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第14回(平成28年度)新機械振興賞 表彰式を開く
機械振興協会(会長=庄山悦彦氏)が2月21日、東京都内の機械振興会館ホールで第14回(平成28年度)新機械振興賞表彰式を開いた。
平成28年度 第14回新機械振興賞受賞者は下記の通り。
■経済産業大臣商
〇「心地よいサウンドを実現するエンジン主運動系減衰技術の開発」 マツダ(株)
■中小企業庁長官賞
〇「下肢運動機能を改善するロボット新医療機器」 CYBERDYNE(株)
■機械振興協会会長賞
〇「生産現場用高速CTスキャンシステムの開発」 アイシン軽金属(株)/日本装置開発(株)
〇「低振動・低伝達誤差・低資源の高性能軸継手」 アイセル(株)
〇「表面処理鋼板の非接触通板制御装置」 JFEスチール(株)
〇「間接外気冷房併用型ハイブリッドクーラー」 (株)デンソー/(株)デンソーエアクール
〇「タイヤ気柱共鳴音低減デバイスの技術進化」 (株)本田技研研究所
〇「食用畜肉の除毛装置(豚足脱毛機)」 マトヤ技研工業(株)
■審査委員特別賞
〇「レーザー光による塗膜除去装置」 (株)トヨコー/光産業創成大学院大学
「INTERMOLD2017/金型展2017金属プレス加工技術展2017」が4月12日(水)~15(土)まで東京ビッグサイトで開催!

この展示会は「金型」専門見本市として、金型設計・製造から金属プレス・プラスチック成形に至る一連の工程を集めたソリューション提案が行われる。日本のモノづくりを支える素形材産業の最新情報を発信し、製造業関係者の注目を集める。
展示会では「中小企業を主役」と位置づけ、大手メーカー、サプライヤーとのマッチングはもちろん、「金型」「プレス加工」と異分野、異業種とのビジネスマッチングを目的とした特別企画を行い、多様な業界交流を提案することで、営業・設備意欲を持つ積極的な中小企業経営者の来場動員を強化する。
基調講演では、富士重工業株式会社(※2017 年4 月より株式会社SUBARU) 代表取締役副社長の近藤潤氏を講師に迎え『世界シェア1% SUBARU の企業戦略』と題した講演を行う。また、特別講演では日本自動車部品工業会 技術顧問の松島 正秀氏を講師に迎え、素形材産業にとって最重要となる自動車部品業界からの来場動員を一層強化する。
事務局では事前来場登録、各種講演の受付を開始している。
▼事前来場登録は下記の公式ホームページから受付▼
http://intermold.jp/jizen
■併催事業(各詳細は公式サイトで確認)■
1.基調講演 (事前登録制・受講無料)
日時:2017年4月12日(水) 11:00~12:30
会場:東京ビッグサイト レセプションホールB
定員:約450名(聴講無料、事前登録制)
講師: 富士重工業株式会社 代表取締役副社長 近藤 潤 氏
テーマ:『世界シェア1% SUBARU の企業戦略』
規模が小さい企業が生き残るために何をなすべきか。
価格や機能による同質競争から抜け出し、独自の付加価値戦略・差別化戦略のもとSUBARUブランドを徹底的に磨き持続的な成長を目指してきた。2014 年に発表した新中期経営ビジョン「際立とう2020」において、2020 年のありたい姿「大きくはないが強い特徴を持ち質の高い企業」と定め、顧客からの頼№1・高いブランド力・業界高位の利益率・販売台数110 万台+α 達成に向け取り組んできた事例を紹介。選択と集中・差別化(強みを生かす)と付加価値追求・支える技術力と現場力を中心に講演する。
2.特別講演会 (事前登録制・受講無料)
自動車部品製造技術フェア 特別講演会
日時:2017年4月14日(金) 13:00~14:40
会場:東京ビッグサイト会議棟 6F 会議室605
定員:約250名(聴講無料・事前登録制)
講師:一般社団法人日本自動車部品工業会 技術担当顧問 松島 正秀 氏
テーマ:『自動車技術最新動向〜環境対応と自動運転技術』
世界の大都市圏で、排出ガスや渋滞、交通安全等の課題に対する規制が活発化して来ている。環境対応については急激な電動化に向かい各社が開発戦略を見直し、安全対応は自動運転の開発が社会システムと連動し実用化に加速している。エレクトロニクス技術の導入や、異業種の参入も盛んになって来ている。既存の自動車産業も積極的な協業や、今までにない取引関係を構築する必要に迫られてきている。部品メーカーにとって新たな技術の競争に負けない体質を構築する事が、今後の重要な戦略である。
3.金属プレス加工技術2017 特別講演
日時:2017年4月12日(水) 13:30~15:00
会場:東京ビッグサイト レセプションホールB
定員:約450名(聴講無料、事前登録制)
講師:東大名誉教授 中川 威雄氏
テーマ:『日本の製造技術の底力に期待する』
東大の生産技術研究所でプレス加工、金型成形、切削や研磨加工などで数々の新技術開発に挑戦してきた中川威雄先生。1999 年に停年退職後、東京大田区でファインテック社を創業し、今でもものづくり技術の研究開発を続けている。それらの開発技術は中国の巨大な鴻海精密工業(フォクスコン社)の技術向上にも生かされ、昨年からはシャープ社の取締役としても活躍している。同氏は永らく「金属プレス加工技術展」の企画立案にも参画してきたが、今回の講演では、これまでの足跡やグローバル競争の時代の中で、日本のモノづくり企業のおかれている厳しい現状、さらには“モノづくり技術開発は日本に限る”といった持論を語る。
4.出展者によるプレゼンテーション
出展企業によるプレゼンテーションセミナー
「テクニカル・ワークショップ」14 セッション/「オープンセミナー」28 セッション
(*併催事業については、会場、開講スケジュールなど詳細を公式サイトで公開中)
■事前来場登録受付中■
現在本展公式ホームページにて、展示会来場者のため“事前来場登録”の受付を行っている。この登録フォームから登録すると入場料が無料となり、来場の際 スムーズに入場することができる。
http://intermold.jp/jizen
「第15回新機械振興賞」受賞候補者募集 ~〆切は平成29年5月31日(水)~
機械振興協会(会長=庄山悦彦氏)は、優秀な研究開発を行い、その成果を実用化することによって、わが国機械産業技術の進歩発展に著しく寄与した企業・大学・研究機関および研究開発担当者を表彰しており、平成29年度台15回機械振興賞の受賞候補者を次の要領で募集する。1.表彰対象 独創性、革新性および経済性に優れた機械産業技術に係わる研究開発およびその井蛙kの実用化により、新製品の製造、製品の品質・性能の改善、または生産の合理化に顕著な業績を上げたと認められる企業等および研究開発担当者とする。ただし、当該研究開発は、おおむね過去3年以内に完成したものに限る。2.募集の方法 機械産業に係わる関係団体、地方公共団体、国公立試験研究機関、学会等に募集を依頼し、受賞候補者の推薦を求める。また、応募される企業で、推薦をいただける団体が無い場合でも自薦による応募が可能。受賞候補者の受付期間は、平成29年4月3日(月)から5月31日(水)必着とする。 「募集要領」および「応募書類の様式」は下記からダウンロードすることができる。▼ダウンロード▼http://www.jspmi.or.jp/tri/prize/3.表彰の方法 (1)特に優秀と認められるものについて経済産業大臣賞および中小企業庁長官賞の授与を申請するものとし、機械振興協会会長賞および小規模事業者(中小企業基本法における小規模起業者)を対象とした審査委員長特別賞に対し、会長名の賞状を贈呈する。 (2)受賞する企業等に対し、賞金を贈呈する。賞金の額は、経済産業大臣賞は80万円、中小企業庁長官賞は50万円、機械振興協会会長賞は30万円、審査委員長特別賞は20万円(研究開発担当者が複数である場合もこれらと同額)とする。4.選考 機械振興協会会長が委託する学識経験者よりなる審査委員会により行う。5.受賞者発表 平成29年12月に発表の予定。
コマツが自走式土質改良機「リテラ BZ210-3」を新発売
コマツ(社長=大橋徹二氏)は、モデルチェンジによって最新技術を随所に織り込み、オフロード法2014年基準に適合した自走式土質改良機「リテラ BZ210-3」をこのほど発売した。自走式土質改良機「リテラ」シリーズは、主に建設発生土改良や地盤改良などの用途で使用され、高品質な改良土を効率的に生産する作業性能や、現場内でのリサイクルを可能にする自走式の機動性などで高い評価を得ている資源リサイクル機械。
この製品は、NOx(窒素酸化物)とPM(粒子状物質)の排出量を大幅に低減し、特定特殊自動車排出ガス2014年基準の排出ガス規制をクリアした新世代エンジンを新たに搭載している。加えて、さらに進化したエンジンと油圧システムの最適制御、メインバルブ・油圧回路のロス低減、大容量高効率油圧ポンプの採用などにより、機械ポテンシャルを最大限に引き出すことによって、燃料消費量を同社従来機に比べ10%低減した。
幅広い土質に対応する混合機、確実に定量供給する原料土ホッパー・フィーダー、添加性能に優れた固化材ホッパー・フィーダーは従来機種から継承しつつ、セカンダリエンジン停止スイッチや落下防止用ハンドレールの採用により安全性を更に高めている。また、高精細7インチLCD液晶モニタとKOMTRAX(機械稼働管理システム)を新たに標準搭載し、作業量や固化材の使用量に加え、排出ガス後処理システムの選択触媒還元(SCR)に必要なAdBlue®の残量などについても確認可能にしている。
また、新車購入時に自動的に付帯される、パワーラインの保証延長と無償メンテナンスを取り入れた、サービスプログラム「KOMATSU CARE(コマツ・ケア)」の提供により、トータルライフサイクルコストの低減と長時間稼働に貢献する。
工場裸渡し税抜き公表価格は5,500万円。
第1回中国重慶国際工作機械展覧会(CCIMT2017)出展募集中
第1回中国重慶国際工作機械展覧会(CCIMT2017)が、2017年11月13日(月)~16日(木)までの4日間、中国内陸部の重慶市にある重慶国際展覧センター(新設展示場)にて開催する。 この展示会は、AMT(米国製造技術工業協会)とCMTAB(中国工作機械工業会)が共同で開催するもので、AMTとCMTBAの要請により、日本工作機械工業会が日本からの同店展出展を取りまとめることとなった。 重慶市は人口1,780万人で、上海市(2,170万人)、北京市(1,860万人)に次ぐ、中国3番目の大都市であり、成都市(960万人)を衛生都市としている。また、重慶市は製造業が極めて盛んで、機械工業(輸出機器、プレス機械、金型など)、総合化学工業、衣料品、パソコン等電子機器、電力設備、食品加工、建設資材、ガラス工業など各工業が組み合わさった一大産業拠点である。 CCIMT2017は、これらの産業集積と今後の内陸部の発展性に着目し、地域特性と市場優位性の活用を目指している。今回の展示会では、全会場の南北展示館あわせて16館のうち北館の3館を使用する計画で、主催者発表によれば、日本勢は米国と同じ館での出展になる。
■CCIMT2017の概要と出展について
名 称:第1回中国重慶国際工作機械展覧会(CCIMT2017)会 期:2017年11月13日(月)~16日(木)までの4日間場 所:重慶国際展覧中心(CQEXPO)主 催:AMT・CMTBA共同主催展示面積:35,000㎡来場者数:50,000人程度(主催者予想)出展品目:工作機械、鍛圧機械、産業用ロボット、工作機器、試験機器、精密測定機、切削工具、測定機器、熱処理機械、ソフトウェア1.出展料(*ドルレートで算出し、申込み時の為替レートによる日本円での支払い) ・日工会会員:166.5ドル/㎡(割引率7.5%) ・関連団体協議会会員(注):171.0ドル/㎡(同5.0%) ・非会員:180.0ドル/㎡(割引無し)2.出展申込み 下記のCCIMT2017日本事務局まで問い合わせること。出展申込書を送付するので、必要事項を記入の上、2017年4月14日(金)までに、CCUMT日本事務局まで郵送する。3.支払方法 申込確認後、CCIMT2017日本事務局から「出展契約書」とともに、出店料の請求書を送付するので所定の期日までに指定口座への振込み手続きをすること。出展料は最終的にAMT(主催者)へ一括送金する際の送金時レートにて精算する。4.支払期日(期日厳守) 第1回支払い:出店料の50% 2017年4月末日 第2回支払い:残金 2017年7月末日 ■問合せ先日本工作機械工業会 CCIMT2017日本事務局(担当:本多・秋山・田中)〒105-0011東京都港区芝公園3-5-8 電話03-3434-3961E-mail:honda@jimtba.or.jp(注)関連団体協議会加盟団体日本精密機械工業会、日本鍛圧機械工業会、日本工作機器工業会、日本歯車工業会、日本フルードパワー工業会、研削砥石工業会、日本機械工具工業会、ダイヤモンド工業協会、日本精密測定機器工業会、日本光学測定機工業会、日本試験機工業会
セコツールズの新製品! 工具寿命が倍になる新しい Seco フェースミルカッタボディ
セコ・ツールズが新製品を投入した。
このほど市場投入したのは、 R220.88 フェースミルカッタシリーズ。この商品の特長は、切れ刃に 8 つのチップを採用し、形状を最適化することで、長い工具寿命と切削力の低減を実現していること。カッタボディの 88 度のリード角により、リード角 45度のフェースミルカッタよりも大きい切り込み深さ、小さいチップサイズが可能となっている。さらに、被削材側の壁近くや、必要に応じて、複雑なクランピング加工保持装置近辺でも難なく加工できる設計。 R220.88 は粗加工用途および中仕上げ加工用途向けで、一般部品加工セグメントや自動車セグメントにおける鋳鉄および鋼の加工に最適。カッタボディは、耐食性ステンレス鋼の Idun 製で、靱性と耐久性に優れているだけでなく、ニッケルコーティングを排除したことで環境にもやさしくなっている。
三井精機工業が「MTF(三井テクニカルフェア)2017」を開催 新マシン等見所満載! ~工作機械工場にみる精度へのこだわり~

今回は、「ものづくりの原点 ~更なる高機能・高精度の挑戦」をテーマに、コンプレッサからは新開発のインバータコンプレッサ「ZgaiardXシリーズ」中型機をメインに展示、工作機械の目玉となった新製品群は、Precision Profile Center「PJ812」を筆頭に、5軸制御立形マシニングセンタ「Vertex55XⅢ」、横形マシニングセンタ「HPX63Ⅱ」、ジグ研削盤「J350G」が工場内で展示されていた。また、トレンドの自動化・IoT化を視野に入れた取り組みも提案しており豊富な見所だった。工場内では貴重なきさげを体験するコーナーを設置するほか、テクニカルプレゼンテーションでは、コンプレッサや工作機械の紹介、日本レーシングマネージメントの菅原義正会長の特別講演も企画され、来場者を楽しませる工夫が溢れていた。
(写真:三井精機工業提供)
工作機械工場の徹底ぶりが凄すぎる!

まずは、“精機棟”の空調と基礎について。ここは工作機械の主要部品の加工、主軸・テーブル棟のユニット組立、機械組立を行っており、幅140m、奥行き100mの広さを有し、全館完全空調している工場である。空調は設定温度に対して±0.4°の制御ができる。垂直方向、水平方向ともに温度差がほとんどないという徹底ぶり。モノをつくるモトとなる、マザーマシンをつくるには、振動は御法度。同社では、約3mおきに合計1700本のパイルと平均1mのコンクリートを入れて強固な基礎にしている。しかも建物部分と機械組立部分の基礎が完全に分離しているため、クレーンの振動が機械組立に影響しないつくりである。また、同社では出荷室を設けている。この理由は、外気の流入によって組立工場内の温度が変化するのを防ぐとともに夏場に機械が結露し錆びるのを防ぐためだ。
精機棟の環境対策についても触れておこう。
同社では、精機棟内証明(全346棟)を水銀灯からLEDに変更している。1棟あたりの消費電力は水銀灯の400Wに対してLEDは147W。したがって水銀灯と比較した省エネ効果も高く、年間消費電力量は約1/3、Co₂削減量は185t。また、LEDに変更することで照明からの発熱量が減少し、空調全体に占める証明の負荷比率が20%から10%へと減少したという。
今後の予定は精機棟の屋根に太陽光発電パネルを設置するとのこと。出力150kW/h。60tのCo₂を削減できる予定だ。パネルの断熱効果により、空調電力の削減も期待できる。

三井精機のきさげのこだわりは精度へのこだわりだ!
工作機械の真直度、平行度、直角度、平面度などの基本精度を決定する重要な要素に“きさげ”がある。同社によると、「工作機械の部品精度は、それを加工する機械以上のものにはならない。加工機よりも良い精度を求める場合、そこに人の手による“修正”が必要になる」とのこと。
同社はこの工場内で生産している全ての機械に対しきさげを行っているが、マシニングセンタできさげを行っているメーカーはごくわずかである。「これだけ丁寧に行っているのは限られたメーカーしかない」と自信たっぷり。
同社によると、きさげの目的は2つ。1つめは摺動面の精度(真直度、平行度、直角度)を出すこと。テーブルやパレットの平面度を出すこと。2つめは物と物の接触する部分の“アタリ”を出し、締め付け時の“ストレス”をなくすこと。摺動面のきさげはまっすぐに仕上げるわけでなく、全体にわたって緩やかな凹型形状や凸型形状に仕上げることによって、実際にテーブルやコラムが載ったときにまっすぐ動く仕組みなのだ。
こうした徹底したマシンのつくり込みで生まれた新マシンが下記のとおりである。
(ここまでの写真は全て三井精機工業が提供)
新開発の工作機械群 「PJ812」は社長のキモ入りマシン


HPX63の高精度、高剛性を継承した「HPX63Ⅱ」は、角スライド機でトップクラスの早送り速度枚分54m、加速度0.5Gを達成。設置スペースを従来機と比較して14%も削減していた。難削材を高能率加工する実力もさながら、アルミの高速加工まで豊富なスピンドルバリエーションも優位性のひとつだ。主軸熱変位補正を装備し、嬉しいコールドスタートが可能(オプションのビルトイン主軸)。
砥石自動切込みストロークを従来機の2mmから53mmに拡大し、異径穴の連続自動加工範囲が飛躍的に拡大した「J350G」。タッチパネル式15インチLCDの採用と同社独自開発の対話型研削ソフト「G-MAPS」の組み込みが特長。クーラント装置を含めた全体の設置スペースを、占有面積比では従来機の約50%も削減し、コンパクト化を実現している。
最新工具に注目! 三菱日立ツールが新商品発表会を開く
三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)が2月13日(水)、東京都台東区内の浅草ビューホテルで「三菱日立ツール新製品発表会」を開催した。同社の2016年度は“かつてないほど豊作の年”。新商品の紹介も力が入っており、会場内は大いに盛り上がった。

なお、今回は成田工場と中継を結びながら新製品を説明し、臨場感あふれる発表会となった。
三菱日立ツールらしさを全面に出した工具群
●アルファ高送りラジアスミル「TD4N形」
三菱日立ツールといえば、2000年に高送り工具を発売してからというもの、高送り工具は得意分野として好評を博している。同社は、“お客の声に新商品のアイデアあり”という考え方のもとで開発をしているが、①加工費を安く、②工具寿命を長く、③能率アップ――の3つを備えた「TD4N」は、多コーナ化・コーナ単価低減が工具費用を抑え、新AJコーティングが工具寿命の延長に貢献している。高能率・低抵抗・経済的な4コーナ仕様に加え高送り工具の常識とされていた“削り残し”を削減し、次工程の負担を削減した。従来品に比べ次工程工具の負担を最大40%削減することが可能になったのも嬉しい。低抵抗なので、音が静かなのも特長のひとつで、住宅街に工場があっても安心な工具だ。壁際での切りくずの噛み込みがないため、夜間の無人加工でも使えるうえ、小型NCマシンでも十分な能力を発揮することができる。
●アルファラジアスプレシジョン「ARPF」用 新インサート
今回、刃先強度と切れ味を合わせ持つねじれ刃形インサートを追加ラインナップした。
深い加工だと工具がたわんで精度が出ないと悩む方も多いうえ、本音としては加工時間を短縮して仕事を早く切り上げたい! と感じるに違いない。この工具は、「クオリティも能率も同時に重視したい方にオススメしたい工具」とのこと。「SGタイプ(中仕上げ~仕上げ)」は、平面、傾斜面を含む3次元形状の加工に適しており高能率加工に貢献する。「SWタイプ(仕上げ)は、基準面となる垂直側面部(立壁部)の高精度仕上げ加工に適している。したがって、加工能率と加工精度の向上が見込め、後工程の工数を減らす工具である。
●アルファボールプレシジョン「ABPF」用 新インサート
この商品はコーナでもびびりにくい高精度加工用インサート。特長は、強ねじれ刃形による美しい加工面を得ることができること。R寸法に近い形状を加工すると、びびりが生じやすいという問題があった。切削抵抗が増すと、工具は激しく振動し、加工面に嫌なびびりマークがついてしまうのだ。そこで同社は、加工時の切削抵抗を緩和した。強ねじれ刃形を採用することで切削抵抗の急激な上昇を抑えることができたのだ。その結果、仕上げ面性状が向上した。取付けR精度は±0.01mm。ボール部先端から外周まで高いR精度を示している。高性能コーティングインサートにより長寿命なのも嬉しい。
●高硬度鋼加工用超硬エンドミル「EPDBEH-TH3」
高硬度鋼の長寿命加工を実現したこの工具は、新開発の次世代ハードコーティング「TH3」を採用している。「TH3」コーティングのメリットは新組成系の採用と被膜の組織抑制で優れた耐摩耗性を発揮すること。刃形形状は、“ダブルフェイス形状”。高硬度鋼加工用に刃形を最適化し、工具摩減を抑制している。高精度加工を追求した工具設計も優位性のひとつ。工夫を凝らした首形状・外周刃形状は、点あたりで切削するのでびびりが低減できる。首部の剛性を高めることでたわみを抑制でき、従来比30%の削り残り量が削減できる嬉しい工具である。
●エポックDスレッドミル 管用テーパタイプ「EDT-PT/NPT」
同社で売上が絶好調の商品といえば、「エポックDスレッドミル」。今年度は初年度(2011年)の約34倍まで成長を成し遂げた商品だ。ところが好評を博している一方で、加工現場からは「困っているのは管用テーパねじ」という声があがった。管用テーパねじ加工の難しさは、内径を同時に加工するため取り代が大きいところ。そこで今回、同社では管用テーパタイプ(PT・NPT規格)を新登場させた。45HRC以上の高硬度鋼にねじ切り加工を可能にするため、刃先強度の高い刃形設計にしている。切削抵抗を軽減させる先端形状により工具のたわみを抑制、ねじ切り加工の最大の問題“工具の折れ込みリスク”を低減させた。「ステンレス鋼も加工できた」、「工具を集約できる」、「大きなねじも機械を選ばず加工ができる」等の喜びの声も紹介されていた。なお、この工具は親しみ安い価格に設定されていることも嬉しい。
●ミニステップボーラー「WHMB」
工具が折れると心までもが折れそうになる――。加工現場の不満の中で多いことのひとつに、穴の精度、工具が折れてしまうことによる費用拡大等がある。この問題に真剣に取り組んだ工具が、「WHMB」。折損の理由は切りくずが詰まって折れる、というものだが、同社はそれとは違うところに目を付けた。過程プロセスを確認したところ、“汚い穴”に注目、汚い穴、とはうねりのある穴のこと。穴が曲がって折れる、というところに着目したのだ。この穴曲りを避けるよう刃物形状を変えるなど改善を施したところ、高精度の穴加工を実現するに至った。大きなオイルホールも特長で高い冷却効果と切りくず排出の良さが自慢の一品である。精密部品の小径穴などに力強い工具だ。
●「GALLEA(ガレア)シリーズ」
同社が世界に先駆けて発売した「GALLEA」シリーズは、仕上げ加工の概念を変える魅力的な工具だ。工具形状は正面から見ると樽の形をしている。ちなみにこのGALLEAの名前は、樽酒をはじめてつくった民族がガレア人だということもあり、同社の人気シリーズ「エポック」と「アルファ」に続き、異形工具シリーズの「GALLEA」シリーズが新ブランドに加わったとのこと。「GALLEA」シリーズは、同社独自の外周刃形により、さまざまな加工で使うことができる。「GF1形」は壁部の仕上げ加工で同等の加工面粗さを得ようとした場合、ボールエンドミルの約1.7倍、コーナラジアスミルよりも約1.4倍で加工が可能になる。また、異形工具に対応したCAD/CAMソフト「tebis」などを使用すると、3軸加工に限らず5軸加工でも有効活用できるとのことだ。ちなみに「tebis」は丸紅情報システムズが提供しているハイエンドかつ統合型のCAD/CAMシステム。正確な外周計上定義、加工後形状の把握、あらゆる加工工程に対応している。大物加工へも対応し、圧倒的な演算速度、高速レスポンス、高品位ツールパス、そして高速レスポンスが特長。

懇親会では参会者が親睦を図り、宴もたけなわの頃、散会した。
岡本工作機械製作所が「PSG会東部支部連絡会」を開催 ~大注目を集めた「MUJIN」をはじめ、新技術や新製品を説明~
岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏)が2月16日、横浜市内にある新横浜国際ホテルで「東部支部連絡会」を開催した。
同社が推奨する高能率研削を実現する「研削革命」についての勉強会が開かれた。「研削革命 ~近未来編~」をテーマに、進む研削盤の自動化、IoT、ロボット等についての説明があった。同社では、①全自動・IoT、②高能率、③複合を『3つの研削革命』として推奨している。
昨年11月に開催されたJIMTOF2016で、全自動平面研削システム「MUJIN」が注目されたが、このシステムは、操作盤の操作は不要でボタンを押すだけで研削が始まるオプションである。センサー技術を活用し、自動で置かれたワークに最適な平面研削を行う。
メリットは、①段取り時間、入力工程の短縮、②ワーク自動検知と必要箇所のみ研削、③寸法に対する効率の良い自動研削、④ドレスタイミング検知と自動ドレス介入、⑤負荷を検知し、適応制御を行う研削、⑥研削後の自動測定&自動補正研削、⑦検索情報の視える化(数値化)。
このシステムを利用する最大の優位性は、技術の継承者不足や人件費の高騰、海外進出、安全性考慮、無事故か、生産性の向上、メンテナンスの簡易化などの課題を解決すること。オペレータ間隔に頼っていた情報をセンサーで検知し、無人化研削を実現する。
同社が考えるIoTとは、機械が検知できる研削情報を拡張すること。IoT技術を持つHUB関係会社と協力をして機械の「視える化」を図るとしている。なお、この「MUJIN」の販売予定は本年4月とのこと。
OKAMOTOの新技術・新製品の数々
●5軸制御研削「UPZ-Liシリーズ」
このマシンの特長は、左右リニアモータ、クラウニング、マルチポジション、高速反転研削、標準制御軸数3軸、上下送り高速特殊仕様(OP)、2軸特殊追加仕様(OP)(インデックス割出装置・旋回装置)。5軸制御研削の最大のメリットは、マウス形状・非球面形状等の滑らかな形状の研削が可能になるということ。
●高速研削
左右反転時の空走時間を極限まで小さくし、単位時間当たりの研削時間を増やす考え方であり、同社では「MUJIN」に応用している。
●高能率重研削
これは切りこみ量大幅増加による、作業時間の短縮・高能率化を指す。実現するための必要条件は、「高剛性研削盤」+「切れる砥石」+「切れる切削液」が融合することである。
機種により高能率研削を提案する仕様が異なるので、加工現場に合った高能率研削を提案するとしている。同社では、100~200µmの切り込みにて除去率90%を達成している。
●ファインバブル発生ユニット 新BIX ~TWIN-BIXの登場~
同社は、研削盤では研削液の流れが不均一になるため、最大限にBIXの効果を発揮するために双方向の流れをつくる必要があると考えた。驚異の研削効率を実現する研削盤専用の「TWIN-BIX」を登場させ、従来の「GRIND-BIX」から冷却能率を30%もアップさせている。BIXの効果は、“コアンダ効果”により砥石と被削物の接触点に研削液を効率良く誘導。これにより研削熱の発生を抑制し、研削液本来の効果を最大限に接触点で活かすことに加え、“キャビテーション現象”により研削液を分子化、砥粒の間に入ることにより切りくずの洗浄効果もある。ドレス回転の削減にも期待できるという。同社では、この「TWIN-BIX」を採用することで、①研削熱の抑制により高能率研削を行える、②砥石の目詰まりを抑制することで鏡面をつくりやすく、超精密研削に最適である、としている。
●中型静圧研削盤シリーズ化
同社では「超精密でコストが高い時代は終わった」という認識のもと、左右静圧仕様の超精密汎用平面研削盤を適応価格帯でラインナップしている。特長は、①「CA1シリーズ」の操作製、②T型一体フレーム構造、③左右案内面静圧仕様、④前後案内面高精度角型構造、オプションで前後・砥石軸静圧対応。操作盤もより使いやすくなるよう変化している。具体的には、ソフトを集約し、メカスイッチをタッチパネル方式に変えた。簡単操作で作業ができるのは嬉しい限りだ。

円筒研削盤・内面研削盤に各業種に実績がある同社。“痒いところに手が届く”ような複合機を展開している。今回は横形複合研削盤「NGM-NCシリーズ」の紹介があった。このマシンは、砥石軸はプレーン・案牛良・内面研削用の3種類スピンドルを搭載(標準はアンギュラ・内面砥石)。DDモーターによる砥石割出は最小設定0.0001°に対応。端面①測定装置、直接定寸装置、ギャップエリミネーターを活用することにより、一層の安定した精度・高生産性に対応している。
もうひとつ紹介があったのは、立形複合研削盤「UGM5V」。特長は、①左右・上下軸はスケールフィードバックにより、高精度位置決めが実現、②内面、外径、端面加工用4本の砥石自動交換を標準装備している、③スピンドルはカービックカップリングにより正確に0°、30°の自動旋回、④ロータリードレッサーを標準装備している、⑤コンパクトなフットプリント設計。
伊藤 暁 技術開発本部長が特別講演を行い、「近未来に想定される加工技術」について説明した。

場所を移して、懇親会が開かれた。懇親会の冒頭に渡邊哲行 営業本部長が、「昨年11月にJIMTOFが開催され、早3カ月が経過した。私どもの開発と営業のテーマの1つはMUJINだが、このMUJINは弊社の営業が提案したもので、それを技術がつくりあげた機械である。4月から発売する予定だが、先々はロボットを付けたり、MUJINの無人化ということも考えている」と次世代マシンに期待を寄せるあいさつをした。
懇親会は同社の若手2名の司会進行で、抽選会等が行われるなど和やかな雰囲気の中、参会者は親睦を深めた。宴もたけなわの頃、散会した。
OKKが東京テクノロジーセンターでプライベートショーを開催
OKK(社長=宮島義嗣氏)が、2月9日~10日に東京テクノロジーセンター(埼玉県さいたま市北区日進町3-610)でプライベートショーを開いた。今回は、“つながる現場”を視野に入れた同社のIoTシステムによる生産効率向上や保守・予防保全支援を披露した。また、 NCプログラムを知らなくても簡単に加工プログラムを作成できる「GMCの体験コーナ」を設ける。
東日本では、難削材などの高効率加工を可能とし、クラス最大級の重切削性能を実現した「VM3桁 Series」がRシリーズとしてさらに進化した立形マシニングセンタ「VM660R」が目玉として展示され、重切削市場に向けたOKKブランド力を存分にPRした。

OKKのつながる現場で生産効率アップ! 予防保全効果も!

しかも古い機械も含めて工場全体の稼働状況を監視してくれるというからありがたい。普段使いのタブレットを活用できることも嬉しい。使い方も簡単で、機械のQRコードを識別して点検プログラムが起動する。日常点検データをサーバに記録、点検箇所のカメラ撮影を行うことで空点検の抑制と故障予兆の記録が期待できる。最大のメリットは、捨てられていた日常点検データを保全に活用できることだろう。
プログラム支援機能「WinGMC8」の体験コーナで、対話形NC自動プログラミング機能を提案していたが、簡単に操作できる鍵となるのは、双六画面方式をとっていること。工具好感順序も自動で最適化する。分かりやすい案内図なので、NCプログラムを知らなくても、スマホのような操作性で簡単に加工プログラムを作成できるというのも特長のひとつ。また、CAD機能を標準詳細しており、至れり尽くせりだ。