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DMG森精機が運営母体のMTTRFが総会を開催

DMG森精機(社長=森雅彦氏)が主たる運営母体となるMTTRF(Machine Tool Technologies Research Foundation:財団法人工作機械技術研究財団) の年次総会が、このほど米国カリフォルニア州サンフランシスコ、インターコンチネンタルマークホプキンスホテルにて開催された。 2014年6月26日と27日の2 日間、世界各国より工作機械の研究者約80名が集まり、森社長の「グローバルな工作機械市場へ向けた活動について」の講演に続き、今後の工作機械の開発や加工技術に大きな影響を与える最先端の研究成果が発表された。同社では、今後も工作機械に関する革新的技術の研究開発を行う大学及び公的研究機関を対象に、工作機械の提供など研究助成活動を世界的な規模で進めていくとしている。※MTTRF(Machine Tool Technologies Research Foundation:財団法人工作機械技術研究財団)2002 年10 月にDMG森精機株式会社(当時:株式会社森精機製作所)が基本財源を拠出して設立した米国政府公認の非営利財団法人。理事長はカリフォルニア大学デービス校及びバークレー校の山崎和雄教授、理事を森雅彦DMG森精機社長、および顧問の岡田夏生氏が務めている。●MTTRF 年次総会 発表内容1、5軸加工機の熱的要因(チューリッヒ大学 Wegener 教授)2、工作機械の基本動作におけるエネルギー消費分析と検証(豊橋技術科学大学 内山教授)3、カリフォルニア大学デービス校での製造研究と教育プログラム(カリフォルニア大学デービス校 曽雌教授)4、ボールエンドミルによる加工表面における5軸マシニングセンタの加工誤差の影響(神戸大学 白瀬教授)5、低音加工における熱分析(ウィスコンシン大学 Pfefferkorn 教授)6、ZrO2の振動補助旋削と高効率加工のための開発戦略(ルーヴァン・カトリック大学 Lauwers 教授)7、5軸マシニングセンタの円錐度テストの検証(大阪工業大学 井原教授)8、PVDコーティング工具を使用した難削材加工(金沢大学 細川教授)9、ギアと大型ギアセグメントのフライス加工手法(ブレーメン工科大学 Goch 教授)10、機械加工のためのデータマイニングと統計モデルをサポートするための工作機械プラットフォームの開発(カリフォルニア大学バークレー校 Dornfeld 教授)11、HSMのシミュレーション:チャッター検出のためのフォース係数とダイナミクス切削依存速度を正確に測定(フローレンス大学 Campatelli 教授)12、円錐台加工の運動学的誤差モデリング(ダブリン大学 Byrne 教授)13、ハンマーピーニングマシンによる金型生産の加工面改善(ウィーン工科大学 Bleicher教授)14、CNC マシニングセンタへの自由曲面加工の加工時間推定(ブリティッシュコロンビア大学 Altintas 教授)15、精密位置決め用のフレキシブルな機械要素(マサチューセッツ工科大学 Chun 教授)

日立ツールが超硬質&超平滑DLCコーティング工具「エポックSD(S‐DLC)ディープボール(EPDB‐SD)」のアイテムを拡大

日立ツール(社長=田中啓一氏)がダイヤモンドに匹敵する硬度(超硬質)と優れた表面平滑性(超平滑)を併せ持つ、超高密度アモルファスカーボン(SDコーティング:スプリームDLCコーティング)被覆工具シリーズ、「エポックS-DLCディープボール」のアイテムを拡大しこのほど発売した。

同シリーズは、主に非鉄材料を対象とした市場で好評であり、さらなる小径工具への要望も寄せられた。同社では、①加工した面の品位が非常に良好であること、②加工した被削物へのバリの発生が少ないことなど、③高品位な加工を実現できること――が評価されており、今回追加するアイテムにより、より微細な形状加工に対応できることから、放電加工に使用される銅電極の精密微細切削や、アルミ、樹脂などの精密部品加工を高品位に仕上げることが可能となる。

同社のSDコーティングは、イオン化エネルギーの高いアークイオンプレーティング法を採用し、ドロップレットを除去する機構(フィルタードアーク技術)を併用することで、高エネルギーのイオンのみによって形成される高密度膜の成膜が可能。この技術により得られるSDコーティング被覆工具は、0.1以下の低摩擦係数により切り屑の排出性が格段に向上し、非鉄材料の切削加工能率を大幅に向上させることができる。

またダイヤモンドに匹敵する高硬度であるため、シリコンを多く含むアルミ合金のドライ加工や硬質粒子を含有した繊維強化材等の切削加工において加工能率・工具寿命を向上させることができる。年商は3000万円(全35アイテム)を見込んでいる。

●仕 様:エポックSD(S‐DLC)ディープボール(EPDB‐SD)
ボール半径R0.1~R0.2 9アイテム拡大(全35アイテム)

● 価 格:¥13,608~¥21,600(消費税込み)

アマダがオプティカルプロファイル研削盤 GLS シリーズにLED 仕様機をラインアップ!

アマダ(社長=岡本満夫氏)は、6月5日(木)から7日(土)にアマダ土岐事業所にて開催した『プレス・金型部品加工ソリューション展in 土岐2014』で新商品オプティカルプロファイル研削盤GLS シリーズ LED 仕様機(以下、GLS-LED)を発表し、注目を浴びた。

従来のGLS シリーズでは、投影機の光源にハロゲンランプを使用していたが、GLS-LED では高輝度のLED を搭載することで、より鮮明な投影像を実現している。単にハロゲンランプをLED に変更しただけではなく、LED の光源を機外に設置し、光ファイバーにより機内に光を取り込む方式を採用(特許出願中)。これにより、本体フレームの熱によるひずみを従来機の約50%に抑え、加工品質や精度が向上した。
主な特長は以下のとおり。

1.ランニングコストの低減
・LED の定格寿命は30,000 時間で10 年間交換不要(数値は使用条件により異なる)。
・年間のランプ代はハロゲンランプと比較して70,000 円の低減、電気代は31,000 円の低減となり、トータルで年間101,000 円のコスト低減となる(数値は使用条件により異なる)。

2.加工品質・精度の向上
・本体フレームの熱によるひずみを抑えることに加え、投影像の視認性が大幅に向上しエッジが鮮明となることで、誤差判別が容易となり加工品質や精度が向上した。

3.生産性の向上
・ランプ切れによるランプ交換工数、加工修正工数が削減し、生産性が10%向上する(数値は使用条件により異なる)。

同社では年間販売目標台数を150台と見込んでいる(海外含む)。


世界最大の自動車部品サプライヤが、ケナメタルエクスツルードホーンを表面仕上げに使用

品質において、交差穴に残った粒子を取り除くことやミクロレベルの汚れを確実に除去することが課題である。カスタマイズされた複雑なバルブ、ギア、ピニオンや、数千にも及ぶ部品を数秒間で機械加工することは可能だが、完璧に仕上げるには数分もの時間がかかる。

ケナメタルがこのほど発売した、ケナメタルエクスツルードホーンはTEM(サーマルデバリング加工)などの独自の技術で、世界中のメーカーが直面している複雑化する仕上げの課題を解決するとして注目されている。

Delphi-TVSは、Delphi Corp.(米国ミシガン州トロイ)とT.V. Sundaram Iyengar & Sons(インド、カンチープラム)のジョイントベンチャー。 Delphiは、世界最大の自動車サプライヤであり、Delphi-TVSは、インド最大の自動車システムメーカーである。

「グローバルな企業であり続けるため、当社は、製品に世界クラスの品質基準を維持する大きな責任を負っています。」とDelphi-TVSの製造エンジニアリング部長のT.N. Umasankar氏はいう。課題としては、「ディーゼル燃料噴射部品、つまり大量の部品を製造しています。主な問題は、前の加工作業で発生した直角に交差する穴のバリの除去です」とのことだった。

Delphi-TVSは大量生産部品が年間約100万個にも迫り、手作業でバリを除去することは不可能だったが、 様々な調査の後、同社はケナメタルエクスツルードホーンのTEM(サーマルデバリング加工)ソリューションを選択した。

除去する被削材の量とチャンバー内の部品の量によって大きさを決めた封じ込めチャンバーに、加圧した可燃ガスと酸素の混合物が5~10気圧の圧力で噴射される。点火システムによりガスの混合物に点火し、燃料の酸化により20ミリ秒の高速のエネルギー波として熱エネルギーを放出。表面積が広く、断面が薄いという特徴により、内部にあるバリでも瞬時に焼き払うことができる仕組みである。ガスの混合物がワーク材全体を覆うため、すべての内部表面と外部表面が、短時間で酸化する。アクセスが困難または不可能な内部の交差穴や交差エッジを瞬時に加工することができる。

「数百回も据え付けを行ったり、TEM装置やプロセスの改良を重ねました」 と語るのは、ケナメタルエクスツルードホーンのグローバルマーケティングマネージャであるBruno Boutantin氏。「1つの要素は変わらない。TEMは1台の機械で年間100万個以上の部品を加工できる高速で低コストの大量生産プロセスです」

「TEMプロセスは、これまでバリ除去部門がスピードを維持するために苦労してきた大量生産アプリケーションに適しています」とUmasankar氏は述べている。

日立建機がハイブリッドホイールローダZW220HYB-5Bを開発

日立建機(社長=辻本雄一氏)はこのほど、ハイブリッドシステムを搭載したホイールローダZW220HYB-5B(標準バケット容量3.4m3、運転質量18.2t)を開発した。

ZW220HYB-5Bは、ZW-5シリーズのZW220-5Bをベースにしている。搭載しているハイブリッドシステムは、日立グループの協力を得て開発したもので、ディーゼルエンジンで発電機を駆動し、発電された電気を走行電動モータに供給する構造。そのため従来のパワートレインのようなトルクコンバータやトランスミッションが存在せず、動力伝達のエネルギーロスが大幅に低減された。さらに、減速時の回生エネルギーを電気として蓄電器に回収し、加速時の駆動力に再利用することが可能になった。また、油圧システムをさらに高効率化するなど、従来機の作業性を損なうことなく、燃料消費量とCO2排出量を大幅に低減している。

同社では2003年に、業界初となるハイブリッドホイールローダ(運転質量7tクラスの試作機)を開発し、その後実用化に向けた研究を続けており、ハイブリッドシステムを搭載した建設機械の製品化では、油圧ショベルが先行し、2011年7月にZH200ハイブリッド油圧ショベルを発売。低燃費性能だけでなく、さまざまな現場に柔軟に対応できる実用性を兼ね備えた新世代ショベルとして、現場で愛されてきた。2013年12月にはその後継機として、一層の低燃費と作業性の向上を追求、優れたコストパフォーマンスを実現し、オフロード法2011年基準適合機ZH200-5Bを発売している。

ZW220HYB-5Bは、今後各種性能試験を実施した後、2015年春の市場投入に向けて、準備を進めていく。なお同機は、製品化に先駆けて、7月10日から14日までの5日間、北海道帯広市で行われる「第33回国際農業機械展in帯広」に出展する予定。

港湾空港総合技術センターが20周年

港湾空港総合技術センターが7月4日、東京會舘(東京都千代田区丸の内)で設立20周年を記念し、記念講演会・懇親会を開催した。

会に先立ち矢代博昭理事長が、「防災・安全を踏まえた港湾空港事業の取り組み、推進について皆様と意見の交換をしたいと思います」と述べた。来賓を代表して中村英夫東京都市大学名誉総長があいさつをした。続いて磯部雅彦高知工科大学副学長が、「津波防災を踏まえた今後の湾岸管理の目標」をテーマに講演をしたあと、懇親会が開かれた。

日立建機カミーノが小型締め固め機械ZV-Pシリーズに軽量化仕様をラインアップ

日立建機カミーノが小型締め固め機械として菅工事や道路補修工事など、幅広い現場での活躍が期待されているプレートコンパクタZV-Pシリーズ(2011年発売)に、ユーザーの声を反映して“軽量化(Light)”仕様のZV60PFLを追加し、7月2日から販売を開始する。販売目標は国内向けに、年間1,500台の見込み。
主な特長は以下のとおり。

1.優れた作業性
・クラス最軽量化、および大型取っ手の採用により、運搬作業性を向上。
・エンジン防振ゴム、ハンドル防振ゴム、ハンドルストッパゴムによる3重防振設計により、手元振動を低減。

2.整備性への配慮
・エンジンオイルドレン部の清掃性を考慮し、フラットでコンパクトなフレーム構造(ショートテール構造)を採用。
・キャブレター整備作業に配慮し、ハンドルを配置している。

3.優れた耐久性
・早期摩耗しやすい底板後部を二重構造とし、耐久性を向上している。
・セーフティクッションの採用により、輸送時の不意の落下などによる機械損傷を防止する。

5 メガピクセルカメラ対応CCTV レンズ「ML-M MP5」シリーズを発売 ショットモリテックス

ショットモリテックスがこのほど5 メガカメラに対応したCCTV レンズ「ML-M MP5」シリーズを開発いたし、7 月3 日より販売を開始した。
同社では半導体製造装置や液晶製造装置、電子部品実装機、工場のライン監視、製造ライ
ンなどの画像処理関連分野向けに、光源装置や光ファイバライトガイド、マシンマイクロレンズ(MML)、CCTV レンズ、LED 照明装置、CCD カメラなどの光学系部品を組み合わせたマシンビジョンシステムを販売し、広く利用されている。

発売する「ML-M MP5」シリーズは、5 メカピクセルカメラに対応させて高分解能設計された工業用CCTV レンズで、基板、電子部品、食品等の検査装置や製造・組立ラインで幅広く使われる汎用性の高さが特長。今後同社では「ML-M MP5」シリーズを、焦点距離16mm~50mm の全4 機種としてラインナップしていく予定。

5月分工作機械受注総額は1205.0億円 日工会

日本工作機械工業会がまとめた5月分の受注実績は以下の通り。2014年月5月分工作機械受注総額は、1205.0億円(前月比△1.1%・前年同月比+24.1%)となった。受注総額は、9カ月連続の1000億円超。5月は内需の増加に加え、外需も引き続き高水準を維持し、3カ月連続の1200億円超。内需は前月比で2カ月ぶりの増加となり、受注額も2カ月ぶりの350億円超。前年同月比も11カ月連続増加と堅調な動き。外需は、引き続き、中国で電気・精密向けの大型スポット受注があり、外需総額は3カ月連続の800億円超と高水準の受注が継続。今後は内需、外需とも回復基調で推移すると見込まれるが、中国の電気・精密向けスポット受注の動向も注視。【5月分内需】367.3億円(前月比+5.4% 前年同月比+25.9%)。■内需総額・前月比2カ月ぶり減少、前年同月比11カ月連続増加。・2カ月ぶりの350億円超。・国内は、足元堅調に推移しており、各種政策効果の発展に期待。① 一般機械  139.1億円(前月比△3.1% 前年同月比+7.8%)  うち金型   21.5億円(前月比+46.0% 前年同月比+1.8%)② 自動車   138.4億円(前月比△16.3% 前年同月比+72.9%)  うち部品   85.4億円(前月比△7.4% 前年同月比+84.1%)③ 電気・精密 31.8億円(前月比△4.7% 前年同月比+22.0%)④ 航空機・造船・搬送用機械 10.6億円(前月比△7.3% 前年同月比△12.4%) 【5月分外需】837.7億円(前月比△3.7% 前年同月比+23.3%)。■外需総額・前月比は2カ月連続減少。前年同月比は7カ月連続増加。・過去4番目の高水準で、3カ月連続の800億円超。・堅調な欧州、北米市場にアジアのスポット受注が加わり、高水準の受注が継続。① アジア:444.3億円(前月比△1.9% 前年同月比+47.6%)・東アジア:390.7億円(前月比+1.8% 前年同月比+85.4%)〈中国〉:334.2億円(前月比+2.3% 前年同月比+105.2%)・その他アジア:53.6億円(前月比△22.7% 前年同月比△40.6%)〈タ イ〉:18.2億円(前月比△23.5% 前年同月比△36.0%)〈インド〉:14.5億円(前月比+8.0% 前年同月比△40.8%)② 欧州:165.5億円(前月比△1.7% 前年同月比+40.1%)〈ドイツ〉:38.2億円(前月比△28.3% 前年同月比△1.4%)③ 北米:207.4億円(前月比△10.6% 前年同月比△16.0%)〈アメリカ〉:192.0億円(前月比△9.3% 前年同月比△2.3%)

4月分超硬工具主要統計

【超硬合金重量】488トン(前年比117.6)。【超硬工具生産額】切削工具199億5600万円(前年比117.7)、耐摩工具33億2900万円(同108.1)、鉱山土木工具9億1100万円(同121.1)、その他工具4億7100万円(同90.8)、焼結体・工具19億3500万円(同121.2)、合計264億200万円(同116.2)。【輸出入】輸出88億3400万円(前年比112.7)、輸入53億8700万円(同127.4)。【超硬工具出荷額】切削工具207億3500万円(前年比115.3)、耐摩工具29億6400万円(同107.0)、鉱山土木工具9億7000万円(同120.9)、その他工具4億4600万円(同104.4)、焼結体・工具22億200万円(同117.6)、合計273億1700万円(同114.5)。【刃先交換チップ】生産2826万7000個(前年比116.4)、出荷2839万8000個(同112.6)。