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サンドビック・コロマント 新製品「CoroMillⓇ MS20」発売開始

サンドビック・コロマントは、このほど、「CoroMillⓇ MS20」の発売を開始した。
この製品は、肩削り、正面フライス、溝加工、ランピング、プランジ加工などさまざまなフライス加工に対応する万能フライスカッターで、最新のテクノロジーを採用することにより、切込み量やアップ、ダウンミリングに拘わらず、切刃上でより優れた寸法精度が得られ、高精度で優れた面粗さの肩削りフライス加工を実現する。
カッターボディは、新しい材質を使用することで、高い疲労強度と耐変形性を実現し、長寿命を達成する。また、大きなチップポケットを設けていることにより、切りくず排出性を向上し、ステンレスや耐熱合金の長い切りくずにも対応できるよう最適化されている。
チップはステンレス鋼(ISO M)および耐熱合金(ISO S)加工向けに最適化されたブレーカの片面2コーナ仕様チップを特長としており、より高いパフォーマンスとより長いチップの寿命を実現する。さらにチップ厚みを厚く一定にすることにより欠けを防止し、軸方向の切込み量に関わらず、安定した性能を発揮する。
ラインナップは、カッター径φ16~φ84㎜の87アイテムで、シャンクは、アーバ取付、円筒シャンク、CoromantCapto、EHカップリング、ねじ式カップリングの5種類。チップはM-M20(オーステナイト系ステンレス鋼用)、M-M30(二層ステンレスとインコネル用)、今冬発売予定であるE-L50(チタン合金用)の3種類のチップブレーカで各被削材用材種 11アイテムを展開している。
DMG森精機 伊賀事業所、2024年度「デミング賞」を受賞
DMG森精機は、このほどグループ最大の生産拠点である伊賀事業所(三重県伊賀市)が2024年度の「デミング賞」を受賞したと発表した。この賞は、戦後の日本に統計的品質管理を普及させ、日本製品の品質を世界最高水準に押し上げた故ウイリアム エドワーズ デミング博士の業績を記念して1951年に創設されたTQM(Total Quality Management)に関する世界最高ランクの賞。 同社は1999年にISO9001の認証を得て以来、その内容の維持発展に努めてきた。グローバルで統一された品質管理システムを導入し、製品プロブレムレポート(PPR)により不具合情報のデータベース化と 早期解決、工場・新機種開発へのフィードバックを行っている。また、社員による日々の業務での「改善提案」制度など、同社独自の取り組みを行ってきた。次のステップへの飛躍を目的に、2017年からTQMを 導入・推進する中で、TQMの本質である「顧客志向」の重要性を再認識した。 同社では、顧客に高品質な製品・サービスを提供し、企業として持続可能な成長を実現するために最も重要な基盤の一つは、社員のモチベーションを常に高く保ち、イノベーティブな集団であり続けることだと考えており、同社には様々な言語・国籍・性別・専門分野を持つ、59国籍・約13,000名の社員が働いている。 同社では、多様性に富んだ組織が団結し、変化する事業環境に機敏に対応し、世界中の子役の多様なニーズに対応するためには、強固な基盤を構築することが重要としており、そこで、2030年にありたい姿を実現するための礎を作る期間として、2023年から3ヵ年の「中期経営計画2025」を策定した。その中核として、DXを用いて、工程集約・自動化を促進し、GX(グリーン・トランスフォーメーション)を実現する仕組みをMX(マシニング・ トランスフォーメーション)と位置づけ、全社でTQM推進に一層取り組んでいる。なお、本賞の授賞式は、11月13日(水)に東京・大手町の経団連会館にて行われる。
2024年9月分工作機械受注総額は1253.6億円
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2024年9月分の受注実績は以下の通り。
2024年9月分工作機械受注総額は、1,253.6億円(前月比+13.2% 前年同月比△6.4%)となった。受注総額は、2カ月ぶりの1,200億円割超も、前年同月比は2カ月連続減少。粘度半期末の効果で内需は増加も欧米はやや勢いを欠く状況。
内需は415.3億円(前月比+29.0% 前年同月比△7.8%)で、年度半期末効果で前月比は3割近く増加し、3カ月ぶりの400億円超。ただ、本年3月(493億円)の水準に比べると、伸び悩み感あり。
外需は838.3億円(前月比+6.7% 前年同月比△5.7%)で、2カ月ぶりの800億円超。欧州・北米は前月比増加したが、前年同月比は3割前後の減少。一方、アジアは堅調水準を維持。
9月の受注は季節要因等で内外需とも前月比増加も、受注回復を実感するのほどの勢いはなく、今後の動向を引き続き注視。
9月分内需
415.3億円(前月比+29.0% 前年同月比△7.8%)。
・3カ月ぶりの400億円超。3月(493億円)に次ぐ本年2番目。
・前月比3カ月ぶり増加。前年同月比25カ月連続減少。
・年度半期末の季節要因により前月比増加もやや力強さに欠ける状況。

(出所:日本工作機械工業会)
9月分外需
838.3億円(前月比+6.7% 前年同月比△5.7%)
・2カ月ぶりの800億円超も、850億円には届かず。
・前月比3カ月連続増加。前年同月比2カ月連続減少。
・アジアは堅調維持も、欧州、北米は9月として2021年以降では最も低い。

(出所:日本工作機械工業会)
日本機械工具工業会 2024年9月分 会員統計生産額まとまる
日本機械工具工業会がこのほどまとめた2024年9月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。■生産額 切削工具 352.3億円(99%)、耐摩耗工具 30.8億円(98%)、総合計 391.1億円(99%)。■ドリル生産額 特殊鋼工具 11.5億円(73%)、超硬工具 37.3億円(107%)、ダイヤ・CBN 1億円(97%)、総合計 49.9億円(96%)。■エンドミル生産額 特殊鋼工具 3.9億円(98%)、超硬工具 34.6億円(101%)、ダイヤ・CBN 1.3億円(84%)、総合計 39.9億円(100%)。■カッタ生産額 特殊鋼工具 1.3億円(229%)、超硬工具 4.9億円(104%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(99%)、総合計 6.6億円(117%)。■ギヤカッタ生産額 総合計 6.4億円(87%)。■ブローチ生産額 総合計 7.4億円(105%)。■ねじ加工工具生産額 特殊鋼工具 28.1億円(87%)、超硬工具 3.6億円(106%)、総合計 31.6億円(89%)。■バイト生産額 特殊鋼工具 0.1億円(59%)、超硬工具 8.6億円(89%)、総合計 8.7億円(89%)。■リーマ生産額 特殊鋼工具 1.2億円(110%)、超硬工具 2.6億円(100%)、総合計 3.8億円(103%)。■鋸刃カッタ生産額 特殊鋼工具 1.2億円(97%)、超硬工具 0.5億円(111%)、総合計 1.8億円(101%)。■インサート生産額 超硬工具 145.3億円(101%)、ダイヤ・CBN 20.7億円(103%)、総合計 166億円(101%)。■ボディ関係生産額 総合計 16.9億円(100%)。■超硬合金生産額 切削用 122.6億円(101%)、耐摩耐触用 14.9億円(98%)、総合計 139.4億円(101%)。
経産省・2024年8月度機械統計 機械工具生産動態調査
経済産業省の2024年8月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。

*機械工具(機械統計)との差はダイヤモンド工具のダイヤモンドドレッサー、グライディングホイール、カッティングソー、セグメント工具、その他ダイヤモンド工具。
*耐摩工具の一部はその他超硬工具に含まれる。
(表出所:日本機械工具工業会)
日本ロボット工業会 2024年7~9月期 マニピュレータ ロボット統計 受注・生産・出荷実績まとまる
ロボット工業会がこのほどまとめた2024年7~9月期のマニピュレータ ロボット統計 受注・生産・出荷実績は次のとおり。■業況 2024年7~9月期は、受注額が対前年同期比9.4%の増加、生産額が同8.4%の減少となった。受注状況をみると、電子部品実装機は底打ち感が鮮明になりつつあり、垂直多関節ロボットを中心としたマニピュレーティングロボットも回復の兆しがあることで、受注台数、受注額ともに実に8四半期ぶりに増加に転じた。 出荷実績をみると、国内向けは、電気機械製造業向けが主要用途である電子部品実装用で減少、自動車製造業向けが溶接用を中心に増加した。用途別では溶接用が大幅増、半導体用も下げ止まりとなった。輸出はマテハン用やスポット溶接用が大幅に減少したものの、実装用や半導体用が大幅に増加した。アジア向けは底打ちに向かう一方で、欧米では減少が続いている。受注・生産・出荷の各状況は以下の通り。 ■受注 ・受注台数(台) : 41,013(前年同期比+0.2%) 【8四半期ぶりの増加】 ・受注額(億円) : 1,762(同+9.4%) 【8四半期ぶりの増加】■生産 ・生産台数(台) : 41,386(前年同期比▲12.7%) 【7四半期連続の減少】 ・生産額(億円) : 1,763(同▲8.4%) 【6四半期連続の減少】■出荷 ・総出荷台数(台) : 43,283(前年同期比▲10.3%) 【7四半期連続の減少】 ・総出荷額(億円) : 1,810(同▲5.8%) 【6四半期連続の減少】 ―国内出荷台数(台): 10,924(同+11.2%) 【6四半期ぶりの増加】 ―国内出荷額(億円): 502(同+9.7%) 【3四半期ぶりの増加】 ―輸出台数(台) : 32,359(同▲15.8%) 【7四半期連続の減少】 ―輸出額(億円) : 1,308(同▲10.6%) 【6四半期連続の減少】■国内出荷内訳[業種別]電気機械産業向け ・国内出荷台数(台) : 3,380(前年同期比▲+8.3%) 【5四半期ぶりの増加】 ・国内出荷額(億円) : 150(同▲2.3%) 【5四半期連続の減少】[業種別]自動車産業向け ・国内出荷台数(台) : 3,573(前年同期比+21.2%) 【2四半期連続の増加】 ・国内出荷額(億円) : 163(同+23.8%) 【2四半期連続の増加】■輸出内訳[用途別]電子部品実装用 ・輸出台数(台): 3,331(前年同期比+21.1%) 【2四半期連続の増加】 ・輸出額(億円): 527(同+19.2%) 【2四半期連続の増加】[用途別]溶接用 ・輸出台数(台): 7,779(前年同期比▲19.2%) 【4四半期連続の減少】 ・輸出額(億円): 195(同▲22.7%) 【4四半期連続の減少】
「JIMTOF2024」~技術のタスキで未来へつなぐ~ 来月11月5日から開催!

日本工作機械工業会(会長=稲葉善治氏)、東京ビッグサイト(社長=前田信弘氏)は、2014年11月5日(火)から10日(日)の6日間、東京ビッグサイトで「JIMTOF2024 第32回日本国際工作機械見本市」を開催するにあたり、10月2日に都内の芝パークホテルで記者発表を開催した。世界最大の国際技術ショーであるこの展示会は、最先端の製品・技術の出展が期待される。
柚原一夫 日本工作機械工業会専務理事は、「今回で32回目を迎えるJIMTOFの出展規模は、社数、小間数ともに過去最多であった前回展を上回り、国内ビジネスショーにおいて最大級のスケールで開催する運びとなった。JIMTOF2024年のテーマは〝技術のタスキで未来へつなぐ〟。このテーマには最先端の工作機械技術製品をJIMTOFから世界に発信することで、製造業のポテンシャルを最大限に生かし、無限に広がる未来への可能性を切り拓いていこうという強い思いが込められている。日工会においては40社以上の会員企業が世界初披露の新製品を出展予定としている。前回はデジタル技術による稼働監視や予防保全、周辺機器類と融合した工程集約や省人化だったが、こうしたものがさらに進化し、JIMTOF2024においては機械類をつないだ生産システム全体の効率化、最適化に向けたソリューションを展示されることが期待されている。」と説明した。
今回のJIMTOFの目玉は、南4ホールに新設した出展社と学生をつなぐアカデミックエリア。このエリアは出展社企業による学生向けのPRコーナー、キャリアマッチングスクエアや、学生が日工会会員の出展ブースを巡る学生ツアーなどの就活コンテンツを盛り込んでいる。全国の理工系の学生を招いて開催する恒例の「工作機械トップセミナー」では、未来を担う人材にものづくりの喜びや醍醐味を感じてもらうイベントとして期待が高い。
また、アカデミックエリアに関しては、旋盤やCAMプログラム体験などを通じて工作機械業界の知見を楽しみながら深めることができる企画展示なども盛り込まれている。
岩瀬和春 東京ビッグサイト常務は、「今回のJIMTOFは東京ビッグサイト全館を使用し、出展規模は世界19の国・地域から合計1,262社、総小間数5,743と60年以上の歴史を持つJIMTOFの中でも過去最大となった。今回の目標来場者数は前回を上回る13万人で、うち海外からは1万3,000人を目標にしている。ものづくり業界の発展の一助となるよう様々な取り組みを進めている。」と述べた。
ナガセインテグレックス 「JIMTOF2024」に向け、新規開発6機種を発表

ナガセインテグレックス(社長=長瀬幸泰氏 本社:岐阜県関市武芸川町跡部)が本年11月5日(火)から10日(日)まで東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2024」に向け、9月26日~27日の2日間、本社にて出展マシンの説明会を開き、新規開発6機種を発表した。今回のJIMTOF2024では、『新たなる「価値」と「市場」の創造 -超越精密-』をテーマに、「超越精密」という新たな概念により、異次元のマシンや加工システムの数々を一挙展示する。
新たなる「価値」と「市場」の創造

長瀬社長は「日本の経済環境は加速度的に変化を遂げている。働き方改革、人材不足、仕事に対する価値感も大きく変わった。その中で人材育成と設備投資、この両輪を高速で回していくことは製造業を強く、前に押し出す原動力になると考えている。日本のなかでイノベーションのマグマが、自動車、半導体、エネルギー分野などに沸いており、新製品が勢いよく出てくるのではないかと確信している。」と期待を込めた。
設備投資についても触れ、「設備投資は新たな仕事を呼び込み、変化が激しい経済情勢のなかで企業を前に力強く進めるための対応力にもなる。また、節税効果もある。イノベーションを待ち伏せできる機械を今まで提案してきたが、今後もお客様に儲けていただく機械をご提供したいと考えている。JIMTOF2024ではNAGASE渾身の新製品と新しい要素技術を用意している。」と意気込みを示した。
今回のJIMTOFでは、独自のマシン開発手法である「IGTARP DESIGNⓇ」(イグタープデザイン)を6機種中5機種に採用し、圧倒的な超越精密と生産性を実現するマシンとして、新世代のミドルレンジ超精密/高精度門型平面研削盤「SGX-126」「SGX-168」、大型金型および部品の加工時間を大幅短縮する超精密門型成形平面研削盤「SGD-3012」、他にはない超精密・超能率ロータリー研削盤「RG-700」、刃物を選ばない超精密ナノマシン「N2C-520」、次世代型サブナノマシン「NSL-280」、さらに業界初のAI砥面観察システム「GRIDE EYEⓇ」、AIを搭載した次世代型研削盤など新規開発機及び多彩な周辺機器を一堂に展示する。
新開発の6機種はコレだ!
(1)超精密門型成形平面研削盤 SGX-126SLS2-Zero3
超精密を超える最高の品質と非熟練化を実現する超精密門型成形平面研削盤として開発したもので、驚異の機械運動精度と圧倒的な加工点の剛性を併せ持つSGXシリーズのハイエンドモデルであり、3点支持高剛性ベッドを採用。テーブル案内面と前後のクロスレール案内面に独自の多面拘束油静圧案内面とリニアモータ駆動方式を採用。平面研削加工に加え、2軸・3軸を同期させた形状創成加工や多数個自動加工を圧倒的な精度と品位で実現する。
省スペースに徹底的にこだわり、従来のシングルコラム機と比較し、設置面積を5割削減した。機械の運動特性を活かし、高精度な機上測定(OP)や多彩な加工システムの搭載が可能。
【仕様】
チャックサイズ:L1200mm×W600mm、砥石径:φ250~510mm×幅38~75mm。
展示会特別使用:AI研削盤仕様、NPXスピンドル仕様。
(2)高精度門型平面研削盤 SGX-168SL2D-Zero3 超能率、加工時間短縮、高精度に徹底的にこだわる高精度門型平面研削盤として開発したもので、特長は、中型サイズの平面研削加工を圧倒的な生産性とコストパフォーマンスで実現する超高剛性・コンパクト構成の高精度門型平面研削盤。3点支持高剛性ベッドを採用。
理想的な本体構造により従来機と比較して加工点の静剛性は2倍、動剛性は1.25倍に向上。砥石軸には15kW高出力モータを採用し、圧倒的な能率加工を実現。処理能力が大幅に向上した独自の強磁式マグネットセパレータにより重研削に対応。省スペースに徹底的にこだわり、従来機と比較し、設置面積を5割削減。
【仕様】
チャックサイズ:L1600mm×W800mm、砥石径:φ250~510mm×幅38~75mm。
展示会特別仕様:スマートエフィシェンシー搭載
(3)超精密門型成形平面研削盤 SGD-3012SLS2B-Zero4 モータコア金型やスロットダイなどの大型金型・長尺超精密ワークの加工に対応する超精密門型成形平面研削盤として開発したもので、史上最高の動剛性を誇る本体構造により、従来の加工能率を飛躍的に向上させる。独自の非接触油静圧案内と高出力リニアモータ駆動の組合せにより大面積の圧倒的な平面精度を実現。超精密な真直運動特性と位置決め再現性、同期運動特性により、機上測定(OP)や多彩な加工システムの搭載が可能。省スペースに徹底的にこだわり、同一加工面積比で業界最小の設置スペースを達成している(NAGASE調べ)。
超精密バーチカルユニット(OP)の搭載により、セッティングを変えることなく大型ワークの端面や傾斜部の加工が可能。
【仕様】
チャックサイズ:L3000mm×W1200mm、砥石径:φ310~510mm×幅38~100mm。
展示会特別仕様:超精密旋回加工軸
(4)超精密ロータリマルチ研削盤 RG-700SLS2-N2 小物部品の多数個同時研削や中型部品、静電チャックなどのセラミックス材の加工に対応するロータリー研削盤として開発したもので、驚異の平面精度と加工能率を実現する他にはない超精密・超能率ロータリー研削盤。
独自の非接触油静圧案内面を採用したロータリーテーブルは圧倒的な平面精度を実現。超高剛性な本体構造と独自の極低振動モータ採用の油静圧スピンドルにより超能率加工にも超精密な鏡面加工にも対応。平面のみならず、テーブル送りと上下軸を同期させた形状加工も自由自在。タッチプローブ(OP)による機上計測も可能。バーチカルヘッド(OP)を搭載した内外研削加工やバイトホルダ(OP)を搭載した切削加工にも対応。
【仕様】
チャクサイズ:φ700mm、砥石径:φ230~355×幅25~38mm。
(5)超精密微細加工機 N2C-520AS3-Zero3 研削、ミ―リング、シェーパー、レーザー、電子ビーム、イオンビームなど、刃物を選ばない超精密ナノマシンとして開発したもので、刃物を選ばない超精密ナノマシン。驚きのスピードで超精密微細加工を実現する。超精密立軸スピンドルは最高12万回転/毎分の超高速回転仕様。最小切込み量は10nm。静的・動的な変形が極小で外乱振動にも強い本体構造。
テーブル最高速度60m/minの超高速運動を実現。独自の非接触油静圧案内と高推力リニアモータ(左右・前後)、ナノ分解能を持つリニアスケールにより驚異の運動特性を実現。
【仕様】
チャックサイズ:L500mm×W200mm、超精密立軸スピンドル最高回転数:12万回転/毎分。
(6) 超精密非球面加工機 NSL-280AS3-N4
究極の繰り返し再現性、ナノメータオーダーの位置決め再現性。前例のない次世代型サブナノマシンを開発したもので、研削加工機能を強化した超精密ナノマシン。SiCや超硬などのレンズ金型からレンズのダイレクト加工まで究極の加工面品位を実現する。本体構造は静的・動的な変形が極小の超高剛性化を実現。前後軸・左右軸の最小設定単位は0.1nm。
独自の油静圧案内とDDモータ駆動の組み合わせによる超精密インデックスを搭載し、かつてない形状精度を実現。理想的な3点指示の除振台により、振動を徹底的に除去。2.5畳半のスペースに収まる驚きのコンパクトサイズ。従来比1/4の省スペース化を実現。
【仕様】
最大ワークサイズ:φ280mm(工具、加工形状等により制限あり)
日本機械工具工業会が「2024(令和6)年度 日本機械工具工業会賞」を決定
日本機械工具工業会(会長=松本克洋 不二越 執行役員工具事業部長)が、このほど「2024(令和6)年度 日本機械工具工業会賞」を決定したと発表した。表彰式は10月23日開催の「2024粘度秋季総会」にて行う。■業界功労賞 牛島 望 氏(住友電気工業 /アライドマテリアル)■技術功労賞(社名50音順)(1)技術功績大賞(0件)該当なし(2)技術功績賞 (9件) ●『均粒・高結晶性WC粉の開発』:アライドマテリアル ●『センシングツールおよびKKDX加工サポート』:住友電工ハードメタル ●『鋳鉄旋削用コーテッド材種「AC4125K」の開発』: 住友電工ハードメタル ●『ステンレス鋼旋削用材種AH6200シリーズの開発』:タンガロイ ●『内径溝入れ工具ADDInternalCutの開発』:タンガロイ ●『「アクアREVOドリル バリレス」の開発』:不二越 ●『汎用ミーリング材種「MV1030」の開発』: 三菱マテリアル ●『高硬度鋼加工用高送り小径複合ラジアスエンドミル』:MOLDINO ●『2枚刃ボールエンドミル「CWLB」の開発』:ユニオンツール(3)技術奨励賞 (1件) ●『低抵抗高速加工ヘリカルエンドミル「ドリミル」』イワタツール■環境賞 (社名50音順)(1)環境大賞(2社) ●タンガロイ ●マテリアル株式会社(2)環境賞 該当なし(3)環境特別賞(2社) ●ニデックマシンツール ●MOLDINO
アマダ DXを活用した製造改革により生産能力を増強

アマダ(社長=山梨貴昭氏)は、このほど、DXを活用した生産方式の改革、間接業務の効率化などにより、板金商品の生産能力を増強したと発表した。
近年、製造業では少子高齢化に伴う労働人口の減少による人手不足が深刻化しているうえ、地政学的なリスクの拡大による一部の部材供給の不足感、短納期化に伴う生産効率への要求の高まりを受け、主力工場の富士宮事業所では、2020年4月に基幹モジュールの生産能力を増強するため、「モジュール工場」を建設。国内外の製造拠点に基幹モジュールを供給してきた。さらに、制御盤や大型部品の組み立てを行う「アマダサテライトパーク」を近郊に建設。これまで分散していたサプライヤーを同パークに集約し連携することで、生産および物流の効率化と生産コストの低減を進めてきた。
従来からの取り組みにくわえて、今回のDXを活用した製造改革により、さらなる生産性の向上、工場全体の効率化、サプライヤーとの連携強化が可能となった。これにより主力ファイバーレーザマシンの生産能力は従来と比較し約30%増強、受注から納入までのリードタイムは20%短縮される見込み。
生産方式の改革
アマダの生産方式は、ブース内で組み立てを行う「屋台ブース生産方式」を基本としている。集中配管が施され、治工具が配置された屋台ブースはその一つひとつがミニファクトリーになっており、組み立てに必要な部品類はキットの形でJIT供給されブース内に配膳される。
屋台ブース生産方式では、組み立て、調整、出荷準備の各チームが順番でブースに入り、10~20日程度のリードタイムでマシンを組み立て出荷する、ブースチーム方式を採用している。この方式は作業習熟度のバラツキをチームとしてカバーし、多能工化が進めやすいメリットがある。一方で、近年マシンの多機能化がより一層進み、仕様、リードタイムの異なる機種の混流生産により、手待ちが発生しやすいという課題があった。また、チームの編成、ブースの割り当てにも多くの管理工数を要していた。
そこで新たな生産方式として、ブースライン方式を主力ファイバーレーザマシンの生産に採用した。これは組立工程を平準化することで工程を1日単位に細分化し、各工程を専門の作業者に任せる生産方式。標準化された作業工程を繰り返すことで、作業習熟度が向上しやすいため、リードタイムが約20%短縮された。
一方で、組み立てに専門的なスキルを多く要する商品や、ブースライン方式の生産計画を超えた商品は、従来のブースチーム方式を併用して生産しているため、フレキシブルな生産体制を維持している。さらに配膳量が多い工程が隣接しないようにブースを割付けることで、配膳エリアを共有し、ブース面積を縮小した。これにより、ファイバーレーザマシンのブース数を1.2倍に増やすことが可能となり、面積生産性は約30%向上した。
間接業務の効率化
アマダは独自の統合生産情報システムとして「AM-HIT’s」を構築してきた。生産座席表を基軸とするこのシステムは、工場の生産能力枠が座席として示されており、受注のあったマシンが登録されシリアルナンバーで管理される。生産座席表から日々の組立日程、加工日程が自動生成され、生産管理システムの「ATS」は生成された日程に基づき、MRPによる生産計画の立案、BOMを参照し部品手配表の作成、発注、在庫管理を行う。
近年、顧客ニーズの高度化により、商品仕様の多様化が進展、生産管理ではマシンの仕様情報や生産計画の確認、修正に多くの管理工数を要していた。調達においても、サプライヤーへの手配情報の修正や納期確認など、双方に大きな負担が生じていた。製造現場でも製造進捗、帳票類の管理が煩雑化していた。
新たな生産管理システム「APEX(AMADA Production Environment Transformation)」は従来のシステムを進化させ、高い生産負荷や多様化する仕様による間接業務の増大に対し、DXを活用することで大幅な効率化を実現した。さらにエンジニアリングチェーンの再構築に向けて、設計BOMに製造BOM、サービスBOMを連携した「統合BOM」を新たに構築した。これにより同一プラットフォームによる技術情報の一元管理と見える化が可能となった。
生産管理では設計情報に基づいた確実な製造手配が可能になった。顧客の要求仕様である確定仕様書の情報から設計仕様情報を経由し、マシンの生産準備に必要な手配情報が生産座席表に自動登録される。さらに実際に製造で使用したシリアルごとのBOMから、顧客のマシンごとに保守用の3Dパーツリストを自動生成することも可能となり、直販・直サービスの同社ならではのSCM、ECMのさらなる連携強化を実現した。
調達においてはサプライヤーとの連携を強化するため、「アマダサプライヤーポータルサイト」を新たに構築した。アマダの生産管理システムから生産計画や発注情報、在庫情報などを、リアルタイムでサプライヤーに共有することができる。さらに技術情報、品質情報、価格情報といった重要な情報も、より一層セキュアな環境での共有が可能となる。サプライヤーが導入している同社製の生産管理ソフトや製造DXソリューションとの連携も予定しており、双方向で生産計画や進捗状況をリアルタイムに共有することで、大幅な間接業務の効率化を見込んでいる。
製造現場ではRFIDタグと組み合わせた電子ペーパーにより、フレームや基幹モジュールなどの内作加工品は、素材の受入れからマシンとして組み立て、出荷されるまで一貫して、所在地、着完情報をリアルタイムに管理している。さらに、マシンのシリアルごとに販売情報、製造情報、品質情報を集約した「シリアルポータル」を構築した。現場作業者はタブレットからアクセスすることで、リアルタイムな生産仕様情報の確認と、管理部門への製造、品質情報の共有が可能となった。
同社では中期経営計画2025における長期成長戦略に向けた活動として、グローバル製造改革による海外への供給体制の強化と、日本、欧州、北米の製造拠点の強化を進めている。
今後も継続的なDXの推進と国内外の工場への水平展開を予定しており、長期ビジョン2030の達成に向け、盤石な製造体制の構築とサプライチェーンのさらなる連携の強化を進めるとともに、人と環境にやさしい次世代のモノづくりを目指していく方針。