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セコツールズの新製品! 工具寿命が倍になる新しい Seco フェースミルカッタボディ

 セコ・ツールズが新製品を投入した。
 このほど市場投入したのは、 R220.88 フェースミルカッタシリーズ。この商品の特長は、切れ刃に 8 つのチップを採用し、形状を最適化することで、長い工具寿命と切削力の低減を実現していること。カッタボディの 88 度のリード角により、リード角 45度のフェースミルカッタよりも大きい切り込み深さ、小さいチップサイズが可能となっている。さらに、被削材側の壁近くや、必要に応じて、複雑なクランピング加工保持装置近辺でも難なく加工できる設計。 R220.88 は粗加工用途および中仕上げ加工用途向けで、一般部品加工セグメントや自動車セグメントにおける鋳鉄および鋼の加工に最適。カッタボディは、耐食性ステンレス鋼の Idun 製で、靱性と耐久性に優れているだけでなく、ニッケルコーティングを排除したことで環境にもやさしくなっている。

三井精機工業が「MTF(三井テクニカルフェア)2017」を開催 新マシン等見所満載! ~工作機械工場にみる精度へのこだわり~

会期中大勢の来場者で賑わった。
会期中大勢の来場者で賑わった。
 三井精機工業(社長=奥田哲司氏)が2月7日(火)~8日(水)の2日間、同社川島本社工場で三井精機工業のプライベートショー「MTF2017(三井テクニカルフェア)」を開催した。2月14日(火)~15(水)には、名古屋会場(ポートメッセなごや)にて開催され、こちらも賑わいを見せた。なお、大阪は、3月7日(火)~8日(水)まで、花博記念公園鶴見緑地『水の館』(ハナミズキホール)で開催される。

 今回は、「ものづくりの原点 ~更なる高機能・高精度の挑戦」をテーマに、コンプレッサからは新開発のインバータコンプレッサ「ZgaiardXシリーズ」中型機をメインに展示、工作機械の目玉となった新製品群は、Precision Profile Center「PJ812」を筆頭に、5軸制御立形マシニングセンタ「Vertex55XⅢ」、横形マシニングセンタ「HPX63Ⅱ」、ジグ研削盤「J350G」が工場内で展示されていた。また、トレンドの自動化・IoT化を視野に入れた取り組みも提案しており豊富な見所だった。工場内では貴重なきさげを体験するコーナーを設置するほか、テクニカルプレゼンテーションでは、コンプレッサや工作機械の紹介、日本レーシングマネージメントの菅原義正会長の特別講演も企画され、来場者を楽しませる工夫が溢れていた。
(写真:三井精機工業提供)

工作機械工場の徹底ぶりが凄すぎる!

精機棟は徹底した温度管理を施している。
精機棟は徹底した温度管理を施している。
 さて、お馴染みの三井精機といえば、マシンのつくり込みが有名だが、まずはマザーマシンがつくられる同社の工作機械工場について説明したい。

 まずは、“精機棟”の空調と基礎について。ここは工作機械の主要部品の加工、主軸・テーブル棟のユニット組立、機械組立を行っており、幅140m、奥行き100mの広さを有し、全館完全空調している工場である。空調は設定温度に対して±0.4°の制御ができる。垂直方向、水平方向ともに温度差がほとんどないという徹底ぶり。モノをつくるモトとなる、マザーマシンをつくるには、振動は御法度。同社では、約3mおきに合計1700本のパイルと平均1mのコンクリートを入れて強固な基礎にしている。しかも建物部分と機械組立部分の基礎が完全に分離しているため、クレーンの振動が機械組立に影響しないつくりである。また、同社では出荷室を設けている。この理由は、外気の流入によって組立工場内の温度が変化するのを防ぐとともに夏場に機械が結露し錆びるのを防ぐためだ。

 精機棟の環境対策についても触れておこう。
 同社では、精機棟内証明(全346棟)を水銀灯からLEDに変更している。1棟あたりの消費電力は水銀灯の400Wに対してLEDは147W。したがって水銀灯と比較した省エネ効果も高く、年間消費電力量は約1/3、Co₂削減量は185t。また、LEDに変更することで照明からの発熱量が減少し、空調全体に占める証明の負荷比率が20%から10%へと減少したという。

 今後の予定は精機棟の屋根に太陽光発電パネルを設置するとのこと。出力150kW/h。60tのCo₂を削減できる予定だ。パネルの断熱効果により、空調電力の削減も期待できる。

測定室
測定室
 さて、高精度な工作機械をつくるためには高精度な測定が必要だが、1µmの精度を正確に測るためには、測定器に0.1µmの精度が要求される。元々測定器の生産からスタートした同社には、ブロックゲージやマイクロメータからはじまり、親ねじやスタンダードスケールなど「基準」をつくり続けてきた歴史がある。そんな同社の精密測定室は、恒温工場の中に“さらに建物をつくった”ような構造になっており、温度の安定性がこの工場の中でも最も高く、20℃±0.1℃に保たれている。また、基礎を周囲から完全に遮断し、パイル+3m熱さのコンクリートで振動に対しても万全の対策をしている。

三井精機のきさげのこだわりは精度へのこだわりだ!

 

工作機械の真直度、平行度、直角度、平面度などの基本精度を決定する重要な要素に“きさげ”がある。同社によると、「工作機械の部品精度は、それを加工する機械以上のものにはならない。加工機よりも良い精度を求める場合、そこに人の手による“修正”が必要になる」とのこと。

 同社はこの工場内で生産している全ての機械に対しきさげを行っているが、マシニングセンタできさげを行っているメーカーはごくわずかである。「これだけ丁寧に行っているのは限られたメーカーしかない」と自信たっぷり。

 同社によると、きさげの目的は2つ。1つめは摺動面の精度(真直度、平行度、直角度)を出すこと。テーブルやパレットの平面度を出すこと。2つめは物と物の接触する部分の“アタリ”を出し、締め付け時の“ストレス”をなくすこと。摺動面のきさげはまっすぐに仕上げるわけでなく、全体にわたって緩やかな凹型形状や凸型形状に仕上げることによって、実際にテーブルやコラムが載ったときにまっすぐ動く仕組みなのだ。

 こうした徹底したマシンのつくり込みで生まれた新マシンが下記のとおりである。

(ここまでの写真は全て三井精機工業が提供)

新開発の工作機械群 「PJ812」は社長のキモ入りマシン

奥田社長のキモ入りマシン「PJ812」
奥田社長のキモ入りマシン「PJ812」
 今回の「MTF2017」には様々な新製品が並んでいたが、中でもジグボーラーの高精度位置決めと、高精度形状加工を実現する究極のマザーマシン「PJ812」に注目したい。このマシンは、奥田社長のキモ入りマシンだけあって、精度へのこだわりが充分詰め込まれていた。構造は、熱変形を考慮した門形シンメトリー。新摺動機構で0.1µm送りに追従する。熱対策も万全で、ボールねじ軸心冷却、摺動面冷却はもちろん、新開発の主軸熱変位補正でZ軸の変位量は従来の約1/3に改善している。また、主軸中心とZ軸駆動部の距離を最小化させた。これによりZ軸静圧剛性が従来機に比べ6倍以上に向上している。さらに、省エネ効果も抜群で、省エネ回路の採用で非稼働時の電力はなんと90%も削減! エアー量も削減している。今回はこのマシンで自動化にて生産効率向上を狙った工具計測、ワーク芯出し、負荷モニタリング、ワーク形状測定、ワーク面スキャニング、ワーク面祖度測定等も披露していた。

「Vertex」もさらに進化!
「Vertex」もさらに進化!
 人気の高い「Vertex55」もⅡからⅢへバージョンがアップし新登場。2m×3mのコンパクトな設置スペースでありながら、最大φ750mm×高さ525mmのワークが積載可能、自社製の傾斜・回転テーブルの採用で、高精度で高速な割出を実現している。バージョンアップした主な点は、さらに強力になった主軸熱変位補正機能。これによりZ軸の変位量は従来の約1/3に改善している。ベッド・コラム剛性の向上で微小線分送りによる3次元形状の面品位がさらにアップした。オプションでHMI機能を搭載した15カラーLCD付き操作盤に対応する。

 HPX63の高精度、高剛性を継承した「HPX63Ⅱ」は、角スライド機でトップクラスの早送り速度枚分54m、加速度0.5Gを達成。設置スペースを従来機と比較して14%も削減していた。難削材を高能率加工する実力もさながら、アルミの高速加工まで豊富なスピンドルバリエーションも優位性のひとつだ。主軸熱変位補正を装備し、嬉しいコールドスタートが可能(オプションのビルトイン主軸)。

 砥石自動切込みストロークを従来機の2mmから53mmに拡大し、異径穴の連続自動加工範囲が飛躍的に拡大した「J350G」。タッチパネル式15インチLCDの採用と同社独自開発の対話型研削ソフト「G-MAPS」の組み込みが特長。クーラント装置を含めた全体の設置スペースを、占有面積比では従来機の約50%も削減し、コンパクト化を実現している。
 

最新工具に注目! 三菱日立ツールが新商品発表会を開く 

 三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)が2月13日(水)、東京都台東区内の浅草ビューホテルで「三菱日立ツール新製品発表会」を開催した。同社の2016年度は“かつてないほど豊作の年”。新商品の紹介も力が入っており、会場内は大いに盛り上がった。




あいさつをする増田社長。
あいさつをする増田社長。
 発表に先立ち増田社長が、「皆様は日本のものづくりに多大な貢献をされておりますが、このものづくりにとって、さらにお役に立てる可能性のある弊社の旬な新製品のご紹介をさせていただきます。新製品を投入する上で、意識していることがあります。それは禅の言葉ですが“啐啄同時(そったくどうじ)”。卵の中から生まれ出ようとしている雛が内側から卵の殻をコツコツと叩きます。これが“啐”です。親鳥が外側からコツコツと叩く、これが“啄”です。これらが絶妙なタイミングで同時期に重なった時に命が生まれます。これがまさに“啐啄同時”であり、中から叩くのが弊社、外側からアシストいただくのが商社あるいはその顧客となります。誕生した新製品は私たちが心を込め、プライドを持って開発・製造したものです。“ものに心ありて まして人――”心を込めた新製品がいかにものづくりに貢献しようとしても、人が動かさない限り、新製品は動けない。商品が1番輝く時に、それを届けていただくことが必要になります。商品が輝く時は、その性能が100%発揮できる仕事場にてワークと相対した時になります。それが工具にとってこの世に生み出されて良かった、と思う時でありましょう」とあいさつをした。

 なお、今回は成田工場と中継を結びながら新製品を説明し、臨場感あふれる発表会となった。

三菱日立ツールらしさを全面に出した工具群

●アルファ高送りラジアスミル「TD4N形」
 三菱日立ツールといえば、2000年に高送り工具を発売してからというもの、高送り工具は得意分野として好評を博している。同社は、“お客の声に新商品のアイデアあり”という考え方のもとで開発をしているが、①加工費を安く、②工具寿命を長く、③能率アップ――の3つを備えた「TD4N」は、多コーナ化・コーナ単価低減が工具費用を抑え、新AJコーティングが工具寿命の延長に貢献している。高能率・低抵抗・経済的な4コーナ仕様に加え高送り工具の常識とされていた“削り残し”を削減し、次工程の負担を削減した。従来品に比べ次工程工具の負担を最大40%削減することが可能になったのも嬉しい。低抵抗なので、音が静かなのも特長のひとつで、住宅街に工場があっても安心な工具だ。壁際での切りくずの噛み込みがないため、夜間の無人加工でも使えるうえ、小型NCマシンでも十分な能力を発揮することができる。

●アルファラジアスプレシジョン「ARPF」用 新インサート
 今回、刃先強度と切れ味を合わせ持つねじれ刃形インサートを追加ラインナップした。
 深い加工だと工具がたわんで精度が出ないと悩む方も多いうえ、本音としては加工時間を短縮して仕事を早く切り上げたい! と感じるに違いない。この工具は、「クオリティも能率も同時に重視したい方にオススメしたい工具」とのこと。「SGタイプ(中仕上げ~仕上げ)」は、平面、傾斜面を含む3次元形状の加工に適しており高能率加工に貢献する。「SWタイプ(仕上げ)は、基準面となる垂直側面部(立壁部)の高精度仕上げ加工に適している。したがって、加工能率と加工精度の向上が見込め、後工程の工数を減らす工具である。

●アルファボールプレシジョン「ABPF」用 新インサート
 この商品はコーナでもびびりにくい高精度加工用インサート。特長は、強ねじれ刃形による美しい加工面を得ることができること。R寸法に近い形状を加工すると、びびりが生じやすいという問題があった。切削抵抗が増すと、工具は激しく振動し、加工面に嫌なびびりマークがついてしまうのだ。そこで同社は、加工時の切削抵抗を緩和した。強ねじれ刃形を採用することで切削抵抗の急激な上昇を抑えることができたのだ。その結果、仕上げ面性状が向上した。取付けR精度は±0.01mm。ボール部先端から外周まで高いR精度を示している。高性能コーティングインサートにより長寿命なのも嬉しい。

●高硬度鋼加工用超硬エンドミル「EPDBEH-TH3」
 高硬度鋼の長寿命加工を実現したこの工具は、新開発の次世代ハードコーティング「TH3」を採用している。「TH3」コーティングのメリットは新組成系の採用と被膜の組織抑制で優れた耐摩耗性を発揮すること。刃形形状は、“ダブルフェイス形状”。高硬度鋼加工用に刃形を最適化し、工具摩減を抑制している。高精度加工を追求した工具設計も優位性のひとつ。工夫を凝らした首形状・外周刃形状は、点あたりで切削するのでびびりが低減できる。首部の剛性を高めることでたわみを抑制でき、従来比30%の削り残り量が削減できる嬉しい工具である。

●エポックDスレッドミル 管用テーパタイプ「EDT-PT/NPT」
 同社で売上が絶好調の商品といえば、「エポックDスレッドミル」。今年度は初年度(2011年)の約34倍まで成長を成し遂げた商品だ。ところが好評を博している一方で、加工現場からは「困っているのは管用テーパねじ」という声があがった。管用テーパねじ加工の難しさは、内径を同時に加工するため取り代が大きいところ。そこで今回、同社では管用テーパタイプ(PT・NPT規格)を新登場させた。45HRC以上の高硬度鋼にねじ切り加工を可能にするため、刃先強度の高い刃形設計にしている。切削抵抗を軽減させる先端形状により工具のたわみを抑制、ねじ切り加工の最大の問題“工具の折れ込みリスク”を低減させた。「ステンレス鋼も加工できた」、「工具を集約できる」、「大きなねじも機械を選ばず加工ができる」等の喜びの声も紹介されていた。なお、この工具は親しみ安い価格に設定されていることも嬉しい。

●ミニステップボーラー「WHMB」
 工具が折れると心までもが折れそうになる――。加工現場の不満の中で多いことのひとつに、穴の精度、工具が折れてしまうことによる費用拡大等がある。この問題に真剣に取り組んだ工具が、「WHMB」。折損の理由は切りくずが詰まって折れる、というものだが、同社はそれとは違うところに目を付けた。過程プロセスを確認したところ、“汚い穴”に注目、汚い穴、とはうねりのある穴のこと。穴が曲がって折れる、というところに着目したのだ。この穴曲りを避けるよう刃物形状を変えるなど改善を施したところ、高精度の穴加工を実現するに至った。大きなオイルホールも特長で高い冷却効果と切りくず排出の良さが自慢の一品である。精密部品の小径穴などに力強い工具だ。

●「GALLEA(ガレア)シリーズ」
 同社が世界に先駆けて発売した「GALLEA」シリーズは、仕上げ加工の概念を変える魅力的な工具だ。工具形状は正面から見ると樽の形をしている。ちなみにこのGALLEAの名前は、樽酒をはじめてつくった民族がガレア人だということもあり、同社の人気シリーズ「エポック」と「アルファ」に続き、異形工具シリーズの「GALLEA」シリーズが新ブランドに加わったとのこと。「GALLEA」シリーズは、同社独自の外周刃形により、さまざまな加工で使うことができる。「GF1形」は壁部の仕上げ加工で同等の加工面粗さを得ようとした場合、ボールエンドミルの約1.7倍、コーナラジアスミルよりも約1.4倍で加工が可能になる。また、異形工具に対応したCAD/CAMソフト「tebis」などを使用すると、3軸加工に限らず5軸加工でも有効活用できるとのことだ。ちなみに「tebis」は丸紅情報システムズが提供しているハイエンドかつ統合型のCAD/CAMシステム。正確な外周計上定義、加工後形状の把握、あらゆる加工工程に対応している。大物加工へも対応し、圧倒的な演算速度、高速レスポンス、高品位ツールパス、そして高速レスポンスが特長。

閉会のあいさつをする矢倉営業本部長
閉会のあいさつをする矢倉営業本部長
 新製品の紹介が終わったあと、矢倉 功 営業本部長が、「われわれはお客様のお困りごとに真摯に解決するようにと思っています。今回は発表の中ではじめて工場のショールームとオンラインで繋ぎました。開発の背景やどういった苦労をしながら開発をすすめてきたのか、を理解していただけたと思う。今年は当社の新中期がスタートします。非常にいい新製品ができたと思う。皆様のものづくりに貢献できるよう、そして、業界に、時代に先行して進んでいきたいと思っています」と閉会のあいさつをした。

 懇親会では参会者が親睦を図り、宴もたけなわの頃、散会した。


岡本工作機械製作所が「PSG会東部支部連絡会」を開催 ~大注目を集めた「MUJIN」をはじめ、新技術や新製品を説明~

 岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏)が2月16日、横浜市内にある新横浜国際ホテルで「東部支部連絡会」を開催した。

 同社が推奨する高能率研削を実現する「研削革命」についての勉強会が開かれた。「研削革命 ~近未来編~」をテーマに、進む研削盤の自動化、IoT、ロボット等についての説明があった。同社では、①全自動・IoT、②高能率、③複合を『3つの研削革命』として推奨している。

 昨年11月に開催されたJIMTOF2016で、全自動平面研削システム「MUJIN」が注目されたが、このシステムは、操作盤の操作は不要でボタンを押すだけで研削が始まるオプションである。センサー技術を活用し、自動で置かれたワークに最適な平面研削を行う。

 メリットは、①段取り時間、入力工程の短縮、②ワーク自動検知と必要箇所のみ研削、③寸法に対する効率の良い自動研削、④ドレスタイミング検知と自動ドレス介入、⑤負荷を検知し、適応制御を行う研削、⑥研削後の自動測定&自動補正研削、⑦検索情報の視える化(数値化)。

 このシステムを利用する最大の優位性は、技術の継承者不足や人件費の高騰、海外進出、安全性考慮、無事故か、生産性の向上、メンテナンスの簡易化などの課題を解決すること。オペレータ間隔に頼っていた情報をセンサーで検知し、無人化研削を実現する。

 同社が考えるIoTとは、機械が検知できる研削情報を拡張すること。IoT技術を持つHUB関係会社と協力をして機械の「視える化」を図るとしている。なお、この「MUJIN」の販売予定は本年4月とのこと。

OKAMOTOの新技術・新製品の数々

●5軸制御研削「UPZ-Liシリーズ」
 このマシンの特長は、左右リニアモータ、クラウニング、マルチポジション、高速反転研削、標準制御軸数3軸、上下送り高速特殊仕様(OP)、2軸特殊追加仕様(OP)(インデックス割出装置・旋回装置)。5軸制御研削の最大のメリットは、マウス形状・非球面形状等の滑らかな形状の研削が可能になるということ。

●高速研削
 左右反転時の空走時間を極限まで小さくし、単位時間当たりの研削時間を増やす考え方であり、同社では「MUJIN」に応用している。

●高能率重研削
 これは切りこみ量大幅増加による、作業時間の短縮・高能率化を指す。実現するための必要条件は、「高剛性研削盤」+「切れる砥石」+「切れる切削液」が融合することである。
 機種により高能率研削を提案する仕様が異なるので、加工現場に合った高能率研削を提案するとしている。同社では、100~200µmの切り込みにて除去率90%を達成している。

●ファインバブル発生ユニット 新BIX ~TWIN-BIXの登場~
 同社は、研削盤では研削液の流れが不均一になるため、最大限にBIXの効果を発揮するために双方向の流れをつくる必要があると考えた。驚異の研削効率を実現する研削盤専用の「TWIN-BIX」を登場させ、従来の「GRIND-BIX」から冷却能率を30%もアップさせている。BIXの効果は、“コアンダ効果”により砥石と被削物の接触点に研削液を効率良く誘導。これにより研削熱の発生を抑制し、研削液本来の効果を最大限に接触点で活かすことに加え、“キャビテーション現象”により研削液を分子化、砥粒の間に入ることにより切りくずの洗浄効果もある。ドレス回転の削減にも期待できるという。同社では、この「TWIN-BIX」を採用することで、①研削熱の抑制により高能率研削を行える、②砥石の目詰まりを抑制することで鏡面をつくりやすく、超精密研削に最適である、としている。

●中型静圧研削盤シリーズ化
 同社では「超精密でコストが高い時代は終わった」という認識のもと、左右静圧仕様の超精密汎用平面研削盤を適応価格帯でラインナップしている。特長は、①「CA1シリーズ」の操作製、②T型一体フレーム構造、③左右案内面静圧仕様、④前後案内面高精度角型構造、オプションで前後・砥石軸静圧対応。操作盤もより使いやすくなるよう変化している。具体的には、ソフトを集約し、メカスイッチをタッチパネル方式に変えた。簡単操作で作業ができるのは嬉しい限りだ。

閉会のあいさつをする石井社長
閉会のあいさつをする石井社長
●複合(内筒・内研)
 円筒研削盤・内面研削盤に各業種に実績がある同社。“痒いところに手が届く”ような複合機を展開している。今回は横形複合研削盤「NGM-NCシリーズ」の紹介があった。このマシンは、砥石軸はプレーン・案牛良・内面研削用の3種類スピンドルを搭載(標準はアンギュラ・内面砥石)。DDモーターによる砥石割出は最小設定0.0001°に対応。端面①測定装置、直接定寸装置、ギャップエリミネーターを活用することにより、一層の安定した精度・高生産性に対応している。

 もうひとつ紹介があったのは、立形複合研削盤「UGM5V」。特長は、①左右・上下軸はスケールフィードバックにより、高精度位置決めが実現、②内面、外径、端面加工用4本の砥石自動交換を標準装備している、③スピンドルはカービックカップリングにより正確に0°、30°の自動旋回、④ロータリードレッサーを標準装備している、⑤コンパクトなフットプリント設計。

 伊藤 暁 技術開発本部長が特別講演を行い、「近未来に想定される加工技術」について説明した。

懇親会で次世代マシンに期待をよせる渡邊本営業部長
懇親会で次世代マシンに期待をよせる渡邊本営業部長
 閉会のあいさつを石井社長が述べた。この中で岡本社長は、「われわれは一昨年80周年を迎えたが、今後100年企業を目指すべく、昨年、中期経営計画を発表した。社内で若手がこのロゴを造った。このロゴの意味は、われわれ岡本のグループがグローバルな環境で研削で成長していくというメッセージがある。2019年3月期に売上高320億円を目指していく」と力強い意気込みを示した。

 場所を移して、懇親会が開かれた。懇親会の冒頭に渡邊哲行 営業本部長が、「昨年11月にJIMTOFが開催され、早3カ月が経過した。私どもの開発と営業のテーマの1つはMUJINだが、このMUJINは弊社の営業が提案したもので、それを技術がつくりあげた機械である。4月から発売する予定だが、先々はロボットを付けたり、MUJINの無人化ということも考えている」と次世代マシンに期待を寄せるあいさつをした。

 懇親会は同社の若手2名の司会進行で、抽選会等が行われるなど和やかな雰囲気の中、参会者は親睦を深めた。宴もたけなわの頃、散会した。

OKKが東京テクノロジーセンターでプライベートショーを開催

 OKK(社長=宮島義嗣氏)が、2月9日~10日に東京テクノロジーセンター(埼玉県さいたま市北区日進町3-610)でプライベートショーを開いた。今回は、“つながる現場”を視野に入れた同社のIoTシステムによる生産効率向上や保守・予防保全支援を披露した。また、 NCプログラムを知らなくても簡単に加工プログラムを作成できる「GMCの体験コーナ」を設ける。

 東日本では、難削材などの高効率加工を可能とし、クラス最大級の重切削性能を実現した「VM3桁 Series」がRシリーズとしてさらに進化した立形マシニングセンタ「VM660R」が目玉として展示され、重切削市場に向けたOKKブランド力を存分にPRした。


VM660R
VM660R
 なお、「VM660R」の基本コンセプトは、航空機部品を中心とした難削材、自動車関連の金型および鉄道・建設機か関連の鉄系の加工に対し、角形すべり案内面を有する高剛性な機械で他社の追随を許さない高能率加工を提供すること。万全な熱変位対策にも注目が集まった。



OKKのつながる現場で生産効率アップ! 予防保全効果も!

タブレットが活用できる
タブレットが活用できる
 今回のプライベートショーではIoTシステムによる生産効率向上を提案していた。これは、顧客の「いろんな場所で機械の状態をモニタしたい」、「稼働状況の実績を管理したい」等の声に応えたもので、①つなげる、②見える化、③データ活用――をサポートする。

 しかも古い機械も含めて工場全体の稼働状況を監視してくれるというからありがたい。普段使いのタブレットを活用できることも嬉しい。使い方も簡単で、機械のQRコードを識別して点検プログラムが起動する。日常点検データをサーバに記録、点検箇所のカメラ撮影を行うことで空点検の抑制と故障予兆の記録が期待できる。最大のメリットは、捨てられていた日常点検データを保全に活用できることだろう。
 
 プログラム支援機能「WinGMC8」の体験コーナで、対話形NC自動プログラミング機能を提案していたが、簡単に操作できる鍵となるのは、双六画面方式をとっていること。工具好感順序も自動で最適化する。分かりやすい案内図なので、NCプログラムを知らなくても、スマホのような操作性で簡単に加工プログラムを作成できるというのも特長のひとつ。また、CAD機能を標準詳細しており、至れり尽くせりだ。

DMG森精機 経営効率UPでフル回転!

 DMG森精機(社長:森 雅彦氏)は、2016年12月期の連結決算を発表した。

 当期の業績は、売上収益3766億31百万円、営業利益19億61百万円、税引前当期損失10億64百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失78億26百万円となった。これは欧州の工作機械メーカーAG社との完全経営統合に伴って、事業および資産を見直し、重複資産の整理やノンコアビジネスからの撤退により、その一時費用を当期に計上したものである。これで経営統合に関する特殊な会計処理や費用処理は完了したことになる。

 このドイツ法に基づく登記が完了したことにより、同社とAG社の経営資源が一本化した完全一体経営が可能となった。機種統合、部品共有化、顧客管理システムおよびサービス・パーツシステムの共有、グローバル生産能力の最適活用等で、劇的な経営効率化が期待できる。

 当期における地域別の動向および受注状況は次のとおり。

 国内市場は年前半から年央にかけて需要の調整局面があったが「JIMTOF2016」の効果もあり、期末にかけて受注に動きがみられた。北米市場は、直接販売・サービスのビジネスモデルへの変更が順調に進展し、受注は前年比でプラスを維持している。欧州市場は、引き続き堅調であり受注はプラスに推移しており、今後も緩やかな伸長が見込まれる。中国市場は、ほぼ底打ちを確認しており、年央以降は前四半期比でほぼ横ばいで推移している。まだ本格回復は期待できないものの、2017年4月に開催される北京ショー(CIMT)は需要の刺激要因になる。その他アジア、オセアニア市場においては、需要は総じて低迷している。その中で台湾、ベトナム、インド、オーストラリアは比較的健闘している。

 今後については、「IoT、インダストリー4.0の高まりを背景に、ターニングセンタ、マシニングセンタ、複合加工機、5軸加工機、研削盤分野等の製品群とソフトウエア、計測装置、サービスサポート、アプリケーション、エンジニアリングを駆使したトータルソリューションの提供を基本姿勢に、開発・製造・販売・サービスの各分野でAG社と連携を進め、営業サービス拠点がフルに稼働し、さらなる企業価値の向上に努めていく」としている。

 次期連結業績(通期)見通しは、日本、米州、欧州の各地域とも受注環境が引き続き堅調に推移するものと思われ、売上収益は3800億円、営業利益は220億円、親会社の所有者に帰属する当期利益110億円を見込んでいる。なお、米ドルレートは110円、ユーロレートは120円を想定している。

オーエスジーが104回定時株主総会を開く

 オーエスジー(社長=石川則男氏)が、2月18日(土)に同社アカデミー グローバルテクノロジーセンター(豊川市一宮町)で第104回定時株主総会を開催した。

 議長である石川社長が開会を宣し、同社グループの事業全般について説明報告があった。これによると、航空機関連産業向け需要は堅調に推移したが、主要ユーザーである自動車関連産業向けは米国・中国の減速の影響を受け軟調となった。また為替変動の影響もあり、減収減益を余儀なくされたことから、事業の経過・成果(2015年12月1日から2016年11月30日まで)について、売上高は1,055億6千1百万円(前期比5.7%減)、営業利益は182億4千6百万円(同15.5%減)、経常利益178億1千3百万円(同17.2%減)、親会社株主に帰属する純利益101億3千4百万円(同19.0%減)となった。

 また、地域別売上高でみると、国内は657億8百万円(前期比3.1%減)、米州1億4千4百万円(同10.6%減)、欧州123億1千5百万円(同7.9%増)、アジア275億3千3百万円(同16.2%減)となった。同社の今後対処すべき課題については、「2020年度に売上高1,500億円を目標とする中期計画を達成する」旨の力強い発言があり、次の諸施策に取り組むとした。

1.大手ユーザーの開拓
 最適な加工方法の提案、最先端技術を取り入れた製品を投入するとともに、対面型販売組織をグローバルで拡充することにより、自動車、航空機産業をはじめとする大手ユーザー開拓を推進する。

2.カタログ品戦略
 主力製品ごとにフラッグシップである「Aブランド製品」のラインナップを拡充することにより、OSGブランドの価値向上を図るとともに、海外販売代理店網の強化に取り組むことにより、ボリュームゾーンでのシェアアップを目指す。

3.海外市場でのシェアアップ
 グローバルで積極的に経営資源を投入し、競合他社との差別化を図るための生産、販売組織の増強を図る。海外においてテクニカルセンターを展開し、ユーザー対応力を強化する。またM&Aを継続的・効果的に行うことで、そのスピードを高めていく。

 剰余金処分の件、取締役8名選任の件、役員賞与支給の件が上程され、それぞれ満場一致をもって承認可決し閉会となった。

 なお、本総会に関連して恒例のプレゼンテーションでは、総会開会前に新製品等の紹介、総会終了後には2017年の成長戦略について海外動向を中心に報告があった。

ジェイテクトが既存設備にアドオンで接続可能な新製品「JTEKT-LINK」を今春より販売! 同時期にエッジ型解析モジュール「TOYOPUC-AAA」も工作機械全機種に搭載開始! 

 ジェイテクト(社長=安形哲夫氏)が、既存設備にアドオンで接続可能な新製品「JTEKT-LINK」を今春より販売を開始する。また、同時期にエッジ型解析モジュール「TOYOPUC-AAA」も工作機械全機種に搭載を開始する。

既存設備にアドオンで接続可能な新製品「JTEKT-LINK」とは

 この製品は、他社製の設備も含めた既存設備間を簡単につなげたり、設備のデータを収集・蓄積・解析を可能とするパッケージ。従来は、同社のスタッフが顧客の設備に設置していたが、この「JTEKT-LINK」は顧客側が独自で設置し、既存設備をコストミニマムかつ簡単に改造でき、同社が提案するIoE ソリューションのうち、「つながるソリューション」、「バリューソリューション」を実現できる。

●TOYOPUC-Plus を搭載した JTEKT-LINK の特長
(1)新旧、制御機器メーカ問わず、既存の設備につながる
 デファクトスタンダードなネットワークをはじめ各種ネットワークに広く対応。
 (Ethernet/IP(※ 1 ),CC-Link(※ 2 ),PROFINET(※ 3),EtherCAT(※ 4 )他)
 I/O 接続も可能なのでネットワークのない古い設備もつながることができる。

 ※1: Ethernet/IP はODVA の商標。
 ※2: CC-Link は三菱電機株式会社の登録商標。
 ※3: PROFINET はプロフィバス協会の登録商標。
 ※4: EtherCAT はBeckhoff Automation GmbH.の登録商標。

(2)既存の制御盤に手を加えることなく、設備の空きスペースにアドオンできる

●TOYOPUC-AAA を搭載した JTEKT-LINK の特徴
(1)データの蓄積と解析を手軽に実現
 工作機械のCNC 装置に接続することで、そこから得る各種データを蓄積し、表示・解析する機能を備えているため、特別なソフトは必要なく、顧客が簡単な設定で必要なデータを蓄積・解析し活用することができる。

(2) エッジ型によるリアルタイム解析
 人や設備に一番近い環境でデータの蓄積・解析を可能とするエッジコンピューティングにより、通信負荷を軽減し、リアルタイムで解析を行う。

(3)オープンプラットフォーム
 データを収集・蓄積・解析するための機能と必要十分なメモリ容量を搭載。顧客が簡単に判定出力できる機能や、アプリケーションソフトウェアを簡単に組み込むことが可能。

価格
・JTEKT-LINK(TOYOPUC-Plus 搭載版)導入パッケージ一式 20 万円
・JTEKT-LINK(TOYOPUC-AAA 搭載版)導入パッケージ一式 41 万円

エッジ型解析モジュール「TOYOPUC-AAA」2017 年春より工作機械全機種に搭載開始!

 生産設備に接続しデータ収集・蓄積・解析を行うことが可能なオープンプラットフォームモジュール「TOYOPUC-AAA」を、2017 年春よりTOYODA ブランド工作機械全機種に標準搭載を開始する。この製品の特長は以下の通り。

(1)データの蓄積と解析を手軽に実現
 工作機械のCNC 装置に接続することで、そこから得られる各種データを蓄積し、表示・解析する機能を備えているため、特別なソフトは必要なく、簡単な設定で顧客が必要なデータを蓄積・解析し活用することができる。

(2) エッジ型によるリアルタイム解析
 人や設備に一番近い環境でデータの蓄積・解析を可能とするエッジコンピューティングにより、通信負荷を軽減し、高速な処理が可能となりリアルタイムで解析を行う。

(3) オープンプラットフォーム
 データを収集・蓄積・解析するための機能と必要十分なメモリ容量を搭載。顧客が簡単に判定出力できる機能や、アプリケーションソフトウェアを簡単に組み込むことも可能。

(4)アプリケーションパッケージ
今後、顧客の様々なニーズに合ったアプリケーションパッケージを順次開発・発売する。

DMG MORIがアディティブマニュファクチャリング パウダーベッド方式に参入

LASERTEC 30 SLM
LASERTEC 30 SLM
 DMG MORIは、セレクティブレーザメルティング(以下、SLM:パウダーヘッドフュージョンPBFとも呼ばれている)に高い技術力を持つ、REALIZER社の株式を50.1%取得して子会社化し、アディティブマニュファクチャリング(Additive Manufacturing 以下、AM)分野における技術革新をより一層推進を目指して、SLMを用いたAM機「LASERTEC 30 SLM」を新たにラインアップに加え、拡充すると発表した。

 SLMは、材料粉末を一層ずつ敷き詰め、その後にレーザで照射して、任意の部分を溶融させる方式。精密な造形が可能で、主に一体構造の製品や部品、一から製作する製品造形に適している。また、稼動軸が少なく、シンプルな機械構造のため、省スペースな機械設計が可能。REALIZER社はこの技術の先駆者としてSLMの開発に一貫して取り組んでおり、これまでに20年以上の実績がある。

 既に同社では、金属材料粉末とレーザを同時に照射し、積層と溶融を行うダイレクトエナジーデポジション(Directed Energy Deposition)を採用したLASERTEC 65 3D(5軸加工+AM機能搭載機)とLASERTEC 4300 3D(複合加工+AM機能搭載機)をラインアップしている。ダイレクトエナジーデポジションは、積層と溶融を同時に行うため造形時間が早く、異なる金属材料粉末の積層や小型製品の造形、インペラやブレードといった高付加価値製品の補修に適している。

 同社は、SLMとダイレクトエナジーデポジションの両技術を取り揃え、また、両技術を組み合わせることにより、「顧客に全く新しいアプリケーションを提供する」としている。また、今回、同社ドイツ フロンテン工場で開催中の「DMG MORIフロンテンオープンハウス」で参考出展し、今後日本および他の地域においても順次公開を予定している。

■REALIZER社 概要
社 名 :REALIZER GmbH
所在地 :ドイツ ノルトライン=ヴェストファーレン州 ボルヒェン市

▼ホームページ▼
http://www.realizer.com/en/

三菱マテリアルが続々と新製品を投入!

 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)が、続々と新製品を投入した。今回の新製品は、①重切削旋削加工用インサートシリーズにCVDコーテッド超硬材種「MC6035」を追加、②焼結合金・鋳鉄旋削加工用CBN焼結体「MB4020」に刃先処理アイテムを追加、③超硬エンドミル“MSplusエンドミルシリーズ”にロングネックラジアスエンドミルを追加――した。

重切削旋削加工用インサートシリーズにCVDコーテッド超硬材種「MC6035」を追加

 同社の鉄道・船舶・エネルギー産業に使用される重切削旋削加工用シリーズは、刃先強度と切りくず排出性のバランスを考えた6種類のブレーカと鋼・ステンレス鋼加工に優れる材種で構成され、多くの愛用者から高い評価を博しているが、こうした背景もあり、突発欠損に強いCVDコーテッド超硬材種「MC6035」をこのほど追加し、重切削旋削加工用インサートシリーズの拡充を図るとしている。

 CVDコーテッド超硬材種「MC6035」の主な特長は、以下の通り。

 ① 表面を平滑化することにより、耐溶着性に優れ、低中速の切削領域の耐摩耗性に優れるTiCNを最適な膜厚にすることで、耐摩耗性と耐欠損性のバランスを確保。

 ② コーティング層の引っ張り応力を緩和することにより、断続切削加工時の衝撃による亀裂進展を抑制。

標準価格 :1,180円~4,620円
・CNMM190616-HX  MC6035:2,240円
・CNMM250924-HM MC6035: 4,620円
・DNMM150408-HZ MC6035: 1,650円
・SNMM250924-HV MC6035: 4,620円
・TNMM220416-HL MC6035: 1,660円
(いずれも税抜価格)

焼結合金・鋳鉄旋削加工用CBN焼結体「MB4020」に刃先処理アイテムを追加発売

 焼結合金・鋳鉄旋削加工用CBN焼結体「MB4020」は、バルブ機構やオイルポンプ部品などの焼結合金・鋳鉄旋削加工において、バリ発生の抑制と安定した加工後の寸法精度を維持することで、仕上げ加工に威力を発揮するCBN焼結体だが、このほど同社では、刃先のシャープエッジを実現した「SF」と刃先を丸めた丸ホーニング「SE」の刃先処理アイテムを追加することにより「MB4020」の使用範囲が大幅に拡大した。

 シャープエッジ「SF」丸ホーニング「SE」の主な特長は、以下の通り。

 ① 刃先がシャープエッジの「SF」は、切れ味の向上と切削抵抗の低減により、従来品よりバリの発生を抑制。また面粗度も向上し、良好な加工精度を達成することが可能。

 ② 丸ホーニング「SE」は、シャープエッジに比べ刃先強度が強いため、断続加工や不安定な切削状況時に優位。

標準価格 : 4,640円~6,920円
・NP-DNGA150404SF2 MB4020: 4,640円
・NP-CNGA120412SE2 MB4020: 4,830円
・NP-VBGW110308SE2 MB4020: 4,830円
・NP-TPGB110304SF3 MB4020: 6,920円
(いずれも税抜価格)

超硬エンドミル「MS plusエンドミルシリーズ」を拡大

 一般鋼から50HRC程度までの高硬度鋼の金型材や部品加工の幅広い範囲で、安定した寿命を発揮するとして好評の「MS plusシリーズ」に、金型の高精度かつ高能率加工を実現する高精度ロングネックラジアスエンドミル「MPXLRB」を追加し、シリーズの拡充を図る。

 超硬エンドミルMS plusエンドミルシリーズ「MPXLRB」の主な特長は、以下の通り。

 ① 「MS+(エムエスプラス)コーティング」を採用。炭素鋼から50HRC程度の高硬度鋼まで、幅広い被削材で優れた耐摩耗性を発揮。

 ② ±0.005mmの高精度Rとシームレス刃形により高精度な加工面を実現。

 ③ 外径Φ0.4mm以上は4枚刃とし、外径Φ1mm以上にはびびり振動を抑制する形状を採用。

標準価格 : 6,800円~14,000円
・MPXLRBD0100R005N030: 6,800円
・MPXLRBD0600R050N480: 14,000円
・MPXLRBD0040R005N020: 7,800円
・MPXLRBD0300R010N180: 9,400円
(いずれも税抜価格)