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タンガロイ ヘッド交換式エンドミル「TungMeister」専用ERコレット「VER形」を拡充
タンガロイがこのほど、ヘッド交換式エンドミル「TungMeister」(タング・マイスター)シリーズの専用コレット「VER形」を拡充し、発売を開始した。
「TungMeister」は、幅広いシリーズと圧倒的なアイテム数を誇るヘッド交換式エンドミルシリーズ。加工ヘッドは、スクエアタイプから精密仕上げ用バレルヘッドまで多種多様なラインアップを誇り、シャンクも幅広いバリエーションから、最適な選択が可能。
従来はER11、ER16サイズのみだったが、今回新たにER20、ER25サイズを追加し、これによって工具径20mmの大径エンドミルヘッドにも対応可能となった。また、コレット端面からの突出し長さも選択できるので、加工状況に合わせた最適な工具選定が可能となる。
■主な形番と標準価格(税抜き)
・VER20AL004S05-S:12,500円
・VER20AL016S10-S:14,600円
・VER25AL0105S12-S:17,800円
DMG森精機グループ会社の「倉敷機械(株)」が「DMG MORI Precision Boring(株)」へ社名変更
DMG森精機(株)のグループ会社である倉敷機械(株)が2024年4月1日付でDMG MORI Precision Boring(株)(以下Precision Boring)(英文:DMG MORI Precision Boring CO., LTD.)に社名を変更した。
Precision Boringは、1938年の設立以来、大物・重量ワークの重切削を得意とするCNC横中ぐりフライス盤の製造・販売を中心事業としてきた。
CNC横中ぐり盤は、主軸が水平方向に取り付けられた中ぐり盤で、穴開け加工に特化しており、中抜き加工、直径の大きな加工や深い穴の加工等、高い精度の加工が可能だが、DMG森精機は、工作機械業界においては最大級の製品の品ぞろえを展開している一方、CNC横中ぐりフライス盤の製造は行っておらず、2024年1月、Precision Boringを同社に連結グループ化することで、同社グループの製品ラインアップに新たに追加される。なお、CNC横中ぐりフライス盤は、中長期的にも成長が期待できる、宇宙・航空、新エネルギー、重機械産業での需要が増加している。
また、同社は2017年にPrecision Boringと米国において販売契約を締結し、その後、2022年には独占販売契約を32州にまで拡大させてきた。これまでの販売・サービスを通じて、当社はPrecision Boringの製品を熟知しており、同社の内製部品などの利用を進めることで、さらなる精度・品質向上に貢献できるものとしている。
また、顧客からもPrecision Boringの製品に関する自動化、デジタル化の要望が高まっていることから、同社では「MX(マシニング・トランスフォーメーション)戦略がPrecision Boringの製品需要増にもつながるもの。」と確信しており、特に欧州における拡販に寄与するものとしている。
また、Precision Boringの本社および製造拠点は新潟県長岡市にあり、同社のグループ会社である(株)太陽工機と地理的に近い位置関係にあることからDMG MORIグループとしてのデジタルプラットフォームを活用して、さらなる生産・販売・サービスの効率化を実現していく方針。
■新社名:DMG MORI Precision Boring株式会社
(英文:DMG MORI Precision Boring CO., LTD.)
■本社所在地:〒940-8603 新潟県長岡市城岡1丁目2番1号
■TEL:(0258)35-3040
【入社式 社長訓示】アマダグループ/芝浦機械グループ/DMG森精機
「価値ある提案ができる人材に」
■(株)アマダ 代表取締役社長 山梨貴昭
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。
アマダグループ5つの会社に75名の新しい仲間を迎えることができ、大変嬉しく思います。皆さんは今日からアマダグループの一員として歩みだすことになりますので、アマダを取り巻く環境と今後の方向性についてお話しします。
まず、私たちを取り巻く環境に目を向けますと、省力化やデジタル化、サプライチェーンの再編などを目的とした設備投資需要は底堅く推移しています。アマダグループの業績は、昨年度第3四半期までの累計で売上、営業利益、当期利益のすべてにおいて過去最高を更新しました。
さらに、昨年5月に「中期経営計画2025」を策定し、新商品の投入によるシェア拡大と利益率向上、アフターサービス事業の強化、「AMADA GLOBAL INNOVATION CENTER(AGIC)」の活用など、目標達成に向けて全社一丸となって推進しています。また、サステナビリティへの取り組みとして、人材の育成分野にも力を注いでいきます。その核となるのが、8月より始動予定の「AMADA TECHNICAL EDUCATION CENTER(ATEC)」です。
ATECでは、リスキリングや多能工化の教育を通じてエンジニアリング力のあるデジタル人材を育成します。今後の研修でもこの施設を活用する予定です。皆さんには個々のエンジニアリング力を高め、あらゆる部門で技術に立脚した活動に取り組んでもらい、お客さまに価値ある提案ができる人材になってほしいと考えています。
皆さんには「グローバルで活躍できる力を身につけること」「アマダのエンジニアであるという意識を持つこと」「社会からの要望に耳を傾けること」を期待しています。アマダがさらに成長するには、グローバルでの拡大が必須です。世界中のお客さまと新たな加工技術の共創に挑戦してください。
また、人手不足の問題、DXを活用した働き方改革、脱炭素社会に向けた商品開発など、多様な社会からの要望にも応えることができる人材になってください。
最後になりますが、まずは、明日からの研修に今申し上げた3点を意識して取り組んでください。
同期とともに切磋琢磨し合い、アマダグループを担う人材となっていただけるよう期待しています。
成長した皆さんにお会いすることを楽しみにしています。
「社員一人ひとりの力が価値創出の原動力」
■芝浦機械(株) 代表取締役社長 坂元繁友
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。
当社は、1938年に大型工作機械を製造する「芝浦工作機械」として創業し、1961年に合弁、改称により「東芝機械」となり、2020年に「芝浦機械株式会社」へと社名を変更しました。
創業以来、80年以上にわたり機械メーカとしての「ブランド」を作り上げ、社会の発展と、人々の豊かな暮らしの実現に貢献を続けています。
昨年度までは、中期経営計画『経営改革プラン』を実行した重要な期間でした。『経営改革プラン』では、定量目標をステークホルダーにコミットし、内部構造改革を中心に、組織再編や新人事制度の導入などを核としたものとしました。主要な計画も概ね達成できましたので、次のステージへ向かうために、4月より2026年度を最終年度とする、新中期経営計画をスタートさせています。
2030年度に3千億円規模の企業になることを目指して、経営改革プランで進めた内部構造改革の「成果」を刈り取るために、「攻め」に転じていくステージへと入ります。
その意味でも大切なスタートとなる年です。また、そこに新戦力として皆さんが加わってくれました。
芝浦機械グループの持続的成長のために、新たな視点、新たなアイデア、そして新たなエネルギーを、皆さんがもたらしてくれることを願っています。
さて、皆さんの入社にあたり、「三つの話」をさせていただきます。
一つ目は、『グローバル人財』について。
二つ目は、『聞く力』について。
三つ目は、『学ぶ姿勢』について。
まず、一つ目は、『グローバル人財』についてです。現在、当社の売り上げの70%以上が海外となっており、海外駐在、海外出張および海外取引等、グローバルで活躍する人財が求められています。そのためには、語学力や相手の文化や価値観を尊重することが重要です。当社でも、グローバル人財育成にむけて、様々な取組を行なっております。それらを活用し、将来、当社のグローバルビジネスの成功に貢献できる人財となってください。
二つ目は、『聞く力』についてです。相手の話に耳を傾け、理解しようとする姿勢やスキルが大変重要です。仕事をする上でのコミュニケーションやチームワークの根幹となります。上司や先輩の意見、感情に対して敏感に耳を傾け、相手の視点や立場に共感し、真摯に受け止めることが、信頼と連携を築く上で不可欠です。自分自身の成長はもちろんですが、職場全体の活性化にも貢献してください。
三つ目は、『学ぶ姿勢』についてです。学ぶことによって、仕事における武器となる知識や技術が身に付けられ、皆さんのキャリア形成において、選択肢も広がっていきます。そして何より、自己肯定感が高まり、仕事に対しても大きなプラスとなります。
結びになりますが、皆さんには芝浦機械グループの一員として、若い創造力を遺憾なく発揮し、新たな活力を芝浦機械グループに、吹き込んでいただくことを期待しています。
社員一人ひとりの力が、芝浦機械グループの価値創出の原動力となります。ここにいる皆さん一人ひとりが、これからさまざまな経験を積み、成長することで、新しい力となってくれることを期待しています。
「世界中の仲間と対等なコミュニケーションを」
■DMG森精機(株)取締役社長 森雅彦
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。
これから皆さんとともに働き、一緒に成長していけることを嬉しく思います。
皆さんは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて通学ができないなど、不安な時期もあったと思います。一方で、オンライン授業などでデジタルに親しんだり、自身について深く考え試行錯誤を続けたことは貴重な体験になったと思います。製造業においても、従来三現主義(現場・現物・現実)で現場志向が強かったですが、これを契機に、一層デジタル化が促進され、生産性が向上しました。
当社は、DXを用いて工程集約、自動化を促進し、グリーン・トランスフォーメーション(GX)を実現することを マシニング・トランスフォーメーション(MX)と位置付け、世界中のお客様の生産性向上、サステナブルな社会の実現に貢献しています。高精度な機械を作り、場所・中間在庫等の無駄を削減し生産性向上を追求する工作機械産業は、頑張れば頑張るほど世の中のためになる産業です。さらに、工作機械の鋳物を再活用する工作機械の製品ライフサイクル全体を通したサーキュラーエコノミーへの取り組みを進めています。
工作機械は長年お客様にご使用をいただくため、製品を出荷して終わりではありません。当社はグローバルで直販・直サービスをしており、納品後も直接お客様の様々な情報をお聞きして対応することで、より良い製品が開発できるようになります。また、社会やお客様のニーズの変化とともに、10年おきに大きな技術革新が起こります。
当社は1948年に創業以来コツコツとやってきて、技術のブレイクスルーに対応した製品・技術を開発してきました。新しい技術が出てきたときはチャンスと捉えて楽しむことが重要です。工学部や高等専門学校出身の方は、旋盤で実習を始めたと思いますが、時代に即するためには、最新の工作機械で学習することが重要です。その一環として、奈良女子大学工学部の学生に最新のAM機を用いた講義・実習をサポートしています。
現在、2023年を初年度とする3ヵ年の「中期経営計画2025」において、当社の数字や技術の方向性などについて決めています。天変地異など予見できないリスクに直面したり、先の見通せない時代と言う人もいますが、いかに生き延びるか、将来どうなっていきたいかを常に考えていきましょう。
経営理念の一つに「よく遊び、よく学び、よく働く」を掲げています。“よく遊ぶ”ためには、心身共に健康であることと、やりたいからやるという自由な心が重要で、それがクリエイティブでバランスよく仕事をすることにつながります。“よく学び”については、変化し続ける技術や市場環境の過去を知りながら、常に最新の技術を通して学ぶことが大切です。よく遊び、よく学んだ上で、休むときはしっかり休み、生産性を高めて働きましょう。
当社には全世界で59国籍・約13,000人の社員が働いています。英語を身に付け、ヨーロッパはじめ世界中の仲間と対等にコミュニケーションを取り、サポートしあっていきましょう。技術など仕事面は当然ながら、趣味などプライベートにおいても英語で情報を得ることは、人生の幅を広げることになります。国籍・性別・職種・考え方それぞれでダイバーシティに富む人材に拠ってシナジーを生み出し、多様な業種・地域のお客様に、一層高付加価値な製品を提供していきましょう。仕事を通して人生を豊かなものにし、充実した人生を送ってください。
【入社式 社長訓示】コマツ/日立建機
「次のステージ、次の世代、次の100 年に向けて安全・健康第一に、グローバルに活躍しよう︕」
●コマツ 代表取締役社長兼CEO 小川啓之
⼊社おめでとう。今日から、私たちの仲間になったことを心から歓迎したい。皆さん一人ひとりには、何よりも安全・健康第一で、コンプライアンスを徹底し、社会人人生を歩んで⾏ってもらいたい。
企業を取り巻く環境は、さまざまな経済安全保障リスクや自然災害等の有事、サステナビリティ・リスク(気候変動、脱石炭)、サイバーセキュリティー・リスクなど、これまで以上に不確実で不透明な環境下にあり、外部環境の変化と事業リスクへの対応⼒強化が求められる。このような環境下、今年度は中期経営計画(2022-2024 年度)の最終年度を迎えた。引き続きカーボンニュートラル、DX、ダイバーシティなどの潮流をビジネスチャンスと捉え、新たなコンセプト、ビジネスモデル、商品群などによって世界中のお客さまと共に価値創造を更に進め、収益向上とESG 課題解決の好循環により持続的成⻑を目指していく。
コマツグループは、多様な人材が、互いに個性や価値観を認め、活かし合い、誰もが安心して働くことができる職場環境を実現するために、ダイバーシティ&インクルージョンを推進している。また、コマツグループはグローバルに事業を展開しているため、グループ内で共に働く仲間達は、多様な文化や考え方をもっている。その中で人脈を作り、専門技術⼒やコミュニケーション能⼒、独創⼒を培いながら、グローバルに通用する能⼒を磨いてもらいたい。そしていろいろな機会に積極的にチャレンジすることで、さまざまな知識を身につけ、⾏動の範囲を広げていって欲しい。
また、コマツの強みは、「ものづくりと技術の革新」と「品質と信頼性の追求」を基本とした ①他社に先駆けたイノベーションへの取り組み ②コマツウェイによる価値観の共有 ③継続的な事業改革/構造改革 であり、社員の皆さんにはこれらの強みを体現する為に、いろいろな場に積極的に飛び込み、現場・現物・現実に基づいて問題点をしっかりと⾒つめ、⾃律的・継続的に改善・改革する現場⼒を身につけて欲しい。そして、⾔葉にしたことは必ず実⾏するという強い意志を持ちながら、自分自身の夢の実現に向けて強みを磨いてもらいたい。
コマツは、2021 年に100 周年を迎えましたが、諸先輩方がこれまで築き上げてきた⻑きにわたる経験知を活かし、私たちが目指す未来の現場に向けた次のステージに踏み出し、よりよいサステナブルな未来を次の世代につなぎ、次の100 年も持続的な成⻑に向けて新たな価値を創り続けるために、共に挑戦していこう。
「〝基本〟と〝正道〟でYysの道を」
●日立建機(株) 執行役社長兼COO 先崎 正文
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。新入社員の皆さんをお迎えすることができ、大変嬉しく思います。また同時に、皆さんがその人生の重要な節目に日立建機グループと共に歩むことを選んでいただいた事に対し感謝申し上げます。
2024 年早々に起きた能登半島地震により、多くの方が犠牲になり、人命や家屋に大きな被害が出ました。この後の復旧から復興に至る道のりも平坦ではありませんが、日立建機は支援を行っていきます。新入社員の皆さんも、我々の製品が復興や生活基盤の整備に貢献しているという責任感と誇りを持って、復興のサポーターの一員となっていただくことをお願いします。
本日皆さんは日立建機の社員としてのキャリアをスタートされました。一日も早く日立建機グループ発展の頼もしい担い手として活躍されることを期待して、私から皆さんに心掛けていただきたいことを、2点お伝えします。
第一は「基本と正道」です。何事にも「基本」というものがあるように、仕事にも「基本」があります。確固たる基本を身につけていれば、如何なる環境下においてもチカラを発揮することができ、自分を見失うことなく適切に対応できるはずです。そのため、まずは太く強固な「基本」を身につける事です。そして「正道」、これは「正しい道」と書きます。何か行動しようとする時に「自分中心の考えではなく、顧客や代理店や取引先の為になるのか」、「社会の為になるのか」、を問うてYes の道を進んでください。コンプライアンスを重視し、日立建機グループのVISION である「豊かな大地、豊かな街を未来へ 安全で持続可能な社会の実現に貢献します」の考え方に沿っているのかを常に問うてYes の道を進んで下さい。これが基本であり、正道です。
第二に、「Challenge」、「Customer」、「Communication」の3 つのC で表現される「Kenkijin スピリット」です。これは当社グループ全ての従業員に共通する価値基準、行動規範です。Kenkijin スピリットを常に意識してください。お客さまのニーズに、そして社会のニーズにこたえるべく、チャレンジや努力を重視しながら、真摯に開発し、先進的なモノを造り、コトと言われるソリューションと共にお客さまに届ける、そしてアフターサービスを徹底してお客さまに安心感を届ける、これが我々の使命です。新入社員の皆さんにも常に心掛け、大事にしてほしいと思います。
今、我々は日立建機の70 年の歴史の中で大きな転換点にいます。一昨年、我々は北中南米事業の独自展開と、資本構成の変化に伴う新たなパートナーとの協業が本格的にスタートするという2つの大きな変化がありました。第二の創業といえる大きな出来事です。皆さんはその真っただ中に入社されます。我々はこのタイミングで新しいグループアイデンティティを定義し、会社のシンボルとしてのステートメントを、「私たちは、お客さまの課題をともに解決する、身近で頼りになるパートナーです」と定めました。
お客さまが望んでいるのは、先進的な機械だけではなく、それによってお客さまが必要とされている工事などが安全かつ確実に実行されることです。したがって我々は、お客さま自身の安全性や生産性向上に深くコミットし、お客さまのニーズを満たす解決策を提供していくこと、すなわち日立建機という会社がソリューションプロバイダーであることを、自分たちのめざすべき姿と定めたのです。これはハードを提供するだけでなく、解決策を“提案していく”メーカーになっていくという進化が必要です。新入社員の皆さん一人ひとりが、その進化の担い手となり、お客さまや社内の先輩達と充分にコミュニケーションをとりながら成長を続け、斬新な発想で、スピード感をもって価値のある新たな施策やソリューションを生み出していっていただきたいと思います。
DMG MORI SAILING TEAM ~葉山を拠点とした若手育成プログラムを始動~
DMG森精機のDMG MORI SAILING TEAM(以下チーム)は、2021年に立ち上げた若手育成プログラム「DMG MORI SAILING ACADEMY」の一環として、2024年4月より新たに研修生3名を迎え、2027年の大西洋横断レース「Mini Transat 2027(ミニ・トランザット2027)」への出場・完走を目指す研修プログラムを開始する。また、同プログラムには2019年の「Mini Transat 2019」を完走し、2023年にはClass40にて世界一周レース「Globe 40」を完走した外洋セーラーの鈴木晶友氏をコーチとして迎え、神奈川県葉山港を拠点に活動する。
「Mini Transat」は、チームのスキッパーである白石康次郎氏が2021年にアジア人で初めて完走した単独無寄港無補給の世界一周ヨットレース「Vendée Globe(ヴァンデ・グローブ)」の登竜門として知られ、全長6.5mのMini6.50艇を使用する大西洋横断レース。前回2023年大会にはフランスを拠点にDMG MORI SAILING ACADEMYの一員として活動するLaure Galley(ロール・ギャレー)、三瓶笙暉古(サンペイ・フェデリコ)が出場した。
チームは同プログラムに参加する研修生を2023年2月より募集し、複数回の選考を経て3名を選出した。
若手研修生3名はいずれも大学ヨット部でのセーリング競技経験があるが、外洋セーリングは初めての挑戦となる。まずは葉山港を拠点に外洋レーシング艇の構造や操船を学び、日本国内でのセーリングを 主に活動する予定。
同プログラムでは、2027年の「Mini Transat 2027」を目指す傍ら、葉山港にて使用している外洋 レーシング艇「Mini6.50」を全国の大学ヨット部に所属する学生に体験させ、外洋セーリングの魅力を知ってもらう「Mini全国キャラバンツアー(仮称)」を実施する。イベントでは、鈴木晶友氏からの講演のほか、 実際にMini6.50艇に乗るプログラムを企画している。
「Mini全国キャラバンツアー」を含め、同プログラムを通した長期的な目標として、活動方針にも掲げる「若手スキッパー・エンジニアの育成」および「日本にもっとヨット、セーリング文化を」に沿い、外洋セーリングで活躍 できる人材の育成と日本におけるセーリング文化醸成に取り組む方針。
コーチの鈴木晶友氏と3名の研修生は以下の通り。
■鈴木晶友(プロフィール)
千葉県出身。1985年生まれ。
両親の影響で5歳よりセーリングを始める。
法政大学体育会ヨット部を経て、一般企業へ就職。
その後退職し2019年の「Mini Transat」へ出場し56艇中23位で完走。
2023年4月にClass40の世界一周ヨットレース「Globe40」を完走後、DMG MORI SAILING TEAMへ加入し、DMG MORI SAILING ACADEMYの日本における若手育成プログラムにコーチとして携わる。
■若手研修生3名
・木谷悠二
・澤田晧希
・遠藤功大
「第59回機械振興賞」受賞候補者募集 5月31日必着!
機械振興協会(会長=釡 和明氏)は、優れた開発や実用化、開発の支援活動を通じて、わが国機械産業技術の発展に著しく寄与した企業・大学・研究機関・支援機関(以下企業等)と開発・支援担当者を表彰している。このほど令和6年度の募集が始まった。
令和6年度は下記の要領で募集する。
(1)表彰対象
① 独創性、革新性、経済性に優れた機械産業技術の開発と実用化を通じて、新製品の創出、製品の品質や性能の改善、生産の合理化等に顕著に寄与した企業等と開発担当者。
② 継続的に行われた支援活動が、中小企業の優れた技術開発に大きく寄与した場合に、支援を担当した支援機関やその担当者。
(2)応募の方法
受付期間は2024年5月31日(水)必着。電子メールまたは郵送のこと。
「募集要領」および「応募書類の様式」は下記からダウンロードできる。
ダウンロード↓
http://www.jspmi.or.jp/tri/prize/
(3)表彰の方法
① 表彰対象①の特に優秀と認められるものについて経済産業大臣賞および中小企業庁長官賞の授与を申請するものとし、機械振興協会会長賞、小規模事業者(中小企業基本法における小規模企業者)を対象とした審査委員長特別賞および奨励賞に対し、会長名の賞状を贈呈する。
② 表彰対象②について、特に優秀とみとめられるものについて中小企業基盤整備機構理事長商の授与を申請するものとし、奨励賞に対し、会長名の賞状を贈呈。
③ 経済産業大臣賞、中小企業庁長官賞、中小企業基盤整備機構理事長賞、機械振興協会会長賞、審査委員長特別賞を受賞する企業等に対し、記念盾を贈呈。
④ 以下の賞を受賞する研究開発担当者に対し、賞金を贈呈する。賞金の額は、経済産業大臣賞は80万円、中小企業庁長官賞は50万円、機械振興協会会長賞は30万円、審査委員長特別賞は20万円(研究開発担当者が複数である場合もこれらと同額)。また、中小企業基盤整備機構理事長賞は30万円(支援担当者が複数である場合もこれらと同額)。
(4)選考
機械振興協会会長が委嘱する学識経験者からなる審査委員会により行う。
(5)受賞者発表
令和6年12月発表の予定。
■問い合わせ先
機械振興協会 技術研究所 賞事務局
E-mail:prize@tri.jspmi.or.jp
工作機械需給動向(2023年1月~12月実績)まとまる 日本工作機械工業会
日本工作機械工業会がこのほどまとめた工作機械需給動向(2023年1月~12月実績)は次のとおり。
受注額(日本工作機械工業会)
(1)概 況
2023年の工作機械受注額は、3年ぶりの減少で、前年比▲15.5%の1兆4,865億円となった。コロナ禍からの回復を牽引したペントアップ需要や半導体関連需要、自動車関連需要が落ち着き、不動産不況による中国の減速もあり、3年ぶりに1兆5,000億円を下回ったものの、過去7番目の受注額を記録した。
このうち、NC工作機械は、1兆4,630億円(同▲15.3%)となった。受注額全体に占めるNC工作機械の比率は98.4%(同+0.2pt)と、8年連続で98%を超えた。受注総額の内訳をみると、内需は4,768億円(同▲21.0%)、外需は1兆97億円(同▲12.7%)で、外需比率は同+2.2ptの67.9%となった。
(2)内需の動向
2023年の内需は、3年ぶりに減少し、前年比▲21.0%の4,768億円と3年ぶりに5,000億円を下回った。2022年後半まで受注を牽引したコロナ禍のペントアップ需要や部品不足に伴う能増投資、半導体関連需要等が徐々に落ち着く中で、底堅くも緩やかな減少傾向が年間を通じて見られ、2023年後半は400億円を下回る月が多く見られた。
業種別にみると、全11業種中10業種で前年比減少となった。主要4業種では「航空機・造船・輸送用機械(同+7.0%、202億円)以外は前年比10%以上の減少となった。特に、半導体関連での受注が多い、「電気・精密(同▲33.3%、577億円)」、内燃機関、EV関連の投資がどちらも低調な「自動車(同▲25.3%、1,006億円)」は大きく減少した。その他の業種でも、「商社・代理店(同▲32.8%、46億円)」、「金属製品(同▲27.2%、368億円)」が2割を超える減少となった。
(3)外需の動向
2023年の外需は、3年ぶりに減少し、前年比▲12.7%の1兆97億円と3年連続で1兆円を超え、過去6番目の受注額となった。アジアでは中国を中心に減少したものの、欧州、北米は強いインフレ懸念にも関わらず底堅く推移し、円安傾向もあって月平均841億円と堅調な水準を維持した。
地域別にみると、アジアは3年ぶりに減少し、前年比▲23.2%の4,276億円で、3年ぶりの5,000億円割れとなったものの、4,000億円台の受注は維持した。このうち、東アジアは同▲28.3%(3,198億円)で、韓国(同▲24.0%、250億円)、台湾(同▲43.5%、203億円)、中国(同▲27.3%、2,740億円)が軒並み前年比2割以上の減少となった。特に中国では、前年の受注を牽引したEMSやEV関連投資が大きく減少し、不動産バブル崩壊による経済の不安定化もあり、設備投資は伸び悩んだ。その他アジアは、多くの国・地域で前年割れとなる中、唯一好調だったインドが増加したことで、同▲2.8%の1,078億円と3年ぶりの減少も、2年連続で1,000億円超えとなった。インド(同+26.5%、511億円)は、自動車関連を中心に堅調に推移したほか、半導体やEMS関連の受注も増加し、一般機械と電気・精密が過去最高額を更新し、インド計も初の500億円超えで過去最高額を更新した。
欧州は、2022年2月からのロシアによるウクライナ侵略、イスラエル軍とハマスの戦闘が続くガザ地区などの地政学リスクに加え、エネルギー問題や金利高等の影響が懸念される中にあっても、3年連続で前年比増加し、同+1.1%の2,335億円と過去4番目の受注額となった。国別では、EU(同▲3.9%、1,699億円)域内のドイツ(同+6.3%、565億円)、“その他”(同+2.7%、384億円)がともに過去2番目の高水準の受注を記録したほか、“その他西欧”のトルコ(+38.9%、227億円)、スイス(+27.9%、148億円)は、統計区分開始(2015年)以来の最高額を2年連続で更新した。
北米は、同▲6.9%の3,206億円と3年ぶり減少も、2年連続で3,000億円を超え、過去3番目の受注を記録した。アメリカ(同▲9.6%、2,820億円)は、自動車で日本と同様、やや回復が遅れているほか、金利高によりジョブショップの動きがやや鈍かったものの、医療やエネルギー関連、航空宇宙関連を中心に堅調に推移し、過去3番目の受注額となった。また、カナダ(同+15.3%、199億円)は3年連続の増加で、過去最高額を2年連続で更新した。メキシコ(同+21.9%、187億円)は、3年連続で増加した。
各地域別の受注シェアは、アジアが42.3%(同▲5.8pt)、欧州が23.1%(同+3.1pt)、北米が31.8%(同+2.0pt)となった。国別シェアでは、1位がアメリカで27.9%(同+0.9pt、前年2位)、2位が中国の27.1%(同▲5.5pt、前年1位)、3位はドイツで5.6%(同+1.0pt、前年3位)、4位がインドで5.1%(同+1.6pt、前年5位)、5位がイタリアで3.3%(同▲0.3pt、前年4位)、6位が韓国で2.5%(同▲0.3pt、前年7位)、7位がフランスで2.4%(同+0.3pt、前年8位)、8位がトルコで2.3%(同+0.9pt、前年13位)と、首位が交代した他、台湾が順位を下げ、今年受注が目立ったインド、トルコが順位を上げた。
(4)機種別の動向
受注額を機種別(含むNC機)でみると、全11機種中9機種で前年比減少となった。主な機種別の受注額は、旋盤計が前年比▲12.8%の5,071億円で、3年ぶりに減少したものの、3年連続の5,000億円超えとなった。内訳では「うち横形(同▲14.2%、4,725億円)」は減少したが、「うち立て・倒立形(同+10.9%、346億円)」は3年連続で増加した。また、旋盤計における「うち複合加工機(同▲3.0%、2,136億円)」は旋盤計よりも減少幅は小さく、生産効率化、省人化のためのニーズを感じる結果となった。なお、旋盤計に占める複合加工機の割合は42.1%と前年から4.2pt上昇し、2年ぶりに4割を上回った。
マシニングセンタは、同▲15.3%の6,147億円と、2年ぶりに7千億円を下回ったが、3年連続で6,000億円を上回った。「うち立て形(同▲16.5%、3,377億円)」、「うち横形(同▲16.5%、2,171億円)」、「うちその他(同▲1.9%、600億円)」と全ての区分で減少したが、「うちその他」の減少率は軽微だった。また、マシニングセンタ計における「うち5軸以上」は同▲2.2%(1,574億円)と、2年連続で1,500億円を超え、複合加工機同様、マシニングセンタ計よりも減少幅は小さく、「うちその他」の「うち5軸以上」は、5割以上の増加を示した。その結果マシニングセンタに占める“うち5軸”の割合は25.6%(同+3.4Pt)と2年連続で上昇し、6年連続で20%を超えた。その他の機種では、ボール盤(同+1.4%、2億円)、中ぐり盤(同+11.4%、163億円)の2機種のみ前年比増加となった。
(5)販売額
販売額は前年比+3.1%の1兆6,166億円で、3年連続で増加した。高水準の受注があった一方、部品不足等によって多くの受注残を抱えていた当業界は、部品不足が徐々に解消に向かう中、販売額も高水準を維持し、5年ぶりに1兆6千億円を超え、過去2番目の水準となった。うちNC機は、同+3.0%の1兆5,913億円となった。
機種別(含むNC機)にみると、全11機種中6機種で前年比増加となった。主な機種別販売額は、旋盤計が同+3.4%の5,484億円、マシニングセンタ計が同▲0.8%の6,638億円、研削盤計が同+9.0%の989億円、レーザ加工機などの「その他」計が同+17.0%の1,603億円となった。
(6)受注残高
2023年末の受注残高は、前年末比▲12.4%の7,858億円で、3年ぶりに減少し、2年ぶりに8,000億円を下回った。受注が調整局面入りし、部品不足が徐々に解消する中で、2022年10月に9,201億円まで膨らんだ受注残高は、2023年11月に8000億円を下回ったものの、依然高いレベルにあると言える。当該年末の受注残高を直近3カ月(23年10~12月期)の販売平均で除した「受注残持ち月数」は5.8カ月で前年末から0.7カ月低下した。また、NC工作機械の受注残高は同▲12.5%の7,605億円となった。
生産額(経済産業省:生産動態統計)
経済産業省「生産動態統計」によると、2023年の工作機械生産高は前年比▲2.4%の1兆528億円となった。3年ぶりに前年実績を下回ったが小幅な減少に留まり、2年連続で1兆円を超えた。うちNC工作機械は同▲3.2%の9,805億円で、NC比率は93.1%と、過去最高であった前年(93.9%)より僅かに低下した。
機種別に見ると、マシニングセンタ(同▲3.9%、3,951億円)、NC旋盤(同▲2.8%、2,729億円)、NC放電加工機(同▲2.6%、413億円)が前年比で減少した一方、NC研削盤(同+7.4%、935億円)、NC歯車機械(同+52.9%、197億円)等は増加する等、機種により増減に違いが見られた。
輸出額(財務省:貿易統計)
財務省「貿易統計」によると、2023年の工作機械輸出高は、前年比▲3.1%の 8,304億円で、3年ぶりに減少したものの、2年連続で 8,000億円を上回った。うち NC工作機械は同▲3.0%の 8,011億円で、輸出額全体に占める比率は同+0.1ptの 96.5%と、3年連続で過去最高を更新した。
地域別に見ると、北米が前年比+3.7%の 2,351億円、欧州が同+8.3%の1,800億円と、それぞれ3年連続で増加したのに対し、アジア(3,939億円)は中国の減速が響き、同▲11.8%と3年ぶりに減少した。
この結果、地域別の比重は、アジアが47.4%(同▲4.7pt)、北米は 28.3%(同+1.9pt)、欧州は21.7%(同+2.3pt)となった。 国別では、アメリカ(2,067億円)が 4年ぶりに中国(2,042億円)を抜いて首位となった。3位以下は、インド(412億円)、ドイツ(375億円)、台湾(339億円)の順で、インドは4年ぶりに3位に浮上し、前年に3位であった台湾は5位に下降した。
機種別に見ると、マシニングセンタ(3,509億円、前年比▲3.4%)、NC 旋盤(2,239億円、同+5.2%)、レーザ加工機(1,141億円、同▲14.7%)が上位を占め、この上位3機種で輸出総額の83.0%を占めた。
輸入額(財務省:貿易統計)
同じく、財務省「貿易統計」によると、2023年の工作機械輸入高は、前年比+1.8%の855億円で、3年連続で増加し、2年連続で800億円を上回った。うち、NC工作機械は同▲0.6%の740億円で、輸入額全体に占める比率は86.5%で4年ぶりに低下した。
輸入元を国・地域別に見ると、中国は199億円で3年連続の首位となったが、前年比は▲31.5%で3年ぶりに減少した。2位以下は、ドイツ(179億円、同+26.2%)、タイ(117億円、同▲8.4%)、スイス(82億円、同+32.2%)、台湾(45億円、同+▲22.2%)で、アジアからの輸入が軒並み減少した一方、ドイツ・スイスからの輸入は増加した。なお、この上位5カ国・地域の合計で総輸入額の72.8%を占めた。
ユキワ精工 脱炭素社会の実現を『グリーンG1チャック』で実現!
近年、地球温暖化防止のためにCO2削減が課題となっている。自発的に社会的責任を果たす姿勢を打ち出したユキワ精工(社長=酒巻弘和氏 本社:新潟県小千谷市)。最近では、工具使用量や不良品の削減、サイクルタイム短縮等の効果が期待できるツールホルダー『グリーンG1チャック』が省資源・省エネルギーにつながる環境に優しいツールホルダーであることから、顧客がこの製品を購入した際、同社が顧客に代わって1本につき100円を国土緑化推進機構「緑の募金」へ寄付する取り組み「Go Green Challenge」を発表し、注目を集めている。
「Go Green Challenge」の開始期間は2024年3月1日から地球温暖化が解消されるまで。同社は「Go Green Challenge」における3つのチャレンジとして、① 加工における省資源・省エネルギーによりユーザーの利益を増やす、②加工改善によりユーザーの笑顔を増やす。③ 植林を進め、緑を増やす――――を挙げている。
酒巻社長はこの取り組みを始めたきっかけについて、「多くの企業がSDGsを掲げ、温室効果ガスの排出量を均衡させてゼロにするカーボンニュートラルの目標を打ち出しています。製造業は環境保全と密接な関係を有していますが、加工現場において環境負荷低減に意識が高まりつつある一方、同時に製品価格はもちろん、高効率と高品質も同時に重要視されています。〝Go Green Challenge〟の目的は、環境負荷低減に取り組むことを明確に示したうえで、生産の効率化を推進することでした。」と話す。
同社の『グリーンG1チャック』は、工具の使用量の削減、不良品の削減、サイクルタイム短縮等の効果が期待できる製品としてユーザーからの評価も高い。なお、同社のG1チャックシリーズは、長年培ったコレットチャックの技術を取り入れ開発されたもので、〝G1〟は〝グレードナンバーワン〟の意味が込められている。
「グリーンG1チャックの最大のメリットは切削工具の持ちが良くなり使用量が削減することから切削工具の購入金額が削減できることです。悩ましいビビリも抑制するので加工ワークの面祖度も向上するうえ、送り速度を上げられるので加工時間を短縮できますから消費電力の削減にも貢献できるのです。高い振れ精度、高い剛性、高い把握力を持つこの製品は、工作機械と切削工具の性能を最大限に引き出す能力を秘めています。」と優位性を示した。
ユーザーから「ありがとう」の声が喜び
~スーパーG1チャックは本年3月で30年!~
スーパーG1チャックが誕生して本年3月で30年――――。30年分、同製品の良さをユーザーが理解しているからこそロングセラーに繋がったともいえる。これらを象徴するように、2012年には、日本デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞受賞発表展グッドデザインエキシビション2012(GOOD DESIGN EXHIBITION 2012)にグリーンG1チャックがグッドデザイン・ベスト100に続き、GOOD DESIGN AWARDの特別賞『グッドデザイン・ものづくりデザイン賞』(中小企業庁長官賞)を受賞している。
「使って良かったよ! ありがとう!」の声が最大の喜びという酒巻社長は、昨年12月にG1チャックシリーズを活用しているエンドユーザーの声を集め、65枚のカルタにした『G1チャックカルタ ~65社成功事例集バージョン~』を発表した。同社の取引先も社内でカルタ大会を実施し、大いに盛り上がったと聞いた。
「お客様からお喜びの声を聞くことが一番嬉しい。お客様が弊社の製品を活用することで経済効果を実感し、笑顔が増えればこんなに嬉しいことはありません。その声を集めたのがカルタになったのですが、その中でも特長的なのは、BT40番の機械を使っている方の80%以上が、G1チャックシリーズを使用することのメリットとして面祖度向上と音の静かさを挙げています。これは私としても非常に嬉しいことでした。加工条件を上げつつ高い面品位も実現できるので経済効果を求められるお客様にとっては非常に活用しがいのある製品だと自負しています。」と笑顔を見せた。
Ecoなホルダ『グリーンG1チャック』とは!?
同社に寄せられた成功事例の一部は以下のとおり。
・刃持が良い。従来は150個が限界だったがグリーンG1チャックに変えたところ250個で加工可能になった。(自動車部品 量産加工)
・従来のツーリングでは、30分を要したアルミの肩削り加工が12分に短縮され、Rの加工面の挽き目が美しくなった。(光学・機器部品など精密加工)
・突き出し量150ミリの長いアルミ加工でもビビらない。安定的に加工ができる。(自動車試作部品・産業用ロボット部品の精密加工)
・本当に削っているのか心配になるほど静かで驚いた。(精密部品 量産加工)
「グリーンG1チャックは特にミーリングチャックから切り替えられたユーザーに高い評価を頂だいています。特に、切削条件を上げて追い込んだ加工時に力を発揮しますので、ぜひ試して頂き、確認をして欲しい。」と自信を見せる。
『グリーンG1チャック』の大きな特長は以下のとおり。
(1)高い触れ精度
他社と違いホルダにコレットをセットした状態で精度を保証。実際の加工に近い状態での測定であるため、実際の使用時に差が出る。
(2)高い剛性
横方向からかかる負荷に耐える力を示す高剛性。ミーリングチャックにも勝る高剛性を持つグリーンG1チャックはエンドミル加工において能力を発揮。
(3)高い把握力
グリーンG1チャックはダブルテーパーのコレットを採用。切削工具をしっかりと把握するので長時間にわたり安心して加工ができ、加工面も美しく仕上がる。
酒巻社長の目標は、「加工現場で『ユキワもってこい!』といわれること。」。現在、着々とファンを獲得している。
■商品へのお問い合わせも受け付けている
【本社】TEL:0258-81-1111(代表)
岡本工作機械製作所 代理店を対象に「PSG会 支部連絡会」を大阪・名古屋・東京で開く
岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏、本社:群馬県安中市)は、去る2月7日に新大阪江坂東急REIホテル(西部支部)、同8日にメルパルク名古屋(中部支部)、同9日にベイサイドホテルアジュール竹芝(東部支部)で「PSG会 支部連絡会」を開いた。
(取材は東部支部)
リモート参加で江連 国内営業部部長があいさつをしたあと、同社の概況について説明をした。それによると昨年度の売上は過去最高となり、今期においては「約10%増の500億円を目指す。」とした。工作機械部門の内外需比率については、「海外が57%、国内が43%となった。国内勢については今後、付加価値が高い高精度機種の販売に注力することで数値の押し上げを考えていく。」と述べたあと、業種別の受注状況についても触れ、「EV関係の増加に伴い、自動車が前年度よりも増えており、半導体と関連が強い産業機械、装置が増加した。主力製品になる平面研削盤の国内シェアに直結するので特に注力をしていきたい。」と意気込みを示した。
また、サービスについても、「国内サービス員は、44名だが、今後も各エリアで増員を計画している。重要視しているのがサービス部品の即納率を上げること。また、機械のダウンタイムを減らすことに焦点を当てて対応していく。」と述べた。
今期の取り組みについては下記の通り。
(1)2024年度は前年並みの受注状況を予測。夏以降に上昇すると想定し種まきを行う。
(2)引き続き好調業種である半導体装置、EV関連に積極的にアプローチを行う。
(3)主力製品である平面研削盤のシェアアップ、丸物下降向けの研削盤の拡大、新型機種投入による新たな市場の開拓を行う。
(4)SDGsを見据えた環境対応の自動化、省人化等の付加価値ある製品の提案を行う。
(5)各種補助金事業、優遇税制、下取りキャンペーン等にてユーザー設備投資を後押しする。
(6)アフターサービスの強化とマシンダウンタイムを減らす。
(7)高効率検索、機上計測、自動・複合・省人化、その他周辺機器メーカーとのタイアップを含め引き続き〝検索革命〟を行って行く。
続いて、「OKAMOTOの歴史と未来」、「脆性材加工の需要とOKAMOTO」、「EV産業における研削盤需要とOKAMOTO」をテーマに、同社若手営業担当者がそれぞれ説明をしたあと、同社の伊藤 取締役技術開発本部長兼営業本部長(以下伊藤取締役)が「2050年カーボンニュートラルの実現に伴うグリーン成長戦略 ~経済と環境の好循環を作るための産業政策~」をテーマに特別講演を行い、近未来に備える工作機械加工の可能性を説明し、参加者は熱心にメモを取っていた。
『〝創〟lution2025』で研削・研磨の可能性を追求
石井社長から中期経営計画について説明があった。それによると、「現在2年目に突入した中期経営計画「〝創〟lution2025」において、研削・研磨の可能性を追求し、研削ソリューションサービスを総合的にユーザーに提供して顧客の価値を高めていくと同時に研削盤市場も高めていきたい。」との思いを述べた。
また、昨年11月に2030年3月期に目指す姿として「〝ビジョン2030〟を発表したが、弊社の強みは高いグローバルシェアを誇る平面研削盤、半導体材料用ポリッシャーである。この強みを活かして、工作機械事業については国外シェアを北米、中国、インドでさらなるシェアアップのために展開し、半導体装置についてはシリコン用化合物半導体材料のグラインダー、ポリッシャーの販売強化を行う。2030年には総売上700億円、営業利益16%の115億を目標にしたい。」と意気込みを示した。
さらに長期ビジョンについて、「世界に類のない総合砥粒加工機メーカーとして、平面研削盤、真空ウエハー研磨装置でグローバル・No.1を目指す。また、株主資本利益率を17~18%を目指して連結配当性向を30%に持っていきたい。」と財務目標についての思いを述べた。
第二部の懇親会では、伊藤取締役があいさつをしたあと、「日本工作機械工業会が発表している1兆5000億円は昨年とほぼ同様の数字であり、市場規模でいうと非常に底堅いといえる。半導体装置の市場規模はリーマンの前のITバブルのときからみると倍になっている。これは日本製の半導体製造装置であり、日本製の半導体製造装置は世界の半導体製造装置の3割のシェアである。したがって半導体清掃装置業界も堅いところである。半導体装置の業界ではウエハーのメモリが挽回してきたので、ウエハーのICの生産量にアプローチする後工程などがかなりの引き合いになってきていると聞いた。これは良いニュースであるし期待できると思っている。」と明るい話題を提供した。
乾杯の発声を植田機械の植田専務取締役が行った。参加者は親睦を深め、宴もたけなわの頃、散会した。
MOLDINO エポック ペンシルディープボールエボリューション EPDBPEATHにフリーネックタイプを24アイテム追加
MOLDINOがこのほど、エポック ペンシルディープボールエボリューション EPDBPE-ATHにフリーネックタイプを24アイテム追加し販売を開始した。各種⾦型の底部にあるフィレット⾯の追い込み加⼯や仕上げ加⼯の⼯程集約に役立つ。
各種⾦型の製造において頻繁に課題となっている加⼯に”隅部”、”深彫り”があり、ユーザーは様々な⽅法で加⼯されている。例えば「⼯具とワークが⼲渉しない様にストレートネックの⼯具を使⽤する」、「ホルダーに⼲渉しないように⼯具の突き出しを無駄に⻑くする」など、「とにかく”⼲渉を気にすることの無い状態”で⼯具を使⽤されることが多いとされている。」と同社。
「これらの場合、⼯具のタオレにより狙い通りの加⼯ができず、再加⼯やゼロカットを繰り返し、結果として加⼯能率が⼤きく低下しがちです。⼀⽅、これらの改善策として弊社はペンシルネックタイプの⼯具を使⽤することを推奨していますが、⼯具の種類が膨⼤になり、⼯具管理⾯で苦労されているユーザーも存在します。」とのことで、このような現状の問題を解決するため同社はこのほど、⼯具の⼲渉リスクを低減し、かつ⼯具集約を実現できる“フリーネックタイプ”のバリエーションを⼤きく拡⼤し、従来品に追加して発売した。
〈EPDBPE-ATH 商品の特徴とメリット〉
(1)深掘り加⼯⽤の超硬ペンシルボールエンドミルです。⾸部テーパ半⾓、⾸下⻑さの豊富なサイズをラインナップ。
(2)ボール部はバックドラフト形状を採⽤、点あたりで切削するのでビビリが低減できる。
(3)ドライでもウェットでも⻑寿命な耐熱コーティング「ATH」を採⽤している。
<フリーネックタイプ 商品の特徴とメリット>
(1)⾸部に段差がないので壁⾯への⼲渉リスクが低減される。
(2)⼯具が加⼯部に届かない時に突き出し量を調整できる。
(3)把持量の調整で様々な加⼯深さに対応できますので⼯具の集約が可能。
〈推奨できる加工用途〉
●EPDBPE-ATH全般:各種⾦型の深彫り加⼯。
●フリーネックタイプ:底部フィレット⾯の追い込み加⼯や仕上げ加⼯の⼯程集約。
〈仕様〉
●EPDBPE-ATH:ボール半径0.1mm〜6mm(285アイテム)
●フリーネックタイプ: ボール半径0.5mm〜6mm(35アイテム)
■価格(税別)
6,140円~61,380円