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DMG MORI 「技能五輪国際大会2024を支援」

DMG MORIが、2024年9月10日~15日にフランス・リヨンで開催された「第47回技能五輪 国際大会」への支援を行った。同社は、ターニングセンタ「CTX 350」を14台、5軸加工機「DMU 40 Plus」を15台の合計29台を提供した。大会には、世界中から1,400人の若き技能者が集まり、技術を競い合いあった。
この大会は参加各国における職業訓練の振興と青年技能者の国際交流、親善を図ることを目的としており、同社は、大会への機械提供や現場での技術サポート、競技者のための訓練コースの実施などを通して継続的に支援している。
同社のイレーネ・バーダー取締役は、「若き技能者の素晴らしい成績を称えることができ、 大変光栄です。若手人材は、製造業の未来を形作る重要な役割を担っています。当社は長年にわたるパートナーであり、新進気鋭の技術の振興に携われることを嬉しく思います。技能五輪は情熱と技能に重きを置かれており、当社にとっても大きなチャンスです。共に技術の未来を切り開き、次世代の人材に刺激を与え続けたいです。」と話し、CNCフライス盤職種の勝者へメダルを授与した。
同社は2007年に技能五輪国際大会への支援を開始し、当初はメインスポンサーを務めていたが、2016年からは主催団体であるWorldSkills Internationalのグローバル・インダストリー・パートナーとして支援を行っている。DMG MORI ACADMYのヤン・メレンホフ マネージング・ディレクターは、「工作機械業界のイノベーションリーダーとして、当社はCNC旋盤、CNCフライス盤、アディティブ・マニュファクチャリングの分野において、技能五輪を支援するために必要な経験と技術があります。」と話す。
同社は、技能五輪国際大会への積極的な取り組みを通して、マシニング・トランスフォーメーション(MX)に 必要な高度な人材育成に大きく貢献しており、特に若手技能者にとって、MXの柱である工程集約、自動化、デジタル・トランスフォーメーション(DX)において、専門家のサポートは重要な役割を果たす。
同社は、2026年に開催される中国大会、2028年の日本大会へも機械提供を行う予定。
天田財団 2024年度前期 研究開発・国際交流・技能検定受検手数料助成先を決定
天田財団(理事長=伊藤克英氏)が、このほど、2024年度前期の助成先を決定したと発表した。
1.研究開発助成・国際交流助成
助成先総数は108件、助成金総額は2億9,211万円となった。内訳は、研究開発助成87件、2億7,590万円、国際交流助成21件、1,621万円。
1987年(昭和62年)の創立以来、37年間で累計助成件数は2,342件、助成金総額は42億8,018万円となった。なお、今回決定した助成先研究者に対して、11月30日(土)にAMADA FORUM(神奈川県伊勢原市)において、助成金目録を贈呈する「天田財団助成式典」を開催する。また、10月1日より国際交流助成を後期助成先として追加募集をしている。

2.資格取得助成(技能検定受検手数料助成)
助成対象の資格として、職業能力開発促進法施行令で指定され都道府県職業能力開発協会が実施する国家検定である「工場板金」「金属プレス加工」および「非接触除去加工(レーザー加工作業)」の技能検定受検手数料に助成した。
助成先人数は93 名(34団体)、助成金総額は171万円。内訳は、金属プレス加工が助成先人数49名(17団体)、助成金額は100万円、レーザー加工作業が助成先人数44名(17 団体)、助成金額は71万円。
2019年(令和元年)以来、5年間で累計助成先数は1,948名(641団体:1,945名、個人:3名)、助成金総額は3,275万円となった。なお、2024 年度後期の助成先募集は10月1日より開始している。

DMG森精機が社員の制服をリニューアル ~安全性、耐久性、機能性、デザイン性を備えたブルゾン、パンツを採用~

DMG森精機が、このほど事業所社員の制服を大幅にリニューアルした。同社では、「お客様に高品質な製品・サービスを提供し、企業として持続可能な成長を実現するための最も重要な基盤の一つは、社員のモチベーションを常に高く保ち、イノベーティブな集団であり続けること。」と考えており、社員にとって、毎日着用する制服が果たす役割は大きく、従来からの作業着としての安全性や動きやすさは継承しながらも、耐久性と機能性を向上させてデザイン性を追加することにより、社員が安全に、そして生き生きと働くための制服へと生まれ変わらせることを目指している。
今回の新制服は、主に同社の伊賀事業所、奈良事業所に勤務する製造、アプリケーションエンジニア、開発と、全国各地の顧客の修理復旧を行うサービス担当者などの実際に機械に触れる業務を行う社員を中心に、合計約2,200名を対象に配布している。
デザインと製作は、同社が2018年に発足したプロセーリングチーム「DMG MORI SAILING TEAM」にて、白石康次郎選手をはじめとするチーム着用の完全オリジナル競技用ウェアを提供するゴールドウインのセーリングブランドであるヘリーハンセンが担当した。チームウェアの荒波や嵐の中でも耐え得る耐久性と機能性、先の見えない厳しいレース状況下でも前向きに着実に進み続ける力強さを感じるデザインを新制服に展開している。
ブルゾンには、同社の主力製品である5軸加工機から着想を得た、黒と、白に近いライトグレーを用いた鋭角な切り返しのあるデザイン、ヘリーハンセンが得意とするスポーツウェアとしての動きやすさや着心地の良さ、制服として必要な機能を全て兼ね備えるデザイン。
特にこだわったのは、袖のリブに3パターンの編み方を織り交ぜることで、複雑で緻密な機械加工のイメージを表現している点だ。また、襟は折り曲げても、立てたままでもおさまりの良いサイズとし、ファスナーを襟下までとすることで、社員がそれぞれ好みのスタイルで着用できる仕様にした。
背面には、DMG MORI SAILING TEAMのウェアではなくてはならない視認性を確保するためのリフレクト素材を配置し、蒸れにくいベンチレーション仕様を施し、動きやすく、動いても音が出にくいストレッチ素材を採用している。
新制服の完成度を上げるために、複数部署の社員に試作品を配布し、実際に1週間着用して通常勤務をし、自宅で洗濯をしてもらい、着心地や動きやすさ、扱いやすさ等を検証することで、改良を重ねた。
同社では、「よく遊び、よく学び、よく働く」の経営理念のもと、決められた総労働時間の中で高いアウトプットを発揮し、全社を挙げてTQMを推進し品質を徹底的に向上させ、持続的な成長を実現しいく方針。
DMG MORISAILING TEAM 白石康次郎選手 過酷な単独無寄港世界一周ヨットレース 「Vendée Globe(ヴァンデ・グローブ)2024」に向け壮行会


DMG MORI SAILING TEAM 白石康次郎選手が世界で最も過酷な条件のもとで行われるといわれている「Vendée Globe2024」に参戦するにあたり、10月3日、パレスホテル東京(東京都千代田区丸の内)で『DMG MORISAILING TEAM「Vendée Globe」壮行会』が開かれた。白石選手が出場するVendée Globeは、4年に1度開催され、単独無寄港で世界一周を目指すヨットレースであり、性別、年齢、身体の自由や不自由は一切関係ない。白石選手は、本年11月10日にフランス・レ サーブル ドロンヌをスタートする。
今回の走行距離4万5,000km、参加選手は11カ国から40人(男性34人、女性6人)が参加する。8位以内を目標に、白石選手が操作するDMG MORI Global One 号は、今回、バウを5m切って付け替え、直線的だった羽も湾曲させてよりスピードをあげるために改造している。
DMG MORI SAILING TEAMのオーナーである森 雅彦 DMG森精機社長は、あいさつのなかで、「2018年にセーリングチームを立ち上げた。2020年に新艇をつくり、途中で課題もあったが完走した。その一方で、改善・改良が必要になった。去年、一昨年と多くのレースに参加し、船も白石選手も良い状態に仕上がっている。白石選手が気持ち良く来月出港できるように、また、安全に戻って来られるよう祈念したい。」と述べた。

続いて白石選手が日頃の感謝の意を表したあと、「皆様の顔を見て、また行くんだな、という気持ちになった。前回はパンデミックの影響でクルーとの接触も禁じられ、苦しいスタートだった。前回は心臓の手術をしたあとだったので、よくあの状況でやってこられたな、と思っている。今回は全力で皆さん頑張っており、船の状態も非常に良い。DMG MORI Global One 号はずいぶん走っているが、現在20名がひとつの目標に向かって頑張っている。若い時に、どうしてもVendée Globeに出たかった。前回、皆に支えられ、夢の新艇を持てて、夢のフィニッシュができて、こんなに幸せなことはなかった。皆様に感謝とお礼を言わせて頂きたい。」と述べた。
鏡開きのあと、同チームと親交のあるTUBUの前田亘輝

東京大学とシンコーホールディングスが社会連携講座「地下環境の持続可能な開発のための工学」を共同開設
東京大学大学院工学系研究科(研究科長:加藤泰浩氏)とシンコーホールディングス(社長:吉田香太郎氏)は、このほど、社会連携講座「地下環境の持続可能な開発のための工学」を共同で開設したと発表した。この講座では、地下の環境汚染の除去、拡散防止、動態の理解、およびモニタリングについて、以下のようなバイオ・環境・土木などの分野融合的な工学研究を行っていく。(1)地下環境の原位置除染技術の開発 バイオ電気化学的システムなどを用いた難分解化合物の分解や金属イオンの低毒化・不働態化を原位置で促進する技術の開発を行う。(2)地下環境の汚染拡散防止技術の開発 バイオセメントを利用した土壌固化、汚染物質封入と拡散遮蔽技術、および高付加価値セメントの開発を行う。(3)地下環境の汚染動態の理解 ミクロ(汚染物質と微生物の反応、難分解化合物の代謝など)、メソ(汚染物質の流動挙動の解析)、マクロ(実環境のモニタリング、流動シミュレーションによる汚染物質の動態)の各スケールで地下環境の汚染物質の動態の理解に取り組む。(4)地下環境の汚染検出技術の開発とDX化 地下の環境汚染の高感度・簡便なモニタリング・検出技術、及び統計やAIを利用した評価手法の開発とDX化を行う。この講座の活動を通じて、地下の環境汚染の検知・理解・対策のための分野融合的な研究・技術開発を実施し、地下の環境問題対策の拠点創成に取り組み、さまざまな環境対応に関わる技術習得と教育の充実を通し、環境問題に対応できる専門人材の育成に努めるとしている。 〈社会連携講座の概要〉講 座 名:地下環境の持続可能な開発のための工学(Engineering for Sustainable Development of Subsurface Environments)設置期間:2024年10月1日~2027年9月30日(3年)代表教員:小林 肇 東京大学大学院工学系研究科附属エネルギー・資源フロンティアセンター 准教授
日本工作機械工業会 自動化を普及・促進するための3Dマトリックスソフトをリリース!
日本工作機械工業会(会長=稲葉善治 ファナック会長、以下日工会)は、このほど製造現場の⾃動化を普及・促進するため、⾃動化に必要な⼯作機械や周辺装置の仕様や機能を3D マトリックス形式でまとめたソフトウエアを同会ホームページ上にリリースした。社内で⾃動化について検討を⾏う際や、ユーザとの⾃動化の打合せを⾏う際に、このソフトウエアを利⽤すれば同⼀指標に基づいた意⾒交換を⾏えることにより、効率的かつ効果的な⾃動化の実現が期待できる。
↓URLはこちら↓
https://jmtba.or.jp
生産システム自動化レベルの基準
このソフトを開発するにあたり、日工会では「少⼦⾼齢化や慢性的な労働⼒不⾜が深刻な課題となっており、これらの課題に対処するためには、⽣産性の向上や効率化が不可⽋であり、その⼿段として⽣産⾃動化が注⽬されている。当会では、製造現場におけるデジタル化やIoT 化、スマートマニュファクチャリングの実現に向けて、⼯作機械ユーザの⾃動化
要求への対応や、⼯作機械メーカの⾃動化への取組みの底上げを図る⽬的で、今後製造される⼯作機械を対象として、機械、周辺装置を含む⽣産システムについて、システムの規模や省⼈化・無⼈化の⾃動化レベルに応じた⼯作機械及び周辺装置の仕様・機能の指針を策定致し、3次元マトリックス形式の表記にまとめた。」としている。
今回、生産システムの自動化レベルの基準を設け、日工会では、自動車の自動運転のように自動化レベルの基準を定義し、工作機械メーカ、ユーザ双方が自動化に取り組む指標を示すことにした。
それによると、生産システムの自動化レベルを1~5の5段階に分け、生産工程の主体が「人」か「システム」かで分けて定義付けた。同工業会によると、「自動化の根ベルト技術的難易度は必ずしも一致したものではなく、技術の進歩により変化すると考えられる。なお、全ての生産工程を「人」が作業する状態を「レベル0」とし、今回の自動化レベルの基点としている。
●レベル1:ワーク等搬送の⾃動化
⽣産準備の⼀環として、AGV(⾃動搬送装置)、AMR(⾃⽴⾛⾏搬送ロボット)等を⽤いて、⼯作機械本体の近くに⼯作物、⼯具、治具等を⾃動的に配置する等、加⼯前に⾏う諸作業の⾃動化を⽰している。
●レベル2:加⼯の⾃動化
チャック⽖や⼯具情報の⾃動登録、加⼯プログラムの⾃動作成等の加⼯⼯程に直接関係する⽣産準備や加⼯状態の⾃動確認、⼯具刃先の⾃動確認、切屑の⾃動認識と⾃動清掃等、加⼯⼯程中の諸作業の⾃動化を⽰している。
●レベル3:検査の⾃動化
機械からのワークの⾃動取り出し、ワークの⾃動搬送、機内外の⾃動計測等、検査に関する諸作業の⾃動化を⽰している。
●:レベル4品質保証の⾃動化
検査データを分析し、分析結果を「加⼯」に修正指⽰し、修正に基づいた「加⼯」を⾃動実⾏することを⽰している。
●レベル5:完全⾃動化
全ての⽣産⼯程が、「システム」によって稼働し、「⼈」が全く介在しない状態を⽰している。
3次元マトリックスソフトの概要
日工会では下記の要領で3次元マトリックスソフトを整理している。

■第1軸:施設規模
・機械単体
・SMC(シンプルマシニングセル)
・FMC(フレキシブルマシニングセル)
*SMCは機械1台+ロード・アンロード装置1台を想定。FMCは機械複数台+ロードア・アンロード装置を複数台想定。
■第2軸:生産工程
生産設備、加工、検査、保守の4つの大きな分類。(ここでは保守の定期検査は含まれない。)
■第3軸:自動化レベル
レベル1:ワーク等搬送の⾃動化
レベル2:加⼯の⾃動化
レベル3:検査の⾃動化
レベル4:品質保証の⾃動化
レベル5:完全⾃動化
3次元マリックスソフトのキューブの各⾯にカーソルを合わせてクリックすることで、各⽣産⼯程と各施設規模の⾃動化レベルの指標となる仕様や機能の詳細が表⽰される。また、仕様や機能は、ハード系(メカ系、電気系、物理系等)機能、ソフト系(通信、情報のやり取り等)機能、情報(ソフト系で⽤いる情報・データ等)系機能と分けて表⽰される。
牧野フライス製作所 5軸制御横形マシニングセンタ「a500iR」の販売を開始

牧野フライス製作所は、このほど5軸真制御横形マシニングセンタ「a500iR」の販売を開始した。
同社によるとこの機種は、「近年、労働人口の減少、国際情勢によるサプライチェーンの見直し、カーボンニュートラルへの対応など、急激に変化する事業環境への対応が求められていることから顧客ニーズも多様化し、従来よりも更なる生産性の向上、新しい価値の創出を迫られています。この様な背景のもと、省人化・工程集約へ対応する新たな5 軸加工機を開発致しました。5 軸加工機でも高い加工精度と俊敏性を犠牲にしない機械構造を採用し、幅広い業種・従来機よりも大きな対象加工物において高能率な加工を提案致します。」と意気込みをみせる。
幅広い業種に貢献
「a500iR」の主なメリットは、①高い生産性の機械構造、②確実な切りくず処理、③経済性/環境への配慮、④作業性、⑤自動化対応――――だ。
機械本体構造は、同社部品加工機として長年の出荷実績がある「a-nx」シリーズの信頼性のある機械構造を採用し、5軸加工で高い加工精度と俊敏な動作を実現するために、B軸ロータリテーブル上にC軸ロータリテーブルを搭載する構造を採用している。加工反力を効率的に受けるスラントコラム構造と高剛性B/C軸ロータリテーブルの組み合わせにより、高い加工能力を実現する。また、B軸の旋回範囲を-110~+180°まで広く確保し、複雑な加工形状に対応、工程集約に寄与する。
さらにB、C軸を構成する素材、ベアリング、パレット把持部の剛性を強化することで、工作物寸法積載質量の制約を改善し、従来よりも幅広い業種・材質の加工が可能となった。また、パレットクランプを従来機2点から4点へ拡大し、重い工作物の高能率な加工を実現した。C軸ロータリテーブル内部には変形調整機構を内蔵することにより、工作物の質量に応じてテーブルの変形(傾き)を改善し重量工作物積載時にも高い加工精度を実現する。(特許取得済み)

主軸は、同社部品加工機「a-nx」で実績のある14,000回転主軸を採用している。14,000回転までの立ち上がり時間を1.6秒~1.2秒に高速化(従来比25%向上)、高速回転時の出力40%アップ、低速でのトルクも向上した。これにより、非切削時間・切削時間が短縮され、鋳物の重切削やアルミの削り出し加工等で生産性の向上に寄与する。また、従来機よりもストロークを拡大し、重い工作物の加工を可能とする一方、俊敏性も従来機に対して向上させた。
さらに、工具長510mmの長い工具を使用することが可能で、深物の工作物への加工や深穴加工が可能となり工程集約に寄与し、加工能力については4軸横形マシニングセンタ同等を実現している。5軸加工機では犠牲になりがちな加工能力を堅牢な機械構造と抗豪勢なB/C軸テーブルを用いることで改善した。
切りくず処理にも工夫がなされており、加工室内を洗浄するシャワークーラント、テラス洗浄クーラントに加え、切りくずが堆積しやすいC軸ロータリテーブル下部にクーラントを流し、切りくずを洗浄する。除去された切りくずはテーブル直下のセンタトラフへ運ばれ、速やかに機外へ排出される。
環境負荷低減! 自動化にも貢献

eSTABILIZER(厳密な工場空調がない環境においても安定的に高い加工精度を実現する機械制御機能)、省エネルギー機能(各補器類の運転を最適化)を搭載し、工場での空調にかかる消費電力、補器類含む機械自体の消費電力を削減するうえ、作業性にも配慮したつくりになっている。
加工中のパレットをテーブルが垂直に把持する機械形態でありながら、パレット交換したワークの段取り位置ではパレットが水平状態となり水平段取りが可能。搭載可能な工作物が従来機よりも大きく、重くなったもののクレーンを使用した工作物や治具の搬出入が可能で、容易に工作物の設置・脱着が行える仕組みである。
また、自動化へも対応しており、長時間の連続運転、5 軸加工による工程集約に対応するため、標準仕様での工具収納本数を従来機の60 本から90 本に増強している。パレット上への油空圧供給(スルーパレット油空圧供給)によるワーク把持、パレット搬送システム、パレットマガジンにも対応し、自働化・省人化に寄与する。
DMG森精機 ミュンヘンに欧州本社 起工式を開く

DMG森精機(社長=森 雅彦氏)が2024年9月10日、バイエルン州の州都であるミュンヘン北部で 欧州本社の起工式を開いた。
起工式には、森社長をはじめ、バイエルン州経済・地域開発・エネルギー省のトビアス・ ゴットハルト政務次官、ミュンヘン市経済担当顧問のクレメンス・バウムゲルトナー氏、在ミュンヘン日本国 総領事館の別所 健一総領事、JETROミュンヘン事務所の鷲澤 純所長ら来賓、関係者が出席した。
ミュンヘン欧州本社は2026年以降に開所予定で、同社欧州最大の開発・生産拠点であるドイツ・フロンテン工場にもほど近く、欧州の各拠点へのアクセスや世界各地へのフライトでの利便性も良いことから、国際的な 交流の場となる。1階のショールームには、最新の製品・技術を設置し、顧客との商談やトレーニング、 ショールーム見学にも活用する。
起工式で森社長は、「このたびの着工を大変喜ばしく思います。当社はグローバルなテクノロジー企業として、世界中に拠点を 構えていますが、欧州本社としてミュンヘンを選んだのは、欧州市場、ビジネス拠点としてのドイツへのコミットメントを強く示すためです。欧州本社は、お客様・パートナー・社員にとって中心的な拠点となります。」とコメントしている。
三菱マテリアル 小物高精度部品内径加工用工具「ステッキィツイン」にスリーブ76アイテムを追加発売

三菱マテリアル 加工事業カンパニーがこのほど、小物高精度の内径加工において剛性と精度を両立した工具として長い間好評を博している「ステッキィツイン」にスリーブ76アイテムを追加、今回は、小径ボーリングバーなどの工具を機械に取り付けるために使用するスリーブを追加発売した。
主な特長は、以下の通り。
●各機械メーカーの機種ごとに全長を最適化しており、切断の必要が無い。
●内径2.5mm, 3.5mm, 4.5mmなど中間径も新規に追加。ステッキィツインだけでなく、小径のボーリングバーも装着可能。
●切り欠きを4方向に設定することで、側面からの固定にも対応。
■標準価格(税抜)
・SLV160085020N: 14,250円
・SLV254110120N: 20,350円
DMG森精機 第5世代のターニングセンタ「NLX 2500 | 700 2nd Generation」を新発売


DMG森精は、このほど切削能力を最大限に引き出す、頑強で熱安定性に優れた機械構造により、高い精度と40番マシニングセンタと同等のミーリング能力を備えた、第5世代のターニングセンタ 「NLX 2500 | 700 2nd Generation」の販売を開始した。
NLX 2500シリーズは2010年から発売を開始し、自動車、産業機器、半導体などの幅広い業界で使用されている同社のベストセラー機。今回新たに開発した「NLX 2500 | 700 2nd Generation」は、従来機を活用している顧客の声を反映し、DMG MORIの全ての技術を結集したターニングセンタである。
同社は、DXを用いて 工程集約・自動化、グリーン・トランスフォーメーション(GX)を促進するマシニング・トランスフォーメーション(MX)を推進し、今回発売した「NLX 2500 | 700 2nd Generation」は、MXを実現する最新技術を結集した機械となる。
設計初期段階からFEM解析やデジタルツイン技術によるシミュレーションを用いて性能予測と熱解析を実施することで、機械構造の最適化を行った。X / Z軸のすべり案内は、摺動面幅を従来機より10%拡大し、 振動減衰性と動剛性を向上している。
主軸は信頼性の高い3年保証の内製主軸turnMASTERを搭載し、従来機と比べて切削能力を1.25倍も向上している。右主軸も左主軸と同等の10インチチャックを搭載可能で、左右両面を連続で加工できる。また、φ115 mmの大貫通穴径を持ち、大径バーフィーダと組み合わせることで、多品種加工の工程集約を実現する。
刃物台は40番マシニングセンタに匹敵するパワフルなミーリング能力のBMT(ビルトインモータ・タレット)を搭載しており、従来マシニングセンタとターニングセンタの2台で加工していたワークを、「NLX 2500 | 700 2nd Generation」 1台に工程集約する。また、これまで専用機で加工していたギヤ加工の工程集約も可能であり、同社のテクノロジーサイクル「ギヤホビング」や「ギヤスカイビング」を用いることで、ホブ加工や内歯車加工を 工程集約する。
「NLX 2500 | 700 2nd Generation」は、使いやすさ、操作性を向上しており、操作盤にはタッチパネル式のERGOline X with CELOS Xを搭載している。従来より表示画面を大きくし、視認性が向上したことに加え、チャックの把握力を簡単に指令できるNC-CLAMPをはじめ、生産準備や加工シミュレーションなど、顧客の生産性向上を実現する多くのアプリケーションが使用可能である。また、切りくず、クーラント、ミストの〝加工3悪〟による機外への持ち出しを無くし、常に機械をきれいな状態に保つカバー構造や、ドア開閉の加減速を適切に制御するサーボ自動ドアも備え、顧客のニーズを徹底分析して、作業効率の向上やメンテナンスのしやすさ、 使いやすさを大幅に向上している。

自動化にも対応しており、ロボットシステムやガントリローダ、バーフィーダなどの自動化システムと組み合わせることで、夜間の無人運転が可能である。例えば、ロボットシステムMATRISを組み合わせることで、変種・変量生産にも柔軟に対応でき、機械の稼働率を向上させる。さらに、自動化生産の妨げとなる切りくず・ クーラント・ミストの処理に起因するトラブルを解消するため、据付面積を拡張させることなくタンク容量を拡大した2層式クリーンクーラントタンクと、粒径0.3 μmの微細な粒子を捕集する本体と一体化したビルトインミスト コレクタzeroFOGを標準装備している。また、長時間の連続稼働を実現する立型大容量クーラントタンクzero-sludgeCOOLANT proも選択可能で、安定した長時間稼働をサポートする。
「NLX 2500 | 700 2nd Generation」は、サステナビリティな生産現場に貢献する機械で、例えば、ターニングセンタ1台と立形マシニングセンタ1台で加工していたギヤシャフトワークを「NLX 2500 | 700 2nd Generation」 1台に置き換えることで、従来と比べて消費電力を12%削減する。これはクスノキの1年間のCO2吸収量に換算すると、約63本分(約1,890kg)と同等である。なお、「NLX 2500 | 700 2nd Generation」は、11月5日〜10日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2024」の同社ブースでの展示する予定。
同社Webサイトにはカタログを公開している。
↓カタログ↓
https://www.dmgmori.co.jp/download/catalog/detail/id=7255
↓動画↓
https://www.dmgmori.co.jp/en/movie_library/movie/id=7257
主な特長
① 切削能力を最大限に発揮する機械構造
・X / Y / Z軸すべり案内を採用し、重切削にも対応する高剛性ベッド
・従来機比で10%拡大した摺動面幅により、安定した切削を実現
・高トルクなturnMASTER主軸を採用、従来機と比べ切削能力は1.25倍まで向上、左主軸は10・12インチ、右主軸は6・8・10インチを選択可能
・さらに進化したBMT(ビルトインモータ・タレット)により、ミーリング能力は40番マシニングセンタと同等の1.4倍まで向上
② 妥協なき開発で到達した研ぎ澄まされた高精度
・設計段階からデジタルツインを活用し、基本構造体を最適化し、部品の細部まで緻密に形状を設計
・マグネスケール社製のフルクローズドループ制御により、優れた位置決め精度を実現
・マグネスケール社製高分解能レーザスケールをマスタエンコーダとして、主軸エンコーダの誤差を補正
③ 熱安定性に優れた構造
・シミュレーションによる性能予測と熱変位解析による機械構造の最適化で、長時間加工でも安定した精度を実現
・X / Y / Z軸ボールねじ軸心冷却とダブルアンカーサポートにより、送り軸の冷却と剛性を強化
・機体クーラント循環により、熱変位を抑制し長時間加工でも安定した精度を実現
④ 使いやすさを追求
・直感的な操作が可能なヒューマンマシンインタフェースERGOline X with CELOS Xを搭載
・チャックの把握力を操作盤から指令できるNC-CLAMPを標準搭載
-チャックのストロークや圧力を操作画面上で設定・確認可能
-ワークのセット間違いを検知するため、多品種混流生産でも安心して使用可能
・切りくずやクーラントの機外持ち出しを無くす最適なカバー構造により、機械を常に清潔な状態で維持可能
・日々の作業やメンテナンスに必要な冷却装置や潤滑油、油圧フィルタなどの機器を背面に集中配置
➄ 加工3悪を独自のソリューションで解決
・2層式クリーンクーラントタンクにより、据付面積を拡張させることなくタンク容量の拡大が可能
・長時間の連続稼働を実現する立型大容量クーラントタンク zero-sludgeCOOLANT pro
・加工時に発生するミストを効率的に捕集する zeroFOG
・切りくずが堆積しやすい箇所に落下性を高めるセラミックコートを施し、切りくずが直接当たる箇所には ステンレスカバーを採用
⑥ 豊富な自動化ソリューション
・バーフィーダ :ワークアンローダと組み合わせて、棒材加工を自動化
・GXローダ :素材供給から完成品排出まで完全自動化を実現する高速・量産の自動化システム
・MATRIS Light :手押し台車にロボットを搭載し、人との協働が可能なフェンスレスなロボットシステム
・MATRIS :変種変量生産に適応可能な自動化システム(規格化された周辺機器により、要望の組み合わせにカスタマイズ可能)
・WH-AMR 10 :工場内物流を自動化。人との協働を実現する自立走行ロボットシステム
⑦ エネルギーと資源の効率的な利用
・SBT 認定*6 を取得し、サプライチェーン全体のCO2排出量削減の取り組みを実施
・工程集約により従来工程と比べ消費電力を12%削減
・徹底したクーラントと切りくず管理により、使用中のクーラントの寿命を延長