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景況改善と省エネ 設備投資を行う 森精機

新しい看板
新しい看板
森精機製作所は奈良事業所 奈良第1工場(奈良県大和郡山市井戸野町)において、景観改善と省エネルギーのための設備投資を行うことを決定した。これにより、従来の白地に赤のロゴマークからデザインを一新し、茶色の背景にステンレスのロゴマークが引き立つように変更。茶色にすることで、屋上看板と周囲の奈良の山々の緑とが、美しく調和するようになった。また、ネオン照明からLED照明に変更したことにより、夜間はロゴが赤く輝く。LED照明は、消費電力が従来のネオン照明の5分の1で、地球環境に優しく年間約26,000kWhの電力の削減と年間約11トンの二酸化炭素の削減になる。

名称をソリューションセンタに変更 森精機

森精機製作所は、伊賀・千葉・シカゴ・パリ・シュツットガルト・アユタヤに設けている「ショールーム」の名称を「ソリューションセンタ」に変更する。機械展示とデモ加工を行う従来の「ショールーム機能」に加え、ソリューションセンタは「先端加工技術開発」「テスト加工技術」の機能を有する。●先端加工技術開発切削条件向上や工具寿命の延長など加工効率アップのための共同研究や、スピニング加工・ゼロチップなどの最先端の加工技術の研究開発を行なっている。●テスト加工技術各種CAMや三次元・真円度・面粗度測定器を揃え、顧客の立会いのもとワークのテスト加工から計測まで行うことで最適な加工方法のご提案や最新の技術情報を提供する。三重県伊賀市にあるグローバルソリューションセンタを中心に各拠点と連携し、年々多様化するお客様のニーズに今後も応えるとしている。なお、上海ソリューションセンタは2011年中に開設を予定している。変更内容・[新]グローバルソリューションセンタ(三重県伊賀市)/[旧] 伊賀ショールーム(三重県伊賀市)・[新]千葉ソリューションセンタ(千葉県船橋市)/[旧]千葉ショールーム(千葉県船橋市)・[新]シカゴソリューションセンタ(アメリカ)/[旧]シカゴショールーム(アメリカ)・[新]パリソリューションセンタ(フランス)/[旧]パリショールーム(フランス)・[新]シュツットガルトソリューションセンタ(ドイツ)/[旧]シュツットガルトショールーム(ドイツ)・[新]アユタヤソリューションセンタ(タイ)/[旧]アユタヤショールーム(タイ)

「若い力に期待したい」 金型・東部支部新年懇親会開く 

日本金型工業会東部支部(支部長=牧野俊清氏)は、1月14日午後4時より都内の上野精養軒で新年懇親会を開催した。
懇親会開催に先立ち、特別講演として、山本聡機械振興協会経済研究所調査研究部研究員が「5年後の国内企業のあるべき姿」をテーマに講演した。



牧野俊清東部支部長
牧野俊清東部支部長
講演終了後、新年懇親会が開催され冒頭、牧野支部長が参会者に感謝の言葉を述べたあと、「本日は山本様から厳しいお話がありましたが、われわれがいかに後ろ向きでボヤいているか。今こそ心新たに考えて行かなければならないかと思います。従来通りの感覚ではなく、グローバルな展開も視野に入れて行かなければなりません。本日はソディック前社長でありました塩田様がお見えになっておりますが、現在、型技術協会で会員増強委員会の委員長を務めてらっしゃいます。先ほど山本先生のお話でもありましたが、われわれも型技術協会に参加したほうが良いのでは、というお話もありました。この会場内には型技術協会の方もいらっしゃいますので、お話していただけたら、と思います。今年の干支は今まで縮こまっていたものがワッと伸び元気になるということですが、逆にこんがらがってしまう側面があるともいわれています。われわれにとって新たな成長になってもらえばありがたいと感じています。ところで干支は60種類に分けられ60年を1周期としていますが、60年前に何があったかというと、朝鮮戦争が勃発しました。昨年、北朝鮮が韓国を攻撃したのは不思議なものですが、今年日本が新たな成長を遂げる素晴らしい年であるようにと願っています。金型工業会東部支部では若手中心組織である天青会の皆様方がグローバル展開を含め、新しいことに取り組んでおり、金型の新時代を築いてくれるのではないかと若い力に期待をしているところであります」とあいさつをした。


成長する余地はまだまだある

金子敬一素形材産業室課長補佐
金子敬一素形材産業室課長補佐
金子敬一経済産業省製造産業局素形材産業室課長補佐が都築直史同素形材産業室の代理としてあいさつをした。その中で、「昨年、金型工業会の上田会長に菅総理のもとの円卓会議に出席していただきました。金型の仕事をしながら感じたことは日本の金型は韓国や中国に負けてしまうのか、ということだったのですが、昨年2回、金型関係で海外に出張いたしましたが、韓国は海外から仕事を取って来ます。これは学ばなければならないということが感想です。欧州に行った時には、『これは勝てる』というのが感想でした。ライフワークバランスを重要視している欧州は労働時間が短いのです。日本のほうが我武者羅なので、視点を海外に向けると成長する余地はまだまだあります。きっと今年は良い年になると期待しています」と述べた。



勝本光久関東経済産業局製造産業課課長
勝本光久関東経済産業局製造産業課課長
続いて、勝本光久関東経済産業局産業部製造産業課課長が、「業界振興のみならず日本のものづくりを支えている皆様のご尽力を深く感謝します。外需以外、生産面で若干力強さに欠けるということで景況判断は横ばいとなっております。私どもも年末年始に20社ほどの企業様と景況感等の話をしましたが、景況感に差があるように感じます。さて、サポインの23年度ですが、まだ国会を通っていないので確約ができませんが150億円の予算が満額つきました。これは基盤技術が重要という認識のもとではないかと考えています。もうひとつはものづくり日本大賞が2月22日まで募集中です。内閣総理大臣賞、経済産業大臣賞、優秀賞とあるのですが、アンケートをしたところ、受賞されたところの8割が従業員のやる気が上がった、それ以上の9割が企業PRだけじゃなくビジネスもしやすくなったと応えています」とあいさつした。


既成概念を捨て生き残りを図る

上田勝弘日本金型工業会会長
上田勝弘日本金型工業会会長
上田勝弘金型工業会会長が、「金型業界は繁忙を極めている企業もありますが、一方、絶対量の仕事の不足により大変厳しい状況にある企業もあります。いよいよ金型業界も淘汰の時代になったのかなという感を抱いております。なんとかしてこの時期も生き延びてもらいたい。ところで、うさぎ年ということですが、実は草食動物のうさぎは愛嬌があって可愛らしい。うさぎは葉っぱを美味しそうに食べているイメージがあるのですが実はうさぎは肉食です。私は小学から中学までうさぎが好きで飼っておりましたが、うさぎが子供を出産したあと、生まれたての小さな子供見たさに、パッと灯りをつけて隠していた子供を見てしまったのです。すると、しばらくするとうさぎの子供の姿形がなくなっていました。親が食べてしまったのです。私は父に、大きくなるまで絶対に子供を見ちゃいかん、と言われていたのですがパンドラの箱を開けてしまったんですね。おそらくあのうさぎは空腹で子供を食べたのではなく、子供が外敵に襲われるのであれば、自分で食べてしまおうと思って食べたのではないかと思っています。また、モンゴルのツンドラ地帯に生息する馬は飼い主が撃って来たキツネやうさぎの皮を取られたあとの肉を食べる。草食動物のはずの馬は、食べるものがない冬だけ肉食動物に変わるのです。ツンドラ地帯に新芽が出る頃には、元の姿の草食動物に変わる。このように動物の生き残りの策がモンゴルにも展開されています。言えることは既成概念でうさぎや馬が草食動物であるということはないということで、生きるためには、なんらかの手を打って簡単に諦めてはいけないという1つの見本だと思っています。さて、菅総理の官邸にお伺いし円卓会議に参加しました。大手企業ばかりでしたが、経済産業省から金型産業からぜひ出席してもらいたいとの要請を受けました。一番問題になったのは法人税5%引き下げでしたが、法人税5%は儲けたあとのインセンティブです。儲からないものについてはなんのインセンティブもない。諸外国に比べ5%引き下げてもらっても、日本の法人税はまだ高いということ。菅総理大臣は5%を引き下げると1兆5000億の財源が生まれるので、これを大手の皆さま方に国内に投資をしてもらいたいという強い要望であります。ある大手の経営者は、『われわれは減税した分で投資し、国内の需要が増えるよう頑張ります』ということを言われていましたが、疑心暗鬼です。ある調査によると、そこで生まれた内部留保は70%まで投資するなら海外に投資をする、あるいは内部留保に留めておくという隠れた調査結果が出ています。ところで、先ほど山本先生のお話にあったとおり、韓国企業は元気がいい。私も韓国を調査しましたが、日本の金型が巧みに韓国企業に流れております。どういうことかというと韓国に金型を発注するのですが、テストも組立もいらない。検査記録だけでOK。お金はすぐ払いますから、ということで、痕跡も残さない。絶対に『どこの仕事をやったかを言うな』、『サンプルも渡さない』、という取引契約をやっている。私はそれを聞いた時に愕然としました。これは取引じゃなくて完全犯罪を狙っているんじゃないかと思うくらい異様な感じを受けました。これが現実に韓国で行われています。日本の真面目に協力したメーカーはたまったものじゃない。こういうことを日本の大手企業の外注担当はやるのかと義憤を感じて帰って来ました。しかし、そんなことは取引の自由ですが、実際に金型発注の流れがこのような方法になっている。日本の大手自動車メーカーは現地で調達できるものは全部現地でやる。『日本の金型を簡単に発注するな、コストが高い』という指令が出ております。私は日本の金型業界は淘汰の時代にさらされていると感じざるを得ません。ですから、特化技術、よそにマネのできない技術をやっていかなければなりません」とあいさつした。

第26回素形材産業技術賞 経済大臣賞を受賞したサイベックコーポレーションの平林健吾相談役が牧野支部長から記念品が贈呈された。

牧野二郎牧野フライス製作所社長の乾杯の発声で和やかな歓談がはじまり、宴もたけなわの頃散会した。

「一段飛躍の年に」 ベア工

日本ベアリング工業会(会長=本間博夫氏)は、1月14日午後5時より都内の東京プリンスホテルで新年賀詞交歓会を開催した。



本間博夫会長
本間博夫会長
冒頭、本間会長が参会者にお礼の言葉を述べたあと、「わが国の経済は設備投資に持ち直しの動きが見られるものの、輸出が減少しているなど景気は足踏み状態の感じが強くなっております。先行きにつきましても新興国の成長の下支えは期待されますが、円高やデフレなど依然として不透明な状態にあると言わざるを得ません。こうした中で、ベアリング業界では平成22年度、生産額を6200億円から6500億円、前年度比で2割弱の増加としております。今後も厳しい状況が予想されていますが、昨年1年間を振り返りますと、リーマンショックの反動増とはいえ、生産額が昨年1月から毎月連続して前年実績を上回り続けております。今年はこのトレンドに弾みをつけ、この目標を確実に達成し、さらには上乗せができるよう強く願っているところであります。本年こそは回復の道のりから、いよいよ一段飛躍の年にしたい。日本ベアリング工業会では、本年も山積する課題の解決に向けて積極的に事業を推進していく所存です。国際関係では、偽造品対策、米国との通商問題、ISOへの貢献などがあり、国内にあっては地球環境対策と中小企業振興があります。まず、偽造品対策については、1年前にジェトロ上海IPGにおけるワーキンググループを立ち上げたところですが、経済産業省のご指導をいただきながら、本年は活動を本格化したい。また、WTOでの通商問題となっております米国のゼロイングについては、なんとしても廃止に向け日本政府のリードをよろしくお願いします。さらにISOについては大きな潮流にあり、わがベアリング工業会はその本流の上にあるのではないかと思っています。ベアリング分野であるISO TC4の組織全体の再編が論議されており、その中で作業委員会の議長に日本が就任するということも提案されています。日本が議長国となることはベアリング分野でははじめてのこととなります。6月のブリュッセルの総会で決まる予定で、ぜひとも議長国に就任できるよう用意周到に対応したいと考えております。ベアリング産業を取り巻く環境は新興国の急激な発展や需要業界による海外生産のさらなる進展など目まぐるしい変化がおこっておりますが、日本ベアリング工業会としましては、ベアリング産業発展のため、ひいては日本のものづくり産業の発展のため、本年も前向きに取りむくとともに明るく邁進していきたいと思っています」とあいさつをした。


第1弾は法人実効税率5%引き下げ

鈴木正徳経済産業省製造産業局長
鈴木正徳経済産業省製造産業局長
来賓を代表して鈴木正徳経済産業省製造産業局長が、「本日、菅第二次改造内閣が発足します。私どもの大臣も大畠大臣から海江田大臣に変わりました。昨年の6月に菅内閣が発足して以来、内閣の一番の方針は新しい成長をどのように実現するかということで、新成長戦略を決め、かつ工程表をつくり、この成長戦略を絵に書いた餅にすることなく予備費、補正予算、そして23年度の税予算という第三段階の経済対策に取り組んできたところです。取り組んできた経済対策に5%の法人実効税率の引き下げを決定したことがあります。私どもは法人税の引き下げも5%はあくまでも第1弾と捉えており、第2段、第3段と投じていかなければと考えているところです」とあいさつをしたあと、和やかな歓談が始まった。



「X class& DMGショー」を開催 森精機

森精機製作所は、イノベーションデー “X class & DMG ショー”を2月10日(木)~12日(土)の3日間、伊賀事業所にて開催する。新機種11台、独国ギルデマイスター(以下DMG)社機6台を含む全31台の展示と、各種イベントを予定している。

■出展機
高精度・高品質・高信頼性を誇るプレミアムマシンである新機種X classや、昨年開催のJIMTOF2010に出展していない機種も多数展示する。また、5軸加工や、レーザ加工、超音波加工など多彩な加工方法を提案するDMG機もラインアップする。

■工場見学、セミナー、各種イベント 
展示会期間中は、工場見学や開発担当者が機械の特徴を解説するセミナーを開催する。来場者にはもれなくプレゼントを用意、さらに期間中にX classを成約すれば森精機認定周辺機器(MSQP)購入クーポン50万円分を進呈する。

NLX2500SY/700
NLX2500SY/700

12月分工作機械受注総額は988億円 日工会

日本工作機械工業会がまとめた12月分の受注実績は以下の通り。2010年12月分工作機械受注総額は988億円(前月比+2.2%・前年同月比+64.0%)となった。【12月分内需】315億円(前月比+1.9%・前年同月比+78.7%)① 一般機械  111億円(前月比△19.5% 前年同月比+72.7)  うち金型   14億円(前月比△2.1% 前年同月比+12.4%)② 自動車  91億円(前月比+0.4% 前年同月比2.4倍)  うち部品 62億円(前月比△5.7% 前年同月比2.2倍)③ 電気・精密 43億円(前月比+22.1% 前年同月比2.1%)④ 航空機・造船・搬送用機械 33億円(前月比2.2倍 前年同月比3.1倍) 【12月分外需】673億円(前月比+2.3%・前年同月比+57.9%)①アジア:384億円(前月比△1.6% 前年同月比+32.1%)・東アジア:312億円(前月比△4.5% 前年同月比+35.7%)〈韓国〉:44億円(前月比+54.2% 前年同月比2.6倍)〈中国〉:255億円(前月比△8.2% 前年同月比+25.8%)・その他アジア:71億円(前月比+13.5% 前年同月比+18.1%)〈インド〉:25億円(前月比+75.8% 前年同月比2.4倍)②欧州:116億円(前月比△8.6% 前年同月比 2.1倍)〈ドイツ〉:49億円(前月比+5.9% 前年同月比4.2倍)③北米:157億円(前月比+27.8% 前年同月比2.3倍)〈アメリカ〉:141億円(前月比+21.3% 前年同月比2.4倍)

11月分産業機械受注状況および輸出契約状況 

産業機械工業会がこのほどまとめた平成22年11月分の産業機械受注状況および輸出契約状況は以下のとおり。11月の受注は3429億7700万円、前年同月比113.1%となった。【内需】内需は1955億8500万円、前年同月比125.5%となった。内需のうち、製造業向けは前年同月比119.0%、非製造業向けは同128.3%、官公需向けは同131.6%、代理店向けは同122.0%であった。増加した機種は、ボイラ・原動機(173.1%)、鉱山機械(119.5%)、化学機械(108.3%)、プラスチック加工機械(139.3%)、圧縮機(125.0%)、運搬機械(126.2%)、変速機(152.6%)、金属加工機械(156.9%)、その他機械(120.4%)の9機種であり、減少した機種は、タンク(85.6%)、ポンプ(91.9%)、送風機(88.8%)、の3機種であった。【外需】外需は、1473億9200万円、前年同月比100.0%となった。プラントは3件、294億円、前年同月比91.9%となった。増加した機種は、ボイラ・原動機(383.6%)、鉱山機械(1225.2%)【約12倍】、プラスチック加工機械(127.2%)、ポンプ(155.5%)、圧縮機(178.8%)、送風機(347.8%)、運搬機械(188.4%)、変速機(137.4%)、金属加工機械(534.8%)、その他機械(311.1%)の10機種であり、減少した機種は、化学機械(25.3%)、タンク(62.4%)の2機種であった(括弧の数字は前年同月比)。●11月分産業機械輸出契約状況は以下のとおり。11月の主要約70社の輸出契約高は、1385億5700万円、前年同月比99.6%となった。プラントは3件、294億円、前年同月比91.9%となった。単体は1091億5700万円、前年同月比102.0%となった。地域別構成比は、アジア72.6%、アフリカ7.5%、%、ヨーロッパ7.2%、北アメリカ5.8%、中東4.1%、オセアニア1.2%となっている。

大きな利益をアジア市場の成長とともに OSG

切削工具メーカーのオーエスジー(社長=石川則男氏、愛知県豊川市)は、1月14日午前11時30分より豊川市内にある同社GTセンターで新年賀詞交歓会を開催し、取引先を含め多数の来場者で賑わった。

石川則男社長
石川則男社長
冒頭、石川社長がお礼の言葉を述べたあと、「世界同時不況から2年あまりが経過いたしました。世界経済は各国の政府の景気浮揚策、そして中国を中心とする新興国経済の発展、また、スマートフォン、電気自動車等の新技術、新製品といったものが次々と発売されたことによって、世界経済は着実に回復の道を歩んだと思います。一方、私どもの国内製造業に目を向けますと、思いがけず円高が長期化いたしまして、製造業の海外移転はますます進んでいる状況です。そんな中、特に製造業の中小企業はまだまだ大変厳しい状況であると認識しています。そのような中、弊社の2009年度は、上場以来、営業赤字という大変厳しい状況に陥りましたが、2010年度は本日お集まりになられた皆様方の多大なるご支援、ご協力のお陰でなんとか最悪期から脱出することができました。そして1月11日に発表させていただいた数字ですが、売上高、695億円。これは対前年比130%でした。利益面ですが、営業利益が75億円、経常利益67億円、純利益37億7000万円と、お陰様で黒字化を達成することができました。また、財務状況ですが、有利子負債を139億円減少させました。この主な理由は営業キャッシュフローで140億円を創出することができました。結果的にはフリーキャッシュフローも85億7000万円と大きく改善することができ、この財務内容を糧に、2011年度は前向きな投資を行う環境が整ったと考えております。また、先日、決算と同時に発表させていただきました中期経営計画では、次の成長を見越して3つの拡大を推進するために新たな投資を行います。3つの拡大は、まず1番目として重要顧客産業の拡大、これは自動車産業に弊社は大変お世話になっているのですが、自動車産業以外の顧客のグループをいかに拡大していくかということです。2つめは、アジア市場での受注力の拡大、これは生産能力も含め、提案力、アフターサービスといった総合力の受注力を拡大していこうと考えております。3つ目は製品のラインナップの拡大ということで、弊社の営業でのスタイルも大手のお客様のアプリケーションをピンポイントで攻めるということに少しずつ変わり、その製品のラインナップを拡大したいと思っています。また、将来の投資の原資である利益はタップ、転造工具といった弊社がまだ優位性を保っている製品をさらに断とつさせ、ここで大きな利益をアジア市場の成長とともに生み出していきたいと思います。そしてその利益を顧客開拓、新製品開発、ものづくりの技術の改善・革新に投資することで長期的な成長を可能にしたいと考えております。今期はすでにはじまっていますが、この2011年中期計画の1年目として、売上高750億円、営業利益100億円、経常利益92億円、純利益52億円を予定しております。お客様に愛されるオーエスジーを目指して、そして皆様とともにこの業界の中で、チャレンジする心を忘れずに社員一同邁進する所存でございますので、今まで以上に皆様のご支援、ご鞭撻をお願いするものであります」とあいさつをした。


出稼ぎをする覚悟はあるか

大沢輝秀会長
大沢輝秀会長
続いて大沢輝秀会長が、「リーマンショックという世界経済を痛めつけたショックを乗り越えて、日本が相変わらず厳しい中でいると理解しています。豊川市は地元の経済界であり地方経済です。大都会にいると大企業が多いのですが、日本経済は大企業がまわしているところが見受けられ、大企業を中心に考えると日本経済が良くなっていると実感しています。ところが地方を見てみますと、大変厳しい状況が相変わらず続いています。リチャード・クー氏の最新レポートを読みましたが、興味深いことに日本経済はまだまだ捨てたもんじゃないとありました。i pod、i pad、i phoneを例にとりまして、この中身を調べたところ、たとえばI padという製品は世界でみんなが欲しがっていて、この中身が34%全て日本製だとしています。そして14%が台湾の産業がそれを支えている。12%が韓国製です。そして中国で組み立てている。よくよくみると、デザイン等はアメリカのアップルが行っているのですが、マニュファクチャード・バイ・チャイナになっている。このバイ・チャイナはジャパンであるべきだと言っています。組み立てに使われている中国は6.4%。中国で稼いでいるのはたったの6.4%だということ。これらの製品は単価が一番高いのは約8万円弱、安いのは4万9800円くらいで買えるわけですが、この大きな数字からみたのは6.4%は中国が組み立てコストに使っているということで、これはどう考えても中国製ではなく、日本製だ、としています。最近は日本がガラパコス化するとも言われていますが、その中で製品は高級品化しているのが現状です。私は社内にこういう風にいっています。私どもの会社のことを私は地球会社と表現しているのですが、『オーエスジーは地球会社だぞ、みんな出稼ぎをする覚悟はあるか』と、私は社内に問いかけています。日本の現状を問いかけたときに、少子化はもう始まり、日本国内マーケットはかつて1億2700万が隆々としていたのですが、世界を見渡せばアジアが25億、30億がマーケットです。このような中で稼ごうと思うと、今後日本でやっていくのは困難であるというのが私の見方です。どういうことかというと、昔、雪深いところで冬場に仕事ができなくなると出稼ぎをやるというものの考え方が日本にあった。同じような考え方が、例えばフィリピンの最貧国に近いところでは自国に仕事がないから外に出て行ってメイドさんになって本国に送金するというような出稼ぎですが、日本がやれるパターンは、現在、個々が勉強して外に目を向け、たとえば世界の金融界で働くという非常にグローバルな状態になっている。これをやれる人はやる。これは個人的なことですが、今後は、会社が現地に出ていって現地で稼いでそれを日本へ送金するという、こういうパターンがどんどん増えていく。これからは出稼ぎの時代であると思っています」と挨拶し、途中、プロバスケットボールチームの「浜松・東三河フェニックス」の中村和雄コーチが壇上に立ち、選手の紹介をした。
浜松・東三河フェニックス
浜松・東三河フェニックス



新機軸を打ち出していく

吉井亨 山善社長
吉井亨 山善社長
続いて取引先を代表して、吉井亨山善社長が、「先ほど石川社長が前期の決算報告がありました。増収30.4%、695億円、それから損益各項目黒字転換ということでまさにV字回復だと思っております。そしてバスケットのpjリーグですが、山善もスポンサーとさせていただいております。22勝2敗、まさに組織力だと思います。誰かが飛びぬけるんじゃなくて、みんなの力でやっておられる。まさに組織力です。オーエスジーが標榜されている地球企業、まさに世界力、そして、専門力。われわれは専門商社ですし、オーエスジーさんも専門企業です。専門力をさらに高め、そして最後は組織力。世の中の変化変動に対応するためには新機軸だと思っています。過去と同じことをやっていれば必ず企業は衰退をいたします。常にイノベーションを起こして、新しいものに挑戦する。これは企業が存続する、発展する条件だと思っています。われわれも変革し、新機軸を打ち出していかなければならない。そのためのイノベーションをおこしていきたいと思います」と挨拶をし、続いて鏡開きが行われた。[(注)吉井山善社長の吉は土よし]

乾杯の発声は三橋誠テヅカ社長が行った。この中で、三橋テヅカ社長は、「今年はうさぎ年ということで、日本経済も跳ねる、飛ぶと言われています。日本経済も光が見え、エサのあり場も分かって来ました。日本の製造業が脱兎のごとく飛び跳ねて今年中には先行グループに食いついていきたい」と挨拶をし、和やかな歓談が始まった。

森精機 グローバルパーツセンタを奈良に移転

森精機製作所はこのほどグローバルパーツセンタを伊賀事業所(三重県伊賀市)から奈良事業所奈良第2工場(奈良県大和郡山市北郡山町)に移転し、業務を開始した。

移転の理由は、①ドイツ ギルデマイスター社(以下DMG)との販売・サービス提携を開始し、国内でDMG機を使用されているお客様のサポート体制の強化を図るために、DMG機のスペアパーツの増強を行なうため、②伊賀において数箇所に分散していたスペアパーツの保管場所を1ヶ所で集中管理するため、③集荷業者の荷物の引受け時間が伊賀より遅く、また関西国際空港にも近いことから、物流の利便性がアップするため。

スペアパーツの保管場所については、従来の建屋を活用し、さらに移動棚を導入して移転前と同じ約12,000㎡の広さを確保した。なお、スペアパーツ移送費用も含み総投資額は約5億円。また、移転により約30名の新規採用を行なった。

パーツ部門の年商は連結ベースで約200億円。 主要国では受注後24時間以内発送率を90%以上で維持している。これからも奈良・ダラス(アメリカ)・シュツットガルト(ドイツ)・上海・シンガポールの各パーツセンタと連携し、全世界の10万件の顧客に対応するとしている。

グローバルパーツセンタ内
グローバルパーツセンタ内

なお、森精機ではこのほど、世界各拠点のサポート範囲を明確にし、全てのお客様に万全のアフターサービスを 実施するために、各拠点のパーツセンタの名称を変更した。
・新>グローバルパーツセンタ(日本)/旧> パーツセンタ(日本)
・新>欧州パーツセンタ(ドイツ シュツッガルト)/旧>ドイツパーツセンタ(ドイツ)
・新>欧州パーツセンタ(アメリカ ダラス)/旧>ダラスパーツセンタ(アメリカ)
・新>中国パーツセンタ(中国 上海)/旧>上海パーツセンタ(中国)
・新>東南アジアパーツセンタ(タイ アユタヤ)/旧>タイパーツセンタ(タイ)

同社では特に中国および東南アジア地域での、受注後24時間以内のパーツ発送率を日本・米州・欧州同等の95%以上とするため、スペアパーツの在庫を強化するとしている。

「今年は良い年になる」 輸入協会

日本工作機械輸入協会(会長=千葉雄三氏)は、1月13日午後6時より都内の第一ホテル東京で新年賀詞交歓会を開催した。



千葉雄三会長
千葉雄三会長
冒頭、千葉会長が参会者にお礼の言葉を述べたあと、「新年が明け、様々な賀詞交歓会に出席いたしましたが、皆様が今年は良い年になるとお話しておりました。私ども輸入協会内でも良くなってきたと聞いており、私自身もそのように感じております。この円高のお陰で輸入機械は3割以上、金額が安くなりました。しかしながら、円高になると輸出企業が苦しくなり設備投資意欲が衰え、市場が縮小してしまう懸念があります。3割機械が安くなったところで需要がなければ売れません。日本企業は今、もう設備投資を我慢できない状況だと思いますが、現在、数字や事例が“今年は良い年になる”と示しております。頑張りましょう」と挨拶をした。





新しい一歩を踏み出せる年に

藤木俊光経済産業省製造産業局産業機械課長
藤木俊光経済産業省製造産業局産業機械課長
来賓を代表して、藤木俊光経済産業省製造産業局産業機械課長が「過去2年、大変経済状態が厳しい中でご苦労され、今年はその苦労が実って新しい一歩を踏み出せるような年にできたら良いと思っております。経済の発展や産業の成長というのは民間企業の皆さまが培われてきたノウハウや積み重ねの上で成り立っています。われわれとしても精いっぱい後押しをさせていただきたい。産業構造ビジョン、新成長戦略という名のもと、ビジョンづくりを進めて来たわけですが、今年それを実現する年になります。手始めに法人税の減税があり、実効税率5%引き下げについて取り組んでいます。FTAについても大いに進めていかなければならない。その他、日本初の技術で世界を相手にビジネスチャンスを広げていただきたく、そのためには、まず、国内でしっかりモノをつくる基盤をつくることが重要だと思っています。まさに過去2年、どの産業でも皆様、設備投資をやや控えられてグッと我慢されてきた。やはりグローバルマーケットで勝負していくためには、日本で最高水準の効率性と最高水準の品質を作りだす産業基盤をつくり、その中で、積極的な投資を促していかなければならないと思っています」と挨拶した。

アラン・ヘルド在日アメリカ合衆国大使館上席商務官の乾杯の発声で和やかな歓談がはじまり、宴もたけなわの頃散会した。