係学会、そして、関係業界との連携を深めていく。」と強調した。

経産省 井上製造産業局長
経産省 井上製造産業局長
 来賓を代表して井上宏司 経済産業省製造産業局長があいさつをした。井上局長は、「国内外でのロボットへの関心、期待はますます高まってきている一方で、国際関係の面では保護貿易主義的な動きがある。企業の皆さま方におかれては、企業戦略、非常にご苦労をされ、先行きが見えない、見えにくい状況があろうかと思う。私どもとても、こうした国際関係の動きについて、情報交換をさせていただきながら対応していきたいと思う。また国際についても引き続き、自由で公正な貿易ルールが、維持形成されるように、交渉に取り組んでいきたい。」と述べた。また、政府の取り組みについて、「2020年には、愛知県と福島県においてWorld Robot Summit 2020を開催する予定だ。開催に向けて、競技ルールの公表、競技参加者募集等の準備を進めている。大会の成功に向けて、政府としても全力で取り組んでいく。World Robot Summit 2020の開催地でもある福島ロボットテストフィールドの整備を進めているが、昨年の7月には、通信塔が完成をし、今年の2月には試験用プラントが、それぞれ開始をしたところだ。いよいよ本年度の末には、全面開始という予定となっている。ロボットあるいはドローンの実証評価を行う場として、国内外の多くのかたがたに、このロボットテストフィールドを活用していただきたい。」とした。

「引き続き高い生産が維持」日本フルードパワー工業会が第20回総会を開く

あいさつをする石川会長
あいさつをする石川会長
 日本フルードパワー工業会(会長=石川 孝・TAIYO社長)が5月16日、都内の東京プリンスホテルで「第20回定時総会」を開いた。

 懇親会であいさつに立った石川会長は、業界を取り巻く環境に触れた。この中で石川会長は「米国と中国の間の貿易戦争が、ここに来てさらに熱を帯びている。こうした事態は日本経済や私どもフルードパワー工業会に与えるインパクトについては、予断を許さないのではないか。今後もその動向を注意深く見守っていく必要がある。この米中の貿易戦争に加えて、北朝鮮の非核化の問題やEUのブレグジット問題、さらには中東のエネルギー問題等々があり、今年度は、全体としては不透明感が高い状態がしばらく続くのではないか。」との見通しを示した。

 今年度の需要見通しについては、「油圧機器は、対前年度比マイナス1.4%の4,000億円弱(前年度比▲1.4%)、空気圧製品は4,700億円弱(同▲2.5%)となった。どちらも対前年度比マイナスだが、出荷額の総額、フルードパワーの総額で見ると、過去2番目に高いという数字であるので、見通しでは前年よりもやや下がるものの、引き続き高い生産が維持される状態である。」との認識を示した。

 また、工業会の活動については、①国際的な情報や新技術に関する情報を的確に収集し、会員各社に提供する、②標準化事業を中心として、産学連携の動きをさらに活性化する、③会員各社の若手エンジニアの育成を支援する旨を述べた。

経産省 大石大臣官房審議官
経産省 大石大臣官房審議官
 来賓を代表して大内 聡 経済産業省大臣官房審議官が、「コネクテッドインダストリーズでもあるが今後はデータが企業、さらには産業を越えて共有することにより、様々な開発や発展があるのではないか。日本の技術力をさらに高めていくということと同時に、最終消費者、あるいはサプライチェーン全体の欲しているものを、しっかり見ていく必要がある。また、国際標準をできるだけ日本が作っていこうということも大事なことの一つとして捉えられており、こちらのほうも頑張って頂きたい。」と声援を送った。

不二越が革新タップ「Hyper Z タップシリーズ」に高硬度鋼用を拡充!

 不二越(社長=坂本 淳氏)が、このほど「Hyper Z タップシリーズ」に高硬度鋼用を拡充した。

 現在、自動車部品や産業機械など幅広い分野の金型・部品において高硬度鋼が多数使用されている一方、その硬さにより工具が欠けやすく摩耗も早いため、刃先強度が強く、耐摩耗性に優れた高硬度鋼に適した工具のニーズが高まっている。

 同社では、2016年に安定した加工精度と切りくず排出性を両立する刃先・溝形状を有し、同社独自の特殊表面処理を施した革新タップ「Hyper Z タップシリーズ」を市場投入。驚異的な安定性と長寿命を実現するとして幅広いユーザーから好評を博していることを受け、今回は、高硬度鋼などの加工に焦点を当てた「Hyper Z ロースパイラルタップ」を新たにラインナップした。汎用、ステンレス用に続くHyper Z タップシリーズ拡充で、様々な被削材・寸法・切削条件に対応し、さらに、ドリルとタップのセットによる穴加工全体の最適化・高効率化を提案することで、ユーザーの生産性向上とコストダウンに貢献する。

特長

① 長寿命化の実現
 不二越独自の硬さと靭性を兼ね備えた粉末ハイスと表面処理で、刃先強度と耐摩耗性が向上。高硬度鋼に加えダクタイル鋳鉄でも、刃先の欠損を抑え、他社同等品と比較して2倍以上の工具寿命を実現。

② 安定した加工能力
 高硬度鋼用に最適化されたロースパイラル溝形状で、切りくずを細かく分断し、排出性を向上。切りくず詰まりや絡みによるトラブルが発生しやすい横形マシニングセンターでも、安定しためねじ加工を可能にする。

■シリーズと寸法範囲・価格
Hyper Z ロースパイラルタップ ZSP-LS
・寸法範囲 : M3~M12 並目・細目 10寸法
・参考寸法 : 代表寸法M6 (並目) 全長 62mm 1,830円/本(税抜)
       代表寸法M20(並目) 全長 82mm 4,880円/本(税抜)

 

DMG森精機がグラインディング仕様の5軸加工機「DMC 125 FD duoBLOCK」 を伊賀事業所に導入! ~工程集約により加工リードタイムを約40%削減~

 DMG森精機(社長=森雅彦氏)は、このほどグラインディング(研削)仕様の5軸加工機「DMC 125 FD duoBLOCK」を伊賀事業所の伊賀精密加工工場に導入したと発表した。

 このマシンは、2019年6月より本格的に稼働を開始し、DMG森精機のターニングセンタの基幹部品であるサドルやY軸仕様のベッドなどの量産加工に使用する。従来は、専用の研削盤と横形マシニングセンタを用いて加工していたが、「DMC 125 FD duoBLOCK」の導入により、高周波焼入れ後のハードミーリングから研削加工、さらには摺動材貼り付け面などの修正加工も、1台の機械でワンチャッキング加工ができるため段取り替えが不要となり、全体のリードタイムを約40%削減した。

 今回導入した「DMC 125 FD duoBLOCK」を含めた伊賀精密加工工場の生産改善の様子は、2019年7月9日(火)~13日(土)にて開催される伊賀イノベーションデー2019でも見学できる。

導入効果

(1)リードタイムの削減

CBNインサートによるハードミーリング加工
CBNインサートによるハードミーリング加工
 ●5軸・複合加工機を用いた工程集約により、工程間のワーク搬送や段取り替えの時間が不要となり、約40%のリードタイム削減を実現。
 ●1台の機械のワンチャッキングで加工できるため、加工中の中間仕掛在庫を削減。



(2)研削精度の向上

機内工具計測装置による機上計測
機内工具計測装置による機上計測
 ●ミーリング、ターニング、研削加工が1回の段取り作業で可能なグラインディング仕様。
 ●CBNインサートによるハードミーリング加工で研削しろを低減でき、研削加工時の発熱を抑制し、安定した寸法・形状精度を実現。
 ●研削仕上面と、その他の切削仕上面をワンチャッキングで同時加工できるため、取付誤差がなくなり加工精度が向上。
 ●卓越した専門技術をもつ社員による案内面のきさげ作業と、高精度な空間誤差補正機能により、1㎥で15μm以下の空間精度を達成(μ Precision仕様選択時)。
 ●内面・円筒・平面研削、ドレッシングに対応した研削サイクル(対話形式で、プログラムが作成可能)。
 ●AE(アコースティックエミッション)センサをドレッシングユニットに内蔵し、研削砥石とドレッシングユニットの接触を検知することでドレッシングをサポート。

(3)自動化対応
●自動化に対応する5面ロータリストッカを搭載し、夜間でも長時間の無人運転が可能。
●機内計測装置により、自動で機上計測が可能。

仕様

工作機械技術振興財団が第40次工作機械技術振興賞の対象を選定

 工作機械技術振興財団(代表理事=鈴木直道氏)は5月20日、第40次工作機械技術振興賞の対象を選定した。 同財団は、工作機械関連技術の向上促進を目的に、牧野フライス製作所創業者 故・牧野常造氏の私財を基金として、1979 年に設立されたもので、今回は、工作機械技術振興賞・論文賞6件、同・奨励賞8件、試験研究助成8件を選定した。 また、財団創立40周年を記念して今年度新設された同・人材育成賞には、学生指導や広くものづくり教育に貢献している3名が選定された。同賞は、将来の工作機械技術者のすそ野を広げようという、将来を見据えた画期的な褒賞として注目される。 その他、同財団では、海外国際会議の参加・開催支援も行っており、令和元年6月期は既に4名へ助成を行っている。 今回の選定を含め、贈賞・助成は累計1,006 件(2,680 名)、総額7 億9480 万円となる。 贈賞式は6月17日に東海大学校友会館(東京都千代田区)で開催し、各賞の授与ならびに工作機械技術振興賞・論文賞を受賞した柿沼康弘氏(慶應義塾大学 教授)および川下智幸氏(佐世保工業高等専門学校 教授)による講演を予定している。

ダイジェット工業が新製品を続々投入! ミラーボール用「TSインサート」を追加ラインナップ! 「マックスマスター」シリーズを拡張!

 ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)が、続々と新製品を投入している。すでに好評を博している高精度刃先交換式ボールエンドミル「ミラーボール」に、刃先強度と切れ味を両立した高硬度材加工用の新インサート「TSインサート」と、両面4 コーナ仕様の高能率荒加工用工具「マックスマスター」に、スチールシャンクタイプおよび低抵抗形インサート「SLブレーカ」をそれぞれ追加発売した。

ミラーボール用「TSインサート」

 昨今、製品の高強度化、高精度化により難削材と呼ばれる材料が多用されているが、高硬度材の高速加工においては、工具摩耗の促進を抑制する専用工具が必要となることを受け、同社では今回、高精度刃先交換式ボールエンドミル「ミラーボール」用「TS インサート」を追加した。この製品は、切削熱の発生を抑制する低抵抗な刃形と、強靭かつ耐熱性に優れた新材種を採用し、高硬度材加工の高精度かつ長寿命な仕上げ加工を実現したもので、高硬度焼入れ鋼、鋳鉄の三次元形状中仕上げ~仕上げ加工に威力を発揮する。

■特長
 (1)高硬度材の加工において、切削熱の発生を抑制するために、従来よりも大きなねじれ角を採用し低抵抗な刃形とした。また、切れ刃のすくい角をマイナスとし、刃先強度を向上させ、60HRCを超える高硬度材の中仕上げから仕上げ加工まで、安定した加工が可能である。

 (2)ボールエンドミル中心部の切りくずポケットを大きくし、切りくず排出性向上を行うことで、中心部を多用する加工でも高精度な加工が可能である。

 (3)新開発コーティング材種「DH202」を採用。超硬母材は硬くて強靭な超微粒子超硬合金を用いており、優れた刃立性が得られる。PVD被膜である「DH2コート」は、耐高温酸化性、耐衝撃性、被膜靭性および密着性に優れ、高硬度材の高速加工が実現できる。

 (4)S字刃形ながらR精度は±0.006mm以下とソリッドボールエンドミル同等以上の形状精度であり、高精度を有している。

■サイズ・価格
・サイズ:8R(φ16)、10R(φ20)、12.5R(φ25)、15R(φ30)の計4 形番
・インサート材種:DH202
・標準価格:6,420 円~9,170 円(税抜き)

「マックスマスター」シリーズ

 金型の荒加工において、既存のモジュラーヘッド+超硬シャンクアーバ(頑固一徹)に比べコストメリットのあるスチールシャンクタイプの要望を受けシリーズ化。また、難削材の高能率荒加工に最適な低抵抗形インサートも揃え、幅広い被削材に対応できるラインナップとした。炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、焼入れ鋼、鋳鉄、ステンレス鋼、チタン合金などの平面・ポケット、ヘリカル、曲面、溝削り加工に威力を発揮する。






■特長
 (1)小型で切削抵抗が低い独自の3次元ブレーカインサートを採用した多刃工具、かつインサート両面4コーナ仕様で経済的な高能率荒加工用工具。

 (2)φ50の炭素鋼加工で抜群の切りくず排出量Q=317cm3/minを実現。

 (3)インサート厚みを4mmと厚くし、断面強度は従来品比20%アップ、幅広い切削条件下で安定加工が可能。

 (4)刃先強化形のPHブレーカにより、耐欠損性に優れ高負荷切削に対応。低抵抗形インサート「SLブレーカ」を追加ラインナップし、高能率荒加工を実現する。

 (5)インサート材種は、新PVDコーティング材種「JC8118」「JC7560」に加え、SLブレーカ材種「JC7550」を採用し、プリハードン鋼、焼入れ鋼、ステンレス鋼・チタン合金まで幅広い被削材に対応。

■サイズ・価格
① サイズ:φ16~φ32(計8 形番)
標準価格:25,300 円~47,300 円(税抜き)
② インサート形番:ENMU100412ZER-SL、インサート材種:JC7550
標準価格 1,180 円(税抜き)