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【令和8年 年頭所感】DMG森精機/オーエスジー/アマダ/日立建機
「共に走る良きパートナーでありたい」
●DMG森精機(株) 取締役社長 森 雅彦
新年明けましておめでとうございます。
米国関税や輸出管理の厳格化・長期化などの影響が続く中、工作機械業界の需要は回復の歩みを進めており、着実に上向き傾向にあります。このような環境下において、当社は近年、非常にロバストで高精度な5軸加工機や複合加工機をデジタル技術と組み合わせ、開発を進めてまいりました。当社が提唱するMX(マシニング・トランスフォーメーション)は、単なる製品提供にとどまらず、お客様の生産性向上とGXを実現する付加価値提案として、着実に浸透しています。これにより、工程集約や自動化を実現する5軸・複合加工機の受注比率が高まり、平均単価と粗利益率の改善に寄与しています。
工作機械の安定稼働は、お客様の生産性向上に直結します。昨年本格稼働を開始した、オンラインショップ「my DMG MORI eMarket」では、工具・消耗品・素材といった生産現場で必要なすべてのものをオンラインで迅速に購入できます。さらに、工具選定、加工プログラム作成など、専門的なノウハウが求められる課題を相談できる場でもあります。また、当社は、予防保全やリビルド、オーバーホールを含む包括的なサービスを拡充し、グローバルで迅速かつ高品質なサービス、エンジニアリングを直接ご提供することで、お客様に高付加価値なソリューションをお届けしています。これらのMRO(メンテナンス・リペア・オーバーホール)、スペアパーツ、エンジニアリングは、機械本体に加えて、安定した収益を支える重要な柱であり、今後さらに体制を強化してまいります。
当社は今後も世界中のお客様にとって、信頼できるサポーターであり、コミュニケーターであり、共に走る良きパートナーであり続けたいと考えています。
2025年4月には、改装工事を行っていた奈良事業所(大和郡山市)が、世界最大級のシステムソリューション工場として稼働を開始しました。さらに、第二本社である奈良商品開発センタ(奈良市)の1階にAMイノベーションセンタを開設し、金属積層造形技術と当社が培った切削加工を融合した研究開発を加速しています。これにより、最良の自動化システムやAM技術による革新的なソリューションをご提案できる環境が整いました。
2025年9月にドイツ・ハノーバーで開催されたEMO2025では、「DMG MORI World」というコンセプトのもと、当社の最新技術を結集し、航空・宇宙、モビリティ、金型、医療、データ・半導体の産業別エリアを構成し、未来の製造業を体現する展示を行いました。30以上の自動化を含む40台以上の工作機械、AIを活用した予知保全、そしてGXを支える高効率なエネルギーソリューションを披露し、MXの進化を体感いただきました。
人材面では、社員の健康維持・増進の取り組みが評価され、健康経営に優れた上場企業として、経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄2025」に2年連続選定されました。
今後も、「よく遊び、よく学び、よく働く」の理念のもと、社員一人ひとりが高いアウトプットを発揮できる環境づくりを進めていきます。
本年も、さらなる技術革新と生産性向上を追求し、お客様と共にサステナブルな未来の実現に向けて邁進してまいります。引き続き、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
「ステージ2『勝負の2年目』実行フェーズから“成果創出フェーズ”へ」
●オーエスジー(株) 代表取締役社長 兼 COO 大沢伸朗
2026年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
2025年はトランプ関税に伴う不安要素からのスタートだったものの、その影響もはっきりと見えない中、欧州市場の不振など厳しい1年となりました。国内では高市政権となり日中関係に不安要素はあるものの、これらがこの先どのような影響を及ぼすかについては依然見えてきていない状況にあります。世界経済は依然として不安定で、中国市場の長期低迷や自動車産業の変革、半導体供給問題の波動、品質問題など、製造業を取り巻く環境は一段と厳しさを増していますが、そういった中でも世界的には景気の底打ち感を少しずつ感じています。
そのような中、当社の中期経営計画「Beyond the Limit 2027」は、ステージ2の重要な2年目に入りました。ステージ1で築いた基盤の上に、ステージ2では“実行から成果へ”確実に前進させるフェーズに入ります。この2年目をどう戦い抜くかが、中期経営計画の成否を決める鍵となります。
おかげさまでその象徴的な成果の一つとして、「GREEN TAP」が2025年“超”モノづくり部品大賞を受賞しました。性能と品質を追求しつつ、環境負荷低減を実現したこの製品は、まさにBeyond the Limitの精神を具現化したもので、OSGの技術力と創造力の結晶、全社員の努力と情熱の賜物です。お客様から高い評価をいただき、頂戴しましたこの栄誉に恥じぬよう、さらなる努力を続け発展させて行きたいと考えております。
これまでの常識や成功体験が通用しない時代において、企業が成長を続けるためには、変化を恐れず挑戦を積み重ねることが欠かせません。中期経営計画の達成に「現状維持」は最大のリスクであり、昨日までの自分を超える「はじめの一歩」と、固定観念を打ち破る「脱マンネリズム」こそが、成果を生む原動力となります。小さな改善の積み重ねがOSGの強みである現場力を磨き、外部環境に左右されない強い企業体質をつくります。
2026年度は、Beyond the Limitを実現へと導く“勝負の一年”です。取り組むべきテーマは多岐に亘りますが、ひとつひとつ確実にやり遂げながら、着実に成果を積み重ね、全社一丸となって次のステージへ踏み出してまいります。
最後になりますが、モノづくり産業の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。
「AGICが共創のエンジンとして進化」
●(株)アマダ 代表取締役社長執行役員 山梨貴昭
2026年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年を振り返りますと、米国の関税政策による貿易摩擦や対中関係の不透明感、ウクライナや中東情勢など地政学リスクにより、依然として先行きが見通しにくい状況が続いております。我々モノづくり業界を取り巻く環境は、「人手不足の深刻化」という構造的な課題に直面する一方で、「AIを中心とするデジタル技術の進化」という、課題解決に向けた力強い光も差し込んでおります。
本年3月をもって、2023年度に始動した3カ年の中期経営計画は最終年度を締めくくります。本計画では、商品ラインナップの刷新と付加価値向上による収益性の改善に注力するとともに、長期的な成長に向けた歩みを進めてまいりました。この成長戦略においては、事業ポートフォリオの拡充と提供価値の最大化を目指し、エイチアンドエフおよびビアメカニクスのM&Aを実行しました。これは単なる規模拡大ではなく、新たな顧客層の開拓に加え、大型プレスや微細加工の技術を取り込み、板金加工の枠を超えたソリューション提案を可能にするものです。これにより、e-Mobility、半導体、医療機器といった成長市場に対し、既存ビジネスに捉われない最適なトータルソリューションを提供できる基盤が整いました。
また、お客さまの生産プロセス全体を最適化する「エンジニアリング力」の強化も急務です。その中核を担う「アマダ・グローバルイノベーションセンター(AGIC)」は、最新の加工技術やDXを実証・検証する「共創のエンジン」として進化を続けています。さらに、次世代モノづくりの鍵となる「AIによる知能化」を、デジタル・ソリューションとして具現化してまいります。特にニーズの高い溶接課題に対しては、集積された知見とノウハウを駆使し、より確度の高い解決策を提案してまいります。加えて、「V-factory」や「LIVLOTS」を通じた生産プロセスの可視化と自動化の融合により、工場の知能化を強力に支援いたします。同時に、経営課題である脱炭素・GXについても、プロセス全体の最適化を通じて環境対応ソリューションを拡充します。
今年の干支は丙午(ひのえうま)です。丙(ひのえ)には情熱、午(うま)には行動力の意味があります。アマダグループは新たな目標を掲げ、次なるステージへと踏み出します。干支が示す通り、情熱と行動力を持ってモノづくりの進化をけん引できるよう、お客さまとともにさらなる成長をとげる一年にしたいと考えています。
本年も皆さまの一層のご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
「〝Kenkijin スピリット〟を原動力に」
●日立建機(株) 執行役社長兼COO先崎正文

あけましておめでとうございます。年頭にあたり、ご挨拶を申し上げます。
昨年は、米国の貿易関税政策に代表されるように世界的な経済環境は見通しづらく、油圧ショベルの需要も厳しい状況が続きました。そのような中でも、皆さん一人一人の粘り強い努力と、お客さまに真摯に向き合う姿勢が実を結び、2025年度上期の業績は計画を上回り、通期の見通しも上方修正することができました。これは、私たちが進めている米州・マイニング・バリューチェーン事業の強化という戦略が着実に成果を出している証であり、関係する全ての皆さまに心から感謝申し上げます。
また、昨年は会社のあり方においても大きな変化がありました。2027年4月に予定する「ランドクロス株式会社」および新ブランド「LANDCROS」への移行計画発表です。75年にわたり築いてきた信頼と技術を礎に、独立・自立した経営を行う企業、そしてソリューションプロバイダーとして、次の100年を見据えた成長への重要な一歩となります。
2026年は、現中期経営計画「BUILDING THE FUTURE 2025」の総仕上げを行い、次期中期経営計画がスタートします。新ブランドを育てるためには、皆さんがオープンな姿勢でパートナーと連携し、スピード感をもってお客さまの課題解決に貢献していくことが不可欠です。「Kenkijin スピリット」を原動力にお客さまや販売代理店、パートナー企業の声に耳を傾けてください。
私たちのビジョン「豊かな大地、豊かな街を未来へ 安全で持続可能な社会の実現に貢献します」は、今後も変わることはありません。このビジョンを礎に、LANDCROSを誇れるブランドへと育て、次の100年に向けて新たな歴史を築き上げていきましょう。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
MOLDINO 微細超深穴加工用ドリル エポックマイクロステップボーラーSエボリューション「EMSBSE-PN」を新発売 ~鋼材・非鉄に最大L/D=50の小径深穴加工が可能~

MOLDINOがこのほど、微細超深穴加工用ドリル エポックマイクロステップボーラーSエボリューション「EMSBSE-PN」を発売した。
同社では微細深穴の切削加工において、それまでのドリル設計の常識を覆す独自の切りくず排出機構を持つエポックマイクロステップボーラーS「EMSBS-TH」を2010年に発売しているが、ユーザーから高い好評を得ていた一方、切削による穴加工はドリル径で加工穴サイズが決定される。このため愛用者から微細穴領域においてさらなるサイズ拡大への要望が寄せられていたことを受け、今回、従来商品をポリッシュアップし、ラインナップを大幅に拡大した。鋼材・非鉄の微細深穴加工(半導体検査装置部品、ノズル口金等)に威力を発揮する。
商品の特長とメリット

(1)鋼材・非鉄の高精度微細深穴加工を実現するマイクロステップ加工専用の設計。
(2)独自の切りくず排出機構と刃形により、最大L/D=50の小径深穴の加工が可能。
(3)細穴放電に比べ、バリの抑制や穴精度・加工面が改善される。
(4)PNコーティングの採用により、従来品に比べ長寿命。
(5)従来品に対し工具径のサイズを大幅に拡大した。直径0.04~0.3mmは0.01mm刻みのラインナップ。
■仕様
工具径Φ0.04~Φ1.0(162アイテム)
オーエスジーが2製品の発売を開始
オーエスジーがこのほど、DLC超硬エンドミルロング形「AE-TL-N」にチップブレーカタイプ(-N)を追加するとともに、2枚刃CBNボールエンドミル「CBN-FB2」の販売を開始した。
非鉄用DLC超硬エンドミルロング形 AE-TL-N チップブレーカタイプ(-N)
非鉄金属は被削性が高く、高能率加工が可能だが、加工中に大量の切りくずが発生し堆積することで、加工の安定性や効率に支障をきたす場合がある。今回追加したチップブレーカタイプは切りくずを細かく分断、エアーや切削油剤での切りくず除去を容易にすることで、
機械の連続稼働を可能にした。
さらに、チップブレーカの角にRをつけることにより、チッピングを防止し、加工面の筋残りを低減する。コーティングは耐溶着性や潤滑性が求められるアルミニウム合金などの非鉄金属に抜群の威力を発揮するDLCコーティングDLC-SUPER HARDを採用した。
■サイズラインナップ
【ラジアス】
・3D刃長 φ6×18×R0.3-N~φ20×60×R0.5-N 19アイテム
・5D刃長 φ6×30×R0.3-N~φ20×100×R0.5-N 19アイテム
【スクエア】
・3D刃長 φ6×18-N~φ20×60-N 6アイテム
・5D刃長 φ6×30-N~φ20×100-N 6アイテム
2枚刃CBNボールエンドミル CBN-FB2

耐摩耗性・耐熱性に優れたCBN焼結体を工具材質とするCBN-FB2は、高硬度鋼の高速加工においても刃先の摩耗進行を抑制するため、工具交換無しで高速・高精度な仕上げ加工が可能。刃先にマイクロレリーフを採用することでボールR部の形状変化を最小限に抑え、高品位な加工面精度を実現した。
さらにロースパイラル形状で切れ味と剛性を両立。高い加工精度を長時間維持することでリードタイムの短縮に貢献する。
また、シャンク精度-0.001/-0.003の超高精度仕様と、最適化されたシャンク長でたわみを低減し、加工設備の性能を最大限に引き出す。
■サイズラインナップ
・CBN-FB2 R0.1~R1.5 59アイテム
不二越 油圧ユニット「NSパック type-S」と真空脱脂洗浄装置「NVD-10HP」が2025年度省エネ大賞『省エネルギーセンター会長賞』を受賞
不二越が省エネルギーセンターの主催する「2025年度省エネ大賞」において、同社の同期モータ搭載の省エネ油圧ユニット「NSパックtype-S」および省エネ真空脱脂洗浄装置「NVD—10HP」の両商品が、製品・ビジネスモデル部門の「省エネルギーセンター会長賞」を受賞した。
省エネ大賞は、企業等における優れた省エネ・脱炭素の取り組みや先進的で高効率な製品やビジネスモデル等を表彰する制度。「NSパックtype-S」は、同期モータの採用とポンプの高効率化に加え、モーターファンを有効活用する構造見直しによって圧倒的な省エネを実現したこと、「NVD-10HP」は、大幅な消費電力の削減に加えて、低温運転により引火リスクも低減され、安全性と経済性、省エネ性を両立した先進的な洗浄装置であることが評価され、今回の受賞に至った。
なお、2026年1月28日(水)から東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されるENEX2026「第50回地球環境とエネルギーの調和展」の初日に表彰式が行われる。
製品・ビジネスモデル部門「省エネルギーセンター会長賞」受賞商品の概要
■同期モータ搭載の省エネ油圧ユニット「NSパックtype-S」

① 可変容量ポンプとインバータ制御により、 最もエネルギー効率が良い運転状態を自動で選択。
② 油圧ポンプのエネルギー効率の改善や超高効率の同期モータの採用により、従来の油圧ユニットに比べ、消費電力を最大で74%削減。
■省エネ真空脱脂洗浄装置「NVD-10HP」

① 低温洗浄が可能で、洗浄液加熱に必要なエネルギーを削減し、省エネ性が向上
② 高効率なヒートポンプの採用により、 消費電力を従来品(NVD—10E)比で50%以上削減。
日本能率協会 優良工場表彰制度「第14回 2026 GOOD FACTORY賞」決定
日本能率協会(JMA、会長=中村正己氏)は、日本およびアジア地域で生産活動を行う製造業の中から、生産性・品質向上や改善活動に顕著な成果をあげた工場を表彰する「GOOD FACTORY賞」を2011年に創設し、優れた取り組み事例の発信に努めてきたが、このほど第14回受賞企業として、Premium Steel Processing、花王、セイコーエプソン、関ケ原製作所、デンソー、トヨタ自動車、本田技研工業の8工場/事業所を選出したと発表した。
「GOOD FACTORY賞」は、地域や従業員との強固な関係構築、工場全体の総合的改善や競争力強化に挑戦し、他社の模範となる優れたモデルを表彰するもので、生産性・品質向上のプロセスや成功要因、現場の知恵、従業員の意識改革、さらには社会貢献など、ものづくりの価値を総合的に評価する。
さらに今回、「GOOD FACTORY大賞」を新設。本賞は、過去の受賞工場が表彰対象で、受賞後も継続的に活動を深化させ、企業文化として定着させた取り組みを総合的に評価するもので、初の「GOOD FACTORY大賞」には、2011年に「ものづくり人材育成貢献賞」を受賞したTOYOTA MOTOR THAILAND ( TMT Gateway Plant )が選ばれた。

2025年11月分工作機械受注総額は1,370.1億円
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2025年11月分の受注実績は以下の通り。
2025年11月分工作機械受注総額は、1370億05百万円となった。前月比は△4.5%で3カ月ぶりに減少したが、前年同月比は5カ月連続増加の+14.8%で、3カ月連続で1,350億円を上回った。月により若干の増減はあるものの、年央までと比較して、外需を中心に需要の高まりが感じられる。
このうち内需は、前月比で△10.4%(2カ月連続減少)、前年同月比で△6.8%(3カ月ぶり減少)の319億87百万円で、3カ月ぶりに350億円を下回った。最大需要区分である「一般機械」(130億円)は、データセンタ、エネルギー関連、建設機械等での受注が比較的目につくものの、産業機械全般として活力に乏しく、9カ月ぶりに130億円を下回った。
「自動車」(67億円)も3カ月ぶりに70億円を下回ったが、前年同月比は2カ月連続で20%を超える増加幅であり、秋口からの緩やかな改善が持続している。「航空機・造船・輸送用機械」は2カ月ぶりに30億円を超え、航空・造船とも引き続き設備投資に前向きな姿勢が感じられる。
外需は1,050億18百万円となり前月比△2.5%で3カ月ぶりに減少しているものの、過去4番目の高水準の受注額であり、北米・アジアは高原状態が持続している。また、欧州も緩やかながら改善に向けた動きが窺える。
先月初めて月ベースで75%を超えた外需比率は、76.7%と2カ月連続で過去最高を更新した。地域別に見ると、北米(294億円)は航空機関連や自動車関連での大型受注の剥落が響き、前月比で△12.3%と4カ月ぶりに減少したが、3カ月ぶりに90億円を超えた「一般機械」(93億円)をはじめ、「金属製品」(33億円)、「電気・精密」(26億円)等前月比で増加した業種もあり、北米全体として高水準の受注が持続している。「欧州」(181億円)は前月比で約1割減少したが、直近1年の平均受注額(160億円)を大きく上回り、前年同月比は5カ月連続で増加した。「アジア」(543億円)は、3カ月連続で前月比・前年同月比とも増加し、3月(555億円)に次ぐ本年2番目の高受注額となった。なかでも中国(381億円)は、「電気・精密」が複数の大型受注により32カ月ぶりに90億円を超えたほか、「自動車」も2カ月ぶりに130億円を上回り、同国全体として54カ月ぶりに380億円台に乗せたのが目を惹く(過去3番目の受注額)。インド(59 億円)も4カ月ぶりに55億円を上回った。
11月の工作機械受注は、前月同様、外需の伸びが寄与し、概して好調に推移。受注の先行きは、国際情勢が落ち着きを模索するなか、概して堅調ながら慎重な動きもあり、終盤の需要増に期待。
受注額の月別推移

(出所:日本工作機械工業会)
11月分内需 319.9億円(前月比△10.4% 前年同月比△6.8%)
内需総額は、319.9億円(前月比△10.4% 前年同月比△6.8%となった。
3カ月ぶりの350億円割れの低調な推移。主な需要業種は、前月比で「航空・造船・輸送用機械」を除く業種で減少、前年同月比では「一般機械」、「電気・精密」が減少し、内需は低い水準となった。
・⼀般機械は前⽉⽐で2カ⽉連続減少、前年同⽉⽐は2カ⽉ぶり減少で、やや低調な推移。
・建設機械は7カ⽉連続10億円には届かずも、概して堅調に推移。
・⾦型は、3カ月連続14億円超え、2025年の暦年の中で1番⾼い受注額で堅調な推移。
・⾃動⾞向けは、前⽉⽐で減少、前年同月比は増加となっている。近年の「年平均レベル」をみると22年の平均レベルをピークに加工している。
・依然低水準ながら、上期と比べ、新車対応投資や更新投資が一部に見られる。

(出所:日本工作機械工業会)
11月分外需(1,050.2億円 前月比△2.5% 前年同月比+23.6%)

(出所:日本工作機械工業会)
外需総額は1,050.2億円(前月比△2.5% 前年同月比+23.6%)となった。
・前⽉⽐は3カ⽉ぶりの減少も、前年同⽉⽐では14カ⽉連続増、15カ⽉連続の800億円超えと好調な推移。1,000億円超えは2カ⽉連続、2025年暦年で3回目。
・外需は、需要の不透明感が払拭されないなか、一部需要業種で投資が見られ、緩やかながらも増加基調が続いている。
①アジア
アジア計は、2カ⽉連続の500億円超え。
・東アジアは8カ月ぶりの400億円超え。
・中国は3カ月連続の300億円超え、2025年暦年で一番高い受注額。
・その他アジアは7カ月連続の100億円超え。
・インドは2025年暦年の平均水準で推移。
②欧州
欧州計は3カ月連続150億円超え。
・ドイツは2カ月連続の40億円超え。
・イタリアは2カ月連続の25億円超え。2カ月連続2025年の平均より15%高い受注額。
③北米
北米計は前月比、前年同月比で増加し、10カ月連続の250億円超。
・アメリカは前月比で減少も前年同月比増加。
・メキシコは3カ月ぶりの20億円割れ。
・⼀般機械は、2カ⽉連続300億円超え。
・⾃動⾞は、前年同⽉⽐で10カ⽉連続増加し、4カ⽉連続の200億円超え。
・電気・精密は、前年同⽉⽐では微減も、前月比で大きく伸び、2カ⽉連続150億円超え。
・航空・造船・輸送⽤機械は、前⽉⽐で減少し、3カ月ぶりの90億円割れ。

(出所:日本工作機械工業会)
今後の見通し
設備投資の周辺環境を見渡すと、恒常的に自動化・高効率化、環境対応に関する需要が見られ、長らく設備投資を抑制してきたユーザを中心に老朽機更新の必要性が高まっている。各国の通商政策や国際関係、主要業種の需要動向に不確実性がある中、中小企業ユーザを中心にタイミングを測る様子も窺えるが、上述の通り、秋口以降外需を中心に、設備投資が一段高い水準にて進み始めた可能性もある。
各地域別に展望すると、まず北米は、米国による一連の関税措置に対する警戒感が幾分緩和されつつある他、航空機や自動車、建設機械等で今後も大口受注が続くと見られる。また、FRBの利下げ実施により資金調達が容易となった中小企業ユーザにとって設備投資は行いやすくなると考えられる。
次に、欧州景気に対する会員の見方は依然評価が分かれているが、受注額に関しては10月が200億円超、11月も180億円超となるなど、このところは昨年年央以降の水準を超えて推移している。ウクライナ情勢で和平に向けた機運が高まれば、より安定的な回復が期待される。更にアジアを見ると中国は、これまでけん引役であった自動車関連需要がピークアウトする可能性がある一方、半導体デバイス関連では輸出製品向けで高水準の受注が見込まれている。インドも、自動車や自動二輪、農業機械等での受注が持続すると見る会員が多い。
内需については、過去数カ月緩やかに上向いていた一部自動車関連で、設備投資計画を増やす動きが窺えるものの、一時的動きと見られ、納期短縮のための能力増強投資及び老朽設備の更新投資が続くと考えられる。航空・造船分野での需要拡大への期待感も根強い。また、国内外を通じてAIのデータセンタ増設・増強に関する設備投資の広がりも指摘されている。
こうした中、日工会が12月上旬に会員企業を対象に実施した、2026年1~3月期の受注見通し調査のDI値は△1.5ptと2四半期ぶりの「減少」超となった。景況判断を下方修正した会員からは、「受注が大きく増加した本年下期からは若干落ち着く」との見方や、「米国で輸入物価が高騰し景気は下押しとなる可能性」、「中国での自動車関連需要の減少」等への警戒が窺えるが、2026年全体としては、概ね本年よりも良好な受注状況を期待したい一方、米国での100%即時償却の恒久化措置、中国での内需拡大を主眼とした積極財政方針、我が国での大企業を対象に含めた投資促進減税案など、主要国での税制・政策措置への関心が高まっており、今後受注に及ぼす効果について注視していくとした。
日本機械工具工業会 2025年11月分 会員統計生産額まとまる
日本機械工具工業会がこのほどまとめた2025年11月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。■生産額 切削工具 362.7億円(99%)、耐摩耗工具 31.7億円(102%)、総合計 402.3億円(99%)。■ドリル生産額 特殊鋼工具 12.6億円(114%)、超硬工具 42.5億円(114%)、ダイヤ・CBN 1億円(96%)、総合計 56.1億円(114%)。■エンドミル生産額 特殊鋼工具 4.7億円(98%)、超硬工具 36.9億円(93%)、ダイヤ・CBN 1.6億円(112%)、総合計 43.1億円(94%)。■カッタ生産額 特殊鋼工具 1.4億円(102%)、超硬工具 6億円(113%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(96%)、総合計 7.8億円(110%)。■ギヤカッタ生産額 総合計 5.2億円(93%)。■ブローチ生産額 総合計 7.8億円(99%)。■ねじ加工工具生産額 特殊鋼工具 31億円(103%)、超硬工具 3.8億円(105%)、総合計 34.9億円(103%)。■バイト生産額 特殊鋼工具 0.1億円(109%)、超硬工具 8.3億円(100%)、総合計 8.4億円(100%)。■リーマ生産額 特殊鋼工具 1億円(81%)、超硬工具 2.4億円(107%)、総合計 3.4億円(98%)。■鋸刃カッタ生産額 特殊鋼工具 1.3億円(107%)、超硬工具 0.6億円(135%)、総合計 2億円(115%)。■インサート生産額 超硬工具 132.1億円(88%)、ダイヤ・CBN 21.6億円(101%)、総合計 153.6億円(90%)。■ボディ関係生産額 総合計 15.6億円(91%)。■超硬合金生産額 切削用 119.6億円(93%)、耐摩耐触用 15.2億円(101%)、総合計 137.5億円(95%)。
経産省・2025年10月度機械統計 機械工具生産動態調査
経済産業省の2025年10月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。

*機械工具(機械統計)との差はダイヤモンド工具のダイヤモンドドレッサー、グライディングホイール、カッティングソー、セグメント工具、その他ダイヤモンド工具。
*耐摩工具の一部はその他超硬工具に含まれる。
(表出所:日本機械工具工業会)
アマダ 「新しいソリューションで広がる可能性 ~厚板加工の最前線~」をテーマに厚板ソリューションイベントを開催

アマダが11月21日(金)~22日(土)の2日間、同社グローバルイノベーションセンター(AGIC)(神奈川県伊勢原市石田)で「新しいソリューションで広がる可能性 ~厚板加工の最前線~」をテーマに厚板ソリューションイベントを開催した。
3名の登壇者により、厚板の加工における作業課題を解決する最新ソリューションが紹介され、その後、場所を移動して実機デモンストレーションが行われた。
来場者の中には加工する板厚や材質が多岐にわたり、①加工条件の設定などに大幅な時間と労力を使っている、②プラズマ切断やガス溶断で精度が求められる、③厚板加工に対応できる高性能なマシンが限られる――――といった悩みを持つ人も多く、昨今では環境負荷低減や働き方改革といった企業の持続可能性に直結する重要なテーマへの対応も喫緊の課題となっている。今回同社では、これらの課題を解決するためのソリューションを提案するのが狙い。
新製品『VENTIS-6225e』

新製品の『VENTIS-6225e』は、8‘×20’材に対応した新型レーザマシン。最大加工寸法は6200mm×2580mmで、最新型NC装置は『AMNC4ie』、棚システム『AS6225』とバラシ・仕分けの自動化を担う『TK6225L』で大板市場に見られる機能を多数搭載している。
今回はひとつのモジュール9㎾出力を実現している。従来の光と比較し、光の品質を高めているのもポイントだ。鋭い光を使って、光の軌跡で丸や八文字を描いたり自由自在に制御する機能を〝LBCテクノロジー〟と呼び、これにより余計な熱を抑えることができ、6㎾では、厚板25mmまでの安定加工が可能になった。
メーカーの異なる材料を一気に加工もでき、9㎾ではさらに安定加工材料を一気に拡大し32mmまで様々な材質で切断、フルカバーパーティーションの中で粉塵を集塵機で吸引することでクリーンで安全な作業環境を実現する。さらにY方向にコンベアを搭載し、スクラップを自動排出する。
NCには加工点をかんしできるカメラを搭載し、いつでも加工の様子を拝見できるようになっている。
最新型NC装置『AMNC4ie』は、カメラによる顔認証システムを採用し、オペレーターごとに使用する言語や作業レベルの切り替えが可能で、モバイルHMI機能搭載では遠隔スタートとストップが可能であり、さらに端材ネスティング機能では、オプションのカメラを選択すると材料の空いたスペースをマシンが自動認識して板取りをすることが可能。他にも従来と比較したCO2排出量の表示など、環境に配慮した経営を支援する。
オペレーターの作業を簡素化するソリューションと自立搬送ロボット『AMTES-500』

今回、工程間の自動化に貢献する板金工場に対応した自律搬送型ロボット『AMTES-500』も披露された。これはバラシ、片付け後の自動搬送を行うことができるもので、デモンストレーションでは、台車の搬送作業を披露した。マシンと連携して設備内のパレット次工程や、中間棚に自動搬送することもできる。
搬送対象は1100mm角のプラスチックパレット上に乗った最大500kgのものを搬送することができる。搬送作業を自動化することで、効率的に次工程搬送ができることだけでなく、思わぬ配膳ミスや在庫と所在の管理にも役立つ。
人手作業を自動化した様子に来場者も興味津々だった。
高剛性特化仕様ベンディングマシン『HRB350』
厚板加工では非効率なワーク、多様な金型の選択、高負荷で危険伴うといった課題があるが、同社ではこれらに対し、〝高剛性〟を持って解決するという。それが高剛性特化仕様ベンディングマシン『HRB350』だ。
このマシンは、加圧能力3500kNのハイパワーを維持しながら、サークサイズは小さく、「マシン設置スペースをコンパクトに押さえたい」というユーザーの声に答えて、競合にはないハイパワーと省スペースの両立を実現したマシンだ。注目は金型の取り付けの自由度が広がり、厚板加工で必須である大型な金型が載せられないといった課題を解決するワイドベッドだ。同社の大型機がテーブル175mmのところ、このマシンは約1.4倍の250mm幅の角テーブルに設計している。これにより金型サイズに制限されることなく、余裕をもって厚板を曲げることができる。
また、パッケージの強度をアップしている。最も重要な特長は、マシン単体ではなく、中間板、金型を含めトータルで高剛性を設計していること。厚板曲げ加工では、パンチが前後に現れる挙動が発生するが、これをしっかり押さえるため、このマシンでは専用の中間板を装備している。
日本金型工業会「第52回金型の日」記念式典を開く

日本金型工業会(会長=山中雅仁 ヤマナカゴーキン社長)が11月25日、「第52回金型の日」記念式典をANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋(愛知県名古屋市中区金山町)で開いた。
金型の日は昭和32年11月25日に日本金型工業会が設立されたことから、毎年11月25日を金型の日と定め、昭和48年から記念式典を開催している。なお、68年前の創立総会は、東京の八芳園(東京都港区)で開催された。当時は全国から154名の金型経営者の参加を経て設立参加会員数は259社でスタートした。
最初に金型の日記念式典の運営責任者である山田徹志副会長(日章社長)の開会宣言ではじまり、続いて、会長祝辞として同工業会第11代会長の山中会長があいさつをした。
山中会長はあいさつのなかで、「日米関税交渉により自動車関税は27.5%から15%に引き下げることで合意したがグローバルの通商環境の変化がもたらす影響により、自動車産業によっては、とってはコスト削減、生産体制の再編、サプライチェーンの再構築などが喫緊の経営課題となっている。業界は生産性向上や付加価値、新商品、新市場、新市場の展開など、複数の下見を想定した経営の舵取りが求められている。金型の日は金型工業の認知度向上と今後のさらさらなる発展を期して制定されたものであり、金型業界は、厳しい環境であっても、ワクワクする、魅力ある防止として持続可能であると確信している。技術革新は、金型つくりを大きく変える可能性があることは言うに及ばず、お客様に課題解決のベストソリューションを導く重要なツールとして生産性向上や新たな価値創造に加え、高齢化、人口減、カーボンニュートラルなどの我々が直面する社会課題の対応に繋ぐものがある。」と金型の重要性を示した。
永年勤続優良従業員表彰式のあと、国家褒章者への記念贈呈が行われた。
来賓を代表して経済産業省製造産業局素形材産業室の大今宏史室長があいさつをした。この中で大今室長は、「金型の日は、わが国ものづくりの基盤を支える金型産業の認知度向上とさらなる発展を期待して制定された記念日と聞いている。この記念式典に多くの関係者が一堂に集まり、業界の歩みを振り返るとともに、さらなる金型業界の発展につなげていくことを祈念している。」と声援を送った。
内原康雄 NCネットワーク社長を招き、「金型メーカーの挑戦! ~グローバル化、対応力強化、人材育成~」をテーマに基調講演が行われた。
場所を移して懇親会が開かれ、宴もたけなわのころ散会した。
