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日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」のサービスメニューに「在庫可視化オプション」を追加 ~在庫推移や過不足状況を視覚的に表示することで、経費ロスや欠品による機会損失を防止~

 日立システムズ(社長=北野昌宏氏)は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage(フューチャーステージ)」のサービスメニューに「在庫可視化オプション」を追加し、このほど販売を開始した。今回のオプション追加により、過剰在庫による経費ロスや欠品による機会損失をより効率的に防止することができるようになる。

 従来、製造・流通業において一般的に運用されている在庫管理表には、①在庫数の推移が適切かどうか読み取るのが難しい、②真に問題在庫となっている品目の発見が難しい、③発注タイミングの見極めが難しい、といった課題があったが、こうした課題解決のため、より適切に在庫を管理できる仕組みづくりが求められていることを受け、同社では「FutureStage」のラインアップとして、日立ソリューションズ東日本(取締役社長=八田 直久氏)の在庫可視化ツール「SynCAS PSI Visualizer(シンキャス ピーエスアイ ビジュアライザー)」を活用した「在庫可視化オプション」を追加した。
「在庫可視化オプション」を導入することにより、以下のような改善が図れる。

 ①システムから操作者に対して適正在庫基準の指針が提示され、判断ミスをするリスクが低減される。
 ②「売れ筋」・「停滞気味」などの傾向ごとに製品を絞り込み、在庫状況に応じたアラートを発することで、在庫の適正化が進む。
 ③発注の数量やタイミングを動的にコントロールしやすくなり、過剰在庫や欠品の抑止が促進される。

 これにより、これまで在庫管理表で管理していた製造・流通業において、在庫状況をリアルタイムに、かつ、視覚的に判別できるため、問題在庫を早期に発見できる。さらに、適正在庫基準の動的な設定により、過剰在庫による経費ロスや欠品による機会損失を改善し、在庫の最適化を図ることができる。

VeroSoftwareグループが部品加工向け知識ベース3次元CAMソリューション最新版「Surfcam 2016 R2」をリリース

 製造業向けソフトウェアの開発販売を手掛ける英国Vero SoftwareLimited(イギリスチェルトナム)のグループ子会社の日本法人(ゼネラルマネージャー=高橋厚彦氏)は、知識ベース3次元CAMソリューションの新バージョン「Surfcam 2016 R2」をこのほどリリースした。

 「Surfcam」は、あらゆる最新加工機/CNCコントローラーとシームレスにつながり、加工ノウハウを数式化できる部品加工向け知識ベース3次元CAMソリューション。最新版「Surfcam 2016 R2」では、ソリッドモデル読み込み速度の向上をはじめ、64bitの正式対応など、生産性向上を支援する機能の拡張を行った。

主な強化ポイント
・ソリッドモデルの読み込み速度の向上[従来比最大約20倍]
・旋盤溝入れ荒加工の機能拡張(中間パス・補正)
・複合加工機における傾斜ヘッドのサポート
・旋盤工具を回転させて旋盤加工を行うミリング加工機のサポート
・ユーザーインターフェイス、シミュレーターの機能拡張他

2016年11月分工作機械受注総額は1028.5億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2016年11月分の受注実績は以下の通り。2016年11月分工作機械受注総額は、1079.3億円(前月比+15.0% 前年同月比Δ5.6%)となった。受注総額はJIMTOF効果とスポット受注で2カ月ぶりの1000億円超。市況に大きな変化は見られず。 内需は449.6億円(前月比+8.7% 前年同月比△1.1%)で、JIMTOF効果による増加が見られ、前月比2カ月ぶり増加。 外需は629.7億円(前月比+19.9% 前年同月比△8.6%)で、ブラジルでのスポット受注や中国の増加により、6カ月ぶりの600億円超。主要3極では、北米のみ前月比減少。 海外経済の先行き懸念により国内外ともに慎重な動きが継続。来月以降、為替動向や各種政策に関連する動きを注視。

11月分内需

449.6億円(前月比+8.7% 前年同月比△1.1%)。・2カ月連続の450億円割れ。6カ月連続の400億円超。・前月比2カ月ぶり増加。前年同月比は10カ月連続減少。・展示会効果もあり、幅広い業種で前月から増加(全11業種中9業種)① 一般機械  166.1億円(前月比+11.0% 前年同月比△2.0%)  うち金型   21.0億円(前月比+4.5% 前年同月比△20.7%)② 自動車   166.6億円(前月比+6.1% 前年同月比+4.6%)  うち部品   107.4億円(前月比+15.2% 前年同月比△1.8%)③ 電気・精密 38.4億円(前月比+9.8% 前年同月比+20.4%)④ 航空機・造船・搬送用機械 21.4億円(前月比+21.6% 前年同月比△20.3%) 

11月分外需

629.7億円(前月比+19.9% 前年同月比△8.6%)・6カ月ぶりの600億円超。・前月比は2カ月ぶり増加。前年同月比は18カ月連続減少。・主要3極では、北米のみ前月比減少。①ア ジ ア:230.1億円(前月比+23.5% 前年同月比△19.9%)・東アジア:191.4億円(前月比+35.5% 前年同月比△20.4%)〈中 国〉154.1億円(前月比+53.4% 前年同月比△18.6%)・その他アジア38.7億円(前月比△14.0% 前年同月比△17.2%)〈タ  イ〉9.4億円(前月比△24.3% 前年同月比△34.7%)〈イ ン ド〉9.6億円(前月比△16.0% 前年同月比Δ38.5%)②欧 州:158.5億円(前月比+20.1% 前年同月比+11.9%)〈ド イ ツ〉46.2億円(前月比+58.2% 前年同月比+26.9%)③北   米:173.9億円(前月比△12.6% 前年同月比△29.6%)〈アメリカ〉153.6億円(前月比△15.3% 前年同月比△31.4%)〈メキシコ〉 8.5億円(前月比Δ31.0% 前年同月比△9.9%)〈中南米:ブラジル〉57.6億円(前月比+2,994.6 前年同月比+1,254.4%)

OKK会が国際パーティを開く

 去る11月18日、JIMTOF2016の会期中に併せて東京ビッグサイト内会議棟1階レセプションホールでOKK会が開かれ、OKK会会員及び海外ディーラーが親睦を深めた。

千葉靖雄OKK会会長(兼松KGK社長)
千葉靖雄OKK会会長(兼松KGK社長)
 冒頭、OKK会を代表して、千葉靖雄OKK会会長(兼松KGK社長)が、日頃の感謝の意を表したあと、「今回のJIMTOFのテーマは、ここから未来が動き出す。希望は遠い将来の夢ではなくて、JIMTOFを期に現実のものとして動きだそうということではないかと、私なりに解釈している。JIMTOFのキーワードもIoTやロボットあるいは自動化、高精度化、複合化、高速化、ということが注目を浴びている。まさに最先端の技術が紹介されている展示会である。そんな中でOKKのテーマが“高剛性の100年品質 つながる現場”。今回の出展機種の目玉としての新機種、横形マシニングセンタMCH6300R。これはOKKブランドとなっている重切削、高剛性を追求した機種で、超重切削に対応した加工能力と広範な加工性を備え、さらに高い剛性と高精度、高品位加工を実現したものとなっている。また、つながる現場ということで、IoTシステムによる生産効率の向上に対する提案もされている。今回のJIMTOFは世界の最高水準に触れる機会でもあり、工作機械のユーザーにとっても最大のイベントである」とあいさつした。

説明をする宮島OKK社長
説明をする宮島OKK社長
 続いてOKKを代表して宮島義嗣社長から、中期経営計画ならびにJIMTOF出展機の説明があった。この中で、宮島社長は、本年4月から新たに取り組んでいる中期経営計画Neo Challnege(ネオチャレンジ)について、①徹底した品質とサービスの強化、②技術の革新(新規事業を含む、③財務体質の改善、の3点に重点を置いているとした。また、中長期経営計画についても、10年間(2016年度から2025年度)を計画し、「Innovation for next 100」をテーマに掲げ、計画期間と方針を次のように示した。

 (1)ファーストステージ(2016年度~2018年度)
 事業基盤のさらなる強化と新事業への挑戦。

 (2)セカンドステージ(2019年度~2022年度)
 事業拡大への準備と実行。

 (3)ファイナルステージ(2023年度~2025年度)
 事業拡大し、盤石な企業基盤を構築。

 これらの計画を達成するために宮島社長は、「①製品品質の工場、②アフターサービスの進化、③生産基盤の強化、④技術力の底上げと強化、⑤営業基盤の拡充、⑥海外販売の拡大、⑦収益力の向上、⑧財務戦略の立案・実行、⑨成長産業への注力、⑩人材基盤の強化、⑪情報通信技術の活用、⑫企業統治の改革――を重点施策として掲げ、それぞれに取り組み内容を決めて実行していく。取り組み内容は、市場環境。・計画の進捗等を考慮して毎年見直しを行い各ステージ到達目標地を達成していく」とした。

 乾杯の発声は田村博之 ユアサ商事 専務 工業マーケット事業本部長が行った。宴もたけなわの頃、中締めを山本政美 山善 副社長が行い閉会した。

ヤマザキマザックがシスコと製造業のIoT化推進へ

写真左:鈴木みゆきシスコシステム社長 写真右:山崎智久ヤマザキマザック社長
写真左:鈴木みゆきシスコシステム社長 写真右:山崎智久ヤマザキマザック社長
 去る11月16日に東京都港区のシスコシステム本社にて、ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)と米国シスコの日本法人であるシスコシステムズ(社長=鈴木みゆき氏)がIoTに関する合同記者発表会を開き、製造業のIoT化の推進に注力すると発表した。

 シスコは、2015年から同米国本社にて、ヤマザキマザックの『SmartBox』との開発に協力し、IoTソリューションを提供していた。鈴木シスコシステムズ社長は、「今回の発表は、ヤマザキマザックとの関係を戦略的協業関係に発展させるもので、日本の製造業にIoT化をより具体的にお手伝いすることができると確信している」と述べた。

グローバルな製造業のイノベーションを加速!

 
 IoTは1社では実現はできないものであり、物理的ツールやセンサー、ネットワーク、データ集積並びに分析ツールそれぞれのサービスをもちよることではじめてソリューションが完成するものだが、シスコはネットワーク、コラボレーション、セキュリティ、それぞれのソリューションをグローバル化して一貫して提供できることが強み。鈴木 シスコシステムズ社長は、「日本再生の鍵といわれる第4次産業革命は、IoT、ビッグデータ、人工知能、機械やロボットを活用してはじめて実現するものであり、この実現のためにはエコパートナーが重要な役割を担うことになるでしょう」とし、「当社は協業を通じてヤマザキマザックにIoTソリューションを提供して、日本の製造業のみならず、グローバルな製造業のイノベーションを加速したい」と意気込みを語った。

 山崎 ヤマザキマザック社長は会見の席で、「昨今、IoTやインダストリー4.0に代表されるように製造業にもデジタル化の波が押し寄せてきている。これまで製造業においてはセキュリティの面の問題からインターネットではなく、イントラネット、すなわち現場内のネットワークのみで繋がっているということが実情だった。今後、より高度な生産システムの実現、すなわちスマートファクトリー化を行うためにはビッグデータ分析やコラボサービスの活用が不可欠であり、これにはインターネットを経由した外部との接続も必要となる。ただし、この場合、外部と接続することで、コンピュータウィルスや不正ソフトなどのサイバーセキュリティ上の問題も懸念されている」と問題点を述べた上で、「われわれは製造業のIoT化を図る上で避けられないサイバーセキュリティの問題を解決するためにIT業界のリーディングカンパニーであるシスコとネットワーク接続装置である『SmartBox』を2015年に米国で開発した」と開発の経緯を説明した。

 『SmartBox』は、セキュリティ技術に代表されるシスコのコネクテッドマシンソリューションにより、CNC工作機械やIoT対応の通信環境を簡単かつ安全に提供するものであり、その通信プロコトルとして各機器の最適化を行うために米国で作成されたMTコネクトを採用している。なお、『SmartBox』は、すでに米国と日本国内の自社工場に先行導入し、シスコと検証テストと開発を行っていた。山崎社長は、「ここでの協業作業を通し、今後の製造業のIoT化推進のためには、『SmartBox』のさらなる進化に加え、ビッグデータ解析やコラボサービスまで協業の枠を広げることで意見が一致した」と述べ、今後も協業を加速するとした。

スマートファクトリー化における『SmartBox』の役割とは

 スマートファクトリー化を実現するための『SmartBox』だが、これは、①設備の効率運営、②品質管理能力の向上、③在庫削減などを視野に入れて、情報のリアルタイム共有と一元管理、分析による工場運営の効率化を目的としたものだ。大容量化するデータもフォグコンピューティングで中間・分散処理をする。活用されるのは産業用イーサネットスイッチで、世界初のCISCO IOx(ネットワークOS+Linux OS)を実装している。専用ソフトウェアにより、確実で安全なネットワーク接続とフォグコンピューティング処理を実現した。

 MTコネクト対応の設備機器は6台が接続可能である。従来機や他社製の設備機器も最新のマザックマシンももちろん含んでいる。ここまでがオフィスのネットワークだが、ここから先は、データファイルを確実安全に転送する仕組みである。セキュリティ懸念のあるUSBは不要だ。MTコネクトモニタで稼動監視(見える化)による素早いアクション、そして製造ビッグデータの蓄積と分析による生産性向上が期待できる。

 11月17日から開催されたJIMTOF2016でも、『MAZAK SmartBox』を展示して取り組みを披露し、日本での販売を正式に開始した。なんとなくIoTというと悪意のあるものとうっかり繋がってしまうのではないか? という不安がつきものだが、簡単で安全にIoTを始めることができるのが、『MAZAK SmartBox』の強みだ。

DMG森精機の谷戸宏之氏が「卓越した技能者(現代の名工)」に選出される

ボールねじ組立作業風景
ボールねじ組立作業風景
 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)の社員である谷戸宏之(たにど ひろゆき)氏(伊賀横形・大型マシニングセンタ製造部 横形基本精度課 横形基本精度係 係長)が、厚生労働大臣が表彰する「卓越した技能者(現代の名工)」に選出された。「卓越した技能者(現代の名工)」は、卓越した技能を持ち、日本におけるその道の第一人者と目されている技能者を表彰するもので、昭和42年の創設以来、技能の世界で活躍する職人や、技能の世界を志す若者に目標を示し、誇りと希望を与えてきた。

 谷戸氏は昭和60年(1985年)に入社し、オペレータとして機械加工に従事した後、23年にわたり工作機械の組み立て業務に携わってきた。今回表彰された「ボールねじの平行精度調整基本作業」は、工作機械において、可動部の移動精度を決定する最も重要な要素であり、加工精度の根底を支える技能である。谷戸氏はその第一人者として、工作機械の精度を極限まで引き出しながら効率よく短時間で作業することについて卓越した技能を有していると認められた。

 谷戸氏は、移動部分に対するボールねじの取り付け誤差(平行度)を、通常は0.01mm以内にするところを半分以下に抑えることができ、さらに、たわみやひずみなく組み立てを行うことで、ボールねじの寿命を長くし、切削時の安定性を高めることができる。

 また、長年にわたり鍛錬を重ねて技能向上に努めてきただけでなく、「正・速・美」をモットーに、次世代の技能修得者に育成にも取り組んできた。
同社では、「今回の選出をこれからの励みとし、当社としても、さらなる技能者の育成、技能の伝承に努めていく」としている。

日本精密機械工業会が「JIMTOF2016前夜祭」を開催

 日本精密機械工業会(会長=稲葉弘幸 北村製作所社長)が去る11月16日、東京ビッグサイト内にある松本楼にて、会員相互の親睦を深めつつ見本市の安全と成功を期して「JIMTOF2016前夜祭」を開催し、「モノづくりコンテスト」の結果発表と表彰式も行った。

 冒頭、長谷川 透 総務委員会委員長(長谷川機械製作所社長)が、「今年になって景気不安があったが、JIMTOFがわれわれの追い風になっているような気がする。また、ものづくり補助金の公募が開始され、工作機械の需要に関しては重要なことだと思う。周囲の環境がわれわれの味方をしている感がある」と期待を込めた。

 乾杯の発声を稲葉会長が行い開宴した。

 懇親を深めた頃、清水大介 販売委員会委員長(牧野フライス精機社長)が、今回で3回目を数えるものづくりコンテストについて、「回を重ねるほど充実してきた」と説明し、今回は11点を厳正に審査したと述べたあと、稲葉会長から、受賞者に表彰状と記念品が贈呈された。

 来賓を代表して、橋本久義政策研究大学院大学名誉教授があいさつをした。
 和やかな雰囲気の中、宴もたけなわの頃に散会した。

日本の匠技 ものづくりコンテスト 入賞者

最優秀賞を受賞した高松機械工業の作品
最優秀賞を受賞した高松機械工業の作品

■最優秀賞 
・「社-組立ボルトレスの挑戦-匠の技をものづくり」
 高松機械工業(株)田中チーム

■優秀賞
・「『QUALITY JAPAN』の誇り」
(株)スギノマシン 金三津チーム

・「フィン」
(株)鈴木プレシオン 菊美チーム

・「銀時計」
(株)日進製作所 水口チーム

・超硬材の超精密組合せ・機能加工
(株)ナガセインテグレックス 藤井チーム

■特別賞
・「Wish Bone」
高松機械工業(株) 山野チーム

・「Morin Khuur Head(馬頭琴 馬頭)」
(有)アリューズ 堀川チーム

・「超硬合金製・超精密研削“組子細工”
ワークス(株) 三重野チーム

・「極細ピン」
タカオテック 高尾チーム

・「金のシャチホコ」
(株)エグロ 矢野チーム

・「卓上自動旋盤・自動供給装置」
(株)近藤製作所 (株)北村製作所 堀池チーム

■モノづくり振興賞
・「手作り」
高松機械工業(株) 金沢工業大学 薮村・加藤チーム

・「精密コマ」
イクラ精機(株) 協賛:ダイヤ精機製作所 武岡チーム

・「蜻蛉切り(とんぼきり)」
牧野フライス精機(株) 安西・好崎チーム

・「ギアスライダー」
北井産業(株) 細谷チーム

・「アルプスツールの倒れないコマ」
(株)アルプスツール 高橋チーム
                

不二越が超硬ドリルとタップのラインナップを拡充

 不二越(社長=本間博夫氏)が、超硬ドリルとタップのラインナップを拡充した。
 同社はこれまで、高精度で高能率な穴加工を実現する超硬ドリル「アクアドリルEXシリーズ」を拡充し、高い評価を受け、ドリルのマーケットシェアを拡大してきたことを受け、2015 年3 月、高級粉末ハイスとSGコーティングを施工した高性能「SGタップシリーズ」とコストパフォーマンスに優れた汎用長寿命「Nタップシリーズ」を市場投入し、下穴加工からめねじ加工までの工程スルーでの最適化をすすめ、加工現場の多様なニーズに対応する製品として高い評価を得た。

 こうしたことを受け、新たに、超高送り加工で常識の壁をブチ破るドリル「アクアドリルEXパワーフィード」と、ずば抜けた安定性と驚異的な工具寿命を実現した新ジャンルの革新タップ「Hyper Z タップシリーズ」を市場投入。

 「下穴加工からめねじ加工までの穴加工プロセスで、これまで以上の加工提案を行ない、お客様の困り事をトータルに解決していく」としている。

アクアドリルEXパワーフィード2D・4D

 自動車部品や機械部品などの加工現場では、マシニングセンタやNC旋盤による穴加工が、日々、数多く行なわれていることにより、生産性向上に向けた高送り加工ニーズや工具の安定化ニーズが高まっている。特に、低剛性の機械では、高送り加工時の過負荷による機械停止や加工精度の低下などが問題となる。またドリル溝内に切りくずが詰まりやすい旋盤加工では、切りくず排出性向上による工具の安定化、長寿命化のニーズが高い。そこで同社では、超高送り時でも安定した加工性能と、抜群の切りくず排出性による長寿命化を両立した「アクアドリルEXパワーフィード」をラインナップに追加。従来の常識を覆す性能で、生産性向上とコストダウンを提案する。
 特長は以下の通り。

① 超高送り加工
 刃先形状を最適化しドリルの加工時の負荷を大幅に低減したことで、一般的な送り速度の2~3 倍の超高送り加工を実現。また、低剛性のマシニングセンタやNC旋盤でも安定した性能を発揮。

② 抜群の切りくず排出性
 ドリル溝形状を最適化することで、切りくず排出性を格段に向上。ドリル自身が回転することで生じる切りくず排出作用がないため切りくず詰まりが発生しやすい旋盤加工でも、抜群の切りくず排出性を実現。

③ 長寿命、高精度
 ドリル加工時の負荷低減と、切りくず排出性の向上により、超高送り加工においては、他社品に対して、加工穴数が約2~3 倍の長寿命化を実現。

■シリーズと寸法範囲・価格

アクアドリルEXパワーフィード2D(主に直径の2倍までの穴深さに使用)
寸法範囲:φ2.0~φ10.0 0.1 とび 全81 サイズ
参考寸法:代表型番 φ6.0 全長 65mm 10,500 円/本(税抜)
代表型番 φ10.0 全長 87mm 15,200 円/本(税抜)

アクアドリルEXパワーフィード 4D(主に直径の4倍までの穴深さに使用)

寸法範囲:φ2.0~φ10.0 0.1 とび 全81 サイズ
参考価格:代表型番 φ6.0 全長 81mm 12,400 円/本(税抜)
代表型番 φ10.0 全長 105mm 17,700 円/本(税抜)

Hyper Zタップシリーズ

 穴加工の最終工程に位置するタップ加工において、切りくずの絡みつきによるタップの折損やめねじの精度不良といった不具合は、タップの除去や製品の修復が難しく、製品ロスだけでなく前工程を含めた大きなムダを発生させる。そのため、安定した精度の実現と長寿命化は、タップにとって尽きることのない課題であることを受け同社では、材料開発から熱処理、研削、表面処理技術まで当社の持つ技術を結集、さらに歯切工具やブローチのシーズ技術を応用し、今までにない新ジャンルのタップ「Hyper Z タップ」を開発、市場投入した。
 特長は以下の通り。

①ずば抜けた安定性
 タップ加工の切削メカニズムと摩耗解析により、切れ刃を最適化したことで、めねじの精度向上と、優れた切りくず排出性を実現。他社汎用品で加工が安定しない切削速度領域(15~20 m/min)でも、異常摩耗や切りくずの絡みつきがなく、精度と寿命のばらつきの少ない安定加工を実現。

②驚異的な工具寿命
 同社のシーズ技術を結集し、抜群の耐欠損性と耐摩耗性を実現することで、市場で一般的に使用される低~中速度(5~20m/min)で、他社汎用品に対し、加工穴数2~3 倍の長寿命化を達成、他社コーティング品をも凌駕する長寿命化も可能にした。

■シリーズ寸法範囲・価格
Hyper Z スパイラルタップ ZSP(主に止り穴に使用)

寸法範囲:M3~M12 並目、細目 オーバサイズ 47 寸法
参考価格:代表型番 M6(並目) 全長62mm 1,530 円/本(税抜)
代表型番 M12(並目) 全長82mm 3,640 円/本(税抜)

Hyper Z ポイントタップ ZPO(通し穴に使用)

寸法範囲:M3~M12 並目、細目 オーバサイズ 47 寸法
参考価格:代表型番 M6(並目) 全長62mm 1,480 円/本(税抜)
代表型番 M12(並目) 全長82mm 3,540 円/本(税抜)

タンガロイが続々と新製品を市場投入!

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)が続々と新製品を市場投入している。
「TungThread(ねじ切り工具)シリーズ」に石油ガス業界向けラインナップを大幅に拡充し、他にも新たに溝入れ&ねじ切り用工具として「TungT-clamp」をリリース、いずれもこのほど全国で販売を開始した。

TungThreadシリーズに石油ガス業界向けラインナップを拡充!

 ねじ切り工具で好評を博している「TungThreadシリーズ」に石油ガス業界向けラインナップを大幅に拡充。主にAPI規格(APIラウンド、APIバッドレス、APIロータリーショルダーコネクション)、ANSI / ASME規格(ACME、STUB ACME、NPT)用ねじ切り工具を拡充し、標準在庫化する。
 主な特長は以下の通り。

 ① 内径加工ホルダは片面平置き形用ヘッド、両面平置き形(6コーナ)用ヘッド、縦置き形用ヘッドを共通シャンクに装着可能なヘッド交換式を標準設定した。
 ② APIロータリーショルダーコネクション(ドリルパイプ)加工用インサートは、両面平置き形であり、片側を外径用として、もう片側を内径用として合計6コーナ使用可能な経済性に優れた仕様となっている。
 ③ ACME、STUB ACMEねじ加工用縦置き形インサートは、ねじ山のばり処理機構が設けられており、ねじ山のばりを最小限に抑えながら、普通刃同様に山高さの微調整が可能である。
 ④ 複数切れ刃を有するチェザータイプには、APIラウンド、APIバッドレス、NPT加工用インサートを標準設定した。チェザーは、切削パス回数を削減できるため、生産性の向上に貢献する。

主な型番と標準価格

●外径用ホルダ
MTVOR-2525M421,890円(税込み23,642円)
MTVOR-3232M428,170円(税込み30,424円)

●内径用ヘッド
HS40-MTHOR-454,680円(税込み59,055円)

●内径用シャンク
S-570-40M-4068,000円(税込み73,440円)

●インサート
縦置き形>
TNMA 43 10RD EXT AH725(3コーナタイプ)5,440円(税込み5,876円)
縦置き形>
TNMA 54 5B1 EXT-FC AH725(3コーナタイプ)8,750円(税込み9,450円)
両面平置き形>
LDS54428FT-CB#1AH725(6コーナタイプ)8,240円(税込み8,900円)
※インサート1ケース10個入り

 同社では初年度7,680万円/年間の販売を見込んでいる。
(設定アイテム:ホルダ23形番、インサート84形番、シャンク2形番)

新溝入れ&ねじ切り工具TungT-clampシリーズ

 新製品である溝入れ&ねじ切り用工具「TungT-clamp」の設定アイテムは、溝入れ用として溝幅1mm~3mm、ねじ切り用には内径用として最大でピッチ5.08mm(5TPI)、外径用として最大でピッチ4.23mm(6TPI)に対応する60°ねじ加工用インサートを標準設定する。
 主な特長は以下の通り。

 ① 押え金を用いた高剛性なクランプ機構により、安定した加工が可能。
 ② 1種類のホルダに溝入れ用とねじ切り用インサートいずれもが取り付け可能。
 ③ 内径加工ホルダには、一体式とヘッド交換式を標準設定した。ヘッド交換式内径シャンクには、TungT-clamp用ヘッドの他にTungThread用のヘッドも取り付け可能である。

主な型番と標準価格

●外径用ホルダ
FLASR-1616M321,210円(税込み22,907円)
FLSR-2525M321,940円(税込み23,696円)

●内径用ホルダ
A32M-FLER363,570円(税込み68,656円)

●内径用ヘッド
HS40-FLER3W89,820円(税込み97,006円)

●内径用シャンク
S-570-40M-4068,000円(税込み73,440円)

●インサート
溝入れ用>
FLG-3M300R-CBAH110(2コーナタイプ)2,250円(税込み2,430円)
ねじ切り用>
FLT-3RC-HCBAH725(2コーナタイプ)2,240円(税込み2,420円)
※インサート1ケース10個入り。

 同社では初年度1,370万円/年の販売を見込んでいる。
(設定アイテム:ホルダ13形番、インサート16形番、シャンク2形番)

キタムラ機械が新型横形マシニングセンタ「Mycenter–HX iG」 シリーズの販売を開始!

Mycenter-HX500iG
Mycenter-HX500iG
 高精度・高生産性マシニングセンタの専業メーカーのキタムラ機械(社長=北村彰浩氏)は、「Mycenter-G シリーズ」をさらに進化させたマシニングセンタ「Mycenter-HX iGシリーズ」を開発、9月にアメリカシカゴで開催されたIMTSで先行販売して、大好評を博し、続いてJIMTOF2016では、国内初の披露と同時に国内販売を開始し、早くも話題を呼んでいる。

 「Mycenter-iG」シリーズは「Machining Challenges-Simplified」(登録商標取得済)をスローガンとして「経験や知識を必要とせず誰もが簡単に高精度・複雑切削加工」を目指して独自開発したCNC装置「Arumatik-Mi」の19インチマルチタッチパネルに、世界で初めて高解像度CCDカメラ、マイク、スピーカーを標準搭載、インターネットを介した様々なアプリケーションとの連動を可能にしたマシン。

 世界中どこからでも、パソコンやスマートフォン等のさまざまなインターネットに対応したデバイスを用いて工場の稼動状況、稼動時間、生産スケジュールを管理することもできるメリットがある。多種多様な製造装置とソフトウェア間の相互通信を可能とする現在唯一の国際標準規格である通信プロトコルMTConnectにいち早く対応しているのも優位性のひとつだ。

 また同時に「Mycenter-iG」シリーズはそれぞれ同クラス世界最高速・超高精度1/1000度角度割出し±3秒未満の完全無欠を意味する独自のIntegral Rotary Table (インテグラル・ロータリーテーブル)を搭載して医療機器から精密金型、航空機、自動車部品加工等に対応している。新シリーズ「Mycenter-iG」の名称は、「インターネット(Internet)」と「インテグラル・ロータリーテーブル(Integral Rotary Table)」の両者の頭文字の「i」から名づけた。

世界最高速度フルスペック横型マシニングセンタ「Mycenter-HX250iG」
 テーブル旋回軸や工具交換装置などに当社独自開発のインテグラルテーブル(超高精度1/1000度角度割出し±3秒未満)を採用し、加工時間を左右するテーブルが積載重量100kgの重量物を回転させるものとしては、世界最速の毎分300回転で旋削加工を可能にしている。また、世界最高速度0.6秒で最大工具2キログラムの重量工具交換できる(最大径75mm、 最大長さ200mm)切削送りは毎分60メートルで圧倒的な高生産性能を有する。

世界最高速度角型摺動面横型マシニングセンタ「Mycenter-HX400iG」
 同社の機械づくりの真髄、「匠の技」であるキサゲの摺合せ作業を駆使したTGA(True Geometric Accuracy、真の機械姿勢・幾何学精度)(登録商標取得済)を、さらに進化させつつ、人間工学的視点から機械デザインを全面的に見直し、操作機能、安全面、生産面、環境配慮にわたって省エネルギー・省スペース・省力化を貫いた新デザイン思想、スマートデザインによって開発したマシン。テーブル旋回軸や工具交換装置などに当社独自開発のインテグラルテーブル(超高精度1/1000度角度割出し±3秒未満)を採用し、加工時間を左右するテーブルが積載重量400kgの重量物を回転させるものとしては、世界最速の毎分125回転で旋削加工を可能にしている。また、世界最高速度0.8秒で最大工具10キログラムの重量工具交換ができる(最大径150mm、最大長さ370mm)。角型摺動面構造では世界最速の毎分60メートルで切削送りが可能であり圧倒的な高生産性能を有する。

世界最高速度角型摺動面横型マシニングセンタ「Mycenter-HX500iG」
 HX400iGと同様に、キサゲの摺合せ作業を駆使したTGAを、さらに進化させつつ、人間工学的視点から機械デザインを全面的に見直し、操作機能、安全面、生産面、環境配慮にわたって省エネルギー・省スペース・省力化を貫いた新デザイン思想、スマートデザインによって開発したマシン。テーブル旋回軸や工具交換装置などに独自開発のインテグラルテーブル(超高精度1/1000度角度割出し±3秒未満)を採用し、加工時間を左右するテーブル上に、最大ワーク寸法径800×高さ1,100mm、積載重量800kgの重量物を固定して、世界最速の毎分120回転で旋削加工を可能にしている。また、世界最高速度0.8秒で最大径150mm、長さ370mm、重量10キログラムの重量工具を交換できる。角型摺動面構造では世界最速の毎分60メートルで切削送りも可能。独自の4段変速ギヤ駆動スピンドルにより、加工対象ワークによってギヤ駆動で世界最高速の毎分20,000回転の高速加工や、クラス最大切削トルク1,250ニュートンメートルの難削材の重切削加工を可能にし、圧倒的な高生産性能を有する。