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第54回機械振興賞募集開始
機械振興協会(会長:釡 和明氏)は、第54 回機械振興賞の募集受付を4月1 日から5 月31 日の期間で実施する。 機械振興賞は、1966 年度に創設された機械振興協会賞が、2003 年度に中堅・中小企業新機械開発賞と統合して発足した新機械会振興賞を、2018 年度に改名したもので、開催回数は機械振興協会賞と新機械振興賞の回数を引き継いだ。機械振興賞は、優秀な研究開発を行い、その成果を実用化することによって、わが国機械産業技術の進歩発展に著しく寄与した企業・大学・研究機関等および研究開発担当者を表彰するもので、2014 年度より小規模事業者を対象とした審査委員長特別賞が設けられ、2019 年度はより多くの企業に受賞の機会を設けるため奨励賞を新設する予定。また、近年注目されているIoT などの新技術や人手不足、ヘルスケア、環境問題などの社会的課題に対応した開発など、幅広い分野についても応募を求める。 募集の概要は以下の通り。 機械振興協会のWebページにも詳細な資料が用意される予定。1.表彰対象 独創性、革新性および経済性に優れた機械産業技術に関わる研究開発およびその成果の実用化により、新製品の製造、製品の品質・性能の改善、または生産の合理化に顕著な業績をあげたと認められる企業等および研究開発担当者(一業績につきおおむね5人程度を限度とし、事情により当該企業等に属さない者も含む。)とする。ただし、当該研究開発は、おおむね過去3年以内に完成したものに限る。2.募集の方法 機械産業に関わる関係団体、地方公共団体、国公立試験研究機関、学会等に募集を依頼し、受賞候補者の推薦を求める。また、受賞候補者による自薦も受け付ける。 受賞候補者の推薦期間は、2019年4月1日(月)から5月31日(金)必着とする。3.表彰の方法 (1) 特に優秀と認められる業績は経済産業大臣賞および中小企業庁長官賞(中小企業のみ)の授与を申請する。機械振興協会会長賞、小規模事業者(中小企業基本法における小規模企業者)を対象とした審査委員長特別賞および奨励賞(予定)に対し、会長名の賞状を贈呈する。 (2) 経済産業大臣賞、中小企業庁長官賞、機械振興協会会長賞及び審査委員長特別賞を受賞する企業等に対し、記念楯および賞金を贈呈する。賞金の金額は以下の通り。 経済産業大臣賞80万円、中小企業庁長官賞50万円、機械振興協会会長賞30万円、審査委員長特別賞20万円(研究開発担当者が複数である場合も、これらと同額)。4.受賞者発表 2019年12月に発表予定。5.後 援 (予 定) 経済産業省、中小企業庁、中小企業基盤整備機構、日本政策投資銀行、日本政策金融公庫、東京中小企業投資育成、名古屋中小企業投資育成、大阪中小企業投資育成、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、発明協会、JKA、日本機械工業連合会、日本技術士会、中小企業診断協会、日本経済新聞社、日刊工業新聞社6.問い合わせ先 機械振興協会 技術研究所 産学官連携センター(東久留米) 賞事務局 〒203-0042 東京都東久留米市八幡町1-1-12 TEL 042-475-1168 FAX 042-474-1980 E-mail:prize@tri.jspmi.or.jp
2019年2月分工作機械受注総額は1,097.4億円 日工会
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2019年2月分の受注実績は以下の通り。
2019年2月分工作機械受注総額は、1,097.4億円(前月比△12.5% 前年同月比△29.3%)となった。内需の主要業種や外需の主要3極が軒並み前月比、前年同月比とも減少し、25カ月ぶりの1,100億円割れ。1,000億円超は28カ月連続。
内需は416.7億円(前月比△10.9% 前年同月比△28.4%)で、先行き不透明感や補助金待ちが引き続き内需を下押し。24カ月ぶりの450億円割れ。
外需は680.7億円(前月比△13.4% 前年同月比△29.8%)で、スポット受注の剥落もあり、主要3極全てで前月比減少。外需総額も3カ月ぶりの前月比減少で25カ月ぶりに700億円割れ。
中国経済の減速等による先行き不透明感により減少傾向が継続。通商問題や世界経済動向の影響を注視。
2月分内需
416.7億円(前月比△10.9% 前年同月比△28.4%)。
・2カ月連続の500億円割れ。24カ月ぶりの450億円割れ。
・前月比5カ月連続減少。前年同月比3カ月連続減少。
・世界景気の先行き不透明感や補助金待ちの影響で全般的に力強さに欠ける。
2月分外需
680.7億円(前月比△13.4% 前年同月比△29.8%)
・25カ月ぶりの700億円割れ。
・前月比3カ月ぶり減少。前年同月比5カ月連続減少。
・主要3極全てで減少も、特にアジア、北米でスポット受注剥落もあり前月比2ケタ減。
JIMTOFで見学した碌々産業のマシンが救世主! NH WATCHが初のオリジナル腕時計を発表

「20年ほど前は日本で腕時計をつくることは難しかった。スイスでつくろうかな、と思ったのですが、スイスでつくるにはフランス語ができないと難しい。移住してもコストがかかる等で、様々な手を探ってみたが思うようにいかなかった。最近になって日本でも若い時計師が増加し、一緒に組んだらできるかもしれないと思いプロジェクトを始めたのは5年前。日本で時計をつくることに決めました。」と飛田氏。
コンセプトについて、「私は昔の時計が好きで、決して近代的なモダンな時計をつくりたいわけではなく、ヴィンテージのスタイルを求めた。ヴィンテージの時計はあまり大きくなく、35mm以下が多いのですが、個人的にはもう少し大きいほうが良い。そこで37mmの時計をつくろうと思った。」と話す。

そこで「バルジュの7750をベースにつくったらうまくいく。」と思い付いた飛田氏だが、どうも巻き切れたときの感覚が、ジャー、ジャー、ジャーとして好きになれなかった。「昔の懐中時計のようなカリカリッとした巻き味にしたくて、7750のベースプレートとリンテンスだけを残して、メインブリッジ、バランスブリッジと一番大きいコハゼ回りを再設計した。これでクリスプ感のある巻き心地の良い時計ができたんです。」と妥協のない機械へのこだわりを見せてくれた。
JIMTOFでみた碌々産業のマシン


この難削材を超微細かつ美しく加工するためのノウハウを持っていた碌々産業との出逢いは、渡りに船だったようだ。
「海藤社長の情熱を知り、意気投合しました。碌々さんと一緒だったら、既存のケースメーカーやサプライヤーではできないものができるかもしれない。」

この日は時計を専門媒体の記者やライターが多く集まっており、「奇蹟を目の前に再現化されている。その日に立ち会わせていただいた。」との声があがっていたのが印象的だった。
タンガロイが刃先交換式ガンドリル 「DeepTri-Drill」クロス穴仕様拡充、「DeepTri-Drill」径調整用シムセットを新発売
タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、このほど、刃先交換式ガンドリル「DeepTri-Drill」のクロス穴仕様と、「DeepTri-Drill」径調整用シムセットを新発売した。
刃先交換式ガンドリル「DeepTri-Drill」のクロス穴仕様を拡充
深穴加工は加工難易度が高く、多くの加工現場でボトルネックになっている。特に金型加工で行われる冷却穴のクロス穴加工はトラブルが多く、加工現場で問題工程の1つになっている。この課題に対してタンガロイでは、DeepTri-Drillクロス穴仕様を標準在庫化した。
DeepTri-Drillクロス穴仕様は、2つのガイドパッドを長手方向に配置することで、ガイドパッドの有効長を延長し、飛び穴加工に置いても確実にドリルをサポートする仕様になっている。これにより、従来工具では加工が難しかったクロス穴加工においても、安定性の高い加工が可能になった。
DeepTri-Drillは加工の安定性を保った上での高能率加工と、インサート交換式による管理の容易性を提供する。クロス穴仕様の拡充により、従来では対応できなかった加工形態にも対応可能になり、より多くの深穴加工の生産性向上・コスト削減に大きく貢献する。
■主な特長
① 長手方向2連のガイドパッド配置によりクロス穴加工で抜群の信頼性を実現
② BTA工具(深穴加工用工具)のノウハウに基づく切れ刃とガイドパッド配置により、優れる「真円度」「真直度」「加工面粗さ」を実現
③ ロウ付けガンドリルの1.5~3倍の高送り加工が可能
④ 最適なブレーカ形状により抜群の切りくず処理性を発揮し、安定した切りくず排出を実現
⑤ 刃先交換式で再研削が不要なため、工具管理の手間とコストを大幅に低減
⑥ M/C、旋盤用ボディ「MCTR」とガンドリルマシン用ボディ「TRLG」の2種類のボディを設定
■主な型番と標準価格(税別)
●ボディ
・MCTRCH15.00XM25-25:129,600円
・TRLGCH15.00X1650-U04:134,600円
(全アイテム:38形番)
刃先交換式ガンドリル「DeepTri-Drill」径調整用シムセット
深穴加工では、要求される加工穴径がさまざまで、DeepTri-Drill標準工具径のみでは対応が困難であったが、この課題に対してタンガロイでは、DeepTri-Drill径調整用シムセットを標準在庫化した。
ガイドパッドとドリルボディとの間にシムを装着することで、簡単に工具径を微調整することができる。
DeepTri-Drill径調整用シムセットは、容易な工具径の微調整による多様な穴径の深穴を提供する。これにより、多くの深穴加工の生産性向上・コスト削減に大きく貢献する。
■主な特長
① ガイドパッドとドリルボディの間にシムを装着し、簡単な工具径調整を実現
② 工具径調整範囲:+0.01~+0.1mm
③ シム厚み0.01、0.02、0.03、0.04、0.05mm各1枚、2サイズを設定
■主な型番と標準価格(税別)
●シムセット
・SHIMSET-GP05:30,150円
・SHIMSET-GP06:30,150円
(全アイテム:2型番 セット販売のみ)
岡本工作機械製作所が世界戦略文字レス対話ソフト&3次元機上測定装置搭載CNC超精密平面研削盤「UPG-CALiシリーズ」の発売を開始
岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏)が、このほど新たに、静圧スライド摺動面とリニアモータ駆動方式を採用したCNC超精密平面研削盤「UPG-CALiシリーズ」をラインナップに追加した。UPG-CALiシリーズとは、Ultra Precision Surface Grinderを表しており、左右・前後軸に静圧スライドとリニアモータ駆動方式の組合せを採用することで、摺動面非接触且つ正確な位置決めを可能とする超精密平面研削盤。世界戦略の文字レス対話ソフトの採用で、今後増える国内外生産現場のグローバル化へ対応。さらに新開発された3次元機上測定ソフトによって、研削盤を測定装置として利用できるようにしている。
同社では、「世界規模で増加する金型部品・順送金型プレート・電気自動車部品・工作機器・航空/宇宙産業の超精密加工に対応するべく非接触摺動面を採用し、今後日本国内での外国人労働者増加も視野に入れた文字レス対話ソフトの導入や、研削盤を測定器として使用するという新たなテーマを兼ね揃えた期待の新商品になる」とコメント。
また業界初の『5軸研削CAM』を開発することによって、5軸研削という新領域を開拓するテーマも兼ね揃えている。
同社商品ラインナップにおける精度上位機種を想定しており、販売開始は、2019年4月1日を予定している。超精密分野の製造業ユーザー向けに年間6~10台以上の受注を見込んでいる。
特長
① 加工内容でセレクトする研削盤
各軸ブロックセレクト方式(摺動面・駆動・スピンドルの方式を選択可能)採用と部品共通化による量産化の成功によって、顧客の加工内容に最適な方式の研削盤選定を適応価格帯。
② 超精密の位置決め精度の左右・前後リニアモータ駆動方式
NC 数値制御による首振りドレス装置、ワークインデックス装置、といし軸旋回、マルチポジション研削等、多彩な研削に対応を行うため、超精密の位置決めを可能とするリニアモータ駆動方式を左右・前後軸共に採用。(上下軸オプション対応)
③ 研削専用5 軸CAM による複雑形状加工
新開発の研削専用の5 軸CAM に対応。NC プログラミングや専門知識を必要としない画期的なCAM システムの開発により、複雑形状研削までをさらに簡易にする。
④ 3 次元機上測定装置
新たに開発された3 次元機上測定ソフトは、研削盤を高精度測定装置としても活用できるようにした。研削後の測定だけではなく補正研削にも対応しており、研削の複合化と自動化を提供。
⑤ 世界戦略文字レス対話ソフト
今後増える国内外における生産現場のグローバル化を視野に、どの国の人でも直感的に文字を介さず、超精密の研削を行える文字レス対話ソフトを搭載した。
三菱マテリアルが高送り加工用両面インサート式ラジアスカッタ“WJXシリーズ”アーバタイプにサイズを追加発売
三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=中村伸一氏)が、このほど、高送り加工用両面インサート式ラジアスカッタ“WJXシリーズ”のアーバタイプに最大切削径Φ50mm、Φ52mmを追加し、販売を開始した。
高送り加工用両面インサート式ラジアスカッタ“WJXシリーズ”は、独自逃げ面形状の両面インサートを採用し、ネガインサートの経済性、高強度とポジインサートの切れ味、多機能性を融合させた荒切削領域用のカッタで、今回、アーバタイプに最大切削径Φ50mm、Φ52mmを追加し、小径化による主軸負荷の低減や、使用領域の拡大を図る。
特長
① 切削開始時の抵抗上昇が少なく、断続切削や高切り込みでも、安定した静かな加工を実現。
② 切れ刃は、最大切り込み量まで直線を確保し、高切り込みでも安定した高送り加工を実現。
③ ダブテイル構造により、インサートの浮き上がりを抑制し、クランプ駒なしで安定したクランプを実現。
④ インサートの独自切れ刃稜線(りょうせん)はコンパクトなカール状の切りくずを生成させ、工具本体やチップコンベヤーの切りくず詰まりを抑制。
⑤ インサートの厚みを増すことで、インサートの欠損および本体の破損を防止。
価格(税抜)
・WJX14-050A03AR:60,500円
・WJX14-050A04AR:69,300円
・WJX14R05003BA:60,500円
・WJX14R05004BA:69,300円
・WJX14-052A04AR:69,300円
【お知らせ】ジェイテクトが「IoT/M2M展(春)」へ出展
ジェイテクト(社長=安形哲夫氏)が、4月10日(水)~12日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催される「IoT/M2M展(春)」 へ出展する。 今回のブースでは、「人が主役のスマートファクトリー」をテーマとして、IoE(Internet of Everything)を実現するための商品を紹介する。注目は、JTEKT-SignalHopの機能をさらに充実させた新モデルを初公開すること。
出展内容
◆進化したIoEソリューション ●JTEKT-SignalHopの新モデルを発表 ―――簡単に始められる生産現場のIoE化 従来品より機能をさらに充実 <主な追加機能> ・従来の表示灯3段から1~4段まで検知(より幅広く稼働・異常情報の見える化が可能に) ・表示灯の情報に加え、光電センサー・近接センサーなどのセンサー類を仕様に追加 (稼働・異常情報に加えて、生産数や動作数など幅広い情報収集が可能に) ●スキルアップNAVI … 人や組織の成長を実現するためのアプリケーション ●充実したオプションで困りごとの解決を支援◆商品の活用例を実演 生産ラインの模型を示しながら、実際の活用イメージを紹介
「コマツ アイデアソン」を開催 ~建設業界の社会課題をオープンイノベーションを通じたアイデアで解決~
コマツ(社長=大橋徹二氏)は、パーソルキャリア(社長=峯尾太郎氏)が運営するオープンイノベーションを通じ、参加者からアイデアや技術・サービスを募り、新たな価値を創造すること目的としたオープンイノベーションプログラム「働き方、建設現場をCOOLに変える コマツ アイデアソン」を、2019年4月19日に開催する。
同社は、建設機械メーカーとして、世界各地に開発・生産・販売拠点を持ち、グローバルに建設現場を支えてきた。また、モノづくりだけでなく、IoTによる機械、現場、施工の見える化など、顧客の課題へソリューションを提供しているが、さらに進化した「未来の現場」を描き、その実現に日々挑戦している。
建設業界には、労働力不足、働く人の健康維持、ベテランの技能伝承、安全性確保、環境問題など、取組むべき課題が多く存在しているが、同社はこれら課題の解決を目指し、保有する豊富なリソースを活用し、オープンイノベーションで様々な発想を持つ方々と未来を共に創出することが狙い。
「働き方、建設現場をCOOL に変える コマツ アイデアソン」 詳細
■概要
労働力不足、働く人の健康維持、ベテランの技能伝承、安全性確保、環境問題などの建設業界が抱える課題に対して、社外のアイデア・技術・サービスを組み合わせ、共創を通じた新しい価値の創出を目指すアイデアソン。
・イベント名: 働き方、建設現場をCOOL に変える コマツ アイデアソン
・開 催 日: 2019 年4 月19 日(金)
・会 場 :CO☆PIT(東京都港区港南2-14-14 品川インターシティフロント 6F)
■募集テーマと具体例
◆建設業界のワークスタイルをCOOL に変えるアイデア
(例)
・現場で働く方が、快適に過ごせ、さらに健康になる方策
・伝える方も伝えられる方も無理の無い、自然体での技能伝承
・現場で働くワクワク感や建機を運転する高揚感の拡大と伝承 など
◆建設現場・とりまく環境をCOOL に変えるアイデア
(例)
・危険を予測・検知・回避し、事故ゼロを実現
・建設現場と周囲住民が上手く共存できる方策
・生活環境や自然環境に配慮した建設現場 など
◆建機の新しい活用!地球を豊かにするCOOL なアイデア
(例)
・災害に強い街作りへの新しい建機活用方法
・建機を使用した、持続可能な新しい社会貢献活動 など
■参加メリット
1. 賞金 30 万円
アイデアソンにて最優秀賞のチームには賞金を授与
2. コマツの専門施設や実際の建機を活用したデモや検証
コマツが保有する設備や建機、実際の現場から取得したデータを活用したデモや検証の実施可能性あり
3. グローバルにネットワークを持つコマツのリソースとの連携
世界中に展開するコマツのネットワークを活用した、マーケティング支援・実証フィールドの提供可能性あり
■応募資格
法人、法人に属する個人、学生(チームでの参加も可能)
■募集人数
20 名程度
※応募者多数の場合、抽選の可能性あり
■エントリーサイト↓
https://eiicon.net/about/komatsu-ideathon/
■募集期間
2019 年3 月4 日(月)~2019 年4 月12 日(金)
【レポート】オークマ東京支店で「東京マシンフェア」を開催 ~注目は次世代ロボットシステム「ARMROID」~
オークマ(社長=花木義麿氏)が、2月15日(金)~16日(土)の2日間、同社東京支店で「東京マシンフェア」を開催し、多くの来場者で賑わいを見せた。
今回の目玉は、昨年東京ビッグサイトで開催されたJIMTOF2018にて初披露した次世代ロボットシステム「ARMROID(アームロイド)」。実は、この時、同社のブースに展示されていた「ARMROID」に人が集まりすぎていて、筆者はこのマシンの写真が撮れなかった。それほど、このマシンは注目を浴びていたのだ。これは今回、じっくり見学しなければなるまい。

技術本部ソリューション開発センターの大杉三郎 主務は、「オペレータが、一品もののワークをこなそうと思ってもロボットが邪魔になって危険であり、操作がしにくいなど悩ましい作業環境がありました。他にも、旋盤加工の場合、加工時間が2~3分という短いスパンでワークの交換が必要になります。オペレータの方が他の場所に行って作業をしていると機械が止まってしまうということがあるのです。ここでいかに機械を止めずに、工場の効率を上げるかが課題となりました。交換作業をロボットにさせることでオペレータが他の場所に行って他の機械で効率を上げ、工場全体の生産効率を向上させるのが、この機械の特長なのです。」と説明をしてくれた。
ロボット自動化セルを簡単に実現するための工夫も施されており、ワークストッカを取り付けるだけで、単体機からロボットセルへ簡単に切り換えられるのも嬉しい。ワークストッカは移動式。作業者による手着脱で小ロット部品を加工したり、自動化セルで量産加工ができたり、フレキシブルに対応できるところは頼もしい!
今回は加工をしたものの動きで見せているので、実際の加工はないが、ロボットでハンドリングをして機械の中で取り付け、加工したものをストッカーに戻すというデモを見学した。
ロボットの先が交換式のユニットを付けられるようになっている。機械の奥側にステーションがあるので、そこで交換を行う。3つまでのユニットが搭載可能だ。材料を取るため、ハンドユニットを取り付けたところで、機械の全面に準備させた素材をチャック側にとり付ける。
ロボット操作の革新

「機械操作の経験のある方であれば、従来の入力方法でロボットのプログラムを作成して頂けます。今まではロボットのシステムインテグレータ達がセットアップをしてティーチングをしていましたが、システムインテグレータ不要で簡単に導入できるように画面の開発をしました。」と大杉氏。
3Dシミュレーションで事前に干渉確認を行うので、複雑な動きもティーチングレス! 機械側がモデルを使って干渉しないように自分で動きを決めて行っている。
さらに加工中のサポートも「ARMROID」が実現。ロボットアーム先端からのミキシングブローで切くずの絡みつきを防止してくれるうえ、機内の堆積切くずも除去。安定加工を実現するため、加工時の嫌なびびりをロボットのサポートで抑制してくれるからありがたい!
また、オークマが設計・製造元なので、「機械はこっち、ロボットはあっち、のように、お客様が様々な方面でお問合せをしなければならないのは、ストレスの原因となります。全てオークマが対応いたします!」というから頼もしい!
やはりJIMTOF2018に続き、同社では今回もこの「ARMROID」は注目の的であり、最先端の製造現場に向けたオークマならではの取り組みを見ることができた。
アマダマシンツールのプレス事業をオリイメックに承継し、新会社へ ~金属プレス加工の総合的な自動化ソリューションを提供~
(株)アマダホールディングス(社長=磯部 任氏)は、プレス事業の強化を目的として、2019年4月1日付で、(株)アマダマシンツール(社長=田所雅彦氏)のプレス加工機械事業を吸収分割により、同社の100%子会社でプレス加工機械向けの自動化装置などを手掛けるオリイメック(株)(社長=髙畠 一氏)へ承継すると2月14日に決定をした。4月より、社名を「株式会社アマダオリイ」に変更し、新社長には、坂木雅治氏(現:(株)アマダホールディングス相談役、(株)アマダマシンツール取締役プレスカンパニー代表、オリイメック取締役)が就任する。プレス加工機械と自動化装置を一体化させた自動化ソリューション、ならびに最適な成形加工システムを提供していく。
アマダホールディングスは、プレス事業の競争力強化を目的に、2018年10月にオリイメックの株式を取得し、以降、アマダマシンツールとオリイメックは協業してプレス加工機械の自動化ソリューションの提案を進めてきた。その一方で、金属プレス加工業界を取り巻く環境は、深刻な人材不足を背景とした自動化需要の高まりや、自動車市場で採用が進む軽量化素材や複雑な形状に対応する加工技術の開発要請が強まるなど、急速に変化している。同社では、こうした環境変化に対して、より強固にスピード感をもって対応するために、機動的かつ効率的な事業体制を構築した。
今後の展開については、両社が各々で培ってきた、開発から販売、サービスに至る機能や経営資源を融合させて、プレス加工の総合メーカーとして、これまで以上に付加価値の高い提案力を発揮していく。自動化需要に対しては、主に自動車部品の加工ライン向けに、複数の小型プレス機と搬送ロボットをつなげて協調制御を行うタンデムラインで応えていく。併せて、長年蓄積してきた生産工程の設計ノウハウを活かし、顧客の加工ニーズに最適な成形加工システムを総合的に提案していく。また、アマダグループとオリイメックが世界各地に持つ販売ネットワークを活用しながら、グローバル市場での存在感を高めることに努めるとしている。
商品開発については、両社の技術力を一体化させて、より生産性が高く、熟練者でなくても使いやすい新たなプレス加工の自動化ソリューションを創出していく。軽量化素材として需要拡大が見込まれる高張力鋼板(ハイテン)などの新たなプレス加工法を開発することにより、新規市場の開拓も目指す。
また、(株)アマダ(社長=磯部 任氏)富士宮事業所におけるプレス加工機械の生産能力を増強し、オリイメックの現有能力と合わせて、今後の成長を見据えた供給体制の強化を図としている。アマダホールディングスは、中期経営計画における成長戦略の重点施策として、自動化ソリューションビジネスの推進とグローバル市場の拡大を掲げており、プレス事業の統合および組織の再編を通じて、グローバルでの競争力をさらに強化し、プレス事業の売上高を2021年度までに250億円にまで拡大することを目指すとしている。
■アマダオリイの概要
社 名:株式会社アマダオリイ(AMADA ORII CO., LTD.)
所 在 地:神奈川県伊勢原市石田200
事業開始:2019年4月1日予定
代 表 者:代表取締役社長 坂木雅治
事業内容:プレス加工機械、自動化装置、ばね成形機などの開発、製造、販売、サービス
〇坂木雅治(さかきまさはる)
1977年(S52) 3月 武蔵工業大学工学部 卒業
2012年(H24) 1月 アマダマシンツール 入社
2012年(H24) 4月 同 副社長
2017年(H29) 4月 同 相談役 アマダホールディングス 相談役(現職)
2018年(H30) 7月 アマダマシンツール 取締役プレスカンパニー代表(現職)
2018年(H30) 10月 オリイメック 取締役(現職)